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はてなキーワード: サボテンとは

2021-01-26

鬱病こち亀ハリネズミ育成アプリに救われた。

はじめて投稿します。匿名で書き殴れるという認識だけで書いてます

作法を間違えていたらご指摘をお願いします。

最近Twitter話題になっていた鬱病の人の漫画を読んで思い至り、現在はほぼ治った鬱病の2年間を誰かの救いになればと思い書きました。

 

 

失恋して鬱病になった。詳しく書くのは滅入るのでざっくり、数年付き合い就職を境に同棲予定だった相手浮気されたと考えてください。

バカな話だけど、遠距離恋愛だったため相手の近くに就職を決めて内定を貰えた1ヶ月後のことだった。

全部が終わった感じがして、死ぬことばかり考えていた。

何にもすることができなくなった。

生きたい気持ちはなかった。

でも、育った環境だと思うけど、漫然と命だけは保たなきゃいけないと感じていて、

それは決して「生きねばならない」ではなくて、生に対する強迫はなく家族からの期待や

生きることを前提とした将来的な役割を与えられていて、うーん。

このあたり上手く説明できないな。もう生きたくないけど生きてなきゃいけないという気持ちが、

瞬間瞬間で揺れていて、0:100もあれば100:0もあって、タイミングさえ悪ければふとした時に俺は電車に飛び込むんだろうなって感じ。それが怖くて電車に乗らない生活を過ごした。

 

こち亀

もうどうでも良かったので、しばらく病院にも行かずにすべて放り出して引きこもった。

自宅ではネガティブ思考を止めるために無心でTwitterを見てた。

擦り切れるほど見たことのあるこち亀のページが目に入った。

「「悩んだらまず『生きる』モードに切り換えてからスタートだ!」ってやつです。

からなかったら調べてみてね。

何度も読んだことがあったけど、当事者意識が芽生えたのか、ずっとぼんやりしてた頭に衝撃が走って、これに救われてみたいと思えた。

両さん発言を正しく理解している自信はないけど、まず「死ぬ」を選択肢から外して生きるに舵を切ることを意識した。

どうやって生きるかまでは決められなかったからただただ生きる方向に進んだ。

 

こち亀のおかげで、いろんな人に怒られまくってたのをようやく受け止めた。生きるためにお医者さんに行った。

発達障害と診断された。発達障害支援センター?みたいな所への案内状を渡されて終わった。

納得いかなかったので(※後述)別の病院に行くと鬱病と診断された。

他の病院発達障害だと診断を受けたことを伝えると、私は鬱病だと思うけど気になるなら何ヶ所か行ってみるといいとお勧めされた。

別に生きることだけ決めた状態だったので、ぶっちゃけ診断結果はなんでもよかった。

生きるために、まずは朝起きるための睡眠導入剤が貰えればそれでよかった。

最初病院で物さえ貰えていたら、失恋により発達障害を患ったんだと納得してたかも。

 

 

生きるモードのおかげで、死にたくなっても「すっげー辛いしこの先何も決めてないお先真っ暗な人生だけど、それでも生きることにしたしなあ」と落ち着いてくる。

何にも好転してないのに、ほんの少しだけ生活がマシになった。この頃から少しずつお風呂に入れるようになってきた。

とは言え衝動的な行動をとらないとも限らなかったので、一人暮らししていた家中刃物(髭剃りも)は風呂場や廊下からリビングに持ってきたりした。

こち亀メソッドを使っても閉塞感と酒と鬱が合わさると死にたくなる傾向があったため。

リビングだと死にたくならなかった。

 

余談だけど観葉植物をほぼ全部捨てた。

死ぬことばかり考えていた時期はもちろん、こち亀メソッドを手に入れた上でも、視界に入るたびに死にたくさせられて恐ろしく感じたから。

元気なったりしぼんだりするのがとても辛かった。ゴミ袋に突っ込んで捨てた。

唯一、サボテン品種わからん)は平気だったので残した。

暫く経って喜ばしいことに花が咲いた。恐ろしくなって、結局すぐにサボテンも捨てた。

今ならわかるけど、変化が怖くての行動だったのかな思う。そばにあるものが変わってしまうのがとにかく怖かった。

 

