はてなキーワード: ロイターとは
植田氏は金融政策を専門としてきた経歴から「金融政策は景気と物価の現状と特に見通し、先行きに基づいて運営しないといけない。その観点から、現在の日本銀行の政策は適切であると考えている。いずれにせよ、現状では金融緩和の継続が必要であると考えている」と語った。
その上で自身の経歴に関連して「学者でずっとやってきたので、いろいろな判断を論理的にするということ、あと説明を分かりやすくするということが重要」と話した。
政府・日銀の共同声明のあり方や黒田総裁の10年間については、来週以降、話ができる機会があれば説明したいとの意向を示した。
*先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのメッセージは、インフレ鈍化のプロセスは始まったが、まだ先が長いというものだ
*プロセスには紆余曲折あり、さらなる利上げが必要となる可能性
*雇用統計は予想よりかなり強い
*強い雇用統計は、われわれが相当な期間を要すると考える理由を示している
*継続的な利上げが適切と予想、まだ十分に抑制的な水準には到達していない
*予想以上に強いデータが続けば、それに応じて追加利上げを実施する
*2023年はインフレが大幅に鈍化する年になる見通し
*雇用市場にダメージを与えずディスインフレが始まったのは良いこと
*新型コロナのパンデミック(世界的大流行)、米国の労働力供給に永続的な影響を残した。労働者不足は「構造的」と感じられる
*労働市場は現時点で最大雇用を超えていないとしても、少なくとも最大雇用の状態
*現在のインフレの大部分はパンデミックに伴う活動の停止と再開に関連
*バランスシート縮小の終わりに近づくまでに「数年」
*債務上限巡る議論、議会の上限引き上げによってのみ終わらせることが可能で、そうなる必要がある
*債務上限が引き上げられなかった場合、FRBがその影響から経済を守ることができると考えるべきでない
*FRB、長期的に2%のインフレ目標達成に向けた手段を有しているが、インフレは世界的なイベントに影響される
*忍耐強くある必要
*サービス部門の大部分でまだディスインフレは見られず、忍耐が必要
*住宅部門でディスインフレはまだ見られていないが、今年下半期に起きる可能性
*ディスインフレがいつ大規模なサービス部門に定着するか最も懸念、外部要因も懸念
*労働市場の状況に多少の軟化が見られると予想
*労働市場は堅調だが賃金の伸びは緩やか、今回のサイクルはこれまでと異なる可能性
*われわれはデータに反応する
*好調な労働市場や高インフレ示すデータが続けば、織り込み済み以上の利上げが必要になる可能性
*力強い雇用統計、インフレ対応に長い道のりが残っているとの先週のメッセージを強調
*一段の利上げを行い、その後に十分かどうか見極める必要
12月の個人所得・消費支出統計で、個人消費支出(PCE)価格指数は前年同月比5.0%上昇し、伸びは11月の5.5%から鈍化。FRBがインフレ指標として注目している、食品とエネルギーを除くコアPCE価格指数は同4.4%上昇。前月の4.7%から減速した。
これを受け、市場ではFRBは積極的な利上げを近く終了させるとの観測が台頭。FRBの金融政策に連動する先物は、1月31─2月1日の連邦公開市場委員会(FOMC)とその次の3月の会合でそれぞれ0.25%の利上げが決定されるとの見方を織り込む水準にある。その後に0.25%の利上げが実施される確率は30%程度にすぎない。
さらに、FRBが9月にも利下げに着手するとの観測も強まった。ただ、FRB当局者は年内の利下げは想定していないとの見解を示している。
LPLフィナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は「インフレが冷え込めば、FRBは来週、利上げペースを合法的に鈍化させることができる」と述べた。
キャピタル・エコノミクスの北米担当チーフエコノミスト、ポール・アッシュワース氏は「金利上昇が需要に重くのしかかっていることが明らかな今、今年のコアインフレは緩やかに推移し続け、最終的にはFRBによる年後半の利下げ着手につながるだろう」と語った。
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-inflation-rates-idJPKBN2U6186
東電の原発については:anond:20230125001423
いろいろコメントいただいたのであとで答えようと思います。言いたかったのは原発だけでなくて、石油火力も含めて様々なエネルギー源をバランスよく使うのが電気代の抑制につながるということです。
