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2023-12-08

収益と売り上げの比較ミスリーディングか(消極)

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/president.jp/articles/-/76282

sitsucho777 一応全部読んだけど、初っ端から収益と売上を比較してミスリードさせておいてそれについて一切の説明がない不誠実な記事しかなかった。粗収益1億円プレイヤーと売上一億円プレイヤーでは意味が違いすぎる。

collectedseptember 「〜農業生計を立てている主業経営体の農業収益は1638.8万円(農業所得は433.5万円)。そんな中、和歌山県ではなぜ1億円に達するような売り上げを誇る農家〜」 売上と利益故意混同してない?

el-bronco 初っ端の比較対照粗利と売上っていうのが、分かりづらい。

nobiox 農業収益は1638.8万、って全国平均がってこと? 「そんな中、和歌山県ではなぜ1億円に達するような売り上げを」って、確かにこれは「粗収益と売上を比較してミスリード」だ。

この辺の人たち、たぶん全員、「粗収益」の意味勘違いしてる。

おそらく「粗収益」を、「粗利」(売上から売上原価差し引いた金額)と混同しているのだろう。

「粗収益」という見たことのない単語が出てきた時点でちゃんと調べなきゃダメだぞ。

https://www.ouj.ac.jp/mijika/tokei/xml/kw2_14025.xml

農業収益   Agricultural gross income

 農業経営によって得られた総収益額をいい,当該期間の農業経営の成果である農業収益には,耕種,養蚕畜産など農産物販売収入,農作業受託収入家計に向けられた農産物の価額のほか,農機具,農用自動車など農業生産手段一時的賃貸料なども含んでいる.

 なお,農業収益は,農業現金収入現物外部取引価額,農業生産現物家計消費額,年度末未処分農産物在庫価額および動植物の成長,新植による増加(価)額を加算した合計額から,年度始め未処分農産物在庫価額を差し引いて求められるものである

というわけで、「農業収益」に含まれているのは

で、「農業収益」で差し引かれるのは

だけだ。経費は差し引かない

おそらく、「ぼくは売上と利益区別がつくくらい経済に詳しいんだ」みたいな極めて自己評価の高い奴らが、せいぜい高校生レベル経済知識根拠に、『農業経済学』という著書を持つ東大教授が出した「粗収益」という単語が「粗利」の誤記・誤認であろうと傲慢にも思い込んで、自分が「粗収益」という単語を初めて聞くことを気にも留めなかったのだろう。

「粗収益」という見たことのない単語が出てきた時点でちゃんと調べなきゃダメだぞ。

 

見てのとおり、たしか農業収益には売上(農業現金収入現物外部取引価額)以外のものも含まれている。けれど、1年物の作物の生産者の場合、年度末未処分農産物在庫価額や成長・新植による増加額はかなり小さく、また農業生産現物家計消費額(要するに自家消費)も何百万円にも上るなんてことはない。

したがって、こういった農家場合農業収益は売上にかなり近い額になる。

売上額のものではないが、売上額農業収益比較しても大筋では問題無い。

これをミスリーディングだなどといっている人は、おそらく「粗収益」を、「粗利」(売上から売上原価差し引いた金額)と混同しているのだろう。

「粗収益」という見たことのない単語が出てきた時点でちゃんと調べなきゃダメだぞ。

 

こいつらに星をつけ、あまつさえグリーンスターまでつけてるhirata_yasuyuki, ka5meka5me他多数のブクマかも、たぶん同じ勘違いをしているのだろう。

