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2023-10-14

文科省財務省のバトルについて解説するよ

前置き

財務省での財政制度等審議会資料での、予算をめぐる文科省財務省のバトルが話題になっています

ブコメ増田記事を見ていると、前提知識勘違いしている方もおられるようなので、国の予算要求財務省役割、今回のバトルについて自分のわかる範囲解説します。

なお、自分教育関係者でも財務関係者でもなく、ただ国の予算編成過程が多少わかる、という程度です。

教育新聞の記事(発端となった記事お金を払っていないので「教員採用倍率『今後は改善する』と「奨学金返還免除課題が多い』」までしか読んでいません)

財務省vs文科省(上の記事解説する別の増田

文科省令和6年度予算 (ざっくり知りたければ「・・・ポイント等」の資料を読めばよい)

財務省制度審議会資料 (ここでは資料1と参考資料対象

この記事でいいたいこと

今回のバトルで、国の予算の成立の背景知識や、財務省文科省予算をどこに気になっているのか、自分なりに解説します。


また、上記別の増田記事解説されている内容は、以下の部分における2つ目に大きな誤解があり(文科省予算案について、財務省が当初の案通りに認めてきたわけではない)、

それが全体の論旨をゆがめているので、訂正をしたいです。

■3行で

財務省文科省予算を下げる、コストカットするとは一言も言ってない

・近年は文科省予算案は案の通り成立している

財務省は、文科省の案通りにしてきた(拡充すべき点は予算増加させた)のでしっかり効果出せ、と言っている

しろ教育新聞記事趣旨通り、このままだと文科省要求した予算を大きく減額するよ、という意思表示とみたほうが自然です。

予算要求について

国の予算は、ざっくり言えば、

8月末:概算要求(各省庁が財務省に対して必要予算金額を伝える段階)

9月~11月:概算要求内容に対する各省庁担当部局への財務省ヒアリング財務省での予算編成(予算金額修正を含む)

12月:概算決定(財務省事業予算金額を確定させ、それぞれの金額積算した政府予算案を策定) 

1月~:国会開会、両院予算委員会での予算案審議

3月:予算委員会において政府予算案が承認予算成立

という流れで決まります

上記の通り、制度上、国会予算委員会で審議、承認されることで予算として成立します。財務省が決定しているわけではありません。

では、財務省は何をしているかというと、8月の各省庁から提出された概算要求内容を基に、各省庁の各予算事業要求金額を精査し、必要に応じた減額(増額されることはあまりないです)を行ったうえで