はてなキーワード: ハイネケンとは
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59443
まず、この文章論点がとっちらかっていて何が言いたいのかわかりにくい。
「大柄」は、そこに恐怖を感じたという表現が後に出てくるからわかるとして、「40前後」「金髪」という形容は必要か。
こうした特定の要素を持ち出すことにより、「40前後」「金髪」というクラスタを攻撃する意図を感じてしまう。
このように書くと、「40前後」「金髪」が問題であるかのような印象を受けてしまう。ITジャーナリストの金髪豚野郎を思い浮かべてしまい、頭から離れなくなってしまった。
ハイネケンを飲むような金髪豚野郎は許せない。筆者のそんな強い思いがビンビンに伝わってきた瓶ビールだけに。
ハイネケンを飲むようやつは最低である。男は黙ってバドワイザー? よほどハイネケンに恨みがあるらしい。
無駄にクラスタを特定して恨みを飛ばすので、本編に入る前にうんざりしてしまった。もう「ハイネケンを飲んでる金髪豚野郎は最低だな」で終わらせても良いかと思ったくらいだ。
まあ、めげずに読みましたよ。しかし、終始主観的な感情しか語っておらず、筆者自身もおっしゃる通り「それが何か?」としか思えなかった。
私ですらそう思ったのだから、この方が怒りをぶつけたい「女性をモノ扱いする男性」たちからすれば、「女に生まれたことを自己嫌悪しているのかな?お気の毒さま」くらいにしか思わんのではなかろうか。
少なくとも、何を怒っているのかわからないはずだ。そのくらい常識で考えろ? 空気を読んで察しろ? 無理でしょう。それができるくらいなら、彼らは最初から女性に無礼などはたらかない。
もし、私が筆者の立場だとしたら、酔っぱらいに中指で差されて「3番」と言われたら、「酔っぱらいウゼえ」と顔をしかめて終わりである。
こんなに何日も何日も恨みがましく思い続けて、あまつさえ文章に起こしてハイネケンの名誉を傷つけてまで記事にしたりはしない。
私が男だからわからない? 他人だから? そりゃそうだ。他人が何を感じたかなんてわかりゃしない。男だ女だというのは大して関係ない。他人の気持ちはわからない。
もちろん金髪ハイネケン豚野郎にもわかるはずがない。ましてや、そいつは酔っ払いだ。自分自身の言動さえも制御できていない。もしかしたら記憶にすら残っていないだろう。
これは、ハラスメントにも通じる。ハラスメントの加害者は、その多くが自分の行為がハラスメントだと理解していない。自然に生活する中で、ハラスメントがにじみ出るのだ。
なぜなら、何をもってハラスメントなのかは、時代によっても違うし、環境によっても違う。それを受け取る人によっても違ってきてしまう。
例えば、私が生まれるずっと前の通勤電車は、女性が一人で乗ることはほとんどなく、もし乗車したなら100%痴漢に遭うことを覚悟しなくてはならなかったそうだ。
電車に乗った時点で周りの男がほとんど全て痴漢をしてきたらしい。それは、悪いことだと考えられておらず、一人で乗ってきた女性が悪いという感覚だったらしい。
私が若いころでも、未婚の女性に対して「行き遅れ」みたいなことが会話の中で普通に出て来たりしていた。女性の前で卑猥なことを言ったりね。
今だと「女子力がある」みたいな言い回しが普通に使われているが、これもセクハラ発言と言われるようになってきている。(LGBT的にも問題がある。)
何が言いたいかというと、ハラスメントは、被害者が「嫌だ」と意思表示をしないと改善していかないのである。
「察しろ」とか「空気嫁」とか「こんなに呪っているのに」とか、そんなものは通用しない。
怖くても気まずくても、泣き寝入りせずに意思表示していかなくてはならない。
もっとも、ハイネケン豚野郎は酔っていたようなので、言っても無駄だったかもしれないが。
そういう意味では泣き寝入りしたくなかったからこのエッセイを書いたのかもしれないが、こうやって感情的になって呪詛を吐き出すような文章は、読み手が素直に受け入れ難い。
ましてや、増田などではなく歴としたゲンダイの記事である。しっかりと要点を整理して、他人にも何が問題かわかるように論じるべきではなかろうか。
ぶっちゃけて言ってしまうと、「やはりフェミニストはヒステリックで話しても無駄」と感じてしまった人もいるのではないかと心配している。
私たちはエスパーではないから、他人の心の中は容易に理解できない。
ちなみに、私の元カノはMっ気があったので、「もっと乱暴にしてほしい」とか「縛ってほしい」とか「なじってほしい」とか、よくリクエストされていた。
そういう女性がいるのも確かで、そういう女性とばかり交際している男性がいたら、そりゃ女性に対する敬意が失われていくのも無理はない。
ぴょんぴょんぴょん!
