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2024-09-18

M理論とIIA型超弦理論双対性

以下は、M理論超弦理論幾何学抽象化した数学的枠組みでのモデル化について述べる。

∞-圏論と高次ホモトピー理論

まず、物理対象である弦や膜を高次の抽象構造としてモデル化するために、∞-圏論を用いる。ここでは、物理プロセスを高次の射や2-射などで表現する。

∞-圏 𝒞 は、以下を持つ:

  • 対象Ob(𝒞)
  • 1-射(またはモルフィズム):対象間の射 f: A → B
  • 2-射:1-射間の射 α: f ⇒ g
  • n-射:高次の射 β: α ⇒ γ など

これらの射は、合成や恒等射、そして高次の相互作用を満たす。

デリーブド代数幾何学と高次スタック

次に、デリーブド代数幾何学を用いて、空間場の理論モデル化する。ここでは、デリーブドスタック使用する。

デリーブドスタック 𝒳 は、デリーブド環付き空間の圏 𝐝𝐀𝐟𝐟 上の関手として定義される:

𝒳 : 𝐝𝐀𝐟𝐟ᵒᵖ → 𝐒

ここで、𝐒 は∞-グルーポイドの∞-圏(例えば、単体集合のホモトピー圏)である

物理的なフィールドパーティクルのモジュライ空間は、これらのデリーブドスタックとして表現され、コホモロジーデリーブドファンクターを通じてその特性を捉える。

非可換幾何学とスペクトラルトリプル

非可換幾何学では、空間を非可換代数 𝒜 としてモデル化する。ここで、スペクトラルトリプル (𝒜, ℋ, D) は以下から構成される:

作用素 D のスペクトルは、物理的なエネルギーレベルや粒子状態対応する。幾何学的な距離や曲率は、𝒜 と D を用いて以下のように定義される:

高次トポス

∞-トポス論は、∞-圏論ホモトピー論を統合する枠組みである。∞-トポス ℰ では、物理的な対象フィールドは内部のオブジェクトとして扱われる。

フィールド φ のグローバルセクション(物理的な状態空間)は、次のように表される:

Γ(φ) = Homℰ(1, φ)

ここで、1 は終対象である物理的な相互作用は、これらのオブジェクト間の射としてモデル化される。

L∞-代数と高次ゲージ理論

ゲージ対称性やその高次構造表現するために、L∞-代数を用いる。L∞-代数 (L, {lₖ}) は次元付きベクトル空間 L = ⊕ₙ Lₙ と多重線形写像の族 lₖ からなる:

lₖ : L⊗ᵏ → L, deg(lₖ) = 2 - k

これらは以下の高次ヤコ恒等式を満たす:

∑ᵢ₊ⱼ₌ₙ₊₁ ∑ₛᵢgₘₐ∈Sh(i,n-i) (-1)ᵉ⁽ˢⁱᵍᵐᵃ⁾ lⱼ ( lᵢ(xₛᵢgₘₐ₍₁₎, …, xₛᵢgₘₐ₍ᵢ₎), xₛᵢgₘₐ₍ᵢ₊₁₎, …, xₛᵢgₘₐ₍ₙ₎) = 0

ここで、Sh(i,n-i) は (i, n - i)-シャッフル、ε(sigma) は符号関数である

これにより、高次のゲージ対称性や非可換性を持つ物理理論モデル化できる。

安定ホモトピー理論スペクトラム

安定ホモトピー理論では、スペクトラム基本的対象として扱う。スペクトラム E は、位相空間やスペースの系列 {Eₙ} と構造写像 Σ Eₙ → Eₙ₊₁ からなる。

スペクトラムホモトピー群は以下で定義される:

πₙˢ = colimₖ→∞ πₙ₊ₖ(Sᵏ)

ここで、Sᵏ は k-次元球面である。これらの群は、物理理論における安定な位相特性を捉える。

ホモロジカル場の理論

物理的な相関関数は、コホモロジー類を用いて以下のように表現される:

⟨𝒪₁ … 𝒪ₙ⟩ = ∫ₘ ω𝒪₁ ∧ … ∧ ω𝒪ₙ

ここで、ℳ はモジュライ空間、ω𝒪ᵢ は観測量 𝒪ᵢ に対応する微分形式またはコホモロジーである

M理論における定理の導出

先に述べた抽象数学的枠組みを用いて、M理論重要定理であるM理論とIIA型超弦理論双対性を導出する。この双対性は、M理論11次元での理論であり、円 S¹ に沿ってコンパクト化するとIIA型超弦理論等価になることを示している。