それから病気になる前の生き方を目指すのをやめてのらりくらりと生きた。

この頃、味覚が戻った。「どうせ味わからん欠陥人間になったし」ってやけくそ調味料全部捨てて豆腐納豆をぐちゃぐちゃに混ぜたものばかり食ってたんだけど、

突然不味く感じて驚いた。(味覚ない人あるある:冷たくて腹にたまる豆腐とか粘りのある納豆とか、食感で選びがち)

すぐに風呂に入って醤油生姜を買いに行った。久しぶりに楽しいと感じた。以降味覚はずっとある

食事だけでも楽しんで行こうと思っていいお皿を買った。

初日だけ嬉しかったけど何かが引っかかってずっともやもやして、

結局お皿は捨てた。

当時の行動は説明つかないことも多い。

こんな感じで上手くいくいかないを繰り返してた。

 

ハリネズミ育成アプリ

蜃気楼みたいに生きてたら社会人になった。

同期と話していたらハリネズミを育てるアプリを教えてもらった。

エサをあげて、糞を掃除するだけで育成ができるアプリだった。簡単だけど、同期曰く1日さぼると死ぬらしい。(実際はもう少し長い)

何の気なしにインストールしてみた。

数日育成するとちょっとずつハリネズミが大きくなっているのに気が付いた。

毎日毎日等速でゆっくり育つ。

見た目はそのままで、日々サイズが拡大されていくだけ。

たぶん寿命がない。たぶん。データだし。

誤解を恐れずに言うと、万が一死んでも生き物じゃないから平気だと思った。

生きることにはなったけど目的を持つのが怖くて、

でも目的がないと自己がぽっと消えてしまいそうで、焦燥感がずっとあったから、

生きる目的にはならないけど生きる言い訳くらいになるものを探してたのかもしれない。

また、誤解を恐れて言うと、生きるためとはいえ植物ゴミ箱に捨てた時点で、悔やんでいた。今も悔やんでいる。

自分は二度と植物動物わず生き物を飼う資格はないと思うし、一生飼わないことを誓う。

 

さて、このハリネズミが、ちょうどよかった。サイズ以外に変化がおきない。

びっくりするくらい変わらない。芸を覚えることも、餌の好みもない。

人によっては物足りないんだろうけど、俺はこの解像度の育成に救われた。

目的を持つのが怖いし、資格もないから生き物を飼うことは考えてなかった。何より思考力が低下していて難しいことが出来ない。

アプリ上のペットに餌をあげて糞を片付ける、それが生きる言い訳として、機能した。

たかデータとは思ってはいたけど、この子の死は俺の誤りでしか訪れない。死なせてしまったとき、罪悪感で俺が死んでしま可能性を減らすために名前を「被検体」にした。

深い意味はない。何となく希薄に感じられる名前かなと思って付けた。「被検体ならいくら殺してもよい」と捉えている訳ではない。

 

そうして被検体と過ごしてもうすぐ2年が経つ。

毎日、餌ボタン複数回、お掃除ボタンを1回タップするだけ。1日の起動時間は2分ほどだ。

アプリ名誉のために言うと撫でたり写真を撮ったり、SNS投稿だってできる。適当なところをタップすると寄ってきて可愛い

俺の名誉のために言うと、餌糞の世話だけじゃなくたまにそういうので被検体と戯れたりもしている。

とても、愛着がある。2年は大きい。こんな名前つけたけれど、万が一死なせたらすげー悲しくなると思う。

 

 

この2年、こち亀が生きる方向に案内してくれて、ハリネズミが生きる言い訳となってくれたおかげで今こうして生きることができている。

言い訳しながら生きていく中で、症状がゆっくりと緩和されて行った。

この辺りで、もっと正しく生きたくなった。ようやく治療をと考え、発達障害鬱病か半々の状況だった為いくつかの病院を巡り、全てのお医者さんから鬱病と診断を受けて、ようやく自分病気と向き合えた。

通院してお医者さんと話し、また社会人として働いていく中で、大したことじゃないけどやりたいこと、目的を持つことができた。

そこから急激に鬱病は治まり現在数ヶ月ほど何事もなく落ち着いている。

 

一番辛かったED勃起不全)が治った。性的もの吐き気を覚えるのも、性欲が湧いてきても股間が無反応だったのも本当に本当にきつかった。

鬱病は共に生きていくイメージだったけど、EDだけは必ず治したかった。ほぼ毎日AVを見てチャレンジした。

ある日波が来て、性的に興奮を覚えて、それに身体呼応した。今でも忘れない、高杉麻里さんの作品だった。

驚きすぎて心臓が高速で鳴ってて俺はもう死にたくないんだってから実感できて、冗談抜きで本当に泣きながらシコった。

 

