はてなキーワード: ヤングアダルトとは
ロシアの記事が若干バズっててオタクが実際に海外で存在感示し始めてる事に微妙に反発したりを腹を立ててるようなブコメをつけてる人もいるけど。
海外のオタクカルチャーの勢いが半端ないのでこれからオタク関連の記事が今まで以上にどんどん出てくるようになると思う。
中国が一旦落ち着いたけど、今度はアメリカでの勢いが凄まじい。
それに引きずられてるのか他の国でもオタクの活動が活発化し始めてる。
元々オタクコミュニティはあったけどそれがどんどん広まってる。
ソニーもオーストラリアのアニメ関連会社買収したし、ヨーロッパでも配信サービスをやり始めてるし。日本の製作側も積極的に外国人のアーティストと協力してアニメを作り始めるようになってる(ロシア人とかアメリカ人とかフランス人とか中国人とか。黒人もアニメに注目するようになってきた)
更に追い風なのはヤングアダルト向けとかアダルト向けのアニメを他の国でも作り始めたこと。しかも明らかに日本の影響を受けてる。右(伝統的保守)も左(オタク嫌いのサブカル好き)もこの話を聞くとすぐに日本のアニメは駄目になるとか負けるとか囃し立てるんだけど、どう考えてもこの風潮が追い風になってる。
つまりアニメ市場が世界的に勃興して明確な市場として確立し始めてる。
確かに映画ランキングはアニメが賑わすようになったし、ソシャゲは凄まじい収益。でも皆がオタク文化を好きなわけじゃない。
特に海外に出て行く人なんかはオタク文化を嫌ってる人ちょくちょくいるでしょ。でもそういうオタク嫌いな人でも日本人だとわかったら気持ち悪い(とあなた達が言ってる)海外の"オタク"が近寄ってくる。そしてどこに行ってもオタク文化から逃れられなくなる。でも日本に戻っても未だにオタクは微妙にメインカルチャーじゃないから強者として叩けない。たぶん、近い将来オタクとそれ以外の人との文化衝突が再び発生すると思う。
行を使い切ってしまった。
その他有望そうな作品
『シカゴ』でアカデミー賞作品賞をさらったミュージカルの名手ロブ・マーシャルがディズニーの伝説的名作の続編を制作。
エミリー・ブラント、ベン・ウィショー、こりん・ファース、ジュリー・ウォルターズといった英国の名優たちでがっちり固めつつ、リン=マニュエル・ミランダやメリル・ストリープといったミュージカルで定評のある俳優陣をフィーチャーし、万全の体制を敷いた。
あらすじ的には『プーさんと大人になった僕』みたいな「少年時代から数十年後……」なやつで正直芸がないなという感想だが、やはり布陣の豪華さで眼を惹いているのか、各種オスカー予想サイトでも好位置につけている。
リベラル派の英雄ルース・ベイダー・ギンズバーグ最高裁判事の伝記映画。
正直、作品としての評価はそこそこ止まりなのだが、題材のタイムリーさで群を抜いている。
ここ一二年の受賞傾向から読み取られるように、オスカーは政治の場でもあるので、政権へのメッセージとして名誉枠的にどこかしらの部門でノミネートを受ける可能性はある。
アカデミー賞の常連コーエン兄弟の最新作。元はネトフリのドラマ用に書いた6つの短篇をむりやり一本の映画にまとめたオムニバス的西部劇。
ヴェネツィアでは好評を得て脚本賞を受賞したものの、ネトフリ映画はオスカーでは弱い。ROMAとは違って長編でないことも致命的。
ちなみに日本のネトフリではもう見られるようになっとるぞい。観よう。
オールアジア系キャストでボックスオフィス第一位におどりでてハリウッドに衝撃を与えた金持ちラブコメ。
多様性という観点でいけば黒人映画やLGBTより恵まれていないアジア系英語映画も推されてしかるべきだと思うが、「内容的にはありきたりのロマコメなんで」と言い訳されて回避されそう。
去年の『ビック・シック』のクオリティでさえ作品賞からは外れたしな。
The Hate U Give(ジョージ・ティルマン Jr. 監督)
