はてなキーワード: 原作厨とは
るろ剣みにいったんだけど、だめだめだった。
すべては原作厨を気にしすぎて、いろいろ詰め込みすぎたせい。
・弥彦 →いらない。前作からの登場だが、それほどキャラに物語上の思い入れがないため、モブ感がいなめない。
・恵 →いらない。理由は同上。
・久保田の側近のハゲ →いらない。場面説明には久保田の死だけ十分だった。あとの口上は蛇足。
・途中の村の一騒動 →いらない。特に子供が泣くシーンが2回あるが、なんのために2回あったのか不明。心理描写および不殺の教訓をつたえるなら、一回でよかったはず。
・刀折れる →いらない。映画のストーリー上、赤空の話はメインじゃないため不要。
・ほうき頭 →いらない。同上
・志士雄の影武者がいっぱい出てくる →もはやギャグにしかえ見えない。いらない。
・薫が捕まって海に落とされる一連の流れ →いらない。剣心が船に乗る理由付けならもはや薫を使うまでもないストーリーだったはず。蛇足
繰り返しになるが、個々のキャラクターに十分な感情描写や背景を語らせることができないなら、
個々のキャラクターの見せ場を与えるべきではない。
せっかく作った見せ場が非常に薄っぺらいものに見えてしまうからだ。
映画という短い枠の中では、何を付け加えるかより、
必要なこともあるが、やはり取捨選択が重要だし、アレンジも重要だ。
個人的には、前作のアレンジの仕方はなかなか良いと思う。
なぜ、今作はそれができてないのか、
死んだ方がいいよ。
今更ではあるが、「借りぐらしのアリエッティ」のDVDを借りて家族で観た。
これからの駄文を端的にまとめるとね、悔しいのよ。俺の負け犬の遠吠えなの。
子どもたちは「髪留めかわいいね」とか「せっかく友だちになれたのに悲しいね」なんていう感想を言っていた。俺は(もうちょっと大きくなったらまた別なものが見えてくるかな)くらいに思って「かわいいね」「うちにもいたら友だちになれるかな」とか相槌打ってたんだ。
「アリエッティって窃盗犯じゃねwww」という類の冗談は公開当時からあるのは知っている。妻がよりにもよって子どもたちの前でそれを言い出した。しかも本気で。
俺は(お姉ちゃんも高学年だし、せっかくの機会だから、もう少し深いところまで話し合ってもいいかな)と思い、いろいろ話そうとしたの。
(妻はいわゆる原作厨なので、絶対に原作も知っているはずなんだけど、昨日は映画だけ観たので原作については触れなかった)
もうさ、映画の情緒とかなくなっちゃって、法律論とかになっちゃってんの。
「泥棒はいけない」のはもちろん子供に教えなきゃいけないことだけど、この映画じゃなくてもよくないか?もっと他に伝えたいことないか?
俺は相手の意見を完全にではないまでも、受け入れてみようとする分、一貫性がなくなるの。そのせいで話がそれちゃってんの。
でも向こうはこっちの仮定や言い分はほぼ無視して、終始「小人は泥棒」を前提に話を展開するんだよ。一貫してるの。俺の話の途中に割り込んでくるの。しかもアリエッティの話しているのにレ・ミゼラブルを持ち出すとか、妙に回転速いの。
俺はどうやったら妻に勝てますか?