原発に言及すると荒れますね。。。なお増田自身は原子力に賛成で、この増田もそこに沿った内容になっています。その辺についてはご理解ください。
ただ、当然反対意見もありうると思いますし尊重します。あと、東電のせいで再稼働できてないという指摘も受けているのでそこについてもあとで答えます。
(追記終わり)
正直、「人件費下げろ」とか騒ぐヴァカ見ると航空会社よろしく料金と別に燃料サーチャージを徴収する方がマシではないかと思いたくなった。東電虐めは東電の能力(人材力)低下に直結し、結局、消費者の首を絞める愚行
書き方が悪くて伝わってないんですが、今回の値上げはまさにその燃油サーチャージ相当分がほとんどです。これまで顧客の払う燃油サーチャージに上限があって、それ以上の分を東電EPが持ち出しになっていて倒産しそうになっているのでそれを顧客に転嫁するように改めたというのが今回の値上げになります。
従量電灯B(上限ある方)を恒久的に廃止する動きがありますが、理由が貴殿の文章にも電力会社のものにも見あたりません。この点についてご意見が聞きたいです。/いくつもこの手の記事に目を通してるがなにもない。
非常に良い質問です。結論から言うと廃止すべきと考えます。というのも規制料金というのは自由化前から存在するメニューになり、いわゆる原価総括方式(簡単にいうと電気供給を独占させる代わりに国の認可した値段でしか売らせず、安定供給を義務付けること)の名残でしかないからです。
2016年の自由化以降、新電力が供給を一般家庭に行えるようになりましたが、その際の宣伝はそれまでの規制料金(従量電灯B)より安くなるというというものでした。なぜ安くなるかというと、自由料金と言って業者が自由に料金設定を行えること、そして何より東電などの地域電力(旧一電といいます、ただし東電、中部電は火力発電部門をJERAという会社に分社化しています)に強制的に電気を市場に出させることで市場で安く買って発電所の固定費を負担せずに済むからです。しかし発電所の固定費が重い旧一電は火発の廃止を進めたため供給が減り、市場の電力価格が特に2021年以降高値で張り付くようになりました。
そのため新電力は自由料金なので燃料費調整単価を独自に設定したりすることで(全くニュースになりませんが)相当の値上げを行ったり、あるいは新規契約を停止したりしており、規制料金と自由料金の価格が逆転しています。しかしながら規制料金は価格を自由に上げられないため、全国の旧一電が持ち出しで電気を供給する事態が起こっています。もはや独占事業者ではないのにも関わらずです。
これは将来的には電源への投資が削がれることにつながり、今の事態のしっぺ返しは電力不足などの形で将来跳ね返ることになるため、規制料金は撤廃すべきと考えます。
中電はシラッと「燃料費調整単価の上限撤廃」を叩きつけてきたが、全国には値上げしない地域もあるのか。原発稼働への国民への脅迫みたいや。
前述の通り、規制料金は上限の撤廃はされていません。中電が中部電力を指しているなら、規制料金メニューへの契約をお勧めします。
この状況、国は何もアクション起こしてないのかな?
今年の1月ー10月まで電気料金に一律7円/kWhの国からの補助金が出ており、その分電気料金が差し引かれています。
100%東電の言い分を「解説」する増田って、これもうステマだよねー。/人件費云々はまあそうだが、東電的には原発を動かせないのなら経営陣はどんどんクビにしていくべきだよねー。
「電力会社で働いてるわけではないけども、電力会社で働いてる知人が多くいる」、"電源のベストミックス"などの界隈用語っぽいの使ってることから電力会社ではないけど関係者っぽさはある。
全体的に電事連や旧一電によりすぎだなとは自分でも書いてて思いました。ただ、常々火発や原発、送配電などで働いている人たちは本当に頑張っているのにあまりにも報われなさすぎるなと感じており、筆を取ったまでです。もしそのような現場で働いている方がこの増田をご覧になられているのであれば嬉しく思います。いつもありがとうございます。
(ブコメ返答ここまで)
東京電力、家庭料金6月から29%値上げ 経産省に申請: 日本経済新聞
今日プレスリリースが出て、東電管内の規制料金の値上げが申請されました。
内容を精査するとできる範囲での合理化は行なっているし、30%という数字が一人歩きして不当に東電が叩かれすぎだと思うので解説。
増田に書いても信用されませんが、増田は電力会社社員ではありません。
