はてなキーワード: なめこ栽培キットとは
やあ(´・ω・`)
日頃ホッテントリ入りしたきのこ関連の記事を、気まぐれで解説しているよ。
「なめこ」の起源 “60年前に福島県で採取の野生の菌に由来”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220615/k10013672561000.html
ブコメで散々指摘されているとおり、あくまで日本で栽培されているなめこの99%は、
ってことだよ。無論、日本中でごく普通にみられる野生のナメコの起源が全て福島県産というわけではないよ。記事にもしっかり
引用:野生の菌では遺伝的な多様性がみられた一方、菌床栽培の菌は1つの系統に分類され、それぞれが遺伝的に極めて近い関係だと明らかになった
と書いてあるよ。まあ、見出しが誤読を誘っている感は否定できないけど。
じゃあ結局野生のナメコの起源はどこなの?って疑問が当然生まれると思う。
結論から言うと、実はよくわかっていないんだ。というのもナメコに限らず、菌類全般ほぼ化石に残らないので、どの種類がどの時代に分かれたのかって細かいとこまで、今のところ把握のしょうが無いというのが実情なんだ。
どんな自然科学の記事にも言えることだけど、せっかく論文が公開されているのにソースのリンクがないのは不親切だよね。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/mycosci/63/3/63_MYC570/_html/-char/en
なめこは、特に日本で人気の高い食用きのこの一つである。本種は白色腐朽菌の一種で、ヒマラヤ、中国から日本までの東アジアの冷温帯落葉樹林の枯木や朽木に生育する。記録によると、ナメコは1921年に東北地方で初めて人工的に原木栽培され、伝統的にこのきのこを食してきたという。近代的なナメコのおがくず栽培は、食用きのこのおがくず栽培のパイオニアである森本彦三郎によって1930年に確立された。その後、1960年代から1970年代にかけて木製トレー栽培が開発され、日本における選抜菌株の商業生産が拡大した。1980年代以降は、空調を伴うオガクズ栽培で通年生産が可能となり、日本での生産量の99.7%を占める主流となった。その後、1970年代半ばに中国遼寧省南部にナメコ栽培が導入された。それ以来、中国はその最大の生産国となった。最終的に、2012年には中国が70万トン以上、日本が2万トン以上のなめこを生産し、現在のアジア各地、北米、ヨーロッパへの栽培の広がりを引き起こしている。
もともと日本でしか栽培されてこなかったのに、今となってはほとんどが中国産なんだね。
そのため、食用きのこの栽培の歴史は、作物植物や家畜に比べて比較的浅いことが報告されている。例えば、最も古くから栽培されているきのこの一つである椎茸の栽培は、約800年前に中国で行われたようである。しかし、ナメコの栽培は約100年前から行われている。1929年に山形県で採取された野生子実体から初めてナメコの家畜化株が分離されたが、戦後の混乱期に消失したとする説が唱えられている。ナメコの家畜化過程に関する記録はほとんどない。しかし、現在オガクズ栽培に用いられている株は、1962年10月16日に福島県山都町市で採集された単一の野生株F27に由来すると考えられる。したがって、市販のナメコの大部分はこの厳しいボトルネック現象に由来すると推定され、その結果、遺伝的変異が非常に少なくなっている。栽培種と野生系統の遺伝的多様性の比較は行われていない。したがって、家畜化された種の遺伝資源を利用し、さらに品種改良を進めるためには、その進化史を正しく理解することが必要である。そのためには、家畜の自然集団の遺伝的多様性と集団構造に関する知識が必要である。
断片的な資料や口伝などでF27という株が起源ということは推測されていたものの、きちんと裏付けがなかったみたい。今後品種改良を進めて継続利用していくためには、そもそも今出回っている株がどこに由来しているのか、また多様性はどうなっているのかを調べることが大切なんだね。
