はてなキーワード: ハスキーボイスとは
コーヒーはコーヒーだとしか思えず、美味いとか不味いとかいう感情が出てこないのだ。
そんな俺でも、たまにカフェを利用したい気分に駆られることがある。
そういうとき利用するのは、近所の『タコトバッキョウシ』という店だった。
少し前までは客引きのために色々なサービスを実地していたが、紆余曲折あって今はこじんまりとしたブックカフェに落ち着いている。
メニューも取り立てて特別なものはないが、地元の常連客に親しまれ、俺もその店に漂っている独特な空気感が嫌いではない。
「おや、いらっしゃいマスダくん。久しぶりだね」
店内を見渡す。
以前と、まるで変わっていないことに安堵感を覚える。
多少の違和感もあるが。
「やあ、マスダ」
「おっす」
店にいたタケモトさんと、センセイが吸っていたタバコの匂いが、その違和感の正体だ。
「バス以外でセンセイと会うのは珍しいですね。しかもこのカフェにいるなんて」
「好きな銘柄が売ってるタバコ屋がこの近くにあったんだ。で、すぐ吸いたいときは、このカフェにいるって感じ」
「二人ともタバコ吸うんですね」
「オレは厳密にはパイプでアロマやってるだけなんだが、まあ広義的にはタバコっちゃあタバコか」
匂いを気にしていたのが顔に出ていたのか、気づいたマスターが換気扇のスイッチをパチパチといじる。
「一応、換気扇はフル回転させるけど、それでも気になるなら我慢してね。うちは禁煙席とかそういうのないから」
俺は軽く会釈すると、センセイたちのいる場所から離れた席に座った。
まあ、それがこの店の方針なら従うが。
「パイプで色々と試してみたけどさ。何だかんだでバニラに行き着いたな。燻製でいうサクラと一緒だ」
「私は別にこだわりはないですが、初めて吸った銘柄が『シーネー・ジパング』だったので、以降はずっとこれですね。愛煙家で好きな人は少ないですが」
「ワシはあくまで香りを楽しむ派ですな。吸いはしませんが、葉巻だと『ヲッチャ・コッカイ』あたりを……」
俺は話の輪に入れないというか入る気もないが、タバコの近年の状況を顧みると、ああやって朗らかでいられるこのカフェはタケモトさんたちにとって特別な場所なんだな。
だが、その時である。
新たな来客がドアを勢いよく開けて入ってきた。
店内に静寂が漂う。
その来客からみれば俺たちは見知った相手ではなかったが、俺たちからすれば知っている人間だった。
「ふう~、まいった。いきなり降り出してきた……」
この町の市長だ。
まだ何も起きていないが、これから何かが起きる。
そしてそれは絶対にロクなことじゃない。
そんな予感がした。
ハスキーボイスとハスキー犬の“ハスキー”はスペルは同じだが語源は異なる。
ハスキーボイスのハスキーは、トウモロコシの皮の意味のhuskからきている。そこから、乾いた殻、からからのしゃがれ声のという意味になってハスキーボイスという言葉が出来た。
一方、ハスキー犬の方は、エスキモーからきている。エスキモーというのは、もともと雪靴をはいた人のことだったが、それが、“ハスケモウ”や“ウスケマウ”というふうになまり、それを短く縮めて、ハスキーと呼ぶようになった。始めは人のことを言っていたが、後にエスキモー犬の事をさすようになり、ハスキー犬となった。ハスキー犬のハスキーは、英語で、たくましくて、強い、がっしりした、頑丈なという意味。
スティーヴン・タイラーはハスキーボイスがカッコ良い代表格じゃないですか。
彼女とは昨年宮古島で出会いました。何かの打ち上げで知人に連れて行ってもらったスナックで、別テーブルで飲んでいたところ、彼女から私たちの席に移りたいと希望して、言わば逆指名のような形で席に着いたのが彼女でした。
細身でハスキーボイスの整った顔立ちにコテコテの関西弁。場を盛り上げるのも上手でリアクションも大きく、笑い転げた時に、「あ、パンツ見えた?」などと言ってくる開けっぴろげな女性でした。その後席を立った彼女がトイレに行く際、「これ、私のLINEのID」と言って私の胸ポケットに小さな紙を差し入れてきました。