そもそも、電気料金は1kWhの料金は次のような構成(kWの基本料金は今回値上げされていません)。
電気料金=小売料金+託送料金(送配電会社の取り分、10円程度)+再エネ賦課金(FIT、FIPの買取価格の原資、3円程度)
このうち、今回値上げの対象になっているのは小売料金。右の二つはどの電力会社(東京ガスとかソフトバンクとか)と契約しても同額。小売料金もさらに下のような構成。
小売料金=燃料費調整単価+従量料金単価
今後資源価格に関係なく定着する値上げに相当する従量料金単価はおよそ5%程度の値上げで、
前回の価格改定(2012年)からの物価上昇率約8%(ソース:https://ecodb.net/country/JP/imf_inflation.html から増田計算)と比較して低い水準に抑えられており、インフレ率を加味すると実質値下げと言ったほうが正確です。
また、従業員の給与は従量料金単価から捻出されており、そもそも電力の原価の1%以下。社員の給与のために値上げしているわけではありません。
これだけは知人に現場で働いている電力会社の社員が多くいるため、彼らの名誉のためにも言っておきます。
電力価格の改定に対して資源価格は圧倒的に速いスピードで変化するため、それを反映するためのシステム。
あらかじめ電源構成(LNG、石油、石炭)を織り込んでおき単位電力量あたりにかかった資源価格を高くなったら足したり、安くなったら引いたりします。実際2021年ごろは資源が安かったので電気料金が割り引かれてました。
しかしウクライナ情勢以降LNG価格がとんでもないことになっている一方で(一時は単価で50円/kWhを超えるレベル)、
規制料金(従量電灯B)には燃料費調整単価に上限が設けられており、これを突破した分は東電EP(東電の小売会社)が全額負担となります(自由料金や新電力には以前あるところもあったが、軒並み上限廃止したので顧客が全額負担です)。
そのため東電EPは一時債務超過にもなるレベルで経営が悪化しており(東電HD、小売り子会社が67億円の債務超過 増資含め対応検討 | ロイター)、今回の値上げ、すなわち燃料費調整単価の見直しは避けられませんでした。
今回の改訂を見てみると、安い石炭をかなり重視する電源構成に変わったため、資源価格に対する価格感応度は今回の改定によりむしろ下がっています。
脱炭素的にはどうなんだという意見もあるんでしょうが、しょうがないですね。みんな安い方がいいもんね。
値上げしてない二社について一応言及しておくと、彼らは手持ちの原発が全て審査に合格しています。
原子力(再エネも)はコストがほとんどが固定費で、電気の単価が資源価格に左右されにくいという利点があります。やっぱりどんどん再エネ+原発の両輪で推進していくべきですね。
という訳で原子力と再エネが6−7割を占める九州電力は値上げせずに済んでいるのですが、関西電力については原子力の稼働状況だけはなく、電源構成に理由があると思っています。
というのも通常資源価格は石油>>LNGなのですが、昨今のLNGの異常な値上がりにより石油<LNGとなっており、これまで高価とされてきた石油火力がむしろ安価な状況が生まれています。
関西電力は石油火力発電所を3GW程度(このうち相生火発については今年廃止されますが)残しており、これを稼働させることで影響を和らげている部分もあります。
また、40年経過した原発の稼働は料金に織り込んでいないため、改訂するとなるとそれらを織り込む必要があるためむしろ不利な改定になるからではと推測しています。
もっと知りたい人は
https://www.tepco.co.jp/ep/notice/pressrelease/2023/1664634_8668.html
を見てください!ソースもここです。
日銀の両副総裁の任期満了が3月19日であることを踏まえると、2月中に正副総裁の人事案を国会に提示しないと間に合わないのではないかと問われた岸田首相は「国会日程等を考えるとそういったことだと思う」と述べた。その上で「人は代わる。(政府・日銀の)アコードについてはそれから先の話だ」と述べた。
共同声明見直しの是非については「新しい総裁もまだ決まっていない段階で何か申し上げるのは時期尚早だ」と話した。
黒田東彦総裁は4月8日で任期満了となる。岸田首相は、新総裁は「4月の時点の経済状況をしっかり考えた上で、どなたがふさわしいのかこれから判断しなければならない」とした。
正副総裁候補3人の人事案をまとめて国会に提示するかについては「国会でどうするかは国会で決めることだ。まずは人事の中身をしっかり決定した上で国会に提示していく」とした。
