はてなキーワード: ハイヒールとは
22時過ぎの道玄坂はダメな人間しかいない。ポケットに手を突っ込み、ハイヒールでズンズンと駅へ向かう私もその一人。あの男。18年ぶりにTinderで再会し、手コキで果てた神奈川大卒の男。美しい思い出を性欲で汚した愚かな男。そして、彼を見下し、利用しようとして報いを受けた慶應卒の愚かな私。
私は私の人生がかわいかった。腹を痛めた我が子のように。当然だ。様々な苦しみを食べてこの人生は育ってきたのだから。教育ママ。日能研のバッグ。中学受験。女子校の人間関係。大学受験。滑り止めの慶應経済。就職活動。いろんなものをすり抜けて、私のソコソコ幸せなこの人生があるのだ。
中央林間のあたりで生まれて、小学校までは地元の公立に行っていた。色んな人がいた。「じゅんやくん」とは母親同士がママさんバレーの友達で、家も近かったからよく遊んでいた。青い屋根瓦の古い平屋。中に入るとワサビみたいな匂いがした。夏も冬も、いつもヨレヨレのタンクトップを着ていた。
じゅんやくんはモテた。足が早くて、サッカーもやっていた。土曜日に校庭に遊びに行くと、真っ白いソックスを膝まで上げたじゅんやくんが中盤からいいパスを出していた。かっこいい。顔はよく覚えていない。小学生の恋愛なんてそんなもんだ。初めてチョコをあげたのもじゅんやくんだった。
女子学院への進学が決まった。じゅんやくんに伝えると、お前のことちょっと好きやったで(笑)と言われた。ちょっとって何だよ、と思いつつも純粋に嬉しかった。それからの人生で、ちょっとでもいいから私に好きだよと言ってくれる人は他にいなかったから。その日は二人でマックに行っておしゃべりした。
メルアドを交換して多少のやりとりはしたし、全然更新しない彼のアメブロくらいは見ていた気がする。でもお互い新しい環境で新しい友達ができて、思い出話と近況報告以外に特にネタもないし、そして何より、小学生の「好き」なんて、その程度の曖昧なものなのだ。大人のそれも似たようなものだけど。
JGの新しい友達はみんな「きちんとした子」が多かったし、母もそれを喜んでいた。特にじゅんやくんやそのお母さんの話はしなかった。もしかすると、私の人生を自分の作品のように思い込む短大卒の教育ママである母にとって、あんな公立校の人間関係なんて忌むべきものだと考えていたのかもしれない。
そんな背景もあり、私は次第にじゅんやくんのことを忘れ、何事もなく人生は進んでいった。第一志望の東大は落ちたけど、滑り止めの慶應経済に入った。慶應卒の父はそれはそれで喜んでいた。塾高生の目が届かない弱小テニサーでは、志木高生が俺たちこそが内部生と言った顔でオラついてて可笑しかった。
サークルやゼミの先輩たちに色々手伝ってもらって、リクルートスタッフィングに内定を決めた。キャリアの内定者の何となく見下してくる感じはムカついたが、腐ってもR。腐っても銀座OL。初めての一人暮らし。限りなく浜松町に近い田町の月10万の1K。まいばすけっとで自炊を頑張ってみたがすぐ飽きた。
仕事は楽しかったし、なによりRの空気は私に向いていた。JGと慶應経済の面倒なところを煮詰めたら多分Rのそれと同じような味がする。電話をかける。ビルを倒す。派遣された高時給のエンジニアたちがちゃんとやっているかフォローする。いくつか賞ももらった。私の人生は引き続き順調だった。
唯一の問題は私生活にあった。慶應卒のかわいくない総合職の女の子、ほどの恋愛における弱者はいないんじゃないかと思った。ルッキズムには排除され、オレが養ってあげたい派より年収が高い。共働きで尊敬し合える関係が、とか言ってるやつも、だいたい前掲のどちらかを心に持っている。行き場がない。
入社2年目くらいのときに、三菱商事との合コンがあった。商事の中でも三軍みたいな連中。微妙な顔面。高慢な態度。「派遣とか竹中平蔵じゃん(笑)」「お前はどうしたいの?っておれに聞いてみてよ(笑)」内心分かりやすいハイスペ好きで、今日の合コンのためにまつパに行った自分を殺してやりたかった。