店が終わった後、みんなでもう一軒飲みに行き、閉店まで飲んだ後、私が彼女を寮まで送って行きました。歩きながら彼女は私の事を、「一目見た時からタイプやった。なんの得もないのに自分から席を移るって言ったらボーイからなんで?って聞かれて困った。」などと話してくれました。
私は指輪が苦手で、普段から結婚指輪をしていませんでしたので、なかなか所帯持ちだとは言い出せなかったのですが、寮まで送り届けた時にその事を告げると、「なんや、結婚してたんか。残念やわ。」と彼女は泣き出しそうな顔になりました。
正直言って少し下心があったので、もう少し飲んで話さないかと彼女を家に誘いました。少し考えながらも彼女は了承し、着替えてくるから待っててと言って寮へ戻っていきました。
階段の下で彼女の着替を待つ間、妻が留学していて不在である事をいい事に浮気をしている自分に罪悪感を感じていましたが、私の頭の中はこんなチャンスは人生にもう無いかも知れない、と思ういやらしい心の方が理性よりも比重を占めていました。
しばらくして着替え終わった彼女は白地に花柄のサマードレス姿で現れました。階段から降りてくる彼女の姿を見て、息を飲むほど美しかった事を今でも覚えています。
夜明けまで一緒に過ごした後、彼女を寮まで送り届けました。お互い口に出したりはしませんでしたが、この関係は一夜限りという認識だったと思います。
彼女は今の店のママさんと折り合いが悪く、もっと条件のよいお店で働くため、店を無断で辞めて今日の飛行機で石垣島へ行く予定だと教えてくれました。
私は彼女の存在が妻にバレると面倒な事になると思い、彼女のLINEも電話番号も削除しました。
その後、仕事で石垣島へ行く事になり、そういえば彼女は元気でやってるかなと思い出しました。次に働くと言っていたスナックへ酔った勢いで一人で入ってみたところ、接客中の彼女は私にすぐに気づき、照れとも喜びともつかぬ笑顔で迎えてくれました。
電話番号を消してしまった事を告げ、もう一度番号を聞いた後、店が終わったら後で行くからと、別のバーで待つようにと彼女は言いました。バーで落ち合った後、その後彼女の家に泊まりに行きました。その後また石垣島に行った際も、ずっと彼女の家に泊まりました。
いけない事だとは分かっていましたが、それでも彼女の事が好きでした。しかし卑怯な私は、いつも最後には浮気という罪悪感にかられ、別れ際にハグやキスをして欲しそうな彼女の表情に気付きつつも、いつも逃げるように石垣島から帰っていたように思います。
そして、私が妻の留学先へ訪ねて行く事になったので、その期間は連絡しないで欲しいというニュアンスを遠回しに彼女に伝えたところ、彼女は短い文章で、「他に好きな人ができたから、連絡してこなくていい。奥さんと仲良くやって。」と伝えてきました。
確信はありませんが、私はこれが彼女の優しさで、嘘をついてこの関係を終わらせようとしてくれているのだと思いました。「ありがとう。元気で。」と返信し、私は彼女のLINEを削除しました。
でも電話番号は残しておきました。登録の名前は彼女が可愛がっていた犬の名前にしました。
妻を訪ねては行ったものの、離れて過ごす時間が長かったせいか、再会した直後から違和感を感じ、結局口論の末に離婚する事にお互い同意しました。予定を切り上げ、私は帰国しました。
帰国後、離婚する事を彼女にSMSで送信しましたが、返事はありませんでした。私は離婚を機に宮古島を離れ、誰も知り合いのいない場所で一からやり直そうと思い、福岡に引っ越しました。
引っ越して一月ほど経った頃、急に彼女がLINEに復活し、また頻繁にやり取りをするようになりました。その頃、彼女は喜界島に住んでいるとの事でした。
「福岡はなかなかいいところだから、今度遊びにおいで。」と誘い、「気に入ったら引っ越してくればいいよ。」と伝えると彼女は色々と福岡の事を調べ始めたようで、あの店に行きたい、あれが食べたいなどと私よりも福岡に詳しくなっていました。