共同声明を巡っては、政府・日銀はこれまでも、構造的な賃上げを伴う経済成長と、物価目標を安定的・持続的に維持することを実現するために連携していくという基本方針で取り組んできたと説明。この基本的部分は変わることはないと語った。
https://jp.reuters.com/article/kishida-boj-accord-idJPKBN2U1016
[東京 19日 ロイター] - 伊藤隆敏コロンビア大教授は19日、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)を伴う日銀の金融緩和政策について、今夏にも長期金利の変動許容幅を上下0.75%や1%に再拡大する可能性があるとの見方を示した。ロイターとのインタビューで語った。
日銀が昨年12月の金融政策決定会合で変動許容幅を上下0.5%としたことについては「出口への一歩ではないとする(日銀の)説明は苦しい」と指摘した。
そのうえで伊藤教授は「靴を履き、コートを着て(正常化に向けて)準備している段階」と日銀の状況を形容し、賃上げなどの条件が整えば許容幅の再拡大に向けて「夏までの間に一歩踏み出してもおかしくない」と述べた。
長期金利の変動許容幅は「上下0.75%や1%が選択肢になる」との認識を示した。マイナス金利撤回についても、物価次第で「年内くらいにはあり得る」とした。
大規模な金融緩和を正当化してきた政府・日銀の政策協定を巡って「1%や3%にするとか、そういう話ではない」と言及し、物価安定2%目標に理解を示した。
物価2%目標について、可能な限り早期の達成を期待する記述に関し「中期的、安定的に」と見直す余地があるとする一方、「それ以上、大きく変える必要はない」との考えを述べた。YCCを撤廃する場合には新たな執行部による「総合的な検証が必要になる」との認識も示した。
近く提示される正副総裁人事については、有力視される日銀出身者からの登用が適切かどうかも含め、コメントを控えた。
伊藤教授は2008年に日銀副総裁候補に浮上したが、民主党(当時)の反対多数で同意を得られなかった。黒田東彦日銀総裁が財務官時の副財務官を務め、経済財政諮問会議の民間議員を担うなどした知見から、同氏を含めた日銀新体制を予想する声がある。
https://jp.reuters.com/article/takatoshi-ito-interview-idJPKBN2TY048
西村氏は、金融政策はいずれ正常化することになるが、明確な道筋が見えるまで日銀は現在の政策を維持する方針だと理解していると述べた。
政府の多様な政策によって、日本の物価上昇は他国より緩やかなものにとどまっていると説明。その上で、今後、投資が行われ賃金が上がり、経済が軌道に乗れば金融緩和の停止も可能になると指摘し、その段階に近づいているとの認識を示した。
日本企業に今年、5%プラスアルファの賃上げを期待するとし、それによってコストプッシュ型でなく需要が原動力のデマンドプル型の穏やかなインフレにつながることを望むとした。
https://jp.reuters.com/article/davos-meeting-japan-nishimura-idJPKBN2TX0RH
日本のインフレ率は日銀の2%の目標に非常に近い水準にあり、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)による緩和政策の修正はインフレ高進が引き金になったわけではないと述べた。
「日銀が金融緩和政策を推進したのは正しい判断だった。賃上げによるインフレ圧力に劇的な変化は起きていない。つまり、インフレのけん引役にはなっていない」とした。
日銀が「状況に即したオープンな姿勢を取ることは正しい行動だが、インフレあるいはインフレ要因が急上昇しているという状況ではない」と強調した。
ボウマン理事は、インフレの伸びが鈍化し始めた兆候はあるものの「なお高すぎる」とし、インフレ率を目標の2%に低下させるために「FRBにはまだ多くの仕事が残されている」と述べた。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は利上げを続ける見通しとする一方、今後の引き締めペースは経済状況によって左右されるとも述べた。
さらに「フェデラルファンド(FF)金利は十分に制限的な水準に達した後、物価安定の回復に向け、しばらくその水準にとどまる必要がある」とし、それは持続的に堅調な労働市場を支える基盤構築の一助になるという認識を示した。