そんな行き詰まりがずっと頭の中にあった。何となく始めたTinderはゴミの山だった。日東駒専大東亜帝国なんて現物と会ったこともない。なんと高卒も!世の中の広さを思い知らされる。この国では生きる世界が何層にも分かれていて、コンビニのレジとか、違う世界の人は目の前にいても透明に見える。
同じ社会に生きる透明な人たち。彼らが可視化されるのが面白くてTinderにハマった。何を売ってるのか、こんな国語力で本当に売れるのか分からない謎の営業たち。ホテルマンと車のディーラーはやけに多い。恵比寿のフレンチで働いてるシェフは何だか好感が持てる。そんな悪趣味なTinderをやっていた。
マッチのゴミの山を漁っていたら、一人の男が目に止まった。神奈川大学卒。神奈川大学?白楽だか東白楽だかの果てにあるらしい。体育会でサッカーをやっていた。今は営業をやっている。また営業。こんな営業が会社に来たら嫌だな。Junya。30歳。Junya?彼だ。
18年ぶりに幼馴染みと再会した。よりによって、このゴミの山で。身分を超えた恋、と言えば美しいので、そう呼ぶことにした。すぐに彼からメッセージが来た。はじめまして😆✨よろしくお願いします❗冷静になった。●●小のじゅんやくんだよね?すぐに返信が来る。当たりだ。
話すことはたくさんある気がするから、私からすぐに飲みに誘った。家も職場も横浜のあたりと言うから、東横線で出てきやすい渋谷にした。店知らんから任せていい?🤣と言われたから任せられた。ラフな感じがいいな、ラフな感じでいいやと思って道玄坂の「どうげん」を予約した。
彼が人生の曲がり角になる気がした。ハイスペを追っては追い返され、低スペは追われる前にドアを閉める。私のかわいい人生が恋愛ごときで躓かないよう、学歴や社名で相手を選んできた。スペックに依存しない私の新たな人生と幸福が、おそろしく低スペな幼馴染との再会で始まるんじゃないかと期待した。
金曜。どうげんに焼肉を食べに行くだけとは思えないほど気合いの入った格好で山手線に乗ってしまった。この日のためにアリエクで買ったスカートは思ったよりピチピチだし安っぽかったが、神奈川大の男にはこれくらいのほうがいいんじゃないかと前向きに履いた。慣れないハイヒールはやっぱり慣れない。
20時。彼は少し遅れて来た。黒のカナダグース。ピタピタの白ロンT。膝の破れた明るい色のピタピタのデニム。ナイキのスニーカー。顔は、調子悪い日の槇野に馬を足した感じ。真っ黒に焼けていた。TikTokで流行っている音楽に詳しそうな雰囲気をしていた。「久しぶり😆✨」発言の末尾に絵文字が見えた。
彼は私のアジアン隅田似の顔に少しギョッとしたが、お酒を飲むとどうでもよくなったみたいだ。よく飲む人だった。一息でジョッキを半分くらい飲み干した。杯を乾かすと書いてぇ〜😆顔カンパーイ😆✨よく食べる人だった。りんごを巻いた肩ロースを何枚も吸い込んだ。営業は接待で大変なんよ🤣
話は割と盛り上がった。中学高校でもサッカーを続け、インターハイにも少しだけ出場したこと。強豪大からは声がかからなくて神奈川大に進学したこと。プロを目指したがまるでダメで、今は横浜の部品の会社で営業をやっていること。大学時代のマネージャーと付き合っていたが、浮気されて別れたこと。
1時間も経っていないのに、彼はかなり仕上がっていた。てかスカートめちゃエロくない?😍(笑) 急に空気が変わるのを感じる。性的な質問が増える。テーブル席の向こうから、彼の鍛えられた足が妙に触れてくる。ZARAのいつ買ったかも分からない安そうな彼のデニム。昨日きちんとムダ毛を剃った私の脚。
私は変に冷めていた。話が合わない。共通の話題がないとかじゃなくて、会話の技法とか、語彙の辞書がそもそも違うような感覚。ロシア語とポーランド語のような関係。分かるが分からない。目に見えない学校から目に見えない会社に入り、目に見えない人たちとテング酒場で男梅サワーを飲んできた人。
私の期待は外れた。当たり前だ。私たちは同じ国の、目に見えない違う国で育ったのだ。それが交錯するのが首都圏の公立小学校であり、そこを出れば二度と交錯することはないし、交錯すべきでもない。美しい思い出は美しいまま、卒業アルバムと同じダンボールに入れて二度と開けなければよかったのだ。
