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2024-11-18

anond:20241118113336

フィリップス曲線賃金下方硬直性考慮すると、デフレインフレの影響についての理解さらに深めることができます

フィリップス曲線賃金下方硬直性

フィリップス曲線失業率インフレ率(または賃金上昇率)の間の負の相関関係を示しますが、日本場合、この関係はL字型の曲線を描くことが知られています

一方、賃金下方硬直性は、特に低インフレまたはデフレ環境下で重要役割を果たします。

デフレ時の影響

1. 失業率増加:

- フィリップス曲線整合性があります

- 賃金下方硬直性により、実質賃金が高止まりし、失業率さらに押し上げる可能性があります

2. 実質賃金

- 名目賃金下方硬直性により、デフレ下でも名目賃金が維持される傾向があります

- これにより、実質賃金が上昇する可能性がありますが、企業人件費抑制のために雇用調整を行う可能性も高まります

3. 債権者資産価値

- 相対的に増加する傾向にあります

インフレ時の影響

1. 失業率減少:

- フィリップス曲線整合性があります

2. 実質賃金

- インフレ率が上昇すると、名目賃金下方硬直性の影響が薄れ、賃金調整が容易になります

3. 債務者借金価値低下:

- インフレにより実質的債務負担が軽減されます

結論

フィリップス曲線賃金下方硬直性考慮すると、デフレインフレの影響はより複雑になります

1. デフレ環境下では、賃金下方硬直性により失業率が押し上げられる可能性が高くなります。これは特にスキル労働者や若年労働者に影響を与える可能性があります

2. 緩やかなインフレは、名目賃金下方硬直性による失業への悪影響を軽減する可能性があります

3. 長期的には、名目賃金下方硬直性上方硬直性も生み出す可能性があり、これが賃金フィリップス曲線フラット化をもたらす可能性があります

したがって、「デフレ時に得なのは資産が多くて仕事がある人で、インフレ時に得するのは借金が多くて仕事が見つかりにくい人」という主張を裏付けます

2021-11-16

所詮サラリーマンにはインボイス制度導入の機微理解できないな

…というのはいささか煽りが入った言い方だけど、個人事業主インボイス制度導入について悲鳴上げてるのに対して、給与所得者らしき人達による「払うべき税金を払ってなかっただけ」「いままで懐に入れてたのがズルい」「とっとと納めればいいのに」的な、非常にクール(笑)コメントをあちこちで目にして、これが多くの給与所得者の感覚なんだろうな、彼らには個人事業主という働き方の本質がわかってないんだろうな、と思いました。

自分会社勤めで、売上や仕入の税込・税別処理は経理に丸投げしてるからインボイス制度導入が個人事業主業務をどれぐらい圧迫するかわからない」ということについては、まあ理解できなくもないんですよね。「これお願いしまーす」っつって伝票上げたり領収書出したりしてるだけなんだからインボイス制度導入で今までと何が変わるのか、バックオフィスでどういう負担増が発生してくるのか、実感がない。これはまあ致し方ないことだとは思いますよ(甘ちゃんだなとは思うけどね)。

それよりずっと根深問題は、クールコメントをしてる方々の「労働サービス価格決定の仕組み」に対する感度の低さ、鈍感さなんですね。

免税事業者とはどういう人達

そもそも、免税事業者というのは「課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者」です。それを本業生業にしていて、年商が1000万円以下というのは、つまり原材料仕入があまり発生せず、主には自分自身の労働を売ってる人です。たとえば:

クリエイティブライターイラストレーター写真家など)

・開発(エンジニアなど)

・加工(材料仕入販売をしない中間工業者など)

建設材料仕入をしない一人親方・手間職人など)

みたいに、何もないところから自分自身でコンテンツプログラムを創り出したり、原材料の加工プロセスのみに関わって、それを元請やエンドユーザーにとっての顧客価値に変えるような、「付加価値の大半を自分自身で生み出している仕事」です。それから名前が売れているトップクラス人達を除けば(そういう人達そもそも年商1000万円以下ではない)、他の人といくらでも替えが効く「代替可能労働」です。さら基本的に「下請職種」です。このような、付加価値型・下請型・代替可能型の個人事業主のことを、以下では総称して「フリーランス」と呼びましょう。