FRBの一連の行動にもかかわらず、引き続き低水準にとどまっている失業率については「深刻な景気後退を招かずインフレを低下させることに成功できるという明るい兆候」と指摘。同時に「金融引き締めによる労働市場への影響はこれまでおおむね限定的だったが、景気を減速させることに伴い、雇用創出も減速する可能性が高い」とした。
FRBが利上げを停止するほどインフレが鈍化した判断するには、「インフレがピークに達したという有力な兆候と、インフレが低下傾向にあることを示すより一貫した指標を確認したい」と述べた。
また、気候変動に対するFRBの役割については「安全で健全かつ安定した金融システムを促進するというFRB責務に限定されたもの」という考えを示した。
パウエルFRB議長も10日、FRBには金融機関が気候変動から直面するリスクを「適切に管理する」ことを確実にするという「限られた」監督権限があるとしつつも、「われわれは気候変動に関する政策担当者ではなく、そうなるつもりもない」と言明した。
セントルイスのCFAソサエティーでの講演で、米連邦公開市場委員会(FOMC)が22年に取った積極的な行動と23年に見込まれる利上げによって、「インフレ期待は米連邦準備理事会(FRB)のインフレ目標である2%と整合する水準まで回復した」とし、「実体経済の正常化に伴い、23年は実質インフレ率がインフレ期待に追随し、より低い水準に向かう公算が大きい」と述べた。
さらに、現行の金融政策はまだ経済成長を制約する領域にはないが、間もなく制約的になるとし、低水準のインフレ期待と相まり、「23年はディスインフレの年となる可能性がある」と述べた。
また、年初にさえない滑り出しとなっていた米経済が22年下期に上向いたほか、雇用市場は引き続き「堅調」という認識を示した。
FRBが2%の物価目標を変更することは現実的ではないとしたほか、バランスシートの縮小を一段と進めるにはまだ幾分時間がかかるとした一方、バランスシート縮小のプロセスは順調で6─12カ月後にさらにどの程度縮小する必要があるかを見直すことが可能とした。
講演後、記者団に対して「22年秋に比べ、ソフトランディング(軟着陸)の確率が高まった」と言及。労働市場が大方の予想ほど弱まっておらず、成長も回復していることがその理由だと説明した。
また、多くの企業が採用を継続しているとし、「労働市場は23年を通じて引き続きかなり堅調に推移する可能性がある」と述べた。
その上で、現在は労働市場が強いため「インフレと闘う良い時期」とし、労働市場が堅調なうちにインフレ率を2%に戻すべきとの見方を示した。
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-bullard-idJPKBN2TK1FN
日銀は「国債市場でボラティリティーが高い状況が続いているもとで、現物国債の需給環境に過度な影響を与えることなく長めの金利を低位に安定させるオペを実施することにした」とコメントした。今回の共通担保オペの貸付期間が2年のため、「長めの金利」は主に2年金利を指すとみられる。
29日の2年債利回りは指し値オペの影響で前日から大きく変わらず0.035─0.045%で推移したが、2015年以来の水準で高止まりしている。マイナス金利撤廃への思惑から、ボラティリティーが高い状況となっている。
日銀は20日、市場の意表を突く形で長期金利の許容変動幅拡大に踏み切った。
ゴールドマンはリポートで、今のところ日銀の動きは技術的な調整であり、「数カ月以内に政策金利が調整される可能性があるというサイン」だとした。
ただ基本シナリオでは、米国債の利回りは日本国債よりも「自由度が高い」状態が続き、米国債の短期ゾーンは「景気後退の確率を過剰に織り込む一方、米連邦準備理事会(FRB)の引き締めサイクルを過小評価している」と指摘。このため、今後数カ月はドル/円は上昇するとの見通しを示した。
https://jp.reuters.com/article/global-forex-yen-idJPKBN2T51LW
<ゴールドマン・サックス証券 チーフエコノミスト 馬場直彦氏>
日銀の説明通り、今回の決定は市場機能の改善を目指したものであろうが、同時に長短金利操作(YCC)を機械的に運用しすぎ、円安効果が増幅されたことも一因ではないかとみている。さらに、政府・与党から日銀に金融政策の柔軟性を求める発言が多くなってきたことも関係しているのではないか。
米国は来年2月と3月、5月に0.25%の利上げを実施すると予想している。ターミナルレートは5%強で、米10年債利回りのピークは年後半に4.25%となる想定だ。現在の水準からやや距離はあるが、日銀が長期金利の変動幅を拡大しても、ドル高/円安は再び進行し、140円を超えるような水準へ到達する可能性がある。