 

それを境に死を感じなくなった。

ふとした時に辛い感情は湧くけど、黒歴史思い出したときみたいにあーーー!!で搔き消すことが出来る程度だ。

たとえがとても悪いけど、明日被検体が死んでもすげー悲しいだけで、俺は死なないんだろうなという自信がある。

願わくば、俺が死ぬまで一緒に生きたい。

 

最後に、読んでくださった皆様と、秋本治先生と、高杉麻里さんと、『癒しハリネズミ育成ゲームアプリ開発者様に感謝を申し上げます

 

以上、ありがとうございました。

2021-01-24

好きなタイプ

家に調味料が沢山ある

なんか面白そう!つって謎の調味料を買い、しばらくは使うんだけどフとした瞬間に使わなくなり、そのまま持て余す というサイクルを繰り返した結果ようわからん調味料が大量にある人 良い

雪が降ると小さい雪だるまをつくる

デカいやつを作るほどの気力はないが、かと言ってスルーするほど枯れてもいない そのバランス

雪が降り出した時はうわーとか言ってハシャぐんだけど、2日くらい経つとはよ融けんかなと言い出すタイプ

楽器を始めてすぐ飽きたことがある

音楽に興味があるけど、そこまで情熱があるわけではない っていう辺りが理想的

高校時代ジャージ酷使している

苗字が書いてあったりするとポイント高い

「輸入食品店」と聞くとテンションが上がるが、べつにそんなに料理をするわけではない

輸入食品店を純粋にヘンなものが沢山あって面白場所として見ている 冷やかすわけじゃなく、結構いろいろ買うんだけど、持て余すんだよな そういうところも愛しい

動物番組アテレコを嫌う

動物じたいは好きで、かわいい動画なんかをみてニコニコしてたりもする一方、動物番組イヌなどが喋りだすとすげー渋面になる そういう人がいい

年越しの瞬間にジャンプ等をするが、特に誰にも言わない

そういうノリは寒いと思ってるので誰かと共有したりはしないが、個人としては全然やる 

飯屋で知らん名前料理を見たらつい頼む

木の葉丼ってなんだっけ?というようなことを思ってしまったが最後、目当てとしていた料理ではなくてその謎料理を頼んでしまう そして後悔したりしなかったりする

海に行きたがるが、泳ぐわけでもない

海を見たり浜辺で遊ぶのは好きだが、泳ぐのは怖い そういう、海への恐怖を共有できる人

植物園テンションが上がる

温室のガラス張りで水音がしていてあんまり人がいない感じ あれが刺さる人とは趣味が合う

植物にそんなに興味があるってわけでもないんだけど、葉の模様に感じ入ったり、サボテンの造形を眺めたりする そういうデートいいよね

2021-01-23

anond:20210123130347

読んでてわたくしの方がヤバくありませんの?って思ったので今週の食事を振り返ってみますわ。



いやーわたくしのとこにもとんかつお嬢様を求める自炊執事来ねえんですの

2021-01-09

anond:20210109180918

何かお世話すると生活にハリが生まれていいよ

ペット不可ならサボテン🌵とか

2020-12-30

anond:20201230150747

溺愛したいなら何でもよいかペットを飼うんだ

物言う犬猫もいいけど、金魚とかお魚系でもよし、何なら小さなサボテンを育てるのもいいぞ

簡単死ねなくなるから必死になることができるぞ

2020-12-15

ふと気が付くとサボテンが枯れていた。

帰宅して、別のものに目をやった際にその枯れたサボテンが目についた。

まるで俺の人生の枯渇の様だ。

かにここ最近は水をやった記憶がない。

こいつは、このサボテンは、いつ枯れたかすらも分からない。

最後に水をやったのがいつなのかもわからない。

俺はそこにすら気をかけることができなくなっていたんだ。

毎日水やりが必要ならそこは意識できたかもしれない。

だが、ある程度長期スパン配慮をもってすることなので、そこの意識が飛んでしまった、そういうことだと思う。

そんなに仕事が忙しかったわけでもない。プライベートなんて特にない。

そこに気を向ける暇は十分にあったはずだ。

であるのにも気も向けられず、サボテンを枯らし、そしてそれがいつ枯れたのかすらも分からない、曖昧でクダグダな人生を送っている。