フリーランス業務単価はどうやって決まるのか

フリーランス仕事---「付加価値の大半を自分で生み出す、他と代替可能な下請職種」---の特徴って、何だかわかりますか? それは、その労働サービス価格が、労働市場を通して動的に均衡・決定されるということです。もう少し簡単に言うと、売り手も買い手も自由に値付けができて、それによって業界の平均的な「相場感」が決まっている、ということです。

実はこれってフリーランス個人事業主に限ったことじゃないんですけど、給与所得者(特に正規労働者)は、自分労働サービス価格市場で動的に均衡・決定される感覚ほとんどないでしょ? 「就活」という入口で頑張って自分を売り込んで、あとはその企業の中で勝手だんだん給与が上がっていくわけですからね(転職という機会でそれを意識する人がいるぐらいかな)。

でも、フリーランスはそうじゃないんです。自分生活必要な(あるいはよりよい生活のために期待する)収入を踏まえて、毎日仕事の単価(クリエイティブなら作業時間、開発なら人日、加工・建設なら人工(にんく)という単位がある)を決めて、元請に請求するんですね。

いっぽう元請にとっては、そうした労働の大半は他のフリーランスでも代替可能ものなので、作業品質が同等なら、高単価の仕入先は避けて低単価の仕入先を選ぶことになる。こういう形で市場の均衡が起き、それぞれの業界の「相場」が形成されているわけです。

仮に、土日休+夏季冬季GW休暇あり(年間休日120日)のフリーランスを考えてみましょうか。稼働日は245日なので、1人日=4万円の値付けをしてやっと1000万円に届きます。実際には通年で4万円/日が出るような職種ほとんどないので、現状ではフリーランスほとんどが免税事業者の枠内に収まっていることを皆さんも納得できるでしょう。

フリーランス益税は「丸儲け」ではない

さて、フリーランス労働単価が、その労働の需給バランスによって決定されているとき、免税事業者請求する仮受消費税(=益税)はどういう扱いになるでしょうか。給与所得から見ると、財やサービスの単価というのは単独で値付けされるもので、消費税の処理はその枠外で行われるものだと感じられるでしょう。だから適正な労働対価がα円なら「α円のものを売って、0.1α円の消費税請求して、それが免税になるなら、0.1α円ぶん丸儲けじゃないか」と見える。

でも、実態はそうじゃないんですね。フリーランスは、あくまで「仕事をして得られるトータルなキャッシュイン」を元に自らの原価感や期待単価を決めるわけです。そのトータルなキャッシュインには、当然「制度的に納税免除されている仮受消費税」も入っています益税分があること前提での生活設計であり、単価設定なんです。

さて、同業種の全てのフリーランスがこのような方針で自らの労働単価を値付けして、元請と取引をした場合市場価格はどうなるでしょうか? フリーランス側の実質的キャッシュインという観点からみて「α円」という単価が需給的に均衡した労働単価だとすると、「α円の値付けをして、0.1α円の消費税請求して、0.1α円ぶん丸儲け」しているわけではなく、「0.91α円の値付けをして、0.09α円の消費税請求して、トータルでα円の収入」に均衡するんです。「税別α円ください」と請求したら、「僕は税込α円でいいですよ」「私なら税別0.91α円でやります!」という他のフリーランス仕事を取られちゃうから

フリーランスは「別に得してなかったのに、損する2択」を迫られている

このような動的な価格決定のメカニズムが、毎日自分労働単価を意識することがない給与所得者には、ぜんぜん見えていないんですよね。そもそも給与労働者の賃金には強い「下方硬直性」(下がりにくい)がありますよね。労働基準法によって企業側が合理的事由なしの不利益変更をできないことと、制度的に「最低賃金」というラインが引かれていることが、その主たる原因です。