<クレディ・アグリコル銀行の資本市場本部シニア・アドバイザー、斎藤裕司氏>
前日の日銀決定会合での長期金利の許容変動幅拡大はサプライズ。米連邦準備理事会(FRB)は利上げペースを鈍化させ、市場は米国のリセッション懸念から、23年末に利下げに転じるとの見方が強まる中、日銀が金融政策を転換させるのは難しいと思っていた。ただ、改めて考えると、イールドカーブコントロール(YCC)のさらなる変更やその先のゼロ金利撤廃を見こして新執行部に対する一番重たい舵を切ったのではないか。また、リセッションのさらなる織り込みが進めばタイミングを逃す可能性があり、時期は12月しかなかったのだろう。
次の日銀総裁に交代するまでにさらに調整が必要な可能性がある。日銀によるさらなる政策変更やいずれマイナス金利を解除する可能性がでてくるとみられ、海外勢や投機筋など市場参加者は一段の円金利の上昇はありうるとみている。一方で、米金利は上昇が一服していることことから、ドル/円は下方向に向きやすい。
足元のドルは8月初旬に付けた130.40円がサポートとなり、下げ止まっている。ただ、2022年の高値と安値の半値である132.70円を割り込んだことから、次は61.8%戻しの128.10円が視野に入ってきた。また、弊社調査部がFXモデルを基にした試算によると、125円程度まで下落する可能性があるとみている。
<あおぞら銀行 チーフ・マーケット・ストラテジスト 諸我晃氏>
ドル/円はレンジを切り下げながら緩やかな円高方向に向かうとみている。前日の日銀決定会合での長期金利の許容変動幅拡大は市場の織り込みがなかったため、サプライズとなった。日銀が来年の早い段階で修正に踏み切るとみていたため、行動が前倒しとなった格好だ。
日銀の決定を受けて米金利が上昇したことから、短期ゾーンを中心に日米の金利差は変わっていない。日本の貿易赤字はいずれ縮小する可能性があるものの、目先は実需によるドル買いが続き、ドル/円の下値を支える。
一方、投機筋の円売りポジションの構築は見込めず、短期的な円ショートのアンワイドが入りやすいほか、オプション市場でも円高方向のヘッジをいれてくるだろう。投機筋のポジションがなくなるため、ドル/円の上値は重くなる。
心理的な節目で、一目均衡表(週足)の雲の上限になっている130円を維持できるかがポイントだ。同水準を割ると127円-128円が下値として意識されやすい。
日本のインフレが賃金上げを確認できる形で2%を超えていくのかが今後の注目。米国の景気が悪化していく中で、明確な数字がでてきづらいのではないか。現時点では日銀がイールドカーブコントロール(YCC)のレンジを引き上げるという思惑があるものの、当面現行のプラスマイナス0.5%程度を継続していくとみている。その場合、日銀に関する材料は剥落し、その後は米景気動向がテーマとなっていく。
日銀が決定した長期金利の変動幅拡大と国債買い入れの大幅増額は、利上げでも金融引き締めでもなければ、金融緩和政策からの出口でもない。安定的な2%の物価上昇目標の達成はまだ見通せず、金融政策の枠組みや出口戦略について論じるのは時期尚早だと考える。
11月以降の日米10年国債金利差とドル/円の相関関係から試算すると、現在の金利差と整合的な水準は136円半ば。日銀の決定を受けて5円程度、円高方向へシフトしたことになるが、この程度の振れは今までにもあった。
これが元の相関に戻るかが注目点になるが、ファンダメンタルズを考慮すれば、短期的に130円前後でいったん底入れし、来年にかけて140円台へ切り返す可能性があると予想している。
中長期の通貨の強弱に影響しやすい短期金利でみると、日本と世界の政策金利の加重平均値との差は、既に390bpまで拡大し、円キャリートレードが活発化した2005─07年のピークに近づきつつある。
日銀が金利を引き上げるめどはたっていない。今後マーケットのボラティリティが低下した場合、円キャリートレードが活発化するとみている。
https://jp.reuters.com/article/japan-economy-boj-idJPKBN2T5054
政府はガソリンなどの燃料価格の上昇を抑えるため、石油元売り会社に補助金を支給(燃料油価格激変緩和策)している。現在は1リットル168円を基準価格とした上で、それを上回る分について35円(上限額)までは全額を、上限を超えた分についてはその半額を支給している。2023年1月から5月にかけて、この35円の上限額を毎月2円ずつ引き下げる。6月以降については段階的に縮小する方針を示している。