1. デリーブド代数幾何学によるコンパクト化の記述

空間の設定:

コホモロジー計算

Künnethの定理を用いて、コホモロジー計算する。

H•(ℳ₁₁, ℤ) ≅ H•(ℳ₁₀, ℤ) ⊗ H•(S¹, ℤ)

これにより、11次元コホモロジー10次元コホモロジーと円のコホモロジーテンソル積として表される。

2. C-場の量子化条件とM理論の場の構造

C-場の量子化条件:

M理論の3形式ゲージ場 C の場の強度 G = dC は、整数係数のコホモロジー類に属する。

[G] ∈ H⁴(ℳ₁₁, ℤ)

デリーブドスタック上のフィールド

デリーブド代数幾何学では、フィールド C はデリーブドスタック上のコホモロジー類として扱われる。

3. 非可換幾何学によるコンパクト化の非可換性の考慮

非可換トーラスの導入:

円 S¹ のコンパクト化を非可換トーラス 𝕋θ としてモデル化する。非可換トーラス上の座標 U, V は以下の交換関係を満たす。

UV = e²ᵖⁱθ VU

ここで、θ は非可換性を表す実数パラメータである

非可換K-理論適用

非可換トーラス上のK-理論群 K•(𝕋θ) は、Dブレーンのチャージを分類する。

4. K-理論によるブレーンのチャージの分類

M理論のブレーンのチャージ

  • M2ブレーン:K⁰(ℳ₁₁)
  • M5ブレーン:K¹(ℳ₁₁)

IIA型超弦理論のDブレーンのチャージ

  • D0ブレーンからD8ブレーン:K-理論群 K•(ℳ₁₀) で分類

チャージ対応関係

コンパクト化により、以下の対応が成立する。

K•(ℳ₁₁) ≅ K•(ℳ₁₀)

5. 安定ホモトピー理論によるスペクトラム同値

スペクトラム定義

スペクトラム同値性:

安定ホモトピー理論において、以下の同値性が成立する。

𝕊ₘ ≃ Σ𝕊ᵢᵢₐ

ここで、Σ はスペクトラムの懸垂(suspension)函手である

6. 定理の導出と結論

以上の議論から、以下の重要定理が導かれる。

定理M理論とIIA型超弦理論双対性

デリーブド代数幾何学、非可換幾何学、および安定ホモトピー理論の枠組みを用いると、11次元M理論を円 S¹ 上でコンパクト化した極限は、IIA型超弦理論数学的に等価である

7. 証明の要点

(a) コホモロジー対応

(b) 非可換性の考慮

(c) スペクトラム同値

2024-09-17

超弦理論M理論に基づく最初宇宙モデル

1. 位相的弦理論圏論的定式化

最初宇宙の基本構造記述するために、位相的弦理論圏論的定式化を用いる。

定義: 位相的A模型圏論記述として、Fukaya圏 ℱ(X) を考える。ここで X は Calabi-Yau 多様体である

対象: (L, E, ∇)

射: Floer コホモロジー群 HF((L₁, E₁, ∇₁), (L₂, E₂, ∇₂))

この圏の導来圏 Dᵇ(ℱ(X)) が、A模型の D-ブレーンの圏を与える。

2. 導来代数幾何学と高次圏論

最初宇宙の量子構造をより精密に記述するために、導来代数幾何学を用いる。

定義: 導来スタック 𝔛 を以下のように定義する:

𝔛: (cdga⁰)ᵒᵖ → sSet

ここで cdga⁰ は次数が非正の可換微分次数付き代数の圏、sSet は単体的集合の圏である

𝔛 上の準コヒーレント層の ∞-圏を QCoh(𝔛) と表記する。

3. モチーフ理論宇宙位相構造

宇宙の大規模構造位相性質記述するために、モチーフ理論適用する。

定義: スキーム X に対して、モチーフコホモロジー Hⁱₘₒₜ(X, ℚ(j)) を定義する。

これは、Voevodsky の三角DM(k, ℚ) 内での Hom として表現される:

Hⁱₘₒₜ(X, ℚ(j)) = Hom_DM(k, ℚ)(M(X), ℚ(j)[i])

ここで M(X) は X のモチーフである

4. 高次ゲージ理論と ∞-Lie 代数

最初宇宙の高次ゲージ構造記述するために、∞-Lie 代数を用いる。

定義: L∞ 代数 L は、次数付きベクトル空間 V と、n 項ブラケット lₙ: V⊗ⁿ → V の集合 (n ≥ 1) で構成され、一般化されたヤコ恒等式を満たすものである