「犬もいるし、まだ仕事先の店を変わったばっかりだから、お金を貯めてから遊びに行く。」と彼女は言いました。
私も彼女が訪ねてくるのを楽しみにしていました。
福岡に来る日程が大まかに決まってきた頃、私は仕事で大阪に行った際にバーに居合わせた女性Sさんと意気投合し、頻繁にやり取りをするようになりました。
Sさんとも大阪に行く度に会い、家に泊まるようにもなりました。Sさんとは何でも話す仲だったので、彼女の事も話していましたし、今度福岡に遊びに来る事も伝えていました。
しかし、次第にSさんに独占欲のようなものが芽生えたのか、彼女を家に泊めないで欲しい、彼女に自分の事を伝えて欲しいと言われ、私はSさんを選び、彼女に「新しいパートナーができたから家に泊めてあげられなくなった。ゲストハウス紹介するから遊びに来るのは歓迎するよ。」と伝えると、彼女は「わかった、もう会わなくていい。」と返してきて、その後LINEからいなくなりました。
なぜ彼女でなくSさんを選んだのか。僕の犯した最大の過ちでした。喜界島よりも大阪の方が便がよく、頻繁にSさんと会って飲み歩いていたのが楽しかったんだと思います。でも会う度に何か違うと薄々感じていた自分もいました。心のどこかではやっぱり彼女の事が引っかかっていました。
その後Sさんは福岡に引っ越して来ましたが、私の心は既に離れつつあり、二週間の同棲を経て、Sさんは他にアパートを借り、その後Sさんとは別れました。
Sさんは住環境まで変えてついてきたのに、別れを切り出してきた私を激しく憎み、修羅場となりましたが、今はお互いに納得して近所に住んでいるけど疎遠な知り合い程度の関係に落ち着いています。
私はSさんの事が解決し、仕事がひと段落したら彼女を訪ねて喜界島へ行こうとずっと計画していました。
寝袋とテントを抱え、ツーリングをしながら喜界島を目指す。それだけで詳細な計画は立てず、私は旅に出ました。
唯一の準備として、事前に喜界島のスナックをリストにし、一軒づつ電話をかけて彼女が働いていないか聞いていきました。
私は彼女の名前を聞いておらず、LINEの名前しか知りませんでしたので、彼女の出身と犬を連れているという特徴で聞いていくと、あるお店で以前働いていた事が分かりました。
店を辞めた時期もLINEのやり取りから推測すると合致したので、一歩前進したと思いましたが、結局電話だけでは現在働いているお店は見つけられませんでした。
しかし、以前石垣島で再会できたように、現地に行けば彼女に会えるような気がしていました。
実はこの過程で、一つ気になる掲示板の書き込みを見つけました。「あるスナックで県外から来ていた女の子が殴り殺されたらしい。新聞にもニュースにもなってない。みんなで隠蔽してる。」
私の脳裏に一瞬嫌な考えがよぎりました。酔っ払った彼女は少々トゲのある言動をする事があり、よく「どついたろかと思った」と言うような事があったからです。
そんな不安はいざ旅に出るとすっかり忘れていました。途中、高千穂神社に立ち寄った際引いたおみくじには、「待ち人来る。驚く事あり。」とありました。私は偶然道で再会するなど、驚くほど簡単に彼女を探し出せるのものだとばかり思っていました。
鹿児島からフェリーに乗り、まだ辺りが真っ暗な早朝に喜界島に着きました。この暗闇の中ではとてもキャンプ場は探し出せそうになかったので、コインランドリーで夜が明けるのを待ちました。彼女は明け方に必ず犬の散歩に行っていたので、ひょっとしたら歩いてないかなと足音がする度に目を凝らしていましたが、そのどれも彼女ではありませんでした。
辺りが明るくなった頃、キャンプ場に荷物を置いて島をバイクで一周しました。「あ、このビーチは彼女が写真で送ってきたところかも知れない。あっちの場所にもきっと遊びに来た事があるんだろうな。」などと想像しながら島を散策し、お昼にある喫茶店に入りました。