欧米や中国などの景気後退懸念を背景に足元の原油価格は下落、経産省によると、補助支給額はここにきて25円を大きく下回り、22日から適用される直近の補助金は15.6円となっていた。
後藤経財相は、日銀の決定は「金融緩和の効果をより円滑に波及させる、すなわち、YCCを起点とする金融緩和の効果が企業金融などを通じてより円滑に波及していくとともに、金融緩和の持続性を高めるためのもの」との見方を示した。
実体経済への影響に関しては「今回の決定の影響も含め、引き続ききめ細かくみていきたい」と語った。
なぜこうなってしまったのか。答えは2つ、パンデミックと戦争だ。
長く続いた低インフレと低金利という快適な時代は、コロナ禍の到来で突然終わった。各国政府と中央銀行が、ロックダウン下の企業と家計を支えるために何兆ドルもの支援を投入したためだ。
この命綱のおかげで、労働者は失業手当の列に並ばずに済み、企業も倒産を回避し、住宅価格も暴落を免れた。しかし同時に、そのせいで需要と供給のバランスはかつてないほど狂ってしまった。
2021年に入って各地のロックダウンが解除され、グローバル経済がリセッション後の回復としては過去80年で最速のペースで成長し始めると、世界の貿易システムは経済下支えのために投入された膨大な資金を消化しきれなくなった。
それまで稼働停止していた工場の生産回復は需要の急増に追いつけず、新型コロナ感染防止ルールにより、小売業、交通、医療分野では人手不足が起こり、景気回復にあおられてエネルギー価格は急騰した。
それでも足りないとばかりに、2月にはロシアがウクライナに侵攻した。主要な石油・天然ガス輸出国であるロシアが西側諸国による制裁の対象となり、燃料価格はさらに高騰した。
インフレが「貧者への税金」と呼ばれるのは、低所得者に最も深刻な打撃を与えるからだ。2桁台のインフレは世界中で格差を拡大させている。比較的裕福な消費者は、コロナ禍によるロックダウンの間に積み上がった貯蓄に頼ることができるが、それ以外の人々は家計のやりくりに苦労しており、フードバンクに頼る人も増えている。
北半球が冬になり、燃料費の高騰によって生活費への圧迫はさらに厳しくなる。医療機関から航空会社に至るまで、さまざまなセクターで労働者はストライキを起こし、インフレに見合うような賃金の引き上げを要求している。だが大半は、十分な成果を得ないまま妥協に追い込まれている。
富裕国の政界は生活費をめぐる懸念への対応に追われている。気候変動対策といった他の優先課題も一部で後回しにされている。
最近になってガソリン価格が下落したためプレッシャーはやや緩和されたものの、バイデン大統領率いる米政権にとって、インフレは依然として最大の関心事だ。またフランスのマクロン大統領やドイツのショルツ首相も生活支援プログラムに数十億ユーロを回しており、財政運営に負荷がかかっている。
先進国においてさえ状況が厳しいとすれば、ハイチ、スーダン、レバノン、スリランカといった貧困国では、食品価格の急騰が困窮状態を一層悪化させている。
国連世界食糧計画(WFP)では、世界で7000万人以上が飢餓に近い状態に追い込まれたと推定しており、この状況を「飢餓の津波」と呼んでいる。
世界各国の中央銀行は、需要の冷却とインフレ抑制に向けて急激な利上げに乗り出している。国際通貨基金(IMF)は、世界のインフレ率は2023年末までに現在の水準の半分以下となる4.7%にまで低下すると予測している。
目指すのは、需要の冷却によって住宅市場の崩壊や企業倒産、失業者の急増が起きることがないような「ソフトランディング」だ。もっとも、急激なインフレが生じた過去の例では、そうした最良のシナリオは達成が困難だということが示されている。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長からラガルド欧州中央銀行総裁に至るまで、金利の引き上げという薬は苦々しい結果をもたらし得るという見解が相次いでいる。そのうえ、ウクライナでの戦争や中国と西側諸国の対立といった大きな不安定要因を巡るリスクは、ダウンサイド方向に振れている。
IMFが10月に発表した恒例の世界経済見通しは、ここ数年でも有数の悲観的な内容で、次のように指摘した。「要するに、最悪の事態はこれからである。多くの人にとって、2023年はリセッション(景気後退)の年と感じられるだろう」
https://jp.reuters.com/article/year-end-inflation-idJPKBN2SW04O