ヤングアダルト向け小説が原作ながら人種差別に関しての深い洞察が話題を読んだ伏兵的作品。
裕福な白人の子弟が通う高校で自分も「白人的な振る舞い」をしながら友達付き合いをしている黒人の少女が主人公。彼女は幼馴染の少年が警官から理不尽に射殺される場面に出くわしたことがきっかけで、自分の置かれた状況と社会に対して疑問をいだき始める。
批評集計サイト RotttenTomatoes.com で195名の批評家が軒並みポジティブなスコアを与えて支持率100パーセントを記録した作品。去年の『レディ・バード』を彷彿とさせますね。
PTSDを抱えるイラク帰還兵の男が幼い娘と森の奥で世捨て人のような生活をしていたら案の定福祉局に見つかり、真人間として暮らすように強制されるとかなんとかで始まるヒューマンドラマ。
こういう「ロトゥン・トマト・パーフェクト」なインディー映画は『レディ・バード』みたいに配給によほどに力がないかぎりは作品賞ノミネートまでこぎつけられないが、一方で最近のオスカーがインディー作品に対して温かいのも事実。
監督は『ウィンターズ・ボーン』でそれこそインディー低予算映画を作品賞にねじこんだ経験があるだけに、ありえない線ではない。
自分のブログにでも書こうかなと思ったけど、だいたい https://www.metacritic.com/pictures/oscar-best-picture-contenders-for-2019?ref=hp からのパクリだしそんなに力いれて調べてないので増田に放流します。
本命は『スター誕生』、『BlacKkKlansman』、『グリーンブック』あたりか。ノミネーションだけなら『ファースト・マン』や『女王陛下のお気に入り』も。
今年のカンヌで『万引き家族』の次点でグランプリを獲得した、黒人映画永遠のトップランナーの最新作。
黒人なのにKKKにもぐりこんでしまった潜入捜査官の実話を描く。
スパイク・リー監督作のなかでは『ドゥ・ザ・ライトシング』や『マルコムX』をも凌ぐ評価を獲得している(そして興行的にもここ十年で自己最高)。
公開時期が夏季であることと、ややコメディよりのタッチがノミネーションに不利に働くかもしれないが、トランプ政権下において「ブラック・リブス・マター」運動はまだまだ意気軒昂。「黒人映画」枠競争を勝ち抜くポテンシャルは十分だ。
ブラックパンサー(ライアン・クーグラー監督)
解説は不要だろう。今年米国内で最高興収をあげた作品にして、マーベル映画史上でも最も支持された傑作ヒーロー映画。
アメリカ国内外の黒人問題や歴史的視点にめくばせしてオスカー好みの社会性もばっちり備えているものの、やはり「アメコミ映画」のレッテルがネック。
まだまだ白人・男性・おじいちゃんが大勢を占めるオスカー会員にあっては弱い。ギリギリノミネーションがあるかどうか、といったポジションだろう。
余談だが一時期新設されそうだった「ポピュラー映画賞」部門はブラックパンサーを受賞させるために作られるのだという噂だった。裏返せば、作品賞本選に選ばれる格ではない、と会員からみなされているのだろう。
Can You Ever Forgive Me?(マリエル・ヘラー監督)
落ち目のライターが有名人の手紙や文章を捏造して高値で売る詐欺に手を出し、それが嵩じて博物館から実物を盗みだそうと企む実録犯罪コメディ。
日本ではあまり知られていないけれど主演のメリッサ・マッカーシーはアメリカで今いちばんアツいコメディアンのひとり。
夫のポール・フェイグと組んで『ブライズメイズ』、『SPY』、『ゴースト・バスターズ(リメイク版)』などの陽性の笑いでヒット作を飛ばしてきた。
そんなマッカーシーが一転してシリアスでブラックなコメディに挑戦し、見事大成功。本年度の主演女優賞ノミネートが確実されている。
演出したヘラー監督の手腕も高く評価されており、初の監督賞ノミネート、さらには作品賞も夢ではない。
とある気難しい現代っ子少女の中学生活最後の一週間を描いた青春コメディ。