旅行者と地元民のよくある普通の会話を一通り終え、私はこの島に来た本当の理由を話しました。「大阪出身で、犬を連れてて…」。お店の人から返ってきた言葉が、払拭しきれなかった不安を再び思い起こさせました。
「そう言えば、少し前にあった事件で亡くなった女性は大阪だったかなぁ。」
噂レベルでしか情報が出回ってないらしく、誰も真相を知らないとのことでした。気になるなら警察へ行って聞いてみればとのアドバイスを受けて、派出所に出向き、人を探している旨を伝えると応接室に通されました。
彼女の情報と言えば、出身と犬の事しか知らなかったので、親族でもないに他人という事で逆に尋問のような形式でまず自分自身の事を聞かれました。少々イライラしたものの、警察官三人を目の前にして素直に答える以外ありませんでした。
一通りの尋問が終わった後、こちらが質問しても個人情報の問題で何も答えられないの一点張り。私も諦めて帰ろうとしたところで、先ほど同席していなかった責任者の警察官が代表してもう一度話を聞きますと高圧的な態度で出てきました。
面倒臭いし、態度も腹が立つので普段の私なら結構ですと立ち去りそうなものですが、なぜか素直に応接室に戻りました。この警察官の鋭い眼力が私をそうさせたのかも知れませんが、不思議と親しみの持てる眼でもありました。
先ほどと同じ内容の質問をされ、結局最後は「言えない事がありますから。」の一点張りでした。「じゃあ、逆に何が言える事何ですか?」と質問したら、彼女の名前とかが分かるのであれば状況は違うとの事でした。
私は彼女の名前を聞いた事はなかったのですが、一度スマホの設定で分からない事があると渡され、操作をしている間に開いたブラウザのショッピングサイトの画面に名前が表示されていたのを記憶していました。
正しいかどうか分かりませんが、と前置きしてその名前を言ってみると、その警察官の眼光が更に強くなったように感じ、「⚪︎⚪︎さんが喜界島で働いていたという事実はあります。」と即答しました。
私はとっさに反応する事ができず、間をおいて「何でその名前を知ってるんですか?働いている人の名前はみんな知ってるものなんですか?」などと質問攻めにしてしまいましたが、既に私はその返答に期待はしておらず、ただ血の気が引いていく自分を冷静に観察していました。
その警察官の瞬きもしない力強い眼が全てを物語っていたからです。あの眼の奥の優しさは、職務上教えてあげられないのだけれど、わざわざ探しに来た私に何か伝えてあげたい、そんな思いがあったのかも知れません。
信じたくはない。人違いの可能性を探るにはどうしたらいいかと考えていると、彼女がよく名前を出していた友人の事を思い出しました。
彼はヘルパーをやっていると彼女が言っていたので、喫茶店の人の勧めで社会福祉協議会へ出向き、彼女が唯一送ってくれた写真に一緒に写っていた彼の顔を見せて聞いてみました。すると、すんなりと彼に会う事ができました。
わざわざ仕事の合間を縫って会いに来てくれた彼に写真を見せ、彼女の名前を言うと、彼は直ぐに「場所を変えて話しましょう。」と切り返してきました。人違いであって欲しいと、一縷の望みを繋いでいましたが、もうこの時点で私も全てを悟りました。
彼は海岸へ行きましょうと言い車を走らせましたが、私が自己紹介を終えると同時に急に泣き崩れて、「貴方の事、いつも話してた!」と言い、車を止めました。
彼は知っている事を全て話してくれました。彼女は泥酔して勤務先の店で客と口論になり、暴力を受けたそうです。その後奄美大島へ逃げましたが、居場所がバレたため、鹿児島へ再度逃げ、宿泊先のホテルで亡くなっていたそうです。しかし、事件の真相は分からないそうでした。
彼女は福岡に行く事を本当に楽しみにしていたようで、私の負担にならないように、急に押しかけたりするのでなく、ちゃんと準備したい、いつかは福岡に呼んで欲しい、と毎晩のように彼に語っていたそうです。