L∞ 代数の Maurer-Cartan 方程式

Σₙ₌₁^∞ (1/n!) lₙ(x, ..., x) = 0

この方程式の解は、高次ゲージ理論古典的配位を表す。

5. 圏値場の理論と量子重力

最初宇宙の量子重力効果記述するために、圏値場の理論を用いる。

定義: n-圏値の位相的量子場の理論 Z を、コボルディズム n-圏 Cob(n) から n-圏 𝒞 への対称モノイダル函手として定義する:

Z: Cob(n) → 𝒞

特に、完全拡張場の理論は、Lurie の分類定理によって特徴づけられる。

6. 量子エントロピーと von Neumann 代数

最初宇宙の量子情報理論的側面を記述するために、von Neumann 代数を用いる。

定義: von Neumann 代数 M 上の状態 ω に対して、相対エントロピー S(ω || φ) を以下のように定義する:

S(ω || φ) = {

tr(ρω (log ρω - log ρφ)) if ω ≪ φ

+∞ otherwise

}

ここで ρω, ρφ はそれぞれ ω, φ に対応する密度作用素である

7. 非可換幾何学と量子時空

最初宇宙の量子時空構造記述するために、非可換幾何学を用いる。

定義: スペクトル三重項 (A, H, D)

非可換多様体上の積分は以下のように定義される:

∫_X f ds = Tr_ω(f|D|⁻ᵈ)

ここで Tr_ω は Dixmier トレースである

2024-09-08

M理論ビッグバン関係

M理論を用いたビッグバンの数理的解明は、現代理論物理学最前線位置する課題である。以下に、より厳密な数学的枠組みを用いてこの問題アプローチする。

1. 多様体位相構造

M理論の基底となる11次元時空は、以下のように定義される:

(M¹¹, g) ≅ (R¹,³ × X⁷, η ⊕ h)

ここで、M¹¹は11次元多様体、gはその上の計量、R¹,³はミンコフスキー時空、X⁷はコンパクトな7次元多様体、ηはミンコフスキー計量、hはX⁷上のリッチ平坦計量である

2. 超対称性とスピノー構造

M理論超対称性は、以下のスピノー方程式で特徴づけられる:

D_μ ε = 0

ここで、D_μはスピン接続、εは11次元のMajorana-Weylスピノーである

3. 膜力学作用汎関数

M2-ブレーンの動力学は、以下のNambu-Goto作用記述される:

S[X] = -T_2 ∫_Σ d³σ √(-det(g_αβ))

ここで、T_2はブレーン張力、g_αβ = ∂_αX^μ ∂_βX^ν G_μνはブレーンの誘導計量、G_μνは背景時空の計量である

4. ビッグバンのトポロジカルモデル

ビッグバンを膜の衝突として捉える場合、以下の位相的遷移を考える:

M¹¹ ⊃ M₁ ∪ M₂ → M'

ここで、M₁とM₂は衝突前の膜宇宙、M'は衝突後の統合された宇宙を表す。この遷移は、コボルディズム理論の枠組みで厳密に定式化される。

5. 重力階層問題

11次元重力定数G₁₁と4次元重力定数G₄の関係は、以下の積分方程式で表される:

1/G₄ = Vol(X⁷)/G₁₁

ここで、Vol(X⁷) = ∫_X⁷ √det(h) d⁷y はX⁷の体積である

6. アノマリー相殺整合性条件

M理論の無矛盾性は、以下のBianchi恒等式アノマリー相殺条件によって保証される:

dH = 1/(2π)² [p₁(R) - 1/2 tr F² + tr R²]

ここで、Hは3形式場、p₁(R)は第一ポントリャーギン類、FとRはそれぞれゲージ場と重力場の曲率である

7. 多元宇宙位相的分類

多元宇宙構造は、以下のような圏論的枠組みで記述される:

Multiverse ≅ lim→ (M_i, φ_ij)

ここで、M_iは個々の宇宙、φ_ijは宇宙間の遷移を表す射である

これらの数学構造は、M理論を用いたビッグバン理解に対して厳密な基礎を提供する。しかしながら、完全な証明には至っておらず、特に量子重力効果の非摂動的取り扱いや、実験検証可能性問題が残されている。今後、代数幾何学位相的場理論などの高度な数学手法を用いた更なる研究が期待される。