中学生版『レディ・バード』にもたとえられる(中二病的な意味で)痛々しくも切ない、みずみずしくもどんよりとしたフレッシュなローティーンライフの描写が広範な支持を集めている。
監督は若干28歳のコメディアンで、なんとユーチューバー出身。アメリカ映画界における新世代の台頭を予感させる一本。すでに数多くの映画祭や映画賞にピックアップされている
オスカーはコメディを敬遠する一方で、サプライズ的なインディー作品を好む傾向にあるが、はたしてこの作品の出目は吉とでるか凶と出るか。最悪でも脚本賞ノミネートは固いか。
『ロブスター』、『聖なる鹿殺し』と強烈かつキテレツな作風で知られるランティモス監督最新作にして初の時代劇。
アン女王を演じるオリヴィア・コールマンを巡る二人の家臣(レイチェル・ワイツとエマ・ストーン)のバトルを描く百合時代劇……たぶん百合だとおもう。
すでに巨匠の地位を確立したランティモス監督の過去作のなかでも群を抜いて評価が高く、今年のベネツィア国際映画祭でも第二位にあたる審査員賞を勝ち取った。オスカー前哨戦となる各種賞レースにももちろん名前を連ねている。
今年の本命作のひとつとも目されるが、ランティモス特有の変態さ加減が(今回は脚本までは書いてないとはいえ)どこまでお上品なオスカー会員たちに受け入れられるか……。
『ラ・ラ・ランド』で幻の作品賞受賞というなんともかわいそうな結果に終わった(それでも本人は史上最年少で監督賞を獲っているが)デイミアン・チャゼルとライアン・ゴズリング。
そんな彼らのリベンジマッチが実録宇宙開発物語『ファースト・マン』だ。人類で初めて月面に降り立ったニール・アームストロング船長にスポットライトを当て、彼の視点からドラマを描く。
企画段階から作品賞ノミネートは当然、という空気のなかでプレッシャーを跳ねのけて見事高評価を集めた。ノミネーションはほぼ確実といっていいのではないだろうか。反面、今度こそ受賞なるかというと、今ひとつパンチがきいてないようで不安が残る。
オスカー前哨戦の最も重要とされるトロント国際映画祭で観客賞に輝いた作品。ここ十年で同賞を得た作品でオスカー本選にノミネートされなかった例はたった一回しかないのだ。
黒人差別が法的に是認されていた時代のアメリカで、自分もちょっとレイシスト入っている用心棒の白人男が南部へコンサートを開きに来た黒人ピアニストを送迎する仕事を命じられる。最初は「黒人のくせに上等なスーツを着てお上品にピアノなんぞひきやがって……」と反感を抱く用心棒だったが、行く先々で差別待遇を受けるピアニストに対してだんだんシンパシーが湧いてきて……という内容。
ほろ苦くもユーモアとメッセージ性に満ちた内容はまさしくオスカー好み。「分断されたアメリカ」というテーマのタイムリーさもある。ちなみに監督は『メリーに首ったけ』などのロマコメで知られるファレリー兄弟の兄。このところは過去のヒットコメディのリメイクなどで仕事に恵まれなかったが、もともと潜在的に持っていた社会派なセンスが一挙に花開いた。
If Beale Street Could Talk(バリー・ジェンキンス監督)
『ムーンライト』で一昨年の作品賞を獲得したジェンキンスの最新長編。今度こそはチャゼルにかっさらわれた監督賞もいただいて完全制覇を目論む。
原作は今年日本でもドキュメンタリー映画『私はあなたのニグロではない』が公開された、黒人小説家ジェームズ・ボールドウィンによる短篇。濡れ衣をきせられて収監された夫を助け出すために奮闘する若き妊婦のお話。
テーマの重厚さも話題性も十分だが、公開が当初予定していた11月から12月にのびたことが若干きがかり。クリスマス狙いのブロックバスター大作のなかで埋もれてしまう恐れがある。
Mary Queen of Scots(ジョージィ・ルーク監督)