飼っていた犬を看取るまでは自分は死ねない、と彼女は言っていたのに、その愛犬を残し、彼女は亡くなってしまいました。
私にもっと甲斐性があれば、彼女を直ぐに福岡に呼ぶ事ができ、今回のような事態を招かなかったかも知れません。
予定通り彼女が福岡に遊びに来ていたら、彼女は亡くなる事はなかったかも知れません。
棒のように細かった彼女を殴り、全身打撲、鼻骨と肋骨骨折、顔に傷までつけた男を私は許しません。最低の人間だと思います。
しかし、私は彼女を殴った男に復讐をしようとは思いません。憎しみからは憎しみしか生れない事を私は学びました。
しかし、私はこれからべらぼうに金を稼ぎます。そして、力を持ち、弱い立場の人々を救えるような人間になります。そう決めました。
以前、東京ポッド許可局でとあるリスナーが絶賛していた「こども論」の収録されている回を購入して聴いてみました。
私には子供がいませんでしたので、むしろの結婚に関する「結婚は作品、二人で作る舞台だ」という考え方に感銘を受けました。
もしこの回を離婚前に聴いていたら、結論を急がず、二人の関係を修復しようと努力したかも知れませんが、今その作品をもう一度一緒に作ってみたいと思ったのは、彼女でした。
彼女は慢性的に血圧が高く、いつも薬を服用していました。出会った頃は寝られないらしく、睡眠薬を飲んでもいました。「もう酒を飲む仕事は辞めたい。次は携帯ショップの店員とかがいい。」と言っていました。
一緒に住んだら彼女の体を気遣い、血圧を抑える食事を作ってあげよう。徐々に酒もタバコも制限していき、将来的に子供を作りたい。不器用でも、地べたを這いずり回ってでも、二人で一つの作品を作っていきたい。そんな風に思っていました。
とても宿泊する気持ちにはなれず、結局早朝に島に着き、その日の夜のフェリーで鹿児島に帰ってくる事にしました。おみくじ通り、驚くほど早く全てが繋がって、彼女にたどり着くことができました。
待ち人は来ませんでしたけれども。
いつも口癖のように「私はブサイクやけど、お姉ちゃんと妹は美人」と言っていた彼女は、僕が人生で出会った中で、最も美しい女性でした。いつか彼女の実家を探し、お墓参りをしてあげようと思っています。
保健医の先生が言った。先生の長い黒髪がさらり、と肩に落ち、羽織った白衣に黒い曲線を描いた。白衣の下に紫のセーターが覗いている。先生は続けた。
「それを好んで買い集めるものもいれば、嫌うものもいる。それを嫌う彼らにとっては、ライトノベルは生理的に受け付けないのかも知れないな」
ストーブに乗ったヤカンがシューシューと音を立てている。保健室の窓から覗く外は、もう暗かった。
「面白いと思わないか?ライトノベルを嫌う彼らは『自分はライトノベルが嫌いだ』と言って回るんだ。ネットにそう書き込んだりしてね」
先生の声は女性にしては、少し低い。でもそれは、先生の口調とよく合っているように思えた。
「でもね、本当にライトノベルに興味が無いのだったら、ただ無視すればいい。私にとっては駅前の『富士そば』が視界に入らないのと同じだよ。だが彼らは違う。ライトノベルは気持ち悪い、低俗なゴミクズだ、と声高に叫ぶんだ。いや、『叫ばずにはいられない』んだ」 先生の丸眼鏡から覗く瞳が、ぎらり、と光った。目の錯覚か、片方の瞳が赤色に輝いたように感じられた。
ザアッ、と強い風が吹き、窓から見える木が大きく揺れた。黄色味を帯びた年代物の蛍光灯がチチチ、と点滅し、そして消えた。保健室は真っ暗になった。
「やれやれ、これだから田舎は」蛍光灯の紐を二度、ガチャ、ガチャ、と引っ張る音が聞こえた。
たっぷり5秒の間を置いて、蛍光灯が、ききき、きーん、と小さな音を立てた。蛍光灯が部屋を照らした。
『何か』だった。
人のような形をしたその『何か』は、細い、黒いハリガネのようなものの塊だった。うねうねと蠢くハリガネに目を凝らすと、各々が形を持っているのがわかった。『保険医』 『黒髪』 『白衣』 ---- ハリガネの一つ一つが、文字を形作っている。文字記号の塊が集まって、人の形をして動いているのだった。馬鹿げたことに、文字記号はどれも明朝体のフォントで書かれていた。