一方で、フリーランス業務単価には強い「上方硬直性」(上がりにくい)があります労働基準法も最低賃金関係ありませんし、そもそも下請職種なので、仕入を行う元請の方が「取引上の優越的地位」にあり、言い値を通しやすいんです。元請側が「そんなに高いなら、次からもっと安い他の人に頼みますよ」という時に、翌月のキャッシュフローを気にして暮らすフリーランス側は「へっ、そんな仕事こっちから願い下げでい!」とは言いにくい。単価が安くても、安定して仕事がもらえる元請は離したくないという心理も働きます。日々月々の売上を、自分自身の稼働によってコツコツ積み上げる不安定な業種なので、まず「売上を確保する」ということが最優先になるんです。

元請側の「取引上の優越的地位の濫用」は、建設業種では建設業法で、その他の職種では下請法規制されていますしか今回のインボイス制度導入に伴って、元請が免税事業者に①適格請求書発行事業者になるか、②免税事業者のまま税抜請求に切り替えるかの2択を迫ることは、取引上の優越的地位の濫用にはあたりません。なんせ国が「こうしろ」と言ってることを忠実に守ってるだけなんですから。だからフリーランスにとっては、①適格請求書発行事業者になり、益税分のキャッシュインを失い、経費処理関連のコストシステム更新費用とか新たな経理作業とか)が嵩むことを受け入れるか、②免税事業者のままでいて、益税分のキャッシュインを失い、材料仕入や経費に伴う支払消費税はそのまま支払い続けるか、という、どのみち今よりも現金収支が1割前後目減りする2択になります

理論的には、こうした外部環境の変化を受けてフリーランス労働価格の再均衡が起こってもよいのですが、先にも述べたようにフリーランス労働価格には上方硬直性があるため、そのサービス労働市場における労働単価が、益税喪失分による需給のバランス変化を反映して新たな価格で再均衡するまでには、かなりの期間がかかります。そしてその期間中に、少なからフリーランスがまともに生活できなくなり、廃業転職してしまうでしょう。今まで益税分も込みでカツカツの暮らしをしていた人達(いっぱいいます)は、インボイス制度導入によって、もう「カツカツで暮らす」ことすらできなくなるからです。

特に加工・建設職種では高齢化が進み、いつ引退するか迷っていた世代の方々が多くいます。その方達は今回のインボイス制度導入を契機に、次々と引退していくでしょう。そもそも「あと何年働けるかなあ」という人達が、これまで益税で得ていたキャッシュインが目減りするのに、コストをかけて経理システムを変え、新しい税処理を覚えなければならない、という状況で仕事を続けると考えるほうがおかしいわけで。

市場再均衡には時間がかかるし、フリーランス収入水準は元には戻らない

ちなみにインボイス制度導入には6年間の段階的経過措置 https://www.nichizeiren.or.jp/wp-content/uploads/invoice/invoice15b.pdf がありますが、この経過措置あくまで「元請側が」免税事業者との取引における消費税額を部分的に控除可能なだけです。来年10月以降の3年間は免税事業者から仕入額の20%分の消費税を控除できなくなり(=仕入額の2%相当額が完全に手出しのコストになり)、2026年10月から50%2029年10月から100%が控除不能になります。これは、今まで国が取っていなかったことで、元請とフリーランス(と最終消費者)の間で均衡的に配分されていた益税相当額の課税コストを誰がどれぐらい負担するのか、というゲームであり、このゲームにおいては、元請側が圧倒的に有利なのです。市場が再均衡しても、そのときフリーランス実質的業務単価は、インボイス制度導入前より確実に低くなっているでしょう。

「払うべき税金を払ってなかっただけ」「いままで懐に入れてたのがズルい」「とっとと納めればいいのに」などと言い捨てる給与所得者の方々は、自分たちがどれだけ企業雇用という枠組で収入を守られ、分業化という仕組みで雑務役務から解放され楽をできているかという自覚がないのだと思います。それはそれで、とてもめでたいことでもあるのですけど、自分とは違う働き方をしている人達が「大変だ」と声を上げているそのときに、シャーデンフロイデを浮かべながら冷徹コメントをするのか、自分には直感にわからない「なぜ大変なのか」という事情相手目線に立って考えてみるのかという態度の違いには、その人の徳が出ると思いますね。