互いにイングランド王位をかけてあらそったスコットランド女王メアリーとイングランド女王エリザベス一世を、それぞれシアーシャ・ローナンとマーゴット・ロビーという旬な女優が演じる。
脚本を担当したのは『ハウス・オブ・カード』や『スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜』などの現代政治劇の名手、ボー・ウィリモン。
いずれもオスカーノミネーション歴を有した名前ぞろいでクオリティも保証されている。同じくイギリスを舞台にした時代劇である『女王陛下のお気に入り』がライバルか。
ROMA(アルフォンソ・キュアロン監督)
世界的に見れば今年最も評価の高い映画といっても過言ではない。ベネツィア国際映画祭の最高賞。
1970年のメキシコ・シティで家政婦として働く女性とその一家のドラマをモノクロで撮る。
評価の高さと『ゼロ・グラビティ』でオスカーを獲ったキュアロンの知名度があれば当然作品賞も……となりそうなものだが、障害は多い。
まずスペイン語映画であること。長いオスカーの歴史のなかでこれまで十作品の外国語映画が作品賞にノミネートされてきたが、受賞にいたったものは一つとしてない。
次に Netflix 映画であること。カンヌみたいに公に締め出すことはしないにしても、アカデミー会員のなかでも動画配信サービス勢に対する反感は根強い。一昨年の『最後の追跡』やドキュメンタリー作品を例外として、『ビースト・オブ・ノー・ネーション』『マッドバウンド』といった作品たちもその年最高クラスの称賛を受けながらもオスカーノミネートには至らなかった。
いちおうネトフリも『ROMA』については配信に先駆けて劇場公開を行うなどの「オスカー対策」をやっているが、はたしてどうなることやら。
ちなみに Netflix でも来月に配信される。驚くべき時代になったものだ。
アリ― スター誕生(ブラッドリー・クーパー監督)
ショービズ映画の古典のリメイク。この八十年で三回目の映画化です。
本年度大本命に数えられる一本。批評家・観客からの圧倒的な支持率もさることながら、商業面でも大ヒット(現時点で世界興収三億ドルを突破)を飛ばした。主演のブラッドリー・クーパーとレディ・ガガの演技もさることながら、これがイーストウッド降板を受けての初監督となったブラッドリー・クーパーの演出にも嬉しい驚きが満ちているとかなんとか。
だが、一昨年の『ラ・ラ・ランド』、昨年の『スリー・ビルボード』と「早すぎる大本命」はかならずバックラッシュに晒されるのがオスカーという場。12月以降に猛然と差してくるであろう後続期待作たちを振り切れるかどうか。
Widows(スティーブ・マックイーン監督)
2013年にアカデミー作品賞を獲得した『それでも夜はあける』のスティーブ・マックイーン最新作。オスカー獲得後の第一作でもある。
シカゴでヘマをやらかして死んでしまった強盗たちの四人の未亡人(ヴィオラ・デイヴィス、エリザベス・デビッキ、ミシェル・ロドリゲス、シンシア・エリヴォ)が亡夫の後を継ぎ女だけの強盗団を結成するちょっと変わった犯罪映画。
マックイーンとヴィオラ・デイヴィスというアカデミー賞受賞コンビで鉄板の出来。
そのパワーでジャンルムービーを嫌うオスカーでノミネーションを勝ち取れるかが見どころだ。
Boy Erased(ジョエル・エドガートン監督)
厳格なキリスト教である両親のもとで育ったゲイの少年(ルーカス・ヘッジス)が教会の同性愛矯正プログラム(いわゆるコンバージョン・セラピー)に放り込まれ、セラピストとバトルする青春ドラマ。
近年では『ダラス・バイヤーズ・クラブ』のジャレド・レトがそうだったように、LGBTものは俳優にとってオスカー像への近道だ(スカーレット・ヨハンソンみたいに非LGBTの俳優がLGBTの役を演じることに倫理的な非難が高まりつつあるにしても)。
批評家筋からの評価的には作品賞には届かないかもしれないが、演技賞ではノミネートが有望視されている。