2024-04-18

anond:20240418211439

和の3乗とか差の3乗くらいはまあいいんだけど3元3次恒等式因数分解あたり受験数学感が強すぎる感覚はある

2023-11-08

anond:20231108170907

f‘(x)={f(x)}’ってなんでxに関する恒等式じゃないのって頭よく思ってそうな人に聞いても全然まともな解説くれない。頭いいからなんだってだってなる。

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14288441349

たぶん数学3履修した高卒以上の人間に上のxに数字代入することが正しいか間違ってるならなぜか答えよとアンケートとったら過半数が間違ってる理由ちゃん説明できないと思うんだが、知恵袋自称頭いい回答者と来たら自分説明できる側にいると思ってるんだよな…

2023-11-06

[] 複素ウィグナーエントロピー

複素ウィグナー・エントロピーと呼ぶ量は、複素平面におけるウィグナー関数のシャノンの微分エントロピーの解析的継続によって定義される。複素ウィグナー・エントロピーの実部と虚部はガウスユニタリー(位相空間における変位、回転、スクイーズ)に対して不変である。実部はガウス畳み込みの下でのウィグナー関数進化を考えるとき物理的に重要であり、虚部は単にウィグナー関数の負の体積に比例する。任意のウィグナー関数複素数フィッシャー情報定義できる。これは、(拡張されたde Bruijnの恒等式によって)状態ガウス加法ノイズを受けたときの複素ウィグナーエントロピー時間微分リンクしている。複素平面位相空間における準確率分布エントロピー特性分析するための適切な枠組みをもたらす可能性がある。

2023-02-05

anond:20230205150735

いやだからさたとえば1=xって等式があるやん。これのxに対する解は明らかに1のみやん?

で、これの両辺を積分するとx=(x^2)/2+Cになるじゃん。これのxに対する解はその個数の時点で明らかに積分前と異なるじゃん?

等式で結ばれてれば両辺積分微分しても同値じゃない例になってるよなこれは。むしろ感覚的には等号で結ばれたものは両辺足しても引いても同じなんだから当然微積分しても同値だって感覚に陥ってそこで思考停止しがちだと思うけど(俺もつい先日までそうだった)。

で、変数分離形dy/dx=f(x)*g(y)は積分しても同値からこそ、積分することによってf(x)を求めようとするんだよな。

この場合f(x)やらg(y)やらは先の場合でいうxに対応してると思うんだ。

xに関する多項式の等式は積分すると同値性が崩れるから解も変わる。しか変数分離形の等式はそもそも積分せずに解けないというのもあるが、積分しても解であるf(x)は変化しない、もっといえば積分前も積分後も等式を満たすf(x)は変化しないわけで、これは積分前後同値性が崩れないからだよな。(逆に積分して同値性が崩れるならもうこのような等式を解く手法が無くなるともいえるが。)

追記恒等式方程式かの違いは考えなきゃいけなかったな。でも変数分離形って関数方程式じゃないのか…?え、恒等式なの?あーもう頭ぐるぐるぱあだよ。

まあ純粋数学証明に挑むんでもないかぎりこのあたりの理解の欠如が誤った計算助長するということもないから深入りするだけ馬鹿なんだろうけど。

2021-05-01

方程式」に難癖つけている人って

方程式恒等式が違うものだと思ってそう

2014-09-19

http://anond.hatelabo.jp/20140916030024

元増田です。

ブコメなんかを見ると、隠された定義として消費税増税に反対しないとリフレ政策支持とは認められない、ってな雰囲気が漂っているようにしか見えないのですけれども。最初トラバだと、消費税増税賛成だってリフレ政策支持ならリフレ派なのに、消費税増税反対じゃなきゃリフレ派じゃないという一部の意見をもってリフレ派全体とみなすのおかしいなんて意見も出てますが、どう見てもその「一部」が「全体」であるようなエビデンスしかないじゃないですか

消費税増税デフレ脱却に悪影響をもたらすとの指摘が多くなされていますが、別にそれを否定しているわけではないので、そんなことをおっしゃられても。GDP恒等式でいえば、

Y≡C+I+G-T+(EXIM

のTが増えた分だけGが増えればYは変わらないし、それ以上にGを増やせばYは増えます。にもかかわらず、Tを増やすならGを(同等かそれ以上に)増やせという意見が皆無で、リフレ政策支持である以上はTを増やすなというのが当然の帰結だと言わんばかりの空気がなぜなのかわからないのです。