2021-10-20

anond:20211020093602

2020年年の平均給与は433万円。中長期的に見ても下がっている。給与が上がらない理由は諸説あるが、ここでは現場コンサルタントとしての実感を述べる。企業は「高品質低価格」を目指している。品質に見合った適正な価格だとしても値上げを嫌がる。そして取引先にもそれを求める。そこに人材流動性の低さと、給与上方硬直性という要因が加わる。よって日本企業給与は上がらないのである

2021-06-02

anond:20210601191822

自社もその競合業種も、労働力調達コストにおいてみんな同条件の上方シフトを被る。これは、各企業がこれまでと同じ収益性雇用を維持し、同じ水準のサービス提供しようとした場合、そのコスト上昇をすべて販売価格転嫁しても競争力を失う可能性は低い、ということでもある。

これ自体は正しいんだけど、しかしながらそうなってしまうと最低賃金を上げる意味ってほぼ無くなる。

最低賃金1000円の時に1万円で買えていた商品が、最低賃金が1500円になった分を価格転嫁して1.5万円になったとしたら、結局10時間働かないと買えないことは同じで生活は楽にはならない。

賃金年金生活保護の金額には上方硬直性があるから、単純なインフレはむしろ生活を苦しくする可能性も高い。

お金は交換ツールから金額の大きさではなくて何とどれだけ交換できるかという”価値”が本質。額面の金額が大きくなってもその価値が下がれば意味がない。

2018-11-29

人手不足なのに給料が上がらない理由

人手不足なのに給料が上がらないのは、経営者の強欲のせいではなく、仕事要求される能力が高くなったから。」

https://blog.tinect.jp/?p=54573

というブログを読みましたが、その分析

"年功給与崩壊した現代では、極めて単純に言えば、それなりの給与がもらえるかどうかは

「人に投資すると売上が伸びる会社で働いているかどうか」

で決まります。"

だそうです。

"例えばコンサルティング会社は、優秀で人脈のあるコンサルタント入社すれば仕事が取れるので、高額の報酬を支払います。"

"逆に、「組織歯車である事務員や工員、低技能IT技術者など、売上や企業の業績に直接関係のない世界では、個人努力多寡や、人材が不足しているかどうかは、給与にはあまり関係がありません。"

なんか変ですね。

そもそも売上や企業の業績に直接関係のないのであれば人を募集しません。だって売り上げが上がらないですもの

企業人手不足は売り上げを上げようとしても人材がいない、又は高齢化によって既存社員が辞めて足りなくなったか募集しているのです。

まり人材募集しないままだと売り上げは上がらないか落ちると考えているからその企業募集するのです。

人材募集給料を上げることはすべて投資です。それをいつしか人材は単なるコストと考えて給料を上げなくなった経営者問題があるのです。

日本企業資金が無いなら給料を上げることも難しいでしょうが現在日本企業は手元資金が有り余っています

内部留保446兆円、6年連続過去最高更新

https://www.asahi.com/articles/ASL933C3QL93ULFA002.html

内部留保と言っても色々ありますが、他の先進国に比べ日本企業資金活用されていないのは明白です。

日本企業給料を上げない理由はいくつかあります

まず労組が弱くなり経営者圧力がかかりにくなりました。

そして日本経営者他国よりも保守的な傾向があり、さらバブル崩壊経験したためリストラコストカットの嵐が起き、従業員給料に対する上方硬直性が起きました。デフレの原因でもあります

また、構造的な理由として雇用規制(簡単に首を切れない、年功序列)などの理由もあるでしょう。

投資が思ったより効果が上がらないため設備人材お金をかけないという意見もありますが、これは経営者能力次第です。

内部留保を貯め込んだ日本企業が「攻めの投資」をしない本当の理由

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/51671

上場企業、2年連続最高益 4~6月期 」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34168530V10C18A8DTA000/

日本企業が軒並み最高益を上げても、給料が微々たる率しか上がらないのは日本経営者保守的傾向と投資眼の無さなのでしょう。

ヘンリーフォード

https://takuminotie.com/blog/management/%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%89/

"フォーディズム画期的な側面は、生産効率の上昇に伴う利潤の増大を、労働者賃金の上昇に反映 させた点にある。"

お金は天下の回りものです。企業が最大利益を上げて余剰資金を貯め続け、消費者である従業員に回ってこなければ景気は低迷し続けるでしょう。

 
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