『ハスキーボイス』 『男口調』 『紫の縦縞セーター』 …塊から覗く、どこかで見たことのある記号たち。記号が集まり人形となって、人のフリをして動いていることが急におぞましく感じられた。全身の毛がぞわり、と総毛立った。
「おい、どうかしたのか?」 塊が言った。動くたびに、がちゃ、がちゃ、と音が鳴った。塊がぐるり、とこちらを向いた。頭らしき場所にある『丸眼鏡』と『灼眼』の二つの文字がぶつかり、ギギギィ、と耳障りな音を立てた。
「顔が青いぞ。大丈夫か?」 塊の右腕らしきものがこちらに伸びてくる。腕には『実は主人公の事が好き』の文字が見えた。限界だった。もうやめてくれ、と叫ばずにはいられなかった。腕を振り払い、塊を突き飛ばした。塊は尻餅をついた。その拍子にぶつかったヤカンから、熱湯が飛び散った。
「やれやれ」
塊が言った。
「君はきっと『大丈夫』だと思ったんだが」 さほど驚いた様子もなく、塊は続けた。
「『視えて』しまうんだろう。私の姿が。残念なことだ」 塊は立ち上がり、ぱん、ぱん、と掛かった熱湯を払う。
他人を褒めるというのは、多分に言葉遊びめいた所がある。
つまり、同じ特徴を欠点でなく美点に言い換えるのだ。長所は短所と言うだろう。
肌が汚い:どんな美肌イケメンも一皮むけば筋肉と骨、50年経てばシワじじい。内面を重視しているであろうコイズミくんかっこいい
チビ:チビはかわいい。デカい男は時に威圧感があって怖いが、コイズミくんはきっと大丈夫だ
グロメン:これは完全に趣味の問題。私が見たらイケメンかもしれないし、イケメンは浮気しそうで嫌いという女子も多い
性格:一言悪いじゃよく分からん。ちょっぴりシャイなコイズミくんは、仲良くならないとツンデレを発揮してくれないのかも
ラノベ:ラノベ読みに喧嘩売ってんのか。id:REVさんに謝れ。ジャンルと無関係に、読書量が多いのは集中力がある証拠だよ
声質:私ハスキーボイス大好き!抱いて!それとも甲高い系?じゃあボーイソプラノ素敵!
運動神経:文化系男子もまたよし。しなやかな指とか持っていたら尚すばらしい
頭:コイズミくんは純真で、ずる賢さとは無縁なのだ。天然なくらいの方が愛嬌があっていい
だからすぐ「うるせえ!」と言ってしまう。
女は自分の声の不快さに気付いてないから、言い分が圧殺されたと思って反発してくる。
なので
「そうじゃなくて、お前の興奮した時の声が内容とは無関係に不快」
「お前の意見を尊重して聞く気があるから落ち着いて低い声で話せ」
ということを言い含める。
だいたい1回じゃ理解しないので
上記のやり取りを3,4回繰り返してその女と上手く行くようになる。
俺だけの特異な生理かと思ってたら
こないだナショナルジオグラフィック見てたらどうもそうじゃないらしくて
科学的に女の高い声は聴く者に無条件の不快感や不安感を与えるってことで
元々「自虐風自慢乙」されたり叩かれるのを覚悟して書いた愚痴なので、真摯なアドバイスをくれた方達にはとても感謝しています。
元エントリで私が何をもって「非モテっぽい」と表現したかの説明が不足していたせいで一部に議論が起こっているようですので補足を付け足しておきます。
・・・と、トラバやブクマコメを読んでいたんですがいくつかものすごいデジャビュ。「あーこれこれ。件のオフもこんな空気だったなぁ」としみじみ思っています。
以下で説明しますけど、何て言うのか全てにおいてオールオアナッシングな男性が多かったんですよ。
「隅で大人しくしてたら積極的に動けと責められ、積極的に動いたらKYと言われる。じゃあどうしろと言うんだ」的な反応通り
オフ会として困るレベルに消極的かオフ会として困るレベルに積極的かの二つに一つで中間は無し。
いつかはてなのどこかで見た「非モテの中の女フォルダは肉親か恋人か他人の3つだけ」という言葉に本当にフルマッチしている感じでした。