私をゲットして!!!
ウサギだよ~。
ぴょんぴょんぴょん!
でさ、
ウサギは水飲まないとか、
ウサギはウサウサって鳴かないとか、
飼育係だった頃に喰らった
見切れないの!
本格的に挑みに行くなら
一度ウサギの島に行くといいわ。
そこらじゅうウサギだらけ。
夜お散歩をしていたら、
カサっ!て背後に物音がして振り向いたと思ったら、
そこに居たのはウサギちゃん!
夜は寝てるんじゃないの?
だから目が赤いのね!
ほんと、昼夜ウサギまみれになれるわよ。
にしても、
飼育係だったせいで、
まあ、いい想い出だけど。
葉物野菜が高いのよね~。
だからさ、
最近は1回で全部使い切るんじゃなくて、
保存袋に小分けにして入れて
野菜セット作っておくの。
そしたら、それパッと鍋に入れて
それも便利、おすすめよ!
ぴょんぴょんぴょーんってね。
うふふ。
最近パンのサンドイッチでの消費量が多くなってきてるんだって、
って、日経新聞に書いてあったわ。
鍋の残り汁薄めホッツウォーラー。
お米を炊き含めると
意外とクノールを超える暖かさ!
すいすいすいようび~
今日も頑張りましょう!
なにか勘違いさせてしまったようだけど、俺は日本のビールはピルスナーばっかでしかもスーパードライとかがウケるような風土だから全然苦くねーよって言っただけだぞ。
ハイネケンとかも似たようなもん。つーか「ありがたがる」対象としてハイネケンとか言うあたり、ビールほとんど飲んだことないな?
俺もそうだけど、ビール好きはだいたいIPA推しになると思う。スタウトとかが好きなやつも多いかもしれないけど。
この辺の苦さに慣れると日本のビールは水か?って感じになってくる。
飲みやすい系でもヴァイツェンやベルジャンホワイト系の方がずっと美味いと思う。
アメリカで一番売れてる(今はどうか知らんけど)bluemoonはこれ系。これもうまい。
これらは別に高級ビールとかいうわけじゃない。日本のマイクロブルワリーでもIPA作ってるところはいっぱいある。
ヤッホーブルーイングのよなよなシリーズはコンビニでも買えるな。
日本のビールがまずいとかあーだこーだ言ってる奴はホントに言ってみたいだけなんだよね。。。
ヨーロッパなんかのだとそれぞれ色々独特なのが増えてくけど、
あれ、日本で言う「発泡酒」なり「第三のビール」に部類されるものだったりもする。
ビールマンセーで発泡酒とか糞だ、とか言ってる奴がヨーロッパのビール最高だわー、とか言いながら発泡酒飲んでるの見ると笑える。。。
発泡酒っていうか違いが在るわけでどっちを好きでもいいけど、
日本の「安い」飲み物を否定してヨーロッパの「高い」飲み物を肯定したいだけ。
まあ、ヨーロッパ行けば日本のビールが超高級品になるわけだけどね。
分からないけれども今までの自分からはとうてい想像もできない出来事がおこった。どこにもかけないので備忘録です。
今年は恋人と別れたばかりで傷心だったが、せっかくチケットもあるし転売も面倒だしということでちょっと無理して行くことにした。
7/24木曜日。暑いのと、待ち合わせで行き違いがあり朝からイライラしたがお昼すぎには苗場着。
テントもいいところへ張れて(貧乏なのでテント生活)、だんだん元気になってくる。この辺りで飲酒を開始する。
前夜祭まで時間があったので、友人カップルとテントでのんびり過ごす。
今年はゲートからオアシスへ行く橋がなくなっていて(去年は行かなかったので知らない)不便。
前夜祭では友人2組と会いたかったのに会えず、結局午前1時には就寝。まじめである。