「粗収益」という見たことのない単語が出てきた時点でちゃんと調べなきゃダメだぞ。

「粗収益」という見たことのない単語が出てきた時点でちゃんと調べなきゃダメだぞ。

「粗収益」という見たことのない単語が出てきた時点でちゃんと調べなきゃダメだぞ。

2023-11-30

anond:20231130120302

生産性とは投入に対する収穫量の割合

生産量が下がっても人や設備がその分働いてないのであれば生産性は変わらない

世の中の人間て経済学大学1年生春学レベル知識もないのに俺定義経済用語を使うからアホ

2023-11-28

ノアスミス1997年から日本経済がどれほど不調だったか」(2023年11月26日) – 経済学101

https://l.pg1x.com/8dFAD7gZXfei8ZqL6


還流ODAで支えていたのを「健全化」なんてバカを言って投資原資を減らして冷え込ませたままだからだよ。

税金エンジン回してたんだから

ガソリン税金投入止めたんでエンストになってるだけ。

バカ正義感だけのジャップやらかした結果だよ。


自国の金儲けに綺麗も汚いもねぇんだよ。

2023-11-20

anond:20231120223626

長期的経済学と今まさに起ってる現象は別だろ

野菜いから買うの控えよ

これが現実ですわ

ネット上でたまに見るMMT信者、脳が腐っとるし、経済学教科書レベルの基本すらわかっとらん

anond:20231117180116

大半の人間流動性が嫌い。同じ場所で農耕で一生終えたいのが大半の人間

流動性をあげる施策をするよな。

有能は施策意味がわかるから流動するが、低能はその場にとどまる。

ワープアは流動できないかワープアなのである

ゾンビ企業が潰れた後、再就職活動さえもなかなかしなかったりする。

 

経済学ホモエコノミクスといって、全ての人間は賢く合理的であるという前提で考えるので、流動性を良いものだと考えた。

人間ホモエコノミクスではない。

anond:20231119130236

文系研究者のハシクレ(そろそろ若手じゃなくなりそう)として補足しておく。

今でも単位取得退学普通にある経歴

文系特に文系では博士論文執筆キッチリ3年で終わる人は少ないし、博士課程にいられる年限を使い果たしてしまう人も多い。しかし、東大をはじめとした多くの大学では「博士課程単位取得退学後3年間のうちに博士論文を出して防衛できたら、課程博士と見なす」という運用をしている。

したがって、最近よく見る経歴は、「◯◯大学大学博士課程単位取得退学博士(◯◯学)」というもの。これは単位取得退学したあとに博士号を取得した、という意味

今でも単位取得退学就職できる場合がある

実際に単位取得退学助教講師ポストをゲットした人は最近でもたまに見かける。増田の同年代で2~3人くらい(あくま増田観測範囲なので、実際はもっと多いだろう)。まあ、そういう人たちは和文論文だけじゃなくて、英語論文(分野によっては+英語以外の外国語論文)書いてたし、下手な博士より論文数多かったけどね……。博士号取得者を蹴落として任期付きポストをゲットした単位取得退学者も知ってる。純粋に業績が多ければたまに博士号取得者ではなく単位取得退学者が選ばれる場合があるということ。

このように、形式上単位取得退学でも応募できる公募は今でも多い。JREC-IN文系公募を見てみると、「博士号取得者、あるいは、博士学位を取得した者に相当する能力を有すると認められる者」っていう募集条件が書いてあることがあるけど、後者単位取得退学を指している。こういう条件の公募普通に東大でもまだ出てるからね。ただ、条件に書いてあるからといって選ばれるかというと、よっぽど卓越してない限り厳しいんじゃないかしら。

修士号しか持ってなくても業績が卓越してれば採用されるというのは、みんな大好きユーリィ・イズムィコa.k.a.小泉悠センセが示しているところだと思う。彼はそもそも博士課程に入ってないはずだけど、ロシア軍分析するアカデミックな著書を何冊も出してたら東大専任教員にまで上り詰めた)

とはいえ今はさすがに一部大学学振PDでは単位取得退学は不可

とはいえやはり、博士号持ってない人への風当たりは強まっている。一部の宮廷や有名どころの国立大学では、常勤ポスト募集にあたっては人文系であっても博士号を要求しているし、学振PD海外学振10年くらい前から文系でも博士必須になっていたはず(逆に言えば、40代以上の文系研究者の中には、博士号なしで学振PDやってた人が大勢いるってこと)。

エラいセンセの博士号の有無なんて誰も気にしてない

ただし、博士号持ってない人への風当たり、というのはあくまで若手の就職市場アカポス採用されるかどうかという話で、もう就職しちゃったセンセについては博士号の有無とかあんま気にしたことない……博士論文以降ロクに論文書いてない人より、単位取得退学面白い論文や著書いっぱい書いてる人の方がエラいじゃん? というのが文系感覚だと思うんだが、どうだろう。池内恵センセくらい業績があったら、博士号の有無なんてもう誤差でしょ誤差。