「○○ちゃんねる」(2ch風小説)は創作SNS「pixiv」で流行している、匿名掲示板のスレッドの流れを模したチャット形式の読み物です。
台本形式のように手軽に読み物が書け、手軽に読めるため、pixiv小説で絶大な支持を集めています。
2ch風小説 (にちゃんふうしょうせつ)とは【ピクシブ百科事典】 http://dic.pixiv.net/a/2ch%E9%A2%A8%E5%B0%8F%E8%AA%AC
その「○○ちゃんねる」作品のうち、商業ゲームブランド「TYPE-MOON」の『Fateシリーズ』を題材にしたものが、「冬木ちゃんねる」です。
「Fateシリーズ」は2004年に発売された男性向け長編ノベルゲーム「fate/staynight」からはじまる作品群です。
美少女キャラだけでなく個性のある男性キャラクターも多数登場し、熱いバトルやドラマチックな展開が繰り広げられるため、昔から女性層にもファンが多いゲームでした。
それが2011年のアニメ化でヒットした派生作品「Fate/Zero」という外伝ライトノベルと、女主人公・男主人公が選べるPSP用RPGゲーム「Fate/EXTRA」で、小中学生・高校生~の若いファンが沢山流入し、SNS「pixiv」でも、2011年秋期以降、女性ユーザーメインの「Fateシリーズ」二次創作が一気に増加し、支持を集めるようになりました。
そこに、2011年当時pixiv小説で爆発的に流行していた「○○ちゃんねる」形式の読み物のFateシリーズ版「冬木ちゃんねる」が出現しました。
初期は他の「○○ちゃんねる」小説が流行するジャンル(「黒子のバスケ」のくろちゃんねる、「タイガーアンドバニー」のシュテルンちゃんねるなど)のように、原作キャラクター主体のものが主で、
オリキャラが登場してもモブの域を出ない、あるいは原作キャラクターを活かすためにオリキャラを投入する作品、多くのキャラクターが亡くなる原作の結末を、オリキャラの介入によりなんとかハッピーエンドにできないかという内容のものが大多数でした。
オリキャラ介入による、全員生き残る「Fate/zero」世界への介入ものに人気が出るうちに、そのうち、だんだん特定キャラへの過激な暴力や制裁の描写が含まれる、ヘイト創作としか言えないものが増えてきました。
ヘイト創作とは、キャラクターの思想やあり方を否定したり責めたりすることを目的として作成された二次創作物の総称です。
ヘイト創作 (へいとそうさく)とは【ピクシブ百科事典】 http://dic.pixiv.net/a/%E3%83%98%E3%82%A4%E3%83%88%E5%89%B5%E4%BD%9C
キャラヘイト/ ヘイト表現/ 同人用語用語の基礎知識 http://www.paradisearmy.com/doujin/pasok_chara_hate.htm
これらの投稿作品が一定数の支持を集めてしまったことにより、「冬木ちゃんねる」の様相は一気に変わって行きました。
「Fateシリーズ」「冬木ちゃんねる」や「ヘイト創作」なら人気が取れると考えたユーザー達が集まり、題材作品を読むことすらなく、流行に乗ってこぞってヘイト創作を発表しました。
「冬木ちゃんねる」ならオリキャラ主人公物を書いてもいいと考えたユーザー達も、こぞって夢小説や転生憑依オリキャラ作品(現実世界に住む作者自身のアバターが題材作品の世界に転生・トリップし、主人公として振る舞うもの)を「冬木ちゃんねる」で発表しました。
彼らの多くは「Fateシリーズ」という作品には興味をもたず、原作をプレイしたりアニメを見たこともない、今後見るつもりも無いという方々でした。Wikipediaやプレイ動画などのネット情報で見た目と設定だけ把握して、二次創作と点数評価と、交流だけ楽しめればそれでよいという方々です。
Fateシリーズの原作キャラクター達は冬木ちゃんねるの中でオリキャラや書き手の最愛キャラの添え物として、悪役や下衆、引き立て役、説教対象、断罪対象や、オリキャラに味方する騎士役、オリキャラを溺愛する彼氏役や逆ハーレム要員として扱われました。
「(キャラ名)ざまぁwww」「(キャラ名)フルボッコ」などのコメントタグが多用されたので、作品の中身を読まなくてもわかるキャラdisや原作者様方への中傷が可視化されてしまいました。
好きな作品やキャラクターの名前でpixivを検索しただけで、罵声と嘲笑・ヤジが多用されたコメントタグや、常軌を逸したタイトルを目にするようになりました。