7/25金曜日。朝から殺人的な日差し攻撃にあい、眠かったけどやむを得ず起床。
越後湯沢まで友人の友人たちを迎えに行く。ここでA君と出会う。
今日は夕方のFOSTER THE PEOPLEまで暇なので、木道亭まで行ってBANG BANGで盛り上がる。
木道から降りるのにA君がだっこしてくれる。ここで初めて言葉を交わす。
ちなみにここまで特に記載していないが、朝からずっと飲酒しっぱなしである。
時間になったのでグリ−ンへ移動、まさかのモッシュピット…!!
別の友人は途中で抜けて、A君と2人最後まで盛り上がる。すごくすごく楽しかった。
終わってからハイネケンブースまでの間にお互い興奮しすぎてハグ。
友人と合流するもすぐにお別れし、FRANZ FERDINANDまでヒマだけど、疲れたのでグリーンで電気グルーヴを見ることにしたらA君も一緒に。
2人きりだったし周りもすいていたし真っ暗だし…で、さきほどの興奮が冷めやらず後ろから抱っこ&キス攻撃(肩と首と頭)。
最終的には普通にキス。公衆の面前で…!(はじめての経験その1)。
富士山の途中で友人が戻ってきたんだけど、ずっとキスしていたので、口をふいてから友人とハグしていたA君が印象的だった。
友人に「富士山の後になんて言ってるの?」と聞かれたけど電気グルーヴを聞く余裕がなかったので「わかんなかったねー」と返す。友人は不思議な顔をしていた。
その後私はフランツ、みんなはBASEMENT JAXXを。
終演後オアシスで合流して、寝る組と遊ぶ組に分かれる。私は遊ぶ組で、レッドでA君としばし遊ぶ。
そこからの記憶があんまりないんだけど、気づいたらテントに向かっていて、
A君と手をつないでいて(いったん離れちゃったんだけど、A君が後ろに手を開いて待ってくれていたのがキュンポイント)、
自分のテントでなくA君のテントにいた。(はじめての経験その2)。普通にラブい夜を過ごす。
7/26土曜日。恒例の暑くて目が覚める。というかふつうに4時くらいまでオールナイトフジやってるし、ラブい感じで寝るのが久しぶりだったのでぜんぜん寝れなかった…
途中覚醒してばかりでA君には悪いことをしたと思う。何度も髪の毛にキスされて結構キュンときたけど、私お風呂入ってないんだよねーってずーっと思ってた。
でも起きてからA君が気まずそうにしていたので(すぐ隣に友人のテントがある)、すぐに身支度をして自分のテントに戻る。
友人カップルに朝帰りの様子を目撃されているのがわかっていたけど眠くてフラフラ歩いていたので気づかないフリ。戻って30分ほど並んで即シャワる。
例によってARCADE FIREまでヒマなので、無駄にヘブンまで行って昼寝のち川遊び。
起きてからみたJAKE SHIMABUKUROがよかった。男性の友人とA君が野太い声で「I love you JAKE!」ってしょっちゅう言っててウケる。
クレイジーなヨーコオノをチラ見して、ARCADE FIREでしめ。クリスタルパレスに寄ってみたけど、私とA君は帰ることに。けっきょくその夜もA君のテントに泊まる。
7/27日曜日。今日でA君とはお別れ。昨日とは打って変わって朝から恋人のように過ごす。着替えとシャワーに自分のテントに戻るときも「See you soon!」と別れる。
Soonと言いつつ、今日は荷物の片づけもあるので合流できたのはお昼過ぎ。
移動中も恋人のようにずっと手をつないで移動、アウスゲイルだけみたんだけど、始まる前にトイレへ行ったら友人たちの場所に戻れなかったので、後ろの方で2人でみていた。