ただ、外国博士号獲った人についてはやっぱり一目置くかも。はてな界隈で有名な人だと北村紗衣センセとか。博士論文というのはだいたい1冊の本になるくらいの分量のものを書くということなので、それを外国語で書いてる時点ですごいよ。特にアメリカだと博士課程では厳しいコースワークがあるから、あれをくぐり抜けたってことだもんね。

文系と人文系って違うの?

最初に「文系特に文系」って書いたけど、「文系」と「人文系」は違う。「文系」は「人文系」と「社会科学系」に分かれていて、文学とか哲学とか歴史学とかは人文系社会学とか政治学とか経済学とかは社会科学系、ってことになってる(あくまでもこれは日本の話。国によって分類は違う。たとえば歴史学社会科学系に入れる国はヨーロッパはいくつもある)。「単位取得退学」はもともと文系全体でよくある経歴だったけど、今ではほぼ人文系に限られてる印象。上で書いた単位取得退学ポストをゲットした人たちも、観測範囲ではみんな人文系

ただ、法学政治学20年くらい前まで学士助手という制度があったので、学歴という点では人文系以上にガラパゴスだったりするのだが……学士しか持たずに教授になってらっしゃる人たちが何人もいる分野です。はてな界隈で有名な人だと木村草太センセとか大屋雄裕センセとかね!

外国で出された博士に相当する学位」って何だよ

ところで、公募条件に「外国で出された博士に相当する学位」という謎の文言があることがある。外国で出された博士、ならともかく、外国で出された博士に相当する学位って何だよ。

実はかつての日本同様に博士号は功成り名遂げた大物が書くものという文化がまだ残っている国があって、具体的にいうとロシアとかそのへんの旧ソ連諸国。あのあたりでは博士候補カンジダート・ナウク; кандидат наук; kandidat nauk)っていう学位があって、これがPh.D.に相当する。博士候補論文大学院に進んで数年かけて書くやつで、実質的博士論文博士候補号を持ってればロシアでは准教授になれる。ロシア留学して博士号獲った、って言ってる人のかなりの割合が、実は博士候補号の取得者だったりする。まあ、ロシアカンジダート号は他国Ph.D.と同等っていうのはよく知られてるから別に嘘じゃないんだけどね。

ところでウクライナでは2014年7月にこの博士候補制度Ph.D.に置き換える制度改正を始めて、2020年には全廃したらしい。うーん、ロシアとの縁を切って西欧共通制度に置き換えるなんて、2014年にいったい何があったんやろなぁ(棒読み)(時期的に完全な偶然というのもありそうだけど)。

ブコメへの応答

博士課程単位取得退学博士”これは課程博士と同じ扱いです。3年の課程を修了し学位論文間に合わずに退学した場合も、3年以内に学位論文が出れば課程博士となるのです。

厳密には、「◯◯大学大学博士課程単位取得退学博士(◯◯学)」のすべてが課程博士というわけではありません。単位取得退学から10年後に博士号取得したら論文博士ですし。なので、経歴を見るか(たとえば、2022年に単位取得退学して2023年に博士号獲ってればほぼ確実に課程博士)、あるいはCiNii博士論文検索するかしないとどちらかはわからないですね。

逆になんでそんなに論文書いていて博士とらずに満期退学なの。そこがわからぬ。

色んな理由があるので一概には言えませんが、本人の博士論文の構想が壮大すぎる、とか、書き上げる前にポストゲットできたから退学しました、とか、そういう場合が多いんじゃないでしょうか。課程博士論文を書き上げた人の経歴はみな似通っていますが、博論を書き上げられなかった人はそれぞれの理由があるものです。