クロスオーバーに利用された作品や、その作品のキャラクターが好きな人達の目にも、嫌でも目に入ってしまうようになりました。
原作のファンは、「冬木ちゃんねる」自体を避けるようになりました。
原作沿いの「冬木ちゃんねる」を投稿する事を止めてしまった投稿者も、沢山居ます。
Fateシリーズを知らない、クロスオーバー先の版権作品タグやキャラ名等を検索した人達は、Fateシリーズとファンそのものを「他所の作品を巻き込んだヘイト創作が流行し、不快なタグが並ぶマナーの悪いジャンル」と白眼視するようになりました。
これまでの過程で、これらの投稿作品群の作者さんたちに注意をする方々が居なかったわけではありません。
「FateSSについての提案」という、注意喚起を行う人も居ました。直接投稿者へ注意をする人も居ました。でも逆切れされてしまい、注意喚起のために閲覧者が付けた「ヘイト描写あり」「原作未プレイ」「オリキャラ」「転生憑依」等のタグを削除されてしまったり、注意メールを晒しものにされてしまう事例も続出しました。
抗議メールを晒して、ひどい内容に書き換えて笑い者にする人も居ました。
そのうち、原作厨という言葉ができ始めました。作中内では「物語を原作通りに進めることを目的としてオリキャラや原作キャラに干渉する人々」という定義です。中にはこの「原作厨」を、間違った設定を諌めたり、ヘイトに反発している原作ファンと重ねて、作品内で悪役に仕立て制裁するという作品もありました。
また「原作厨」という言葉自体が、冬木ちゃんねるの言葉を知らない人たちからみれば原作ファンを攻撃するものに見え、さらに外から見えるタグ内において「原作厨」が敵として叩かれ断罪されていることで、「冬木ちゃんねるの人たちは原作ファンでないのだ」という思いがfateの二次創作を検索している人達に広がりました。
投稿者へ注意をする人はどんどん減り、「冬木ちゃんねる」は投稿者も読者も、題材作品であるはずの「Fateシリーズ」の内容すら知らず、原作を三次創作のための土台や、オリキャラの引き立て役のように扱う人が大多数を占めるようになりました。
すると三次創作される中で、多くの原作キャラクターがとんでもない誤解のもとに歪められ、原作中には本来ありもしない過失や落ち度・下衆な行動・言動を捏造され、それがさも事実であるかのように冬木ちゃんねる外部でも語られるようになりました。
原作のキャラクター達は、投稿者の贔屓キャラクターやクロスオーバー先キャラクター、「最強」で「チート」で「周囲から愛され、守られ、崇拝される」オリキャラ主人公などによって「当たり前のように」作品の中で断罪、中傷、説教、暴行、殺害されるようになりました。
それらの二次創作物・三次創作物やウィキペディアの斜め読み、違法動画だけで「Fateシリーズ」の知識を得た読者達が、実際の匿名掲示板やTwitter、ニコニコ動画などでヘイト発言を行うようになりました。
そのうちpixivでは、ちゃんねる形式以外のFateシリーズ関連投稿作品にも、「○○未視聴」「プレイ動画を見ました」「Wikipediaと二次創作でFateシリーズの知識を把握しました、公式作品は一切読んでいません」「パラレルワールドを舞台にした作品A "以外" はWikiでしか知りませんが、(正史の作品Bにしか登場しない)キャラの話を書きました」「原作乖離」「原作はお外にポイしました」などと、さも免罪符であるかのように自己申告してFateシリーズの三次創作やヘイト創作を行う投稿者が続出するようになりました。
pixiv小説内で「ヘイト創作」タグが付いている600件以上の投稿作品のうち、91%が「冬木ちゃんねる」関連投稿物です。
つまり、pixiv小説で「ヘイト創作」タグが付いている作品のうち、99%がFateシリーズを題材にして書かれた作品です。
「ヘイト創作」タグや注意書きが付いているならまだいいほうです。
閲覧数稼ぎや悪評の回避、ファンへの嫌がらせ目的で、キャラクタータグやカップリングタグを付けてファンアートに偽装したヘイト創作も、少なくはありません。
1年以上続く、これらの状況を見かねた方々が、「冬木ちゃんねる」のpixiv百科事典に、「冬木ちゃんねる」内でのヘイト創作の現状と、「冬木ちゃんねる」内で歪められ貶められたFateキャラクター達の現状や、原作者様方や原作ファンすら悪役として中傷され作中で殺害される扱いの酷さを、pixiv百科事典「冬木ちゃんねる」に書き記しました。