ああもう今日でお別れなんだなあと思うとすごく寂しくて、何度も手をギュってにぎった。
夕方ほんとに全員集合して、ワールドレストランの木陰でのんびりして、私は帰る時間が来てしまったのでそこでお別れ。
帰る時間は説明していなかったのでA君すっごくびっくりしていて悪いことをしたなあ。
みんなからちょっと離れたところでハグ&キスをして「本当にあえてよかった」というようなことを言い合ってお別れ。
以上が私が体験したはじめての出来事でした(ワンナイトラブ的な)。
恋人以外とこんなことをする人間になるとは夢にも思っていなかったのでびっくりしたけれど、
A君とは音楽の趣味も合うし、何よりいままでのフジロックの中で一番エキサイティングでとっても素晴らしいフジロックを過ごすことができたので後悔はしていない。
A君と私の間のディスコミュニケーションを感じる方もいたかもしれないけれど、実はA君は外国人で日本語があまり得意でない。
しかもフジロックの2週間後には帰国が決まっていたので、まあ彼の友人たちからしたら「日本人ちょろい」と思われているだろうし私でもそう思うけど、
当事者からすると「ちょろい」というよりはすごく興奮して同じ感動を味わうことができて、こうなったのもそこそこ自然な流れなのであんまり気にしていない。
もうこんな素晴らしい体験をすることもないんだろうなあと思うとちょっと寂しいけれど、世の中何が起こるかわからない。もっともっと素敵な経験ができるといいなーと思います。
「何かいうことあるんじゃないの?」僕はげんなりとした気分を気取られないように注意しながら、そう口にした。「いえ、ですから、これを。」彼女は困惑した表情を浮かべながら1万円札を差し出してくる。僕は社会人一ヶ月目にして同僚の、だけれど二歳下の女性に惚れて、そしてその二日後に絶望した。
飲み会を行う、そう聞いたときは「もう一ヶ月経つのに、同じ課の新入社員しか面識ないもんな、そろそろ他の人たちとも交流深めなきゃ」と何となく思っただけだった。けれど、その飲み会の内容を聞いたとき僕は驚いて、思わず呟いてしまった。「100人…だと…」
飲み会、それは大学に居た頃には身近なものだった。就職祝い、誕生祝い。そう何かに理由を付けては近くのバーに行き、とりあえずギネスを、時々ハイネケンをマスターに頼み、やたらと背の高い椅子に座って友人と他愛の無い話をした。そんな時間は非常に心地よく、どうでもいい話に笑い、そして時には研究内容について真剣に話し合い、そしてまた笑った。そう、僕にとって飲み会は、変わり映えの無い大学生活の中での精神安定剤。そんな僕には、その100人という言葉がまるで葬式の中の笑い声ほどに違和感を覚えたのだ。
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「あーもう、辻田さん大丈夫ですか!?」そう僕は横の彼女に声を掛けて揺さぶった。「うーん……」「うーんじゃなくて、歩けます?」「うぅ……」飲み会が終わった夜11時、僕と辻田さんは魔都"新宿"を歩いていた。
仕事を早めに上がって集まった午後6時半、魚民をほぼ貸し切り状態にして飲み会は乾杯の音頭と共に始まった。慣れない大人数の飲み会、そして学部卒の人が多く、院卒のじぶんとしては少し居心地を悪く感じていた。しかし、やはり同じ新入社員として共通の話はいくらでもあり、気づいたら楽しく周りと飲み食い大盛り上がりをした。それが悲劇の原因となろうとは、そのときには気づかなかった。