以下、個別のお尋ねにつきまして。

id:netcraftさん

消費税増税による景気悪化相殺するだけの金融緩和財政政策って可能なのかな。

不可能なんですか? 不可能というならば、僕の疑念は解消できるんですが。

id:hobblingさん

デフレ時代消費税増税リフレをぶっ壊すんだからリフレ問題無いだろう。インフレになったら消費税もいいけど。

消費税増税しかしないならぶっ壊れるのでしょうけれど、G増で壊れないようにすべし、という主張への反論にはならないと思います。そもそも、消費税増税インフレ対策として行われるものでもないですし。

id:Yagokoroさん

金融緩和財政政策に対して消費税増税とかブレーキアクセル同時に踏む愚策なのが分からんのか。

景気に水をかけることを目的として消費税増税を行うならご説のとおりかと存じますが、消費税増税資源配分適正化目的なわけで、その副作用たる景気悪化には景気対策に向いた施策を割り当てるのは、ティンバーゲン的にも望ましいんじゃないですか? 景気対策ならざる消費税景気対策として増税延期or停止を割り当てるのは、ティンバーゲン的におかしくないですか?

id:torabaさん

ブレーキ消費税増税)以上にアクセル財政金融緩和)を踏むのは理論上可能だが、そもそもブレーキ踏みたがる人がそれ以上にアクセルを踏むとは思えない・・・

ブレーキを踏みたがる人に対案を出すなら、ブレーキを踏むなというより、ブレーキを踏んでもいいけどそれ以上にアクセルを踏めという方が、実現可能性が高いように思われるのですけれども。少なくともブレーキを踏むという部分は認容するわけですから

id:m-matsuokaさん

リフレ政策が何をもたらし増税が何をもたらすか理解できていない増田必死派閥区別しようと必死になっているの巻。

上述の通り、リフレ政策景気対策で、増税資源配分是正だと認識しておりますが、誤解であるというのでしたらご説をご開陳いただければありがたいです。

id:jaguarsanさん

本当に消費税の悪影響を相殺できるんなら、なぜ増税後の景気が停滞してるんだ?

追加的金融緩和and/or財政出動ケチたからではないでしょうか。

id:rnaさん

基本に戻って考えましょう。リフレ目的ってデフレ解消だよね。消費税賛成の人をリフレ派って言うのは構わないけどさ、、、続きはこっち

続きも拝見いたしましたが、デフレ脱却は遠い将来でも構わないなどとは申し上げていないのに、藁人形を仕立てて頂いても困惑するばかりです。消費税増税するなら、それでもデフレ脱却が腰折れしないような対策を併せ講じるべき、という主張はリフレ政策支持と両立すると思うのですが、いかがでしょうか、というのがお尋ねの趣旨です。

id:Baatarismさん

そもそも消費税増税デフレ脱却マイナスの影響を及ぼしているから、リフレ派の多くは更なる増税に反対してるだけなんだけどね。

マイナスの影響を吹き飛ばすだけの追加施策実施せよ、とどう違うのでしょうか?

id:kxkx5150さん

賃金上昇が伴っているのなら増税はしてもいい。金融緩和効果物価が上がり、賃金の上昇を伴う前に増税すれば酷い結果になるのは当たり前。賃金の上昇、今の状況が改善されていく事を実感させなければ衰退しかない

増税のみで景気対策は行うべきでない、という主張への反論でしたらご説の通りかと存じますが。。。

2014-08-07

恒等式方程式

「◯◯の方程式」とマス向けのフレーズで言われるのってだいたいが方程式じゃなくてただの恒等式な気がするんだが当人たちに自覚はあるのだろうか。

2010-08-16

分裂勘違い3分ウォッチング

♪♪♪

こんにちは。今回は昨晩のついったーにおけるtelle_me氏との議論です。

まずは話の流れを見てみましょう。

ここまで、総需要を増やすとサビ残が減る、という主旨の主張がされてきました。

(二重引用がtelle_me氏、それ以外がfromdusktildawn氏の発言です。)


@fromdusktildawn 無意味な仮定というか、トートロジーだよ、それ。熱くならないように。>総需要を増やし+労働供給を減らし+雇用流動性を上げる

@telle_me ?

@telle_me トートロジーというのは循環論法ってことですよね?どこがどういう風に循環してます?

@fromdusktildawn サビ残を解決するためには、サビ残の原因である需要不足と労働供給不足と雇用の硬直性を解決すべし。というのは分かる。ところが、その原因の三要因の解決方法が示されていない。ただ恒等式的にサビ残定義したのみ。と言う意味トートロジー(同義語反復)。

@telle_me 恒等式とは考えられてないようですが?むしろ、総需要の問題を無視or軽視して、サビ残をさせる企業が態度を改めれば問題は解決するという主張を繰り返す人の方が多いのでは?