【「冬木ちゃんねる」作者さんへ】という注意喚起も行われました。
冬木ちゃんねる (ふゆきちゃんねる)とは【ピクシブ百科事典】 http://dic.pixiv.net/a/%E5%86%AC%E6%9C%A8%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E3%81%AD%E3%82%8B
pixiv百科事典「冬木ちゃんねる」のコメント欄には、この記事の内容は言いがかりだと主張する方も現れたため、1週間分の投稿作品の統計を行い、それらのデータを公表する人も現れました。
すると、ゲーム「Fate/staynight」(全年齢対象版含む)をプレイしたことがある人は10%以下、ライトノベル「Fate/Zero」を読んだことがある投稿者は20%以下だったことがわかりました。ステイナイトやZeroのアニメだけは見たことがある」という人も、30パーセント未満です。
「冬木ちゃんねる」は「Fate/Zero」「Fate/staynight」の世界"冬木市"を舞台にしたものが大半を占めるにもかかわらず、です。
冬木ちゃんねる内の実情が明るみに出ると、投稿者達はこぞって「お知らせ」を「冬木ちゃんねる」タグで投稿しました。
「マイピク」(限定公開)へ誘導をかけたり、「冬ちゃん派生」などの回避タグを使用して、またはヘイト創作タグや「ヘイト描写あり」などの注意書きのみ削除して一般のファンアートに偽装するなどして、今まで通りヘイト創作とオリキャラ物を発表しようとする投稿者も続出しました。
2013年5月初頭には8500件ほど有った「冬木ちゃんねる」投稿物のうち、2500件以上がタグ移動、マイピク移動等で分散しました。1400件以上が「冬ちゃん派生作品」というタグへ移りました。
今、pixiv小説で「冬木ちゃんねる」を新着検索しても、「お知らせ」と書かれた投稿物が大量に並ぶばかりです。Twitterや匿名掲示板などで、不満を漏らす人も沢山居ます。
「冬木ちゃんねる」タグで投稿された沢山の「お知らせ」の中には、pixiv百科事典「冬木ちゃんねる」の内容に反論の声明を出す投稿者も少なくありません。
pixiv百科事典「冬木ちゃんねる」のコメント欄には、現在400件近くのコメントが付いています。
そのうち、130件近くは百科事典の内容に抗議する方々からの連投荒らし行為です。
これが「冬木ちゃんねる」タグと、pixivのFateシリーズ二次創作コミュニティの中で、私が見てきた限りの一連の流れです。
知らない作品のキャラクターやファンを貶めて楽しむ事や、愛情もなく一次創作物を利用する事は、二次創作コミュニティの中で受けいれられるべき行為なのか、この現状を悲しんでいる一人のファンとして、沢山の人の意見が聞きたくて、この文を書きました。
この文章が多くの人の目に触れることを願っています。
「ドスの利いた声を出せなきゃいけない優しい女」という話になって意味不明
優しい女がいつでも「女っぽい優しい声」でなきゃならない理由もないんだけどな。
原作厨だけど、アニメ見てキャッキャワイワイ騒いでるのってサムい。
アニメにも色んな楽しみ方があるのは知っているけどなんだか浅く感じる。
それでも、まどマギとかエヴァとか考察してる人はすごいと思う。
そもそも考察できる人はすごいと思う。自分はできないから。そこまでのめり込めないから。
ただ、同じくキャッキャワイワイするにしても、アニメ見てするのと、漫画なりラノベなりゲームなりに触れてするのだと違う気がする。
なんて言うか、その物語がアニメであることを礼賛している態度が気に食わない。というか、物語を楽しむんじゃなくて、アニメを楽しんでるのが嫌だ。
あと、即時性とか話題性とかそういうのばかりが目に付くから嫌いだ。
コミュニケーションツールとしてだけ楽しんでるのが腹立つんだ。
そんな人ばっかりなわけはないのだけれど。
傍から見てるとすごく薄っぺらく見える。
色々あるんだろうけど。
原作を無視してキャラや設定使っただけの劣化コピー大量生産物は理解できるのか…
なかなか難しいな、それ。
そうでもないのかー。
個人的には原作厨じゃないけど、原作好きな作品で後者はすっごい不愉快になる。(好きでもない作品はどうでもいいw)
それを「楽しめたら良いのに」とも微塵も思わないし。
とまれ、元増田が脳内で「こうだったらいいな」って考えてる事を
現実に形にできる人がいて、
それを「それはそれ」って受け入れる事ができる人がいるって事だけだよね?