すべてへの興味を失い、ただ無為に生きることを消費している。

乾いた口内に食パンを詰め込み思考停止咀嚼する様に、乾いた人生をただただ淡々と消化している様だ。

すべてが良くも悪くも大きく振れることはなく、寝て起きてうんこ製造マシンとして無為に生き、幾ばくかの寿命を消費する。

なんだろうか、この渇きは。

かといって潤すために動くつもりも努力するつもりも毛頭ない。

あと十年、数十年これを続けていくのか。

死にたいとは思わないが、このままのこれを続けていくことに何の意味があるのだろうか。

最近、死についてよく考える。

友人や親せきが死んだなんて話を聞いて、葬式に出たりでなかったり。

泣きはしないが、とたんに存在しなくなる彼ら彼女らに戸惑いながらも数日たてばそんなことは忘れている。

死ぬってなんだろう、この意識がふっと消えるのはどんなだろう。

そうすると、今寝て突然死したら、一生起きられないそういう意識なのか。

なんて考えて眠れなくなり、明日仕事という気にしても意味のないことを気にかけて、寝れなくなり寝るために深酒をする。

そして、二日酔いを引きづりつつ、無味乾燥日常を繰り返す。

俺は結局このサボテンの様に気が付いたら枯れるような、そんな人生を送るのだろう。

これは、このサボテン燃えるゴミでいいのだろうか、多分そうだろう。

そう思いつつ、プランターごと燃えるごみの袋に突っ込む。

サボテンは枯れて、今週には燃やされるのだろう。

俺もいつしか枯れて、燃やされるのだろう。

贅沢は言わない、せめて燃やしてくれ。

2020-11-26

anond:20201126233608

マジレスすると、今パール・ジャム聴きながらググってたんだけど、

ペヨーテ幻覚サボテン、メスカリン)のジャムボーカルのヴェダーの祖母パールさんが作ってたかパール・ジャムらしい

幻覚サボテンネイティブアメリカン医療シャーマニズムに使っていたものでかなり苦いらしい

ヴェダーは祖母幻覚サボテンジャムを食べてハイになったまま学校へ行ったとWikipediaにある

ペヨーテマリファナ同様、依存性ないよと安全だよとか肯定的な考えになれるよと書いてあるものがあるけど、

やっぱり厚労省ではダメ絶対!にリストされてるんだよなあ

ウツとか神経症で悩んでるから試してみたくもなるんだが

ただ、マリファナによる精神障害があるという立場日本とかは取ってるけど、

マリファナ統合失調症を誘発する危険がある、という研究もあるにはあるんだよなあ

あと、マジック・マッシュルームとかも

からとりあえず俺に手錠するとかして医師が投与してくれればいいのにとか思うんだけど、

日本ではやっぱり無理なんだろうなあ

2020-11-08

サボテンが元気なくなってきたぞ

針の根元が茶色い感じになってる

2020-11-01

anond:20201101014937

俺もこれずっと悩んできた。

何か返さなきゃって思うんだよね。

結論からすればそれが間違えだった。何も返さなくていい。

相手はただ自分の話を黙って聞いてほしいだけなんだよ。聞いてる方は発言権無いんだ。サボテンとかアロエの代わりなんだよ。

返答すると、どんな発言でも口答えに思われて、なんかムカつくってなる。一言もしゃべるな

2020-09-20

サボテン喜怒哀楽

育てて3年になるサボテンがなんだか今日は元気がない。

どうかしたのと本人に聞いてみても「さぁ・・・なんででしょう」というような曖昧な返事しか返ってこないので困ってしまった。

私もサボテンも、あまり人付き合いが得意なタイプではないのだ。だからいつもは程々の距離感を保っている。

しか相手が落ち込んでいるとなると話は別である実は私はサボテンに助けられたことが何度もあるのだ。

例えば仕事ミスをした時。そのミス些細なものであっても私は勝手に考え過ぎてしまって、そして深く落ち込んでしまう事がある。

そんな時、サボテンは私を慰めたりは決してしない。むしろ文句を言うのである

もっと肥料がほしい、湿気が多い気がする、日光浴がしたい、云々」

私はそれに従って忙しく働くのだが、世話をされて楽しそうなサボテンを見ているうちに仕事ミスなどは自然と忘れて気にならなくなるのだ。

そういうことがこれまでに何度もあった。

  