「吉田君、おーい吉田君?」「宮下さーん?この子も駄目だ。」入社一ヶ月、ピンと張った緊張の糸が緩んで、そして同期しかいないこの気軽な雰囲気で飲み過ぎてしまったようだ。「困ったなあ、こんなにつぶれる人が出るとは思わなかったよ。」「いやあ、流石にここまでは予想できないでしょう、どうしようねえ。」飲み会を企画した幹事たちが、飲み過ぎて丸太のように転がった人たちの処理を相談している。周りを見渡してみると、完全に酔い潰れた人が20人は居るだろうか、惨澹たる状況を呈していた。「でもそろそろ店でないと不味いしねえ、頑張ってどうにかしようか。皆さーん、寝てる人を起こして、帰るの助けてあげてくださーい」その号令と共に、潰れてない人たちは各々周りの丸太をゴロゴロと揺すって、よいしょと抱え上げて店を後にする準備をし始めた。
「えー、君実家通いなの!?」そんな悲鳴が聞こえたのはそんな時だった。「ふぁい……すいません……」その声の方を振り返ると、同じ課の辻田さんがぐったりした様子で男に支えられているところだった。「どうしよう、これじゃまずいよなあ」「誰か送ってってやれよ」「いやー、流石に実家まで連れて行くのはなあ」そんな声が聞こえてきて僕はついイラっとしてしまって言ってしまった。「いいです、僕が連れて行きますから。彼女の鞄、それですよね。ちょっとこっちまで持って来て頂けますか?」
僕と同じエコプロダクト課の彼女は、環境負荷を下げる技術についての知識に長けており、エコプロダクト課の開発する商品に惹かれて入社した僕と意気投合して、課の中では一番仲が良くなっていた。そんな彼女を意識し始めるのはそんなに時間が掛かる訳もなく。その彼女を誰が送って行く俺は嫌だとやりとりしている様を見ているのは気分が悪く、自分が送って行くと言ってしまったのだ。
終電間近の電車に乗り込み、彼女と適当な雑談をする。そうこうするうちに、列車は駅に着いて改札を出る。もう自分の家に戻るには間に合わない時間だ。諦めのため息をつきながら、「自宅は町田なんだっけ、大丈夫?」と聞いてみる。「大丈夫ですう」そう彼女は言ったけれど、明らかに呂律は回ってないし、歩みも覚束ない。僕は再びふぅと息をついてから、「分かった、タクシーで帰りな。ほら、これ使って。」と彼女に一万円を握らせた。タクシーに乗って目的地を告げる程度なら、今の彼女でも大丈夫だろう。そう考え、「それじゃ」とそこを後にした。そして歩くこと5分、ふと気がついた。「ここ、どこだ?」
花の金曜日とはほど遠い灰色の金曜日。雲が空を覆い雨粒を垂らす中、僕は2時間歩いて学生時代よく通った漫画喫茶になんとかたどり着き、そこで時間を潰した。そして始発の列車に乗って揺られ、チュンチュンと朝の雀の声をバックサウンドに家の鍵を開け、ベッドに倒れ込む前にメールチェックした。以前、大学生活の時に「今日の朝一に私の部屋まで来て下さい」というメールを昼過ぎに受信してひや汗をかいた経験から、朝一にメールチェックをするのが習慣となっている。すると、メール受信欄に"Tsujita"の差出人が目についた。「流石メール世代、メールでのお礼は早いもんだな」と僕は思いながらメールを開封した。「藤本さん 昨日は申し訳ありませんでした。色々ご迷惑をお掛けしたみたいで……」直ぐに、僕はこのメールに返信しようとメールを書きだした。「辻田さん 藤田です。余り気にしないで下さい。僕は謝られるような事はされていませんよ。」最初は「一万円の事はいつでも結構ですよ」だとか書こうとしたのだけれど、それだとこちらがお金の事をすごく気にしているみみっちい人間だと思われそうで、その下りは削除してシンプルなメールを送った。そう、僕はいつでも余分な事は言わない、紳士なのだ。