劣化コピーを受け入れる懐があるなら、
割合難しくもない気がする。
そうした作品(考え)に不快感を持っている!なら、見なきゃいい、だけだけど、
モヤモヤはするけど、楽しめたらいいな、と思ってるなら
いい作品に出会ったかどうか、だけで運だよね。
多分、その作品自体のテクニックが不足してる、
逆に全く想定外でも、すごくいい作品もあると思うんだよね。
ただ…
それこそ原作忘れると、それこそパラレルは楽しめないと思うんだ。
二次である以上、パラレルってのはパロディの上に成り立つ物であるはずだから。
(前述の劣化コピー品除き)
二次創作で好きなのはあくまで原作に準拠したサイドストーリーで、作品を壊していないもの。
エロ要素がなくて、あまり見向きされないマイナー作ばかりだけど、内容が濃いことが多い。
・原作準拠、示されていない設定は使わないもの
・世界観と容姿や口調などの外的特徴、能力を間借りしているだけのもの
前者も世界と登場人物と設定を間借りしているものではあるけど、決定的に違う。
後者は二次創作じゃなくて人形遊びの延長みたいなもんだと思ってる。
作者の意図した設定を無視して枠だけ取り上げ、自分の都合のいい中身を詰めた人形を好き放題動かしてるわけだからな。
原作に準拠して人形を動かしてるって意味じゃ、子供が実際に戦隊物の人形やロボット握って遊んでるほうが余程「二次創作」らしいとすら思える。
アニメ化やドラマ化されたものがよく原作レイプと言われていたりするが、それより遥かに原作レイプ度合いが高いと思う。
舞台を作れない、お人形を作れない奴が、誰かが作った舞台と登場人物を人形にして自分の考えた設定と物語を演じさせてる部分に感じてしまう気持ち悪さ。
作者や作品に対する敬意がどうのと言うのがいるが、「作者でもないお前が勝手に設定作んな(変えんな)よ」ってほうが正しいと思う。
平日は会社で、時折リーダーに褒められることはあれど特に怒鳴られることもなく、俺は平穏にプログラマーとして業務をこなしている。プログラマーと言っても、世間で言うほどの薄給だが激務というほどでもない。夜九時にはだいたい帰途につけているし、都心で独り暮らししていけるだけの給金はもらえている。
ハケンで三ヶ月ごとに、早ければ一ヶ月半で職場を転々とする俺は、飲み会に付き合う必要もないため、ジャンプを立ち読みする日以外はほぼまっすぐ帰宅する。夕食も、最寄り駅の松屋で牛めしを食べ、大量の紅しょうがと七味唐辛子、たまに玉子も乗せて食べるくらいで、あとは部屋に帰るだけ。
ハケンと言っても、いわゆる「派遣社員」ではなく、ちゃんと正社員という肩書きを持っている。だから、無職よりもフリーターよりも、契約社員よりも派遣社員よりも格上。一部デイトレで稼いでいるようなニートよりは格落ちするものの、世間に顔向けできる立派な人間だと自負している。ちゃんと自活しているし。
さて、アパートの一室のドアを開けると、特に帰りを待っている人や猫がいるわけもなく、真っ暗闇が広がっている。だが、まったくの静寂というわけではない。P2Pソフトを起動しっぱなしのパソコンが俺を出迎える。
「さて、何がダウンロードできてるかな」
パソコンデスクの上にあるモニタの電源をつけ、iTuneから控えめな音量でニコソンを流しながら、ダウンロードの状況を確認する。今日は、タイトルだけで目を奪われるようなモノはダウンロードできていないようだ。
スーツを脱いでシャツだけになり、デスク前のイスに座る。下半身がパンツのみなのは、「もよおした時」にいつでも行為に及べるためだ。2ちゃんねるの専用ブラウザを立ち上げ、お気に入りのスレッドを巡回する。今日も「お前ら」のいつも通りのレスを、上から目線で楽しませてもらうとするよ。