私はサボテンに顔を近づけてよく観察してみた。いつものようにツンツンと張ったトゲが針のように光っている。

・・・もしかして私と同じような事がサボテンにもあるのだろうか。何かを深く考え過ぎて落ち込んでいるのだろうか。

  

「ねえ、ちょっと触っていい?」

私の突然の問いにサボテンは驚いたようだった。そして少し怒ってもいるような気もした。無理もない。

触られるのを防ぐためのトゲを持っている生き物に対して「触っていい?」が禁句ということは誰にでも分かることである

  

私はサボテンの返事を聞かずに、その身体てっぺんにある唯一トゲの生えてない場所人差し指をそっと乗せた。

この3年間で初めて触ったサボテン感触は、他の植物と同じようなものだった。瑞々しくて少し弾力があって、そして生きている感触があった。

  

私が触ってもサボテン一言も喋らなかった。

  

その間、私はサボテンの悩みとは何なのか考えてみたが、正直なところ見当もつかなかった。

しかサボテンにはサボテンの悩みがあるに違いない。それだけは確かだろう。

私には私の悩みがあるのだから

  

・・・しばらくして私は指を離そうとした。その瞬間、サボテンはその身体を突然ブルブルブルッと震わせた。

私はとてもびっくりしたが、その震えが喜怒哀楽のどれなのかは、少しだけ分かった気がした。

2020-09-13

サボテン

サボテン育てるの結構楽しい。あまり手前かからないし。確かに刺激的ではないかもしれないけど愛情込めて育ててあげると綺麗な花も咲かせてくれるよ。無趣味の人におすすめ

2020-08-25

グレイト・バウム

 "揃いバウム" の噂を聞きつけた私はアメリカアリゾナ砂漠に飛んだ。揃わないバウムの幻影に惑わされながらいくつかの星の歌を聞き、昼はサボテンの花を汗に濡れた指でなぞった。バイオスフィアの跡地を蜃気楼の中で追いかけると、ナバホの居留地にたどり着いた。

 酋長はいった。その昔二つの対となったバウムが接触したことにより世界誕生した。南洋諸島に伝わる石器の硬貨はバウムの姿を形象化した力そのものだと。私は酋長にバウムの行方を聞いた。しか酋長は首を縦に振らなかった。

「遠い友人よ、あなたは今や文明人だ。どうして我々があなたを信じられようか」

 そこから私は臆病なサソリの友人を持つにいたり、彼に星々と共に語りかける様になった。どうすれば酋長は心をひらいてくれるだろうと私が打ち明けると、サソリは決まって恥ずかしがって去ってしまう。空の砂粒が眩しすぎるのだろう。たしかにここにいれば科学文明は遠く彼方に沈んだアトランティス記憶のように思えてしまものだ。

 酋長は数週間後に重たい口を開いた。ホピメサ(ホピの遺跡)にはグレイト・スピリッツ創造主から伝えられたバウムの手がかりがある。

 私はその言葉を頼りに再びサボテンの花挨拶するため、砂漠へと踏み込んだ。優しい生地に縫い込まれ裁縫のようなブリトルブッシュを抜け、どこから迷い込んだのかわからない動物の骨が転がる場所へと迷い込んだ。予め調べた砂漠光景とは違うように思える。酋長は出かける際にサボテン精霊で作られた粉を渡す、と述べた。それの効能なのだろうか。私の目の前にあの時より遥かに大きなサソリが現れ、声もなく背を向けた。サソリはまるで自分についてくることを期待しているように見える。

 私はサソリの導くままに再び歩き出した。砂漠に珍しく空は曇り始め、光ない雷鳴がサボテンたちを揺らす風を呼んだ。不思議と恐怖はなかった。もしかして私はすでに砂漠で倒れていて、別の世界にゆこうとしているのかも知れない。目の前はモノクロームで覆われ、美しいカワセミけが鮮やかな青色を輝かせながらゆったりと横切ってゆく。

遠くのサボテンの花が一斉に開花し始めた。花の色とカワセミけが眼に焼き付いて月の暈のように滲んだ。花の行列が私の横を通り過ぎてすっかり道を抜ける頃、雲間から啓示を思わせる光が射し込み始めた。ホピの信奉するオリオンが重大な真実を指し示しているかのように思える。事実それは目の前にあった。