本研究により、日本産オガクズ栽培株は自家繁殖または家族内交配に由来していることが示された。これらの結果は、日本のオガクズ栽培で生産される商業用ナメコは単一の祖先の子孫であるとする単一祖先仮説と一致する。したがって、日本の商業用ナメコは単一の家畜化事象に由来するため、遺伝的多様性が著しく低いと結論づけられる。
日本全国から収集されたナメコ野生株の中程度の遺伝的多様性レベルは、他の木材腐朽菌の野生株と同等かそれ以下であると報告されてきた。また、他のきのこの栽培株はいずれも複数の家畜化起源を持つことが研究で示されており、ナメコの自然集団は、おがくず栽培に有効な菌株を開発するための新たな遺伝資源となり得ることを提案する。
中国におけるナメコの生産は、日本からの始祖株F27の子孫が一部寄与しているものの、少なくとも一部の中国産品種は異なる家畜化過程を経たことが示唆された。日本以外での栽培履歴を明らかにするためには、中国における栽培ナメコの全体的な遺伝的多様性に関するさらなる調査が必要である。
他の栽培きのこには複数の起源があるのに、菌床栽培なめこは単一だから遺伝的多様性が極めて低いという評価なんだ。栽培の持続可能性や新たな品種を生み出すためには、野生株や世界中で栽培されている株の追加調査が必要なんだね。
現在国産なめこ種菌を牛耳っている種菌メーカー大手「キノックス」のサイトに詳しいよ。
http://www.kinokkusu.co.jp/etc/09zatugaku/hakase/ha-nameko_04.html
品種改良以前に、そもそも種菌の性能維持にもすごく神経を使っているんだね。
http://www.kinokkusu.co.jp/etc/09zatugaku/hakase/ha-nameko_05.html
きのこの分類にはまだまだ謎が多いよ。しいたけやなめこ級のメージャーきのこですらコロコロ変わってる。
http://www.kinokkusu.co.jp/etc/09zatugaku/mame/mame02-3.html
その後、引用した論文にもあるとおり、Pholiota microspora (Berk.) Sacc. (synonym P. nameko)というシノニムにnamekoという文字が残ったよ。
なんだかんだでwikipediaがそれなりに情報量も多くてまとまっているよ。
菌床栽培 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8F%8C%E5%BA%8A%E6%A0%BD%E5%9F%B9
原木栽培 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E6%9C%A8%E6%A0%BD%E5%9F%B9
もしあなたがなめこを栽培したかったら、すでに植菌済みのブロック菌床(なめこ栽培キット的なやつ)を買うと1週間くらいはニョキニョキ生えるなめこを楽しめるよ。
原木栽培も、適当な雑木と、種駒(今の時期ならホームセンターにたいてい置いてある)と、ジメジメしたちょっとした林があれば簡単にできるよ。
http://www.kinokkusu.co.jp/saibai/sa-g-name.html
自分は過去に短木栽培、長木栽培いずれもチャレンジしたことがあるけど、シイタケよりもずっと簡単で収量も確実だよ。長木なら、駒打って日陰に埋めるか腐葉土たっぷりのジメジメした完全日陰に転がしとけばいいよ。シイタケでよく使われるナラやクヌギみたいな硬い木よりも、ブナ、シデ、サクラみたいな柔らかい木の方が菌の周りが早くて確実なんじゃないかなあ。
まだまだいろいろ書きたかったけど、夜も遅いしこの辺でやめておくよ。
またどこかで会えたらよろしくね。
ここまで読んでくれた聡明なあなた、もしかして「なんか物足りねーな」って思ったかな?