@fromdusktildawn 空を飛ぶには重力に打ち勝つエンジン空気抵抗を減らす流体が必要。と言っておいて、その具体的な製作方法は示さない。これは空を飛べないことと同じではないか、という意味に取っていただいて構わない。

サビ残問題をを解決するには、まず、どの方向性で解決するか、という問題がある。総需要の問題を軽視して、サビ残をさせる企業が態度を改めればサビ残が解決する、と考えるのは、不毛な方向性だと思う。

@fromdusktildawn 建設的に行きましょう。確かに「態度を改めれば」的主張をする人はいますね。特に労働者の見方的な仕事をなさっている先生方に。しかしそういった態度を改める法律なりができれば、企業はそこに対応して雇用環境を変えるでしょう。具体的には、賃金を下げる。

サビ残に対して、(1)企業が態度を改めろ。(2)労基署の人員を増やせ。(3)総需要を増やせ。という方向性での解決方法の提示があるとき、(3)の方向性をまず考えるべきと言うと、それは無意味だ、と主張する人というのはよく分からない。

@fromdusktildawn それが無意味と言われるのは、総需要を増やせっていうのは、要は景気を良くしろ、所得を増やせってことで、そんなのできるなら誰だってやってるよって思いがあるからだね。

@telle_me 最初と論点がズレてますよ。サビ残問題に対して複数の解決方向性があるとき、「総需要を増やせ」という方向性での解決がスマートというのが、トートロジーだと言う主張の意味について聞いているんです。

@fromdusktildawn 総需要を増やす方法をあなたが示せないからトートロージーです。

@fromdusktildawn 無論あなただけでなく、誰も総需要を増やす方法は示せないでしょう。 それは皆が分かっていることです。ただ、学問をやりすぎるとそこら辺が見えなくなるようです。総需要を増やせという言葉ナンセンス具合は、企業の態度を改めろと同じ地平のナンセンスさです

@telle_me 『総需要を増やす政策はある』という意見だっていくらでもありますよ。『総需要を増やすことなどできない』というのは、単にそれがあなたの意見だというのに過ぎないでしょう。

@telle_me とりあえず、総需要を増やすのに金融政策財政政策の組み合わせが効果があるなどと主張する経済学者たちを論破してみてはどうですか?

@fromdusktildawn 無論そうです。私の意見です。そしてここ20年の日本現実だと思います。

@telle_me この辺りの人たちのブログコメント欄で、総需要を増やす方法などないって書き込んでみては?

http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/ http://d.hatena.ne.jp/bewaad/

むしろ、世界中の一流の経済学者たちに、「長期デフレ不況日本で総需要を増やすのに効果のある政策は皆無だと言い切れますか?」と聞いたら、多くはNoと言うと思うけど。

@fromdusktildawn うーん、刺激的かと思ったけど君案外つまらないなw 他の権威持ってくるなよ。 世界だか一流だかしらないけど、経済学者がそういうのは、潜在需要成長率に近づける程度のことで、需要そのもの増加は示さないし、示さない。もっと学問社会に対して虚だよ。


日本の 20 年の経済停滞の原因は、総需要を増やす方法が一切ないからではなく、経済政策が適切ではなかったからだ、という意見などいくらでもありますよ。 RT: 無論そうです。私の意見です。そしてここ 20 年の日本現実だと思います。 (via @telle_me) *Tw*

@telle_me 経済専門家でも何でもないぼくが、ぼくの素人ロジックをここで何時間もかけて延々と展開するのはできなかないけど、それをあなたに対してやる意味がよくわからない。

@fromdusktildawn 多分君にかけてる現実感が僕の癇に障ったんだろうね。つきあわせて悪かったな、錬金術氏さん。総需要を、景気を、君の所得を、そして僕の収入をあげる方法を、世界の一流の経済学者さんのブログから読んできてまた伝えてくれ。

ありがちな意見を主張する人がいて、それに対する反論なんて専門家が膨大な文章を書いていているのに、その反論を何時間もかけておまえ自身がしろ、と知らない人にいきなり言われてする人の方が理解しにくい。

@fromdusktildawn 他人の反論には見当違いだと恥をかくぞって言いながら、一方で自分は、議論が進むと「一流の経済学が言うには」と権威から引用したり「自分素人」って急に立場を翻したり、そっちの方がよっぽど恥ずかしいけどなー。

ぼくは20年の長期経済停滞が経済政策の失敗にもたらされた可能性は十分にあると思っているし、現在の政策が十分だとも考えていない。それについてはさんざん経済学者たちが議論していて、その議論に概ね納得している。