迂闊にも、実家でホコリを被っていたそれを開けたのは私自身だ。それも、美しい思い出とその中にいる彼を、私は見下し、見下したそれらが私の人生を好転させてくれると期待した。最悪だ。そして最悪な彼は、自分のために着飾ってきたブスに勃起している。彼にはその権利があるような気がした。
例によって、このあとホテルに誘われた。お店に入って1時間余り。モクモクとしたどうげんのテーブル席。私の美しい思い出が、トイレから帰ってきたらこっそり近所のラブホを検索していた彼が、ニタニタと勃起しながら最悪の誘いを投げかけてくる。すべてが面倒になり、割り勘をしてホテルに向かった。
緊張緩和のためか、途中のコンビニで買ったストゼロを彼はガブガブと飲み、結果勃たなくなった。少し待つと復活したからまずは手でしてあげると、アッアッというピトーに脳をいじられたポックルみたいな声を出してすぐに射精した。そうして二度と勃たなかった。手を洗うときに鏡で見た私の無表情な顔。
時計を見るとまだ22時で、なんだか疲れたから私だけすぐ帰ることにした。ライン教えてよ、と言われたけど、ラインやってないので… とそのままドアを閉めた。通りに出るとゴミみたいな人たちがいっぱいいた。何の仕事をしてるのかも知らないが、おそらく一生知ることもない、違う国の人たち。
今年で30歳になります。帰りの山手線、窓ガラスに映った自分の顔にギョッとしました。頑張って生きてきたのに、恋愛で肯定されることがなく、そのことは私の人間的価値そのものが否定されたような気分になります。家につきました。男たちの欲求の狭間で、私は今夜も真っ白な天井を眺めています。
実は― きょう彼にああやって求められたのが、一瞬、少しだけ嬉しかったのです。でも、やっぱりダメでした。致命的な知性の欠如。合わない人とは合わないほうがよいのです。それが分かると見下してしまうから。じゅんやくんのお母さんを何となく見下していたのを思い出します。
当然の報いです。美しい思い出を利用しようと段ボールのガムテープを剥がした私。そんな私の手を汚い欲求で汚した彼。身分を超えた愛?Tinderを開くと彼からメッセージが来ていますが、何も見ずにマッチを解除します。ビールを飲みながら、早慶以上の人にだけいいねを送ります。今年で30歳になります。
出典元:麻布競馬場 @63cities https://twitter.com/63cities/status/1472400671387582467
少し絵をかじったことがある程度なんだけど(ものにならなくて数年でやめた)、まんすじが浮き出てるパンツとか、へそにピッタリと張り付く服とか、エロとか、性的とか以前に、滑ってるギャグに見えて「いや、そうはならんやろ」って突っ込んでしまう。
後はよくあるのはニーソにどたぷんと乗る肉とかさ。痒くならないのあれ?ワイは締め付けのある服をきるとすぐかゆくなって駄目で、冬でも家ではだぼだぼTシャツに、ズルズルジャージ、裸足なんだが。いっつも、ふとももかゆくならないのかな?って思っちゃう。勿論、性的魅力は全く感じない。
乳袋も違和感があったんだけど、あれはあまりに普及しすぎて目が慣れちゃって違和感感じなくなっちゃった。
最近だとソシャゲに多い、乳首に張り付く布とか、めっちゃ高いハイヒールでアクションする奴とかね。見栄えも大事かも知れんけど、絶対剥がれるし、絶対足首くじくやろってなっちゃう。せめて鎧着て、ブーツはけ、ブーツ。
とりあえず今日ここで全部吐き出してまとめて忘れてしまおうという試み
推し方がキモい とにかくキモい 典型オタク丸出しっていうかいちいち寒いっていうか一人だけ2010年くらいのオタクをやっている
いやまあでもそういうオタクいっぱいいるか いっぱいいるんだけど自分の元彼がそんな人だと認めたくなかったのかもしれない
とにかくきしょい
元彼のことめっちゃ好きだったんだけど、今もたまに顔合わせると好き…てなってしまったりするんだけど、それはそれとして気持ち悪い
これはもう自分の単なる嫉妬だというのは分かってるんだけど元彼普通に男ウケする女に靡きそうでムカつくからハイヒールで蹴っ飛ばしてやりたい
若干野暮ったい女が好きそう
正直野暮ったい女が好きな男が一番きもちわるくない?