 巨大なピラミッドが三つ、広大な距離をおいて存在している。その一つの正面にある最も巨大なピラミッド入り口を見せた。瞬間、入り口は大きく拡大してせり出してくる。私は入り口に飲み込まれるようにして中に入り、意識だけになった私の体はピラミッド通路を矢のように突き進んでいた。砂袋の宝物をひっくり返した、星空に映える流星群のようにだ。そうしてほんの数秒のち私は小さく厳かな石室へと導かれた。

 石室には光り輝く二つのリングが佇んでいた。リングはいくつもの層によって形成されており、この宇宙の成り立ちを示しているように見えた。私はこの出会い最中に悟った。これが "揃いバウム" だ。そうして、しかしと言うべきか、必然的にと言うべきなのか、私の中にある悪心が顔をのぞかせた。あらゆる神話の悪はこうして語り継がれたのかも知れない。左右台座の寸分たがわぬ位置に配置されたバウムを動かしたい、という強烈な衝動が私のみぞおちから喉元までさかのぼってくる。いけない、これは今の世界を滅ぼしかねないものなのだ。私は念じるようにつぶやこうとしたが、ついに唇は動かなかった。そして指先だと自分が思い込んでいるなにかの存在――霊体というべきか――がそれに触れると、二つのバウムはつなぎ合わされた。

 その瞬間石室の壁は光り輝いた。いや、石室が光でかき消された。ピラミッドは流砂に巻かれた動物のように消滅し、大地は底を失い、星空は渦を描き始めた。すべての星々がぶつかり合い、やがて全ては圧縮されて潰され、黒くなってゆく。その巨大な重さを持った黒い塊は爆発して私の体が消えるような熱量放出し始めた。黒いおもりにすべてが吹き飛ばされると、今度は急速に冷えた全体からいくつかの皿のようなものが見え始める。様々な皿の中には数多くの星々が連なり、やがて一つの岩石星へと私は吸い込まれた。

 この星は嵐の夜を通り過ぎて、真っ黒で揺らめくものを蓄えた。それが海だと知るのにそれほど時間はかからなかった。小さな数珠のようなものから進化し、大量にそれらが増えたかと思った瞬間、海には様々なクラゲや魚が舞い始めた。魚の中からいくつかの種類は陸上で餌を取るようになり、しっぽはなくなってゆく。彼らは棒を道具として使い、火を起こすことを覚え、洞窟の壁に絵を描いた。

 空の情景がいつか見た動画早送りのように色を遷移させる。青、橙、青、橙。

 彼らはやがて国を作り、王を決め、私の方へと向かって手を合わせたり祈りを捧げ始めた。火器が生まれると砲火が轟き、やがてきのこ雲が舞い上がった。大量の血を吸った大地から地響きのようなものが聞こえた。その音は何かを共振させるような、人を不安にさせる響きだった。それから人々はたくさんの船を用意して空へと漕いでいった。

 成田空港椅子で、うつむいていた私は背伸びをした。多分、場所が正しければここは成田空港のはずなのだ語学留学の娘が帰ってくる。父として私はここにいるのだ。そうしてほんの数秒だけ念を押すと私は夢うつから眼を冷ました。あと数分で娘は帰ってくるようだ。スマートフォンに娘のメッセージが入ってくる。彼女メッセージを見て私は今の自分があることを安堵した。私は決してアリゾナに渡ったわけでもないし、ナバホの長老に会いに行ったわけでもない。

 しかしその思いは砕かれた。ゲートをくぐって走ってくる娘の顔が浅黒い。日焼けしたと思い込もうとしたが、近づくたびに違いは克明となった。それは日焼けと言うより人種の違いに近い雰囲気を帯びていた。私の頭は整理のつかない混乱へと放り込まれた。自らがこの外人を娘だと認識しているのだ。この娘は私が知っている娘ではなく、しかし私が知っている娘に違いないことをだ。

娘らしき女性は私に飛びつくと軽く帰還の挨拶をした。彼女を迎える私の表情は彼女からしたら奇妙なものだったに違いない。

 彼女容姿東洋系ではあるものの鼻は大きく、日本人的とは言い難いものだった。それはインディオに似ていた。私は彼女の機嫌を損ねないようにいくつかの質問をすることにした。例えば誕生日のこと、父と娘しか知らないこと、学校友達彼女は少し不思議がりながらも、自分名前が何故か蠍から名付けられた蠍美(かつみであることを語った。

