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はてなキーワード: ペルシャ湾とは

2023-03-20

中国台湾侵攻が起きたらシーレーンが使えなくて日本終わる

という話がある。

中東紛争が起きてペルシャ湾機雷をばら撒かれて石油が輸入できなるって話はわかるけど、台湾あたりで紛争が起きても広いから迂回できそうじゃん。

どうなの?

2019-09-17

油田攻撃

追記: see https://jp.reuters.com/article/wrapup-saudi-attach-idJPKBN1W22KF

この問題について、二つの方面から考える必要があると思います。すなわち、兵器の性能と報道実態についてです。

まず兵器の性能ですが、イエメンフーシ派/イラン革命防衛隊が爆撃に使用する主力ドローン爆撃機200kg の爆弾を装備し 1000km 前後を飛行する能力があるとみなされています作戦において航空機が直線的に飛行することはほぼ考えられないため、せいぜい半径 300km 程度しか攻撃できないものと思われます

今回攻撃をうけたダンマームはフーシ派支配地域の先端(サウジアラビアのナジュラーン)から 1200km 近く離れています攻撃イランによるものだとした場合、以下のような可能性があります

それぞれの可能性について考えてみます地図を見てみると、

という都市ブーシェフルしか存在しません。ここはイランの核開発の拠点都市として知られているので、米軍衛星などにより厳重に監視されているものと思われます。そうした都市から直接爆撃機運用することはちょっと考えづらいと思います

またイランドローンが 3000km を飛翔可能であると想定すると、イラン領土から直接エルサレムの爆撃が可能になります。もし、イランがそうした兵器をすでに運用していた場合イスラエルがここまで「冷静に」事態を取り扱っていることはかなり不自然です。

ということは、仮にイランイエメンフーシ派が攻撃を行なったと考える場合フーシ派はサウジアラビア領内を陸路距離侵攻してサウジ領内に仮設の飛行場を作り作戦遂行する能力を持っていることになりますドローン一機とそれに関連する機器を最大限切り詰めても大型トラック 2 台分にはなると思います。今回の攻撃ではドローン 10 機を使ったというのがイラン側の宣伝なのでそれだけでトラック 20 台です。それに加えて仮設の飛行場を設定するための機材や人員輸送、警備兵力などを入れるとおそらくトラック 50 台近い車列になるものと思われます

このような大部隊サウジアラビア領内に密かに侵攻し、ドローン爆撃を行っているというのは一見極めて異常な事態です。しかサウジアラビア人口密度は極めて希薄であることを考えると不可能ではないと思います。またリヤド近郊のパイプライン攻撃、今回とは違う油田攻撃など「そういう手段確立されている」としか思えない攻撃についてもこれまで報道されてきています

次に報道についてです。まずよく言われる「なぜこの時期に」という問題ですが、正直なところこの時期も何もあったものではないです。これまでにあったことですが、リヤド弾道ミサイル攻撃されたことが報道されましたし、石油パイプライン攻撃される事例もありましたし、先月末にはサウジ国内の別の油田攻撃されています石油関係以外に目をむけると、軍事設備行政設備要人暗殺空港爆撃などイエメンによるサウジ航空攻撃は多岐に及んでいます。またナジュラーン、ジーザーンをはじめとした複数都市陸路から侵攻を受けています。こうした話はアラビア語メディアには頻出していますが、欧米日本中国といった先進国はこれまでほとんど無視を決め込んできました。

どちらかといえば「よくある攻撃だったはずなのに今回だけが大きく報じられている」ということが問題だと思います

先月の攻撃ではサウジアラビア石油大臣は「サウジアラビア全体の石油生産には影響を与えない」という言い方をしていました。すなわち、該当の施設生産を停止するが、他の施設の増産で対処可能という意味です。しかし今回は攻撃一回で「サウジ石油生産能力一時的50% ダウンする」ということがストレートに発表されました。ここまで大打撃をうけるということは、つまり攻撃されずに残っていた油田稼働率限界まで上げることで対処していたところにさら攻撃を受けた結果ついに対処の限度を超えたということです。

今回の攻撃は「よくある攻撃」でしたが「最後の一撃だった」とも言えるものです。また今回の攻撃先進国民の生活に直接影響があるもので、そうしたこともあって「よくあること」なのに報道が多くなってしまったのだと思います

ではサウジアラビア意向はどうかというと、ムハンマド皇太子独裁体制のほころびを隠すことが全てだったと思います。これまでサウジアラビア国内イラン/イエメン攻撃により大被害を受けていたと考えられます(ドローン10機による攻撃程度で石油生産が半分も破壊されてしまたことがなによりの証拠)が、こうした事実サウジアラビアはなるべく隠蔽しようとしてきました。8月終盤ごろからいよいよ被害が隠し切れなくなってきた、あるいはムハンマド皇太子更迭の準備が整いつつあるということなのでしょう。