「はいはい、ばぐ犬おつ……、と」
ひとしきり+板で信憑性の乏しいコピペを貼りながらネトウヨを演じた後、冷蔵庫を開けると缶ビールが残り一本になっていることに気付く。
「しまったな、明日は土曜日だから出かけたくないんだけど……」
迷った末に、冷蔵庫の開けっぱなしは電気代がもったいないので、思い切って手を伸ばす。片手に缶ビール、もう片方の手にはHDレコーダーのリモコン。プシュッという音をたてて、昨日の夜に放送されたアニメの録画を再生する。
次のシーズンから何のアニメが始まる、という情報が溢れる時期だけが楽しい。楽しみな作品もいざ見てみると興を殺がれることが多く、ついつい「つまらない」とか「作画崩壊」とか「声優が棒すぎ」とネットに書き込んでしまうが、制作側が悪いので仕方がないことだろう。今日もアニメ板の本スレに「あのシーンを挟む意味がわからねぇwww」ってレスしたんだけれど、信者に叩かれた。あのアニメの原作厨は本当に救えない。
「さて、まとめブログを巡回した後は、馬鹿なゆとりのレスを見て煽る遊びでもするかな……」
+板では、今日もゆとりが我々サラリーマンをバカにするようなレスをしている。+板に書くような奴は、近い未来は俺と同じく職場を転々とし、人間関係も希薄で、唯一、親よりも先に死ねないという理由だけで生きるようになるだろうよ。
「ゆとりの雑魚ども乙www 学生のうちにほざいとけwwwww お前らが働き出すころには、もっと絶望的な社会になってるぜ、ざまあ……、と」
希望の見えない世界の中での、せめてもの暇潰しと慰みがアニメや漫画、そしてエロゲなのだよ。夢ばかり見ているワナビのゆとり+民は、そうと知らずに大人を煽る。十年後の俺のほうが、お前なんかよりも地位も名誉もあるんだと。
「学生のうちは、根拠のない万能感ばっかり持ててうらやましいぜwww 今に思い知るよ……、と」
何気なく巡回している掲示板を眺めていると、またゆとりエンジン全開のバカが書き込みをしている。割れなんかやってるほうがよほど情弱、だと?
サラリーマンは庶民で景気が悪いから節約しないといけないのに、そいつは無料で手に入るものを金を出して買うという。お前が今まで購入品に使った金を考えてみろよ。その金があれば割る事ができない物を沢山買えたなとか考えないのか?
ほら、ゆとりども、お前が割らずに買った金で買えたはずの、俺の嫁たちをうpしてやるから、存分に悔しがるといいよ。
「なになに、でもグッズは買うんだね、だと? グッズは割れないから仕方なく買ってるんだよ……、と」
俺の嫁たちに嫉妬し、悔しがってゆとりどもが発狂しだした。俺のやってることが犯罪だとか言掛りをつけてきたり、顔真っ赤だぞというテンプレのような煽り方をする奴までいる。インターネットは衆愚だ、本当にバカしか集まらない。オマケに、まるで俺が働いていないかのようなレスも出てきた。
「仕事してるよ、準備は明日すれば間に合う……、と」
割られたくないなら割られないような物を作ればいいのに。それに、俺だって割れザーで割れる物でも金を出して買いたくなる物は買っている。
「これ社会人の証拠な……、と」
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絶望しかない浮世に一石を投じるための一枚は、俺に本物の絶望と消えることのない心の闇をもたらした。
面倒くさい職場の人間関係、恐怖と苦痛の満員電車、将来の不安を煽るだけの政治・経済。
そんな、些末な問題が絶望だと思っていた。
そんな、気の持ちようでどうとでもなることを、絶望だと思っていた。