 血の気が引く私を前にして、娘は土産物と称して二つの硬いものを取り出した。それは二つのバウムであり、今某遺跡土産としてバウムを買うと幸運が訪れる、ということだった。

anond:20200825131124

₍₍⁽⁽🌵₎₎⁾⁾

見て!サボテンが踊っているよ

かわいい

🌵

みんながすぐに次の流行に移ってしまうので、サボテンはみんなに忘れ去られてしまいました

お前のせいです

あ〜あ

2020-08-16

若手社員たちに「サボさん」ってあだ名で呼ばれていることが分かった

Eテレの幼児向け番組に出てくるサボテンのサボさんなのかなと思ったが、面倒な仕事を若手に丸投げして

自分はサボってる奴ということでおサボりのサボさんということらしい

サボってるわけではなくて煙草吸いながら他部署の人たちと情報交換しているだけなんだが

から見たらサボってるようにしか見えないのだろうか

2020-07-25

金が無限にあったらやりたいこと

退職

 退職しないでどうする

引越し

 マジでどこにでも行けるぞ どうする?

熱海箱根北海道沖縄田園調布なんかもいい 海外はいちょっとキツそうだなあ 

とにかくどこにでも思い立ったらすぐ引っ越せるってのはすごい なんせ無限の金だから賃貸契約期間なんかも実質無視できる 違約金もノーダメージだ

別荘をもつ

 つうか各地に家が持てるんだよな まあご時世的に移動はしにくいけど… でもたとえば徒歩圏内に5個家があって気分によって好きなとこで寝られるみたいなのは憧れるなあ 掃除だって外注すればいいわけだし!

買い物

 あんま高いもので欲しいものってないんだけど、とりあえずスマホPC買い換えてでっかいテレビを買うかなあ あとはなんだろう シャワーヘッド…?低温調理機…?そういうQOL品を買う

買い物2

 成城石井かに行ってムチャクチャ大量に色々買いたい!惣菜も値段無視して買えるからな すごいぞ チーズなんかもバカスカ買えてしまう レジ袋も「大2枚ください」なんてことが可能 

自転車

 ママチャリじゃないチャリ乗ってみたい!電動自転車でもいいな たっけえ電動自転車乗ってその辺走り回ったら楽しいだろうなあ

出前

 寿司とか食いまくりてえ!ピザもいい 

入浴剤風呂

 バブひと風呂に8個くらい入れて入りてえ〜ッ

楽器

 中学時代ぶりにホルン吹いてみようかな!安いのでも20万くらいするけど、金が無限にあるので1日で飽きてもOK 防音室作って吹きまくってみたいな

料理

 買い物にも通じるけど、牛肉とか買って食いてえな いや牛肉なんてケチくさいのか?なんかもっとこう…この店で一番高いものを!みたいな いい素材をふんだんに使ってメシ作って食いたい 分厚いステーキなんか焼くのも楽しそう いろいろ入れた餃子作るなんてのもステキ

アーチェリー

 コンパウンドボウみたいなの買って自分ちの広大な庭で好きなだけ放ってみたい!当たんないだろうなあ

 ペンタブと良い椅子と良いソフト買ってお絵かきしてみたい!すぐ飽きるだろうけど、好きな時に絵が描ける環境は楽しそう

金塊

 バカかい金塊買って手に持って「重え〜」とか言って笑いてえ!

巨大ベッド

 キングサイズのベッドに寝てみてえなあ 彼女シングルの布団に入るの狭すぎる 広さと同衾を両立したらどうなっちゃうの

書籍購入

 気になる漫画とか小説全部買いてえ(読むとは言ってない)

高級オーディオ

30万のヘッドホンとか一回でいいから使ってみてえな

サボテン

 鉢植えのサボテン買ってチマチマ育ててえ あっでも別荘持って転々とするのと相性悪いな 終の住処を定めたらサボテン飼いてえ

筋トレ

 筋トレ器具なんかも買ってみたい トレーニングルームを自宅に設けてみたりして… まあすぐ飽きるだろうけど、ないよりは絶対運動する!