実はそうなんだ。業界的にはたぶん、正直そこまでニュースバリューのある話ではないんだよね。
というのも、おそらくごくごく一部の人たちの中では知られていたであろう「新しい品種作りたいけど、クローンみたいなのしかなくて掛け合わせできねー」「正確な記録は残ってないけど、たぶん全部F27が起源なんじゃねーの」ってことの遺伝的な裏付けが取れたってだけだからね。無論、優良株を持続生産するために必要な研究が一歩前進したってニュース自体は大変喜ばしいけども。
きのこがニュースになるのは嬉しいけれど、見出しにつられて勘違いした人が大量発生するのは嬉しくないし、だから私たちのようなきのこ好きが発信する必要があると思うのね。
当たり前だけど、今流通しているなめこは遺伝的に同じ(中国産については一部国産とは異なる可能性あり)と言ってもいいし、(福島を下げる意図は無いのだけど)特別福島県産のなめこが美味しいなんてことはないので、安心してなめこライフを楽しむと良いよ。
ちなみに、いまだに福島県産のきのこに放射性物質が残留しているんじゃないか、なんてことを心配する人がごくごく少数いるけれど、菌床栽培物については全国どこでも似たような産地の原料使っているので変わりないよ。
一方で原木しいたけやホダ木の生産は、まだまだ一部の市町村で出荷制限がなされていたりするんだ。
https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/kinoko/qa/seigenfukusima.html
特にホダ木については事故以前に一大産地だった福島県産ホダ木がほとんど壊滅して、他県に流れてしまったという悲しい事態が起こってしまった。ホダ木の栽培は、20年サイクルくらいで林を皆伐しながら管理するので、一度生産を止めてしまうと再開するには膨大なコストがかかってしまうんだ。福島県のホダ木生産者の方の気持ちを思うと本当にやるせない。
「なめこ栽培キット」というスマホゲームを知っているだろうか。
2011年ごろにリリースされており、原木と加湿器等の設備やアイテム等を整備してやり、原木に様々な種類のなめこが生えてくるのでそれを指でタップすることで収穫するゲームだ。
育成的要素とレアななめこがたまに生えるというガチャ的な要素があり、かつ手軽にできるということで結構ブームになったのだ。(現在でもシリーズが続いているらしい)
当時私は中学生のクソガキで姉は高校に上がったばかりで思春期真っただ中であった。
当然かどうかはわからないが喧嘩はしょっちゅうしており、キモイ・うざいの言い合いは当たり前で、
それに加えて高校に上がったばかりの姉はスマートフォンを手に入れており、それがうらやましかった私は何かにつけてずるい・使わせてと姉に絡んでいた。
そんなやかましい絡みをしていた私に対して、姉はイヤイヤながらも自身のスマホで時々YouTubeをみせたりスマホゲームをさせてくれており、そのスマホゲームの一つにあったのが「なめこ栽培キット」だったのだ。
多様ななめこが生えてきてそれを収穫して図鑑を埋めていくのは眺めるだけでもおもしろくて、レアななめこが生えてきたときはテンションも上がるので姉も私も結構はまっていた。
そんなある日、姉が興奮した様子で家に帰ってきて「見たことない黄金のなめこが生えてきた」と言う。
なんてなめこ?と聞くと、まだ収穫してないからわからないと言う。
つまり、姉は学校でスマホをいじっているときに黄金のなめこが生えてきたのを確認したが、家に帰って私と一緒に収穫するまで取っといてくれたのだ。
二人で、マジで!ホンとだよと言いあいドキドキしながらアプリを開いた。
「なめこ栽培キット」の育成要素の一つとして、世話を怠ったりすぐに収穫しないとどんなレアなめこも枯れなめこというものになる。
もちろんその要素を姉は知っていたはずだが、黄金のなめこが枯れなめこになるリスクを冒してでも家まで取っといて私に生えている様子を見せてくれようとしたのだ。
自慢しようとしていた気持ちはあったかもしれないが、姉はそれを見て少し落ち込んでおり、私はアホじゃんとか何とか言って笑いながらからかっていたと思う。
ネットサーフィンをしていて偶然なめこ栽培キットというゲームを見かけ、この思い出がフラッシュバックした。