2019-03-17

期末試験の採点も終わった

以前、地理を教えていた時。期末試験で『地図を見て名前を答えなさい』という問題ペルシャ湾を答えさせた時、『アラビア湾』と書いてきた答案があった。

少し悩んだが、一応×にしておいた。生徒がアラブ諸国大使館に答案を持ち込んで大使館から抗議があったら修正する用意はあったが、幸いにしてそのようなことはなかった。

また、生徒が答案をアラブ石油王に持ち込んだ結果、ロビイストオイルマネーを持ってきて『○をつけるべき』と言ってきたらその時も修正する用意はあったが、不幸にもそのようなことはなかった。

2015-11-22

"シャルリー・エブドの漫画家" はテロイスラムについて何を書いたか

フランス漫画家ジョアンスファール Joann Sfar は、シャルリー・エブドに2004年から2005年9月まで"Mon cahier d'éveil"(僕の情操教育ノート)という作品を連載していた。


その後、今年1月のシャルリー・エブド襲撃事件を受けて、ハフィントン・ポスト フランスブログに"Si Dieu existe" というイラストエッセイを発表。以下はその連載第2回、"Un concert pour Cabu"の日本語訳である

イラスト部分は実際にハフィントン・ポスト フランス版でご覧いただきたい。

http://www.huffingtonpost.fr/joann-sfar/dessins-sfar-cabu-hommage_b_6658718.html


なお、ページ番号は連載第1回からの通し番号となっている。


12

これはお葬式じゃない


テンポを下げないで!くれぐれもテンポを下げないで!」


「さあ!」  フレッドマヌーキアン

13

カブっていう大した奴


カブのためのビッグバンドだ!

そしてファンファーレは彼の仲間たちの演奏だ。

いま君は泣いていないけど、それは君が砂漠みたいに乾いちまったからなんだ!」


カブ兄弟ウォッシュボード演奏した

14

それは本物のイスラム教じゃない。


みんなが正しい、そしてみんなが間違っている。

というのもイスラム教徒信者とりまとめる最高機関を持ってないからだ。イスラム教教皇はいないんだ!

それゆえに独裁者達や過激派は、論破されることもなく、イスラム教を不当にも自分のものにすることができてしまう。

フランスでは、人道的なイスラム教徒代表する人たちがテロリズムに対して抗議したけれど、その抗議の正当性は、世界的に認められたどれかのイスラム教機関から来ているわけではなかった。

このところ僕は、「"イスラム教改革する"必要があるんじゃないか」とみんなが口にするのを聞いている。

だけど「一つのイスラム教存在しているわけじゃない。

数え切れない程のイスラム教徒はいるけれど、彼らが信奉する戒律について、正当性があるのか無いのかを一刀両断で決めてしまえる「誰か」は存在しない。

それが現在構造からイスラム教イスラム教徒のための"バチカンII"を作ることはできないんだ。

15

「"バチカンII”ってアラビア語でどう言えばいいんだろう?」


目下のところ、僕は神経過敏になっている。

ジョアンメイクしなきゃいけないんじゃない?」

「もうしたよ」

16

僕たちがその姿を絵に描く権利があるにせよないにせよ、ムハンマドは剣を持ったただ一人の預言者だ。これは圧倒的大多数のムスリムの、寛大で平和な日々からとても隔たりがある。

逸脱した暴力は、この独特なイメージ武器を持った神の使者のイメージの下に結集しようとしている。

そうだね、改革必要だ。でも改革をもたらすのは誰だろう?フランスにはそのための充分な手立てがない。イスラム教を和らげるためにムスリムが声を上げるなら、その運動ペルシャ湾から起こらなければならないだろうし、そうすれば豊かなオイルマネー活用できるに違いない。

17

もちろん、敵は原理主義者だ。そして今日、僕たちの言うことを聞いてもらうには、とてつもないイマジネーションと力強い声が必要だ。

僕はムスリムに心から敬意を表する。今日暴力の第一の犠牲者ムスリムだ。そして、「コーランが推奨する聖戦は、何よりもまず心の中の悪魔と戦うことだと考えなければならない」と発言する勇気ムスリムは持っている。


ムスリムは敵じゃない、第一の犠牲者なのだ

それでも自己批判しろという声がムスリムには突きつけられている。


スタジオ105 カブのためにフィリップバルはトレネの歌を歌う

18

僕は、夜明けの光に照らされた雨の中のカブ夫婦の姿を思い出す。シャルリー・エブドの訴訟中のことだった。最後カブ挨拶したのは僕の映画撮影の直前だった。僕たちはオデオンのそばのイタリアンレストラン居合わせたのだった。

僕が最後にヴォランスキと食事をしたのは半年前、サン・ジェルマンだった。 

3週間前、僕はおばと会いにリュニベルシテ通りへ行ったのだけど、その時、サン・ペール通りの角で、20メートル離れたところにヴォランスキを見た。彼は僕を見ていなかった。僕は急いでいたので、彼を抱擁しには行かなかった。

19

カブを見る時はいつも連想的に、トレネの歌を聞かなければいけないぞ、と思ったものだ。僕はトレネのシャンソン全集を持っている。フレモー版だ。

でも僕にはもうそれを手渡す手段がない。カブはもういない。いつもの連想から、ぼくは同じ事を思う。トレネを聞かなきゃ。

20

「君はこんな時にも自分について話そうとしてるのか」って?