いまさら、クルーグマンの"It's Baaack!"まで戻って、そこから延々と積み重ねられた議論をまた繰り返せと言われて、なんでそんなめんどくさいことを、面識もない人にやる義務があるのか、分からない。



このように、お互いに理解し合えず終わりました。なにがいけなかったのでしょうか。

ここでは、telle_me氏が採用している隠された言葉定義を知ることで議論が理解しやすくなります。それは

 『机上の空論のことはトートロジーと呼ぶことにする。』

です。このように言葉定義することが事前に表明されていれば、混乱はより少なかったでしょう。

次に、このように言葉定義することの妥当性を考えてみます。

例えば

サビ残が減る政策を実行するとサビ残が減る」

「総需要を増やす政策を実行すると総需要が増える」

というような主張は、いずれもトートロジーでしょう。では

「総需要を増やすとサビ残が減る」

どうでしょうか。このままの形では一般的定義でのトートロジーではありません。ではこれを

「総需要を増やすとサビ残が減る。ただし総需要を増やすことは不可能。」

と変えたらどうでしょうか。(総需要を増やすことは不可能かどうかについては後述)

サビ残を減らすための直接的方法の提案としては無意味とは言えるでしょう。では次に

A 「総需要を増やすと総需要が増える。ただし総需要を増やすことは不可能。」

B 「総需要を増やすとサビ残が減る。ただし総需要を増やすことは不可能。」

という2つの主張を比較してみます。これらはどちらも、実際上は無意味である、という点で共通しています。

トートロジーを含む無意味な主張Aと無意味な主張B。

言葉自体は変わっているので同義語反復ではないが、しかし無意味机上の空論である点ではどちらも等しいので、Bのこともトートロジーと呼んでしまう。これはかなり強引ですが、まったく無関係な定義ではないかもしれません。


次に、総需要を増やすことは机上の空論か、について考えてみます。

通常は実現可能性が非常に低い理論机上の空論と呼びます。例えば

日本国内に超巨大油田が見つかれば、景気は回復する。」

机上の空論でしょう。telle_me氏の言葉定義を使えば

「景気が回復することがあれば、景気が回復する。」

日本国内に超巨大油田が見つかれば、景気は回復する。」

もどちらも無意味トートロジーです。

では、

「総需要を増やすとサビ残が減る。」

について見ていきましょう。これについては

fromdusktildawn氏は『総需要を増やす政策はある』

telle_me氏は『総需要を増やすことなどできない』

という態度を取っています。ここで幾つかの主張を見ていきます。

1「総需要を増やすとサビ残が減る。ただしどんな方法によっても総需要を増やすことは不可能。」

2「総需要を増やすとサビ残が減る。ただし総需要を政策によって増やすことは不可能。」

3「総需要を増やすとサビ残が減る。また、総需要を政策によって増やすことは可能だが、そのような政策は知られていない。」

4「総需要を増やすとサビ残が減る。また、総需要を政策によって増やすことは可能だし、どんな政策かも分かっているが、そのような政策を実行することは不可能。」

5「総需要を増やすとサビ残が減る。また、総需要を政策によって増やすことは可能だし、どんな政策かも分かっているし、そのような政策を実行することも可能だが、当面の間は実行しない。」

6「総需要を増やすとサビ残が減る。また、総需要を政策によって増やすことは可能だし、どんな政策かも分かっているし、そのような政策を実行することも可能なので、今から実行する。」

これらは、1から6にいくほど、サビ残が減るということの実現可能性が高くなっています。

すると

fromdusktildawn氏の考える現状は、3から5のいずれかであるということになり、

telle_me氏の考える現状は、2であるということになります。

ところで、1を除く全てについて、総需要が増える潜在的な可能性はありますが、6以外の全てについて、実際には総需要は政策によって増えません。

よって可能性の基準の決め方次第で、1だけが机上の空論だとも言えますし、6以外は全て机上の空論だとも言えますし、その間のどこにでも線引きは可能です。

そうであるならtelle_me氏が6以外は机上の空論とみなし、

「総需要を増やすとサビ残が減る、という主張は直ちにそれを可能にする政策が実行されるのでなければ机上の空論であり、私はそれにトートロジーのような無意味さを感じる。20年間実行されない理論机上の空論でないというのなら、今すぐそれを実行し、実際上の効果によってトートロジーのように無意味なものではないことを証明してほしい。」