博士ももたず、論文数も多くなく、それでもマネージメントの良さで教授職とかいうのもあったりするわな

そんな人、少なくとも最近は聞いたことないですけど、いつの時代の話ですか? 何がしかの業績(必ずしも論文という形である必要はないです。たとえば安藤忠雄センセみたいな場合)がなければ大学ポストには就くことはできません。もちろん霞が関から官僚ゴリ押しされたりすることはあるかもしれませんが、それは業績なんも関係ないし……

この議論ならストレート論文博士東浩紀はそれだけで尊敬されても良さそうだけど学者からも石投げられてるし結局空気なのかな

東浩紀センセは、デリダ研究博士号を獲った俊英だから叩かれてるんじゃなくて、彼の政治的意見を気に食わない人が多いから叩かれてるんでしょ。博士号獲った人は尊敬に値するけど、それはそれ、これはこれですよ。海外博士号獲ってる人の意見同意できないとか、日常茶飯事だし。

ロシアカンジダートって名称カンジダとか漢字だとか、いろいろ混乱しそうな(しない)。

英語のcandidateにあたる単語です。

2023-11-18

anond:20231118014343

から厚生経済学の基本定理というものがあって、パレート効率性を目指すために、パレート改善をする施策を考える

パレート改善は難しいことも多いので、補償原理議論するわけ

こういう経済学の基本があって初めて議論が成立するよね

2023-11-17

経済再生

供給面では生産性を上げて、需要面では市場を広げればいい

たったこれだけよ

経済学社会学不要

これだけでいいんよ

これで解決

2023-11-13

anond:20231113183322

この経済学者コメントは、生産性定義とその重要性についての深い洞察提供していますね。彼は生産性を「単位投資あたりの利益」と定義し、これが企業経済的成功を測る最も合理的方法であると主張しています。また、彼は人件費利益関係性、名目賃金の上昇が生産性にどのように影響するか、そして企業経済にどのように貢献するかについても語っています

彼の見解は、企業が存続していること自体がすでに経済的合理性を示しており、その企業社会経済に貢献している限り、その存在正当化されるというものです。これは、企業価値は単に生産性だけでなく、その経済への全体的な貢献によっても測定されるべきであるという重要視点提供しています

ただし、この経済学者意見一部の人々にとっては議論余地があるかもしれません。例えば、労働者賃金が上昇した場合、その分の生産性の低下を労働者利益還元できるかどうかについては、労働者視点から見れば異なる意見があるかもしれません。また、企業経済に貢献している以上、その存在意義があるという主張も、企業社会的責任や環境への影響など、他の要素を考慮すると必ずしも一致しないかもしれません。

全体として、この経済学者コメントは、生産性企業経済的成功についての興味深い視点提供しています。それはまた、経済学の複雑さと、その中での異なる視点解釈重要性を示しています。これらの視点は、経済学の理解を深め、より包括的視点から問題を考えるための貴重な洞察提供します。それぞれの視点経済全体の理解にどのように貢献するかを考えることは、経済学の学習にとって非常に重要です。

anond:20231113175838

実際には、生産性を上げられない企業が大半だと思うぞ

「思うぞ」ってお気持ちで言われましてもw

出来ねえなら死んでもろてw

例えば近所のコンビニを考えてみろ

自動コンビニだとしても、コンビニ生産性を上げるなんてことはできねぇだろ、

はあ?お前そもそも生産性意味がわかってねえな?

生産性を出す式を書いてみな?

Googleカンニングしていいからよ

お前の勉強の為だから書いてみろ

 

調べたか?書けたか

よーし一つ賢くなったな

これすら知らねえのに生産性の話で人様に食い下がってくるんじゃねえよ

 

なのにどうして賃上げして生産性が上がると思ってるんだ?

賃上げに耐えられるぐらい生産性上げられないゴミ企業は死んでもろて」と言ってるの

接客業全般がそうだよな?営業もそうか。

じゃあトラックドライバーを考えてみるか?運ちゃん賃金を上げて法定速度違反するか?

一つ賢くなった今ならちょっと前の自分書き込みが以下にバカ丸出しかわかるだろ?