きっしょいなあ
元彼はさあクリスマスとかバレンタインとか行事大事にしたがる割に何もしなかったんだよな
私クリスマスだから恋人と過ごすとかあんまり考えたことなくて、でも元彼がさ 自分も今までただの休日だと思ってたけど今は君と過ごしたいと思うって言ってくれてめっちゃ嬉しかったんだけど
百歩譲って夕方解散はともかく自分の後にアイドルの予定入れられて彼女が喜ぶと思うんか
死ねよ
何を考えてたんだろうねほんとに
別れてから言い争う機会があったので刺してみましたがだんまりだったので何一つわからないままです あとついでにSNSの縮小アカウントブロックされてましたウケる そうやってすぐ対話を放棄するからお前はガキだしダサいんだ
そうやって一生自分にはできる自分にはできるって身の程知らずな夢を見て自分を評価しない世間に中指を立てて自分の中に天才が眠ってると信じて落ちぶれていくんだ
そうなってほしいよ
ってのが今までの主張と矛盾しているからおかしいんじゃないの?
「服装の自由を行使」したいやつがマジョリティだから訴えてたんじゃないのか?
なんで今になって「服装の自由を行使」するやつなんて少ないだろってマイノリティ気取るんだって話だよ。
それと「服装の自由を行使」って事の解釈が人によって違くて、大抵の人はTPOに合わせて「服装の自由を行使」をしたり
それで今まで問題にならなかったし、靴擦れが出来たくらいで大騒ぎするようなアホはいなかったんだよ。
靴擦れなんか工夫でどうにでもなるし、規定範囲内で解決可能だし、それでも無理ならコミニュケーションで解決したんじゃないの?
それが出来ないでKutooとかわけわからん運動に仕立てたのがそもそもイミフなんだよ。
ハイヒール必須で困っている女性が沢山いるなら、そのことだけをピックアップして問題にすればいいだけで、
どこにそういう企業が職種があるか分からず、一部の人だけが困っている事を殊更沢山の人が困っているように問題提起するから話がどんどんややこしくなる。
元増田がこう書いている
以前から石川氏は「TPOに合った服装をする」ことに全く反対していない。自分が職場でハイヒールを履いて足が痛くなったことをきっかけに、職場でハイヒールを強制することを批判しているだけで、それ以上の自己決定とか自己表現とかに彼女はほとんど興味を示してこなかった。
なのでハイヒールの話題なのは明らか。ではハイヒールの高さはどうだろうか。
したがって7cm以上のヒールの強制性について議論すべきであり、他の高さのヒールの話を混ぜることでノイズを増やすことはおかしいと考えます。
ヒールのある靴を履いたことが無い人は、まじめにそういう解釈をしちゃうけど、
実際問題として、
と確かに報告書にも書かれているけど、文脈的にミスリード誘っているだろ
https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20191115.pdf
少なくとも
の回答には全くなっていないし、誤解を誘導しているだけ。ありえない。
女性が履くパンプスについて、ヒールの高さに決まりはあるか [単一回答形式]
回答結果(%)
回答 | 全体 | 男性 | 女性 |
1~3cm未満 | 3.5 | 3.4 | 3.6 |
3~5cm未満 | 3.0 | 1.4 | 4.7 |
5~7cm未満 | 1.4 | 1.7 | 1.1 |
7~9cm未満 | 0.4 | 0.3 | 0.4 |
9cm以上でもよい | 0.4 | 0.7 | 0.0 |
決まりはあるが、高さはわからない | 10.9 | 12.6 | 9.0 |
決まりはない/決まりがあるかわからない | 80.6 | 79.9 | 81.3 |
分母がミスリード誘っている
なので、
の回答者の、全体(57.1%)、男性(58.6%)、女性(55.6%)が分母。
これをきちんと書かないで19.4%の数字だけ書くのはあり得ない。
結果見ても分かるように、むしろヒールが高い靴を履くことを禁止されている。
なので、Kutooの文脈で「パンプスのヒールの高さに決まりがある」の数字だけを出してくるのは、明らかにミスリードを誘っている。逆じゃん。