トランプ政権下でLGBTに対する抑圧が増しつつあるだけに、時事性も捉えているかもしれない。
GWブッシュ政権下で「史上最悪の副大統領」とも呼ばれたディック・チェイニー元副大統領をクリスチャン・ベールが激太り(何度目だ)+ハゲという負の肉体改造で演じたブラックコメディ政治劇。
他にも妻リン・チェイニー役にエイミー・アダムス、ラムズフェルド国防長官役にスティーヴ・カレル、GWブッシュ役にサム・ロックウェルなどアカデミー賞級の芸達者がずらりと並んでいる。
題材としてはなかなかトリッキーだがマッケイ監督の前作『マネー・ショート』がそうだったように、ツボにはまれば一挙にアカデミー賞ノミネートまで行ける。
同じく政治ネタでライバルだった『フロント・ランナー』(ジェイソン・ライトマン監督)の評判がいまひとつ芳しくないのも本作にとっては好材料。
The Old Man and the Gun Now(デイヴィッド・ロウリー監督)
名優にして名監督ロバート・レッドフォードの引退作。15才で逮捕されたときから人生を通じて強盗を繰り返してきた70才の犯罪者(レッドフォード)と彼を追う刑事(ケイシー・アフレック)、そして彼に惹かれていく女性(シシー・スペイセク)を描く実話犯罪コメディ。
作品賞ノミネートは微妙なところだが、レッドフォードはまず間違いなく主演男優賞候補入りするだろう。
ちなみにデイヴィッド・ロウリーの前作であるゴースト・ラブストーリー『A GHOST STORY』は今日から封切り。観に行け。
一方で、実話犯罪・老人・名監督にして名俳優と共通する要素の多い作品としてクリント・イーストウッド監督の『The Mule』にも注目しておきたい。こちらは80才の麻薬の運び屋をイーストウッドが演じる。映画祭などでもまだ未公開なため、どう転ぶかはまだわからないが、近年のイーストウッド作品に対するアメリカ人の冷め方からすると賞レース的な意味での期待はあまりできなさそう。
その他有望そうな作品
『シカゴ』でアカデミー賞作品賞をさらったミュージカルの名手ロブ・マーシャルがディズニーの伝説的名作の続編を制作。
エミリー・ブラント、ベン・ウィショー、こりん・ファース、ジュリー・ウォルターズといった英国の名優たちでがっちり固めつつ、リン=マニュエル・ミランダやメリル・ストリープといったミュージカルで定評のある俳優陣をフィーチャーし、万全の Permalink | 記事への反応(3) | 16:07
ティーン未満向けが児童文学、ティーン向けがヤングアダルト、というのが基本線。
ただ、日本の出版業界では絵本・児童文学・ヤングアダルトをそんなに区別していないんだと思う。
ぜんぶひっくるめて「児童書」みたいな。
「文学」っていうと、字面のためか、ちょっと対象年齢が上のように感じる。
「ゾロリ」「はれときどきぶた」「エルマー」「ズッコケ」(←この順に対象年齢が高くなっていくイメージ)
あとは「世界の童話集」みたいなやつとか、「偉人の伝記」みたいなやつとかが児童文学。
ヤングアダルトっていうと、青い鳥文庫や角川つばさ文庫が代表格で、
さらに上の年齢ではYA!ENTERTAINMENTやポプラ文庫ピュアフルなど。
海外ファンタジーの「不思議の国のアリス」「オズの魔法使い」「ハリーポッター」あたりは、
いや、だって児童向けでは普通にラノベ作家が書いてるし、ラノベが再刊されていたりするじゃん。
イラストもラノベの絵師が描いていたりしてさ、一般人に見せてもラノベだと言われるよ。
出版社が、たとえばつばさ文庫から電撃文庫に移行してほしいと考えているのは確かでしょ。
そも、かつては一括りにヤングアダルトだとか言われていたところからソノラマやスニーカーが分化してきてるわけだし、
対象年齢の問題も、上の年代であるライト文芸をライトノベルと見なすなら、
下の年代の児童文学だってライトノベルと見なすのに不都合はないよね。
って言われると児童文学もライトノベルだという気がしてこない?