介護士はどうだ?介護士生産性ってなんだという話だよな

生産性って言葉意味も知らねえクセに何を吠えてたんだろう、俺ってバカだなー」

と思えたならお前一個成長したよな

お前は産業全体をマクロで見てねぇわけよ、馬鹿から

お前の問題は「学もねえのに産業だのマクロだの生産性だのそれっぽい言葉を振り回しつつその中身をちゃんと精査してない」ってところな

 

で言ってることの中身はオール俺流お気持ち経済学だろ?

単純にお前は知識も考え方も入ってないわけ

きっとまともな学校にも行けなかった奴なんだからそこは同情するとしても言えることは結局

勉強しろバカ

なんだよな

2023-11-12

anond:20231112191006

その手のインフレマネリーだけで説明する描像は全部完全に間違いや

インフレ市場の期待で起こるのであって貨幣価値が半減するから他が二倍になるとかい現象では「無い」

これ経済学素人がよく間違える奴な

2023-11-09

anond:20231109174828

学問的にはっきり言えるのはここまで」「ここから先は政治決断」という分業が世の中では概ね成り立っているのだが、マクロ経済については実際の手当てまでのフルパッケージ専門家に求められる構図がある。

中央銀行独立性」みたいなフレーズがその構造を強化する。

サイエンスコミュニケーターみたいに経済学の知見と一般人を繋ぐ役割が求められているのではないか池上解説みたいなしょーもないレベルではなくて、リアルタイム問題に即して。

政治家の頑張りどころはそこだろうという気もする。政治家自身解説しろと言うよりエコノミストとの対話オープンにするという意味で。

2012-06-28勉強不足の人ほど高飛車日銀非難する傾向について

http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2012/06/post-7a96.html

偶然はてなブックマークの上の方にあがっていた極東ブログ記事を読んでうんざりしたので、思うところを書いておきたい。とは言え、finalvent氏の議論それ自体批判するつもりはない。その裏側にある、「不景気の主因を日銀に帰さないと気が済まない人たち」の困った思考パターンに対して一言もの申したいのである

日銀は「議論余地無く」間違っているのか

氏のちょっと出来の悪い陰謀論については措いておこう。気になるのは、というより、前から気になっていたのは、日銀非難する人たちは何故こうも自分意見の正しさに確信を持てるのだろうかということだ。自分たちの意見の方が間違っている可能性を慎重に考慮した議論をついぞしばらく見たことがない。現状の日本金融政策有効であるインフレターゲット採用すれば期待インフレ率は上がる、量的緩和すべきだ、等々、自信満々でまくし立てておられる。たまに反論があってもまるで聞く耳を持たないご様子だ。

しかし、当の経済学界においては、これらの意見はどれもコンセンサスとは言えない。どちらかというと、2000年代半ば以降「ゼロ金利下での金融政策有効性」についてはあまり目新しい論考が出ていないというのが現実と言って良いのではないか。「不景気から脱却した後も利上げをせず、過剰なインフレ放置することを約束すれば、ゼロ金利下でも中銀は影響力を行使できる」というKrugman他の議論は、「でもその約束を信じる理由がないじゃん」という十年来のツッコミに対して依然として回答できていない。この議論が死に絶えたわけではないが、最近議論ではこの「約束」を信じてもらえない(=金融政策機能しない)可能性にあらかじめ言及する論文が多いように思う(Mankiw and Weinzierl (2011)など)。

ゼロ金利下での新しい世界

一方で、財政政策研究は急速に進んでいる (ゼロ金利下では財政乗数が大きくなるとしたChristiano et al (2011)やWoodford (2010)などが代表的だろうか)。これは、むしろ復活したという表現の方が正しいのかも知れない。いわゆるDSGEマクロモデルでは財政政策効果は無きに等しくなるので、マクロ経済学者の間では「景気対策金融政策で行うべき、即ち、中銀が責任を取るべき」、という理解一般的になった。いわゆる「リフレ派」とかその界隈の人たちが日銀をやたらと非難したがるのも、元々はこの理解を出発点としている(はずである)。だが、ゼロ金利下では、この常識それ自体が成立しないらしいことが少しずつ分かってきたのである