しかもデータを見てみれば、服装規定があるうちの上位は金融、保険を別として宿泊、飲食サービス、卸売り、小売り、運輸、保険といった「よく動く制服がある仕事」が該当する。
「パンプスは履いてもいいけど高くしすぎるな」が服装規定になっていることは明らか。
なのに「パンプスのヒールの高さに決まりがある」が19.4%って数字持ってきちゃダメでしょ。
この設問の前提条件として、「強要されるならパンプス」という前提があるけど、パンプス以外の靴を許容されているケースも含んでしまっている。
実際、この設問の自由回答でも
という回答がある。
なので「スニーカーでもいいけど、パンプスを履く場合は規定がある」ケースも含んでしまっている。
自分ならこの設問の前に「パンプスのみを履く規定があるか?」という設問を設定するが、それが抜けてしまっているせいで回答から何も言えない。
少なくとも「パンプスの規定があって、ヒールの高い靴を履かなければならない」は遠すぎる。
「ヒールの高い靴を強要されている人はいない」が言いたいことではない。むしろ、保険のお姉さんとかは多少規定されている人いるんじゃない。可能性があるならそこ。
言いたかったことは、「ヒールの高いパンプスを強要されている人が19.4%ってのは悪質なミスリード」です。
アンケート調査でもアンケートの解釈でもやっちゃいけないことの典型的なことのオンパレードだったのでドン引きしたため。
https://twitter.com/yoshiki_anime/status/1445222493480910857
TPOは尊重するけどハイヒールは苦痛だから嫌ということなので、
少なくともクツーとは矛盾はしてないと思うよ
雑なのはお前だろ
@ishikawa_yumi
なんかよく分かんないんだけどさ、そんなにみんな仕事中に自分の服装の自由を行使するっけ?表現として。
皮肉じゃ無しに本気で「これはKutooと矛盾する」と思っている人は、石川氏を責めるのでは無く自分の不明を恥じるべきだろう。
以前から石川氏は「TPOに合った服装をする」ことに全く反対していない。自分が職場でハイヒールを履いて足が痛くなったことをきっかけに、職場でハイヒールを強制することを批判しているだけで、それ以上の自己決定とか自己表現とかに彼女はほとんど興味を示してこなかった。
身体的自由権だけを問題にしていて、精神的自由権は全く問題にしていないのだ。
私は「妥協が必要な部分はあっても、基本的には個々人が自由に服装を選べるのが良い社会で、マナーやTPOの強制は最小限にしなければならない」という主義の人間なので、Kutooの目的に対して共感はしても、運動に対して積極的に賛成することはできなかった。
女性が男性に並ぶには、爪を切るのがとりあえず一番早い。ぜひ爪を切ってほしい。お願いだ。
そもそも爪を伸ばしてマニキュアを塗るという行為は、「私は下働きをしない高貴な身分である」ということのアピールだ。
実際、中国やアジアでは貴族男性も爪を伸ばしていた。家事をしなくてもいいことの証明、ひいては富裕層であることのアピールだったからだ。これは肥満にも言えることだが。楊貴妃がその典型例だ。纏足、長い爪、豊満な体。それは全て富裕層の証だった。
とある儒者などは、生涯一度も爪を切らなかったことを自慢していたほどだ。儒者特有の「親からもらった身体を傷つけない」という価値観のせいでもあるが(この価値観はタトゥー問題として現代にも生きている)。
今はもうそのような時代ではない。どんな身分の人も、働く時代なのだ。
だからぜひ、爪を切ってほしい。
爪が長いままスマホを使ったりキーボードを操作したり家事をすると、バネ指(指の腱鞘炎)に非常になりやすいのだ。「女性はバネ指になりやすい」という話があるが、これは爪が長いままいろんな作業をやるからだ。
爪が長いと指先の力が使えない。だから指の腹を使って力を入れることになってしまう。これはとても不自然なことなので、「女性は力が弱い」ということになるのだ。
女性の方、瓶のふたを開けるのに苦労したことはないだろうか?男性の方は、女性に瓶のふたを開けてくれと頼まれたことはないだろうか?