イレーナ(study)三部作を読んだ。純粋に面白かった。ハラハラドキドキワクワクさせてくれる、強い物語をずっと読みたいと思っていたので大満足だった。
毒見師イレーナから始まる今回の作品群の魅力は、かなりシビアな状況設定にあると思う。主人公が選ぶことになる最初の分岐点にしても、殺人を犯した罪で死刑になるか国の最高司令官の毒見役になるかだから押して図るべし。
国の体制も面白くて、管理社会主義と呼んでもいいシステムの良い面と悪い面がちゃんと描かれていた。後々出てくる南の民主国家との差異もはっきりしているから、より長所短所が明確になっていた。
孤児院での悲惨な過去があり、死刑を免れたと思ったら誰にも気を許すことのできない毒見役の仕事が待っていて、その生死さえ周囲の人々の賭け事にさせられしまうイレーナだけど、なんやかんやで懸命に生き抜こうとするところが格好良かった。時折優しくなるけどいつも心の内が読めない上司のヴァレクを筆頭に、イレーナの周りを彩るキャラクターも生き生きしている。のちに良き理解者になってくれる軍人のアーリとジェンコは武芸のいい市販であり優しいお兄さんたちだったし、同じく軍人のマーレンは戦い方の道を決めてくれた姉御肌の人だった。最後まで意地悪な家政婦のマージもいい味を出していたし、料理人のランドや裁縫氏のディラナも素敵なキャラクターとして配置されていた。
敵役が憎々しいのもいい。微塵も感情移入できない屑どもなので、最後にはスカッとできると思う。
世界観としては魔術がかなり強力なんだけど、武芸の練習をしっかりしているところなんかは精霊の守り人を思い起こさせた。また生い立ちとか境遇を見ると獣の奏者のエリンにも似てるところがあるなあって思った。だから上橋菜穂子作品が好きな人は楽しめると思う。というか、ファンタジー好きならいける。ファンタジーが好きじゃなくてもいけるはず。テンポもいいし、ちょっと変な言い方だけど章立てがするとずるいので、一度読みはじめたら最後まで読み進んでしまうと思う。
そんな一巻「毒見師イレーナ」は策謀の張り巡らさせた軍国を、平凡な主人公が前向きな性格と機転をきかせて生き抜く物語なんだけど、二巻の「イレーナの帰還」では追放された南の民主国で自分の居場所を見つける物語になる。でもって、この二巻からこのシリーズ最大のヒロインであるキキが登場する。ぶっちゃけてしまうと馬なんだけど、口足らずな言い回しや、胃袋の具合から世界をのぞく精神性など、本当にかわいらしかった。微妙に主人のいうことを聞かないのもいい。すごくいい。本当に。
さて、二巻では民主国家のいいところと悪いところが描かれている。軍国にはなかった着衣の自由や移動の自由がある一方で、路上には幼い物乞いがおり、誰も彼らに手を差し伸べようとはしない。少しでも優しくすれば彼ら際限なく要求するからだってのが理由なんだけど、イレーナは違和感を覚える。完璧な国家は存在しないと軍国の最高司令官はいうんだけど、現実社会においても同じことが言えるよなあって思った。
物語として二巻は居場所を主題にしていると思った。始まりからして生き別れた家族との再開が描かれているし、養成所での身のふるまい方に苦悩するところなんかも、一巻の生き死にの問題とはまた違った悩みを描いている。そんな二巻だけど、テイストとしてはミステリっぽい連続殺人犯を探す展開もあって新鮮な読書感が得られた気がする。ただこの巻からイレーナの性格の問題が噴出しはじめるので、もどかしくさせられることが多くなった気がする。
また二巻から翻訳者が変わってたのにはびっくりした。思えばちょっぴり文章が柔らかくなっていたのかもしれない。けどあんまり気がつかなかった。翻訳者ってすごいですね。
三巻の「最果てのイレーナ」は自分自身と向き合う物語だったと思う。この巻は読んでいて結構つらかった。どんどん悪い展開になっていくし、イレーナが覚悟できないから仲間との関係も悪化してしまう。追い詰められていくのって嫌な感じだよね。ただその分、最後のカタルシスは大きかったと思う。自分自身と向かい合い、与えられた力の意味を知った途端に形成が逆転するのは気分がいいです。
一巻一巻が長いなんだけど、読みはじめたら止まらなくて、一気に三巻も読んでしまった。どの巻も登場人物が多くて、ちょっと把握するのが難しいところがあるんだけど、それぞれの表裏というか、いい面と悪い面がしっかり描かれていたので、人間味があって生きている感じがよく出ていたと思う。
全巻本当に上質なファンタジー小説だったので、いろんな人に読んでもらいたい。ありがちな中世ヨーロッパがモチーフのファンタジーじゃないから、そういうのに倦んでる人も安心なはず。加えてヤングアダルトっぽさもあるので、若い子にもおすすめ。朝読書の時間に読めば、え、海外の小説読んでんのってびっくりさせられると思うよ!
そして、願わくばこの作者の他のシリーズを翻訳してほしい。この三部作の続きとなる物語もすでにあるって話なので。どうかお願いします。翻訳してください。このとおり。