そうさ。ストレスを感じたワンコ自分キンタマをなめて安心しようとするように、僕は自分スタイルにしがみついて、昔の手帳に書いた話を自分に繰り返してみなければならない。そこに一つの意味を見つけるために。立っているために。僕はシャルリーをやめた。ハリケーンカトリーナの日だ。ロマンチック自己防衛的な理由だった。洪水に沈んだニューオーリンズ、それはもう僕にはひどすぎる出来事だった。

そして僕は私小説的なものフィクション避難しようとして、時事ネタときっぱり別れようとしたが、やり損ねた。

ニューオーリンズ音楽が死んだカブのために演奏されている。それは僕の記憶を呼び起こす。僕は洪水の泥に埋まったファッツ・ドミノのピアノのことを考えている。

21

シャンソンが好きなのかカブに聞いた。カブは答えた。トレネが好きなのだと。」


カブの友人達ブラッサンスの仲間達に似ている。ヒゲを生やし、肘に革をあてたコーデュロイを着ている。もちろん、彼らは涙で目を赤くしている。彼らは反レイシストの、反狩猟の、反闘牛の、古株の活動家だ。気のいい男子たちで、勇敢な女子たちだ。移民の為に、書類の無い入国者のために、そして誰もがこの国が立派だと感じられるように、彼らはずっと暴れ回っている。


今日、僕は、このとても優しくとても過激な人たちが、警察活動のおかげで安心させられてしまっているのを見る。

ラジオで一人のアルジェリア漫画家が言った。「現在のところ、私はフランス漫画家でなくて良かったと思っている」

僕は悲しい。トレネ、その歌は人生のどんな時でもご機嫌だ。カブが殺されてしまったこの時でさえも。

22

マダムカブは僕に語る。カブはなんでも引き受けて、絵でもポスターでも描いたし本も書いた。ある日彼が罪悪感を感じたのは、フライドポテト移動販売トラックの店先に絵を描く時間が無いことだったそうだ。


カブが不機嫌だった所は見たことが無い。ただ一つの欠点は、酒を飲まなかったことだ」

23

レッドマヌーキアンと楽団は続けてキャブ・キャロウェイの「ミニー・ザ・ムーチャー」を演奏する。


「死んでしまうとしても、どうせならニューオーリンズに埋めてほしい」

24

この絵はスーザフォンだ!オフクレイドじゃないよ!


僕に起きる可能性のあること、僕を守ってくれるかもしれないことの中で一番美しいもの――

聴衆に挨拶するや、カブ兄弟ファンファーレを鳴らし、僕はマヌーキアンの楽団ファンファーレサンドイッチみたいに挟まれているのに気付く。僕が描いているのは、オフクレイド音色が僕の真っ正面で鳴った時のエモーションだ。すまない、僕はずっと泣いている。オーケストラのおかげで泣き顔は隠れたから、僕は運が良かった。



P13. カブ Cabu(1938ー2015)、P18. ヴォランスキ Wolinski(1934-2015) いずれもシャルリー・エブド襲撃で殺害された漫画家

シャルリー・エブドの漫画家達については鵜野孝紀氏のコラムが詳しい。http://books.shopro.co.jp/bdfile/2015/01/bd-19.html

P12.フレッドマヌーキアン Frédéric Manoukian Big Band のリーダー

P13.カブ兄弟 Michel Cabut氏。 https://youtu.be/ZX7rZCpl0x4?t=2m23s

P18.「僕の映画撮影スファールの2本目の実写監督作"La Dame dans l'auto avec des lunettes et un fusil"と思われる。2015年夏公開。

P20.「手帳スファールはcarnet(手帳)というイラストエッセイシリーズ刊行している。"Si Dieu existe"は11冊目の"carnet"となった。

P21. ジョルジュ・ブラッサンス Georges Brassens(1921-1981) フランス歌手https://youtu.be/84SMQ4Gyz5o


なお、このコンサートテレビラジオ放送され、ラジオ音源France Interサイトで聞くことができる。

http://www.franceinter.fr/emission-un-cabu-extraordinaire-soiree-speciale

 
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