朝帰りなんて社会人になってから初めてだな、そう僕は思いながらベッドに潜り横になった。どうやら思っていたよりも疲れていたようで、僕は思ったよりも長く眠ってしまい、気づくと午後6時を回っていた。本当なら今日は食器を買い足しに行こうと思っていたのに、と頭を振りながらパソコンの方を見やると、メールの受信ウィンドウが新規受信メールを知らせていた。また、彼女からだ。
「藤田さん こんにちわ、辻田です。お優しいんですね、ありがとうございました。」
短いメールであったけれど、僕の心は嬉しさで溢れた。
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翌日、彼女からきっと感謝の言葉とお礼がしてもらえると思いながら、少し浮ついた気持ちで会社に向かった。お金は要らないから、今度食事に行こうと誘ったらOK貰えるかな、でもそれはいきなり過ぎるかな。でもチャンスだよな。そんな事を考えるだけで僕はウキウキした気分になる。周りはきっとブルーマンデーな人ばかりなのだろう、だけれど僕だけはハッピーマンデー、平日のハッピーマンデーだ。しかし、そんな僕の浮ついた気持ちは一気に叩き落とされる事となる。カーンカンカン、前方に船影あり、急速潜航準備!
課のブースに入って「はよざいまーす」と挨拶をしながら自分の席に付くと、彼女が目に留まる。挨拶をしながら会釈をすると彼女も笑顔で会釈を返す。それだけで僕のハートはアップテンポのビートを刻む。さあ、コチラに向かってお礼を言いに来るがいい!僕は華麗に「問題ないよ、そうだ、そんなに言うならに今日のアフター飲みに付き合ってよ。いつも一人で飲んでると寂しくてさ」そんな台詞を僕は頭の中で反芻しながら、顔がニヤつかないように書類に目を通すふりをする。しかし、彼女は会釈をした後すぅと自分の席に着いてしまい、肩すかしをくらってしまった。いや、きっと昼休みにお礼を言いに来るだろう。僕は自分に言い聞かせ、しかし彼女の方をチラチラと気にしながら仕事を進めた。
そして迎えた昼休み。僕は直ぐにでも彼女が来るだろうと予想して、少しの間仕事を進めているフリを続けた。エクセルの画面を睨みながら「うーん、予想と少し違ったかなー、過去のデータをもう少し洗い直すかー」などと適当な事を口にしながら。しかし、そんな滑稽な一人芝居をしていても彼女が僕の机の方に寄ってくる気配はなく、気づくと10分も経ってしまっていた。ヤバい、社員食堂はもう一杯になってしまったかもしれない。僕は、慌てて社員食堂へ向かった。
結局、遅れたお陰で休み時間は食堂で食べるだけで潰れてしまい、僕は朝の浮ついた気分が嘘のように沈んでブスっとした顔で午後の仕事を進めることとなった。隣の松田からは「朝はルンルンな顔して、昼は真面目な顔して、午後はむっつり顔か、忙しいなぁ、お前」とケラケラ笑われてしまった。そんな彼の笑い声が僕の斜めな気分を更に急勾配にして、終業時にはもう我慢が出来ない程のイライラに包まれていた。きっと、その時にはイライラという文字を空中に吐き出す事が出来たかもしれない、そう剛田 武-ジャイアンの「ほげ〜」のように。