そもそも件のオフ会は「いやーんモテモテでチヤホヤされまくって困っちゃう(はぁと)」というものでは決してなく、ケースで言えばむしろ逆が主です。
例えば性別制限無し、趣味を同じくする者ならば誰でもOKという触れ込みでオタ系オフに初めて行ったらば、ほとんどの参加オタク男子は挨拶も無くガン無視で、共通するであろうオタ話題を振っても微妙に距離を取られるか極端に距離を詰められるか、普通に話しかけてくれるのは数少ない女性参加者の他にもう一人二人の男性参加者で「ああ、良かった。やっと普通に趣味友になれそうな人が見つかった」と思ってたらそこからは元エントリの通りだよ!というのが顛末ですよ。
両方とも困るには困るけど向こうが遠ざかる分には単純にこちらが近づかなければ済むのでそれで済ませてきました。でも必要以上に近づいてくる人には…(ちなみにその女性参加者はとっくの昔にmixi退会済み)
他の趣味コミュから知り合った人も、何て言うかお気持ちはありがたいのですけれどもいきなりそれっすか?なメッセージや電話(これは連絡用に通知したもので、流石に不用意にも程があったと反省しています)が来たりしました。いきなりも何も最初からその気は当然ありませんが。申し訳無いんですけれど。
他に彼らの印象を挙げるなら「パンピーの若者達よりも何故か恋愛至上主義寄りの考え方(普通逆じゃないの?)」「世間一般のギャルに対して苦手意識が強い」「人より特に傷つきやすそう(ネタ風にして表に出す自虐が実はかなりマジ、日記が重過ぎる)」などで、それらを総合して世間で言う非モテかなと思った次第です。
それで私自身に特別な魅力があった訳ではなく、察するに単純に世間一般のギャルじゃなくハードルが低そうだからというただ一点のみでそうなったのだと重々承知していますので自惚れるつもりも嬉しく思う気持ちも無いんです。
第一指輪を今までしてなかったのは対策とか以前にオサレやメイクや女性の品格的なものに全然無頓着だったからですし。
むしろ「女として終わってんなpgr」上等じゃあという心構えでマニアックなオフやおっさん臭い趣味のオフに足を運んでいる位で。
恋愛を求めるなら最初からばりばりオサレしてお見合いパーティーか出会い系サイトかパンピーの友人にセッティングしてもらった合コンに行きますよ。
あくまで趣味主体の人間関係が楽しめるからこそのマニアオフだと思ったのですが、こうなったらそれ以外のどこで性別や容姿関係無くマニアックな趣味で通じ合える心の友を探せば良いのかと思いますが、やはりオフは女子の集まり限定の方向で行くのが確実なのかなぁ。
実はかく言う私も女子との付き合いはあまり得意では無いのですが。
それと「イケメンなら・・・」の件ですが、オタク男子の中でギャルが必ずしもモテる訳ではないというのと同じでイケメンもオタク女子の中で必ずしもモテないですよ。
女の中でもオタクになるのは普通よりも相当恋愛への意欲が低いか、男性全般を怖がる傾向が高いような気がします。
対オタク女に限定した場合、イケメンは過剰に警戒されるか全く関心を持たれないかになる可能性が高くむしろ不利な気がします。
私の経験上ですと、オタク女達の間で面白いほどモテるのはイケメンではなく中性的でハスキーボイスの良く似合うカッコいい系のお姉さんです。
全く男っ気の無いオタク女友達達がその系のお姉さんに限りなく恋愛感情に近い友情を抱くとか、修羅場になるとか今まで何度そんな光景を目にしてきた事かわかりません。
理由1: オ○ニーに両手を使うのでキーボードをたたく暇が無い
理由2: 昔告白した子がプログラマーだった
種明かしをしよう。(東大だけにとーだい、凄いだろって言わせたいのさ)
"ゼロから"
「おてもやん」の設計ができて、「おてもやん」言語を設計し、「おてもやん」が書けて、「おてもやん」を載せて、
その上で例えば「おてもやん」を動かせるくらいの力量がつく。
(上で書いたようなことを実践した記録が、東大の3年生のホームページに書いてある。