イエレン氏は「予期せぬショックがなければ、来年末までにインフレ率はかなり低くなるだろう」と語った。
リセッション(景気後退)の可能性に関する質問には「リスクはあるが、私の考えではインフレを押し下げるために必要なことではない」と述べた。
経済成長は大幅に鈍化し、インフレは和らいでいると指摘。労働市場が健全な状態を維持することに引き続き期待していると語った。
イエレン氏は今年見られたインフレ高進が短期間で終わることを望むと述べた上で、米政府は1970年代の物価上昇を経て、インフレ抑制の必要性について「多くの教訓」を学んだとの認識を示した。
https://jp.reuters.com/article/yellen-inflation-idJPKBN2SW00S
<欧州勢が中心か>
海外投資家は11月、第4週までに現物株と先物合計で約1兆9000億円を買い越した。海運や商社、銀行、保険など配当利回りの高い銘柄が相対的にパフォーマンスが良く、物色対象になった可能性がある。銀行や保険は米金利が低下する中でも買われる場面があった。
米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイが、国内大手商社株の保有比率を引き上げたことも、海外投資家の日本株買いを刺激した可能性がある。「バフェット氏は、業績が良く株主還元も手厚い日本の商社を選好しているのではないか」(国内証券)との見方がもっぱらだ。
経済協力開発機構(OECD)が11月22日に公表した世界経済の成長率では、日本の経済成長率は22年の1.6%に対し、23年は1.8%と、日本と中国だけが伸びが高まる予想となっている。コロナ禍からのリオープンが欧米よりも遅れたことや、大型の経済対策が追い風だ。
地域別にみると日本株買いの中心は欧州勢だ。10月は北米が476億円の売り越しで、アジアは969億円の買い越し、欧州は3079億円買い越した。「欧州のグローバルファンドは、投資先の国別アロケーション(配分)を決めていったん買いを入れると2カ月ほど買い続ける傾向がある」(大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリスト)という。
https://jp.reuters.com/article/kabutocho-watcher-idJPKBN2SQ0FU
クレセット・キャピタルのジャック・エイブリン最高投資責任者は来年に米景気が緩やかに後退し、FRBが金融緩和を迫られると予想。それまでは投資家が景気循環の落ち込みに強い投資先を志向していくとみる。
ブラックロック・インベストメント・インスティテュートのストラテジストらによると、各中央銀行がインフレ抑制を目指すと引き締め過ぎになりやすく、今後のそうした打撃を株式市場はまだ織り込んでいない。来年は景気変動の影響を受けにくいと考えられるヘルスケア株が推奨という。今年のS&P500種のヘルスケア部門は年初来で約1.7%下落にとどまる。エネルギー株や金融株にも前向きだが、新興市場は全般にアンダーウエートにしているという。
JPモルガンも来年を軽度の景気後退と予測。第1・四半期にはS&P500種が今年の最安値を再び試すとみる。米株は過去平均より割高なことなどから他先進国株より魅力が落ちるとし、推奨するなら一番は英国株とした。
BofAグローバル・リサーチも米景気後退懸念と米企業の収益鈍化により来年の米国株は悪環境になるとみて、米株が値上がりしても弱気相場の中の上昇に過ぎないと受け止めるよう顧客に助言。一方で中国株をオーバーウエートにし、コロナ感染予防の厳格な規制の緩和や政府による不動産部門支援が中国株を押し上げると予想している。
ただ、誰もが今後の米景気後退やその影響を既定路線とみているわけではない。
UBSのストラテジストのルーカス・カワ氏は中国や欧州の経済成長減速といった今年の悪材料が来年は一部改善に向かうとし、資産価格は全般に支えられると予想する。「今年の向かい風が来年は追い風に変わっていく可能性はかなりある」という。
ナティクシス・インベストメント・マネジャーズのストラテジスト、ガレット・メルソン氏は来年は米経済が軟着陸するとの見方。「軟着陸への道は恐らく現在の予想コンセンサスより広い」とし、消費は金利上昇で抑制されるが壊滅はしないとみている。米小型株が既に景気後退を織り込み済みとして、投資に強気と指摘した。
https://jp.reuters.com/article/usa-stocks-weekahead-idJPKBN2SP0F5