これも爪による。指先の力をしっかり使えていれば、瓶の蓋は簡単に開く。
女性は力が弱いわけではないのだ。もちろん上限値は男に劣るかもしれない。しかし、日常生活で「男に劣る」場面ははっきり言って、ないのだ。
女性はいろいろな面で枷をはめられている。ハイヒールやスカートを履くから「活動的ではない」し、爪が長いから「力が弱い」のだ。
だからぜひ、まずは爪を切ることから始めてみてほしい。長い爪が必要な場面では、付け爪を。そして男性には、爪の長さを女性に求めないでほしい。
もう楊貴妃の時代ではないのだ。電動工具があるから大工だってできる。We can do it.の時代からもう半世紀以上たってる。
そして、何よりも、今はスマホとキーボードの時代だ。スマホとキーボードを使うためにも、ぜひ爪を切ってほしい。指の腹で打ちにくそうに操作している姿を見ると、とても心配になる。バネ指まっしぐらだからだ。
バネ指というのがわからない人は、「指のぎっくり腰」と思ってもらえばいいと思う。朝起きると指が折りたたまれて、動かない。恐怖の体験だ。身の回りの中年女性に聞いてみるといい。経験者は多いはずだ。
指先の力というのは本当に大事なものだ。指先の力を使えるかどうかで、力の出し方は全く変わってくる。これは武術をやっている人には大いに同意してもらえると思う。指先の力は本当に本当に大事だ。
爪が長いことが女性の上限値を大幅に下げている。纏足と同じだと個人的に思う。纏足の人に100m走で勝って「こいつは脚が遅いな」って言っているようなものだ。
この「指先が大事論」を実証するため、在宅ワークを利用して2か月ほど爪を切らないで生活してみた。爪の長い女性と同じ体験をしてみたのだ。爪を整え、割れないように気を使って生活をした。
すると、全く力が入らない。とんでもないハンデだ。袋を開けるにも苦労する。料理だって大変だ。キーボードで文字を打つと、肩甲骨のあたりが異様に凝る。なんというハンデだろう。これはもはや現代においては障害クラスなのではないか。
筋肉には多少の覚えがあった自分だが、爪が長いことによりパワーは半分以下に落ちた。筋トレをするにも、指先に十全な力が入らないので効率が悪すぎる。
爪を伸ばす前までは40kgのダンベルカールを2回ギリギリ行けるくらいだったが、爪を伸ばすと34kgで2回が限界だ。
指先ではなく指の腹に力を入れるので、利かせることが難しい。これは無理だ。
タイトルではハイヒールやスカートより、と書いたが、これらも同様な枷だ。
爪の影響は非常に大きい。本当に大きいのだ。
とにかく爪を切ってほしい。爪を切って(爪を気にせず)指先の力を使う世界は別世界だよ、と、全ての女性に伝えたいのだ。
そして男性にも。生爪よりも付け爪。付け爪のほうがネイルを盛りまくれるので楽しいしかわいいよね、くらいの価値観になってほしい。
爪が長いのは、貴族だけだということを覚えてほしい。