と言うこともまた可能でしょう。

というわけで今回のウォッチングまとめも、

「用語を定義しないと議論にならないが、定義するのは面倒だ。」

ということでした。

♪♪♪

2009-01-03

[][]日本経済新聞2008.12.30 小宮隆太郎 「多数派」と言われるという事は、もうあまり斬新な意見を述べる舞台には登場しないと言う事で、現役ではなくなったわけであろう。

私の履歴書 小宮隆太郎

私はマクロ経済問題、貿易、国際金融産業政策、独禁政策、公共部門のスト権の問題等々、応用経済学の様々な分野に関心を持ってきた。器用貧乏揶揄された事もある。

金融政策も私が長年にわたって関心を持ち続けた問題のひとつである。私は日銀エコノミストたちと真っ向から対立して論争した事が何回かあった。

1回目は1960年代前半の吉野俊彦氏との論争である。当時の私はマクロ経済と国際金融関係は万事ケインズ的に考えていた。他方、吉野氏は金本位制主義だった。J・M・ケインズにとって、金本位制は「大嫌いなもの(bête norie)」だったが、吉野氏にとりケインズケインズ経済学は”bête norie”だった。生意気若造であった私を相手に議論に応じてくれた吉野氏に、私は深く感謝している。しかし、基本的な経済哲学が違っていた。

2回目は「73-74年の大インフレーション日銀が起こした」と言う趣旨の76年の論文金融政策を厳しく批判した。当時の日銀幹部が田中角栄首相の「日本列島改造論」に遠慮して金融引き締めが遅れ、マネーサプライが膨張して石油危機以前に大インフレが始まったと私は論じた。

3回目は77年以降の私に対する外山茂理事(当時)の厳しい批判と、私の反論である。「日銀派」を代表する外山氏は欧米の標準的な金融理論以前の古い考え方で、手品のように恒等式から様々な結論を導くが、私にはその論理がわからなかった。

80年代後半から90年代初めにかけての「バブル」現象についても、日米経済摩擦の下で日本の黒字をさらに増やす恐れのある金融引き締めを日銀がためらった事が一因であると私は考えた。

しかし政治行政からの独立性を大幅に強化した新日銀法が98年に施行された後の日銀金融政策は、「100点満点に近い」と私は述べた。

これに対し、今度はかなりの人数の経済学者が反発した。要するに「もっと早くゼロ金利にしろ」とか「為替介入の効果を『不胎化政策』で減殺するな」という主張だ。私が大学院で指導し共著もある岩田規久男さんや、かつての東大の同僚の浜田宏一さんが一番厳しかった。ゼミOB山本幸三衆議院議員日銀叩きで名を馳せてきた。

私はあまりにも「日銀バッシング」がひどいと感じ、白川方明さん(当時日銀企画室審議役)と相談して八代尚弘さん(同日本経済研究センター理事長)にお願いして、討論の場を設定してもらった。論争は「金融政策論議の争点」という本になった。同書には小宮ゼミ仲間が日銀批判と反論の両方に何人も登場した。

日銀の政策委員会支店長会議写真で、小宮OBの白川総裁大学院で教え「現代国際金融論」の共著者でもある須田美矢子委員の二人のお姿並んでいるのを見ると、私は不思議な気持ちになる。

私はいつも始まりは「少数派」であり、今もその気持ちは変わらない。しかし、しばらく前にマル経の若い人に「小宮さんこそ多数派でしょう」と言われて驚いた。「多数派」と言われるという事は、もうあまり斬新な意見を述べる舞台には登場しないと言う事で、現役ではなくなったわけであろう。(日本学士院会員)

2008-08-17

http://anond.hatelabo.jp/20080817202720

グロスの資本移動とネット資本流出入の違いがわかってないんじゃないかな。

マクロ経済学教科書で国際収支に関する会計恒等式勉強した方がいい。

単に資本の量的な制約を問題にするなら、基本的に日本外資を導入する必要が無い国。

企業は資金調達しようと思えば、国内資金で十分可能なんだよ。

日本の本当の問題は、国内でお金を使い切れていない事。

じゃあなんで外資導入なんて言ってたか?

一つには、日本にない独自のノウハウを持った外国企業新規参入する事で、

経済全体の生産性が伸びる事を期待したから。二つには、だらだらと不況を続ける

日本企業・個人では難しい、リスク負担を厭わない投資家でないと切り開けない

イリスクな投資案件があるかもしれないから。問題は資本の量的な流出入ではないわけ。

あと所得流出って主に原油高騰のせいでしょ?

投資利回りである所得収支なら流出どころか、受け取り超過だったと思うけど。

まあ最初に言ったように、マクロ経済学教科書から始めるといいんじゃないかと。

 
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