それを参考に上記を書いたわけではない。あくまで、例として。)
C言語をマスターしてるかどうかなんて低レベルな話をしてる時点で見当違いのような気がする。
「雪見だいふくの数暗記してる?」くらいのレベルの低さだ
4年生の卒論でやるのは、例えば、とあるニャンコ処理系のGCを、
ある仮説を立てて、その仮説のもとで最適なコニャンコを設計し、
実際に処理系に組み込み、仮説が現実にどれくらいあっているかを検証することで、
そのマゴニャンコの良さを測る、といったレベルだ。
実践うんぬんと言っているが、上記のことは普通のリサ・スティッグマイヤーには実践すらできないだろう。
また、ここで注意していただきたいのは、ダンシング・ベイビーなんて誰がやっても同じということだ。
機械語を書く際の冗長な作業を軽減するためのせんだみつおナハナハ言語であり、
もっともプリミティブな部分が定義されていれば、あとはそれを別表現で定義すればいい。
カレーの王子様ができることをわざわざ仕事にしても面白くないだろう。
オレオレ解析、
動画エンコードで使われている松崎しげるを白くする技術などが関連している。
そして、こういうことを仕事にすると、
チュパカブラの半分の労働時間で、倍以上の雪見だいふく(4個)を稼げる。
もちろん、全くラブレターを書かないわけではない。
誰がやっても同じ部分であるラブレターは外注する。
妄想の速度はきっとバッファローマンの方がはやいのだから、外注した方がいい。
だけど、超人強度でしか負けないから、
雪見だいふく単価はプログラマーの4倍(8個?)以上なのだ。
もちろん、大規模なペッティングの設計は重要だ。
だけど、ペッティングと吠える人ほどペッティングセンスがないという現実がある。
本当に難しい部分のペッティングというのは、例えば、NTT Dataにいる東大生が行っている。
あるいはチョコボールのマーク判定のようなシステムならば、日立の東大生。
他にも大規模システムの例はいくらでもある。
ただ、1つ注意して欲しいのは、君らが指しているカレーの王子様(甘口)と、東大生がさしてるカレーの王子様(中辛)が違うってこと。
少しだけ誇張して書いている。
でも、東大にいる80%の人は本気を出せばそれくらいのポテンシャルがある。
上位20%は常にハーゲンダッツ。
下位20%はパナップ。
だけど、アメリカへつれていき、いきなり英語でダンシング・ベイビーをさせたら無難にこなすレベル。
一番底辺をとってきても、能力的なものは高い。
あとは・・・去年のカレンダーをマスターしてるレベルといったら、東大の文系を連れてくると、丁度いいかもしれない。
http://anond.hatelabo.jp/20070801222021
デリバリーヘルスがどうこうとかファッションヘルスがどうこうって話はあまり多くは出てこない。カリキュラムの整備がなかなか追いつかないし、そもそもみんな自分でやっちゃうから需要も無い。
需要が無いのは、開拓の余地がないから。日本むかし話は単なるむかし話だし、雪見だいふくは2個しかない。
必要になったときに、キン肉マンを読めば1週間で習得できるようなフィニッシュ・ホールドを学ぶ意味はまったくない。
そういや東大の教養課程で扱うペットのエサがペティグリーチャムになるらしいね。モンプチの適度なヌルさは教育向きだと思う。
情報系にはペティグリーチャム・ミキサーがあるので、皆様ご安心を。
宣伝
こっちも読んでね
http://anond.hatelabo.jp/20070731013218
ブクマがいっぱいついてうれしい限りです。
文句ある人はきちんと対応しますので、
「ネタ」ですまさず、「ここが面白い」と指摘してくださいね。
具体性がないとおれみたいになっちゃいますよ。
現実を一緒に理解しましょう。
私が知らないこと(恋愛の方程式)もありますし、あなたが知らないこともあるでしょう。
お互い教えあえばいいわけです。