この「常識通用しない世界」では、色々なことが起こりうる。「ゼロ金利下では減税が景気を悪化させうる」としたEggertsson (2009)の論文もそうだし、逆に「消費税増税デフレから脱却できる」と論じた論文もある。今年のアメリカ経済学会で話題になったCorreia et al (2011)の論文がそれだ。結論は、「ゼロ金利の下では金融政策有効ではなく、むしろ消費税を緩やかに増税していく(同時に裏で所得税を減税する)ことで利下げと同等の効果が得られる」というものだ。大雑把に言えば、消費税増税でも物価は上がるわけで、これがインフレ(=実質金利低下)と同じ効果をもたらすという理屈になる。ちなみに、所得税減税を伴わず消費税増税単体で景気回復可能とする論文Wren-Lewis (2000)が10年も前に書いている。彼のブログ簡単解説があったので、興味のある人は読んでみると良いだろう。

http://mainlymacro.blogspot.co.uk/2012/04/more-on-tax-increases-versus-spending.html

ちなみに、アメリカ経済学会ではこれ以外にもゼロ金利関連で面白い論文が発表されていたのだが、The Economistの以下の記事が良い要約になっているのでそちらを参照してもらいたい。金融政策に対して学界が悲観的になりつつあることも、これを読めば概ね理解できるだろう。書き手金融政策有効性を信じる人らしく、金融政策はもう無効だという考えを少し批判的に書いている記事なので、自分に都合の良い記事しか読みたくない類の人も気持ちよく読めるのではないかと思う。

http://www.economist.com/blogs/freeexchange/2012/01/monetary-policy

蟲毒の壺の物語

さて、ここまで読んでなお「日銀議論余地なくワルモノ」と思えるものだろうか。日銀改革景気対策の最優先課題と断言できるのだろうか。別にリフレ信仰を捨てて日銀を真の神として崇めなさいと言いたいのではない。世の中には正誤定かならぬ「よく分からない」ことが山ほどあるのであって、この金融政策をめぐる議論もそのひとつだと理解してもらいたいだけのことだ。

知識の足りない人ほど目の前の景色世界の全てだと思い込む。その景色を共有しない人を見下したがる。知識が足りないことが悪いのではない。自分だって景気対策門外漢で、趣味で気が向いたとき論文を追っているに過ぎない。大切なのは自分は世の中をろくに理解できていないということを理解した上でモノを語ることだと思う。

Twitterでの議論を見ていると、知識の足りない人同士が互いの誤解を肯定しあって自信を漲らせていく過程をたまに見かける。なんだか、毒虫が相食んで更に自らの毒を強める蟲毒の壺を覗き込んでいるような気分になったのを今でも覚えている。たまには壺から出て外の空気も吸おうよ。

参考文献

Christiano, Eichenbaum, and Rebelo (2011) “When is the Government Spending Multiplier Large?”, Journal of Political Economy.

Correia, Farhi, Nicolini and Teles (2011), “Unconventional fiscal policy at the zero bound”, mimeo.

Eggertsson (2009), “What fiscal policy is effective at zero interest rates?”, FRBNY Staff Paper.

Mankiw and Weinzierl (2011), “An exploration of optimal stabilization policy”, Brookings Papers of Economic Activity.

Wren-Lewis (2000), “The limits to discretionary fiscal stabilization policy”, Oxford Rev of Economic Policy.

Woodford, (2010), “Simple analytics of the government spending multiplier”, mimeo.

2023-11-08

法律上の話と、経済学財政学)の話とはまた別で

「〇〇税は△△に使われる」といったいわゆる紐付けって、本質的には意味が無いんだよね。お金には色が付いてないってやつ。

財政学でも、基本は「出ずるを量りて入るを制す」であって、社会保障やあるいは景気対策といった、必要な出費額がまず決まってから

それに応じた税金をとることになるわけなんだけど、その取り方は水平や垂直の公平性、あるいは徴収経済的コストから決める

のであって、別に紐付けを頼りに決めるわけじゃない。「〇〇税は△△に使われる」っていうのは便宜的なもの、あるいは財政学に疎い

財務官僚が税を量出制入ではなく硬直的にするための方便しかない。それを大前提に話されても正直、無価値だとしか

(なお、今般話題の「過剰となった税収を還元する」というのも紐付け的な意味のない捉え方。)