今思い起こしても、本当に他愛がなく少し笑える話だが、姉の優しさが感じられる思い出で忘れたくない物なので至急文章に残してみた。
私は27歳、母は60歳になるのだが
母にあるアカウントのログイン手順やパスワード変更について教えている際に癇癪を起こされてしまった。
経緯を詳細に説明すると
・アカウントのログインにはメールアドレスとパスワードが必要で、これらは一対一対応であること。
・アカウントのサービスに関するメールがgmailに来ていることを確認し、登録時に使用したメールアドレスはgmailであること。
・gmailとYahoo!メールは異なるアドレスであること。
・サービスに関するメールを遡ったところ、認証番号が確認できたが、これはパスワードとは異なるもので、実際にパスワード入力欄に認証番号を入力してログインできないことを確認したこと。
・パスワードに関しては父が記入・管理しているネット関連に関するアカウント情報のうち、思い当たるものをいくつか入力したがログインできなかったこと。
以上の4点を説明・実践し、パスワードの変更が必要なことを納得させた。
そしてログインページに移動してメールアドレスを入力し、パスワード変更の手順に関するメールを送らせた。
記載されたメールを読んで指示に従えばパスワード変更はできるからやってみて、と振って見たところ
「そんなこと言われたって私には理解できるわけがないし、日頃からネットに精通しているアンタと一緒にしないでほしい」と言われ、癇癪を起こされてしまった。
私が提示すべきベターな解決策は何だったのだろう…と考えたのだが
1. 勝手にパスワード変更まで終わらせて、このパスワードを使って、と言う。
2. とにかく付き添ってパスワード変更まで行う。パスワードを自分で変更する際に確実に迷うと思うので、ここでヒアリングを密にする
という手段が考えられるが、前者だと「私抜きに勝手にパスワードまで決めないで」と癇癪を起こされるルートが目に見えるし
後者だと「自分でパスワードなんて決められない。覚えられないし」と言われるのが目に見えている。
ただ、おそらく母の感情の動きを考慮すると、後者を取り「一緒に決めようか。どういうのがいい?」って判断を仰ぐのがベターだろうな、と今なら考えられる。
母のネットリテラシーや気持ちを考えると、パスワード変更の際に母を突き放したのはさすがに不親切だったなぁと後悔している。
スマホ操作に関して、母はLINEやメール、電話はもちろんのこと、なめこ栽培キット、ポケ森、ポケモンGOなどのゲームアプリも楽しんでおり、safariの使い方やググり方も教えたので
パスワード変更程度ならできるはずだし、できてほしいという思いがあった。しかし、結果はできなかった。
確かにネット関係の技術なので、電子機器に慣れていないと難しいかもしれない。
しかし、本タスクを処理するのに必要な能力は「メールに記載された文章を読んで内容を理解し、指示通りに実行する」という唯一点である。
この「文章を読んで内容を理解する」能力が欠けている人って思ったよりも多いのではないか、と危惧している。
どうして文章を読めないのだろうか?
・書かれている単語の意味を理解できない(語彙力、リテラシーの問題)
おそらく、以上の3点の原因が相互関係しているのだと思う。理解できない文章を読む気にはならないし
そもそも文中に知らない単語が多すぎる、あるいは分野に関する文脈をあんまり把握できていない場合、内容理解は難しい。
これらの原因から文章を読むことに非常に高いエネルギーを消費してしまうので、無駄なことにエネルギーを使いたくないと思って内容理解を放棄してしまう。
母の場合、主要因は語彙力・リテラシー不足で、それに付随してモチベーション不足が起こるのかなぁと感じる。
そして、案外そういう人って中高年に多いのではないかと危惧している。
駅や空港の案内板を読めない・読まない人が多いということをネットで見かけたが
が主要因かなぁと考えられる。たぶん、彼らだって日本語読解力に不安があるのは自覚している。
だからこそ、自分の読解した内容が正しいか確認するために案内役に質問するのだと思う。というか、私はそうしている。
ただ、母のケースしかり「パスワード変更の手順が書かれたメール」という予め提示された情報を読むことを放棄されるとさすがにムッとくる。