プール

 プライベートプール欲しすぎる!プール入浴剤入れたら楽しそう

 模造剣とか模造刀買ってブンブン振り回してえ!技名叫んだりしてさ…

ペットボトル投げ

 中身が半端に入ったペットボトルをいい感じで投げてえ すげーよく飛ぶんじゃないかなといっつも思うんだけど、もったいないし人に当たりそうだしで投げられん 金があったら解決できる バカ広い庭があるから

チェーン店メニュー制覇

 モスバーガーかに行ってこんなん誰が頼むねんって感じのメニューバンバン頼みてえな そういうところに意外とうまいものがあるから

VR

 VR結局一回も試したことない!最高級HMDみたいなの買ってアレやりたい 高層ビルの上で綱渡りみたいなやつ

 

ああ! 無限の金

金ほしいなあ 金あったらすげえ豊かだぜ

人生のつらさ7割くらい金由来じゃねえか?

2020-07-10

多肉植物」という文字列を見ても思い浮かぶのは大乃国

大乃国…おおのくに…肉の多い大乃国…って、違うやん!サボテンやん!」という感じに、どうしても5秒以上思考迷宮を探索してしまう謎を解明したい。

2020-07-09

父とサボテンと私

私は園芸が嫌いだった。

いや、おそらく……嫌いだったのは父で、園芸には興味がなかった。

父が大事そうに育てている花たちに興味が持てず、どの株も同じようにしか見えなかった。

から最初から農園を継ぐつもりもなく勉強に打ち込み、そこそこいい大学に行って実家を離れた。

それから10年間の間に私は園芸に触れず、父の農場が今どうなっているかにも全く関心を示さなかった。

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ある春の日の仕事帰り、ふと100円ショップでミニサボテンが売られているのを見つけた。

連日の激務で疲れ果てていた私は売れ残っていたのであろう萎びたそれに同情し、自身の安アパートの部屋に連れて帰ることにした。

ベランダの室外機の上に乗せ、たっぷりと水を与えてやる。

「生き延びろよ」と声をかけ、俺も頑張るからと心の中でつぶやく

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しばらくたったある日、異変に気付く。

サボテンが明らかに一回り大きくなっている!

よくよく見てみると肌にツヤがあり(水を吸ったのだろう)、新しいトゲが頭のてっぺんから生えてきている。

なんだか嬉しくなってしまい、その日は滅多にしない晩酌をした。

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一人じゃ寂しかろうと思い、ホームセンターから別の種類のミニサボテンを連れ帰った。

サボテン入門の本を買い、よく育つよう黒のプラ鉢に用土肥料も用意した。

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まずい事実に気付く。ベランダが北東向きで日照時間が足りない!

このままではヒョロヒョロな姿に間延びしてしまう……

サボテンの数は既に10を超えていた。

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南向きのマンション引っ越した。

職場からは少し遠くなったが、ベランダは広くなった!園芸スチールラックも買った。

これでいくらでもサボテンの数を増やせるぞ、とほくそ笑む。

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また春がやってきた。

希少なサボテンの種を購入した。多肉植物コーデックスの種にも手を出した。

パキポディウムアデニウムアガベユーフォルビア……

種まきポッドで一気にベランダが狭くなった。

種まき後の生存率は5割……初心者にしてはまあまあなのではないか

日ごとに成長している姿を見せるサボテンの苗たちが愛おしい。

つのまにかそれぞれのサボテンたちの顔色が少しわかるようになっている気がした。

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婚約した。

婚約者を父に紹介することになり、日程調整のため久々に電話で父と会話した。

今はもう花は作っておらず、野菜栽培しているらしい。

インスタやってるよと言われ、写真を見てみる。

ふむふむ、スイカイチゴ……ん?サボテン

「父さん、このサボテンは?」

農園の空きスペースで育ててる俺の趣味

「え、初耳なんだけど……」

「昔は少しだけだったけど、今は農園区画が余ってるから趣味のものを増やした」

さらにインスタをスクロールすると食虫植物やら蟻の巣玉やら……まあい趣味だこと!

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私は園芸が好きだ。

初めて手に入れたサボテンはもう二回り以上大きくなった。

父が大事そうに育てている野菜たちの表情も、今なら少しはわかる気がする。

父のことは……まだ少し嫌いだが、次会う時にはもうちょっとだけ好きになることができるんじゃないかと期待している。

2020-06-19

増田で学級会すんじゃねえよ。

学級会やるならどっか他所サボテンにでも議論自分語りしていてほしい。

2020-06-10

anond:20200610223550

人嫌いOL・・・サボテンってね、話しかけてやったら育つんだよ』

を思いだした

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