anond:20231107104749

2023-11-05

anond:20231105134820


主張している内容を見て判断すればいい話で、こういう学歴や経歴しか見ないで、内容を判断しない人間こそ害悪

掲示板書き込みするのは中身を吟味できるようになってからにしてもらいたい。

anond:20231105103853

あなたがお医者さんかどうかはいったん置いておいて、こちらが気になるのは「医療経済学医療政策学について、独学ではなく系統的に学んだ経験があるのかどうか」。現場の声は貴重だけど、現場で働いている人にしかからないことに加えて、この議論を行う上で最低限必要とされる知識を得る努力はした上で意見してるのかが気になる。

専門的な知識を持たずにただ感情的に物を申しているのなら、それはトンデモ医療を行う医療従事者と紙一重害悪だと自分は思う。

2023-11-01

anond:20231101114418

とりあえず本一冊読んだらどうにかなると思ってるの舐めすぎだからどうにかした方いいよ

経済学書籍論文死ぬほど漁ってこい

2023-10-30

anond:20231030201920

というかリフレ派は大ボス浜田宏一

賃金ほとんど増えないで雇用けが増えるようなことに対して、もう少し早く疑問を持つべきだった。普通経済学教科書には、需要が高まっていけば実質賃金も上がっていくはずだと書いてある。ツケを川下の方に回すようなシステムで調整されるなんてことは書いていない。

とか寝ぼけたことを抜かしてるからな。

要は現実社会システムを知らずに教科書通りに動くと思い込んでる、典型的専門バカだよ。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/237766

経済学に詳しい人に質問なんだけど

ここ最近いろんな業種で人手不足が叫ばれるようになってるけど、こういう状況が続いた場合経済学教科書ではこのあとどうなると書いてあるの?

たとえば、商品需要がなくなりました→商品が売れなくなりました→商品の値段が下がりました、みたいな流れあるじゃん

じゃあ、人手不足になりました、の次は何が起きて、最終的にどうなるの?

2023-10-26

anond:20231026001954

経済学とか文学かに問題集単語帳があって、それを暗記したり問題を解いたりするの?

資格取得を目指す系の学部だとまずはここから始まることが多い。

理系大学でも、1,2年などの基礎的な科目は何があってもこれかなあ。

問題集みたいに纏まってない事が殆どだけど。

論文とやらをたくさん書くの?

これは修士大学院の博士前期課程)以上ならこれ。ただしたくさんなんて書けないので、「ちゃんと書く」の方じゃないかな。

ただ、修士課程ではない普通大学生も、卒論のために研究活動の真似事をやるので、それを自分で調べて、どうやって「答えが無い」事を調べてまとめていくかと言うやり方を学ぶ事になる。

ゼミ?を頑張ると勉強したことになるの?

ならないですね。こう言う勘違いしてるアホいるけど。

ゼミナールはあくまでも続けている研究行為の進捗会議みたいな役割である事が多いのでは。

授業に出席するだけじゃ足りないの?

足りません。大抵の大学の授業は、授業の3倍以上の自習をすることを前提にカリキュラムが組まれている(と言う建前)になっていますちゃん自習しましょうね。

会社にいるアルバイト大学生がパートのおばちゃんに「バイトばっかしてないでもっと勉強しなきゃ」って言われてて疑問に思った。

これは「大学生という身分が使えるのは4年しかないが、バイトはその後でもできるだろ」と言う意味だと思います

じゃ、大学生って何を勉強ってなるのさ

色々な説はあるだろうけど「教科書にない専門的な事を自分で調べ自分で学ぶ方法」がメインじゃなかろうか。

あるいはもう一歩進んで、「大学生」って看板を使って色々とやってみることまでいければよい。例えば若手の社会人がそれなりに名が通った人に話を聞きたいとか言っても門前払いだが、大学生だとスッと受け入れてくれたりすることがある。

地方国立大とかだと結構看板バカにできなくて、いろんな事ができるから、それを最大限利用することもできたらいいんだろうと思うけど、まぁ卒業してから気付くよねそういうのw

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