彼女は次の日まで僕の堪忍袋の耐久試験を続け、その耐久試験に音を上げた堪忍袋の中身をぶちまけに僕は終業後、彼女のもとへと向かった。「……何か言う事あるんじゃないの?」「え、あ!」彼女は一万円を財布から取り出すと僕に渡して来る。僕の体の中を苛つきが駆け巡る。それをダイレクトに彼女に浴びせかけそうになり、僕は黙ったまま自分の席に戻る。すると、タタタっと僕の席に来る足音が聞こえ「ああ、謝りに来たんだな」と僕は思った。しかし、その期待は更に裏切られる。ポケットに一万円札がねじ込まれたのだ。
「ちょっと!」僕は声を荒げ、彼女のポケットにねじ込み返す。「君、失礼だよ!色々と!」もう、僕の理性のブレーキオイルは完全に切れてしまっていた。「社会人たるもの、頂いたものをそのまま返すとか無いわ!」自分が何を言っているのか良く分からないまま、頭の中に浮かんだ言葉をそのまま彼女に叩き付ける。しかし、彼女は憮然とした顔で「じゃあ、一万円分何か買って返せって事ですか?」そんな、彼女の様子を見て僕は怒りを再び沸騰する。しかし、僕は社会人。彼女よりも二つ上。先のように感情のままに暴走しても意味が無い。ぐっと怒りを噛み殺して言葉を繋いだ。「そういう考え方も……あるよね。でも、本当にそう思ってるなら、その一万円を持って早く帰ってくれないかな」「なんで……そんな冷たい事を言うんですか?」彼女は先ほどの憮然とした顔とは打って変わって、驚いたような、悲しいような表情を浮かべていた。もう僕はどうでも良くなり、「そういう付き合いが面倒だと思うのかな。だったら、もういいよ帰っても。」そう言って僕は出口を指で指し示した。すると、彼女は俯いて、走り去るように行ってしまった。
僕は彼女の感謝の気持ちが欲しかっただけだ。何かしてもらったら、お礼を面と向かって言う。それは常識だ。たったそれだけの事を彼女はどうして分かってくれないのだろう。「ありがとうの台詞を直接貰ってないよ」その一言を彼女に言うのは簡単だが、しかしそれで貰ったお礼の言葉は意味が無い。そう思ってその言葉を発するのは止めていたのだが、その気持ちは分かってもらえなかった。そう僕は怒りの悲しみの混ぜこぜになった気持ちになり、しかし少し言い過ぎたかもしれない、とも思い始めた。
女性、しかも先日までは淡い気持ちを抱いていた相手。やはり落ち込んで泣いている様子を想像すると、僕は心臓をギュっと荒縄で締め上げられるような感覚に陥った。すると、居ても立っても居られなくなった「ごめん、ちょっと辻田さんの様子を見て来てくれない?」そう隣に居た松田に頼むことにした。「お前も、色々難しいお年頃なんだね」そう苦笑しながらも、研修室に彼女の様子を覗いてくるのを快諾してくれた。
僕はふぅと息を吐きながら、もし彼女が泣いていたらどうしようか。僕が怒った経緯を一から順番に説明し、その上で謝った方が良いだろうか。それとも、何も言わずに謝罪の言葉を掛けた方が良いのだろうか。そう悩んでいると松田が戻って、彼女の様子を教えてくれた。「良かったな、彼女泣いてなかったぞ。談笑してた位だからさ、大丈夫だ。」そう笑いながら僕の背中をポムと叩いて来る。談笑、談笑。結局、彼女に僕の気持ちの一分も、一厘も伝わっていなかったのだ。僕の心は再び黒い感情に包まれ、僕は誓った。もう年下趣味、ロリ趣味は捨てよう。これからの時代はお姉さんだ、ボディコンだ、と。これが、僕のささやかな恋の終わり。これが、僕が生まれ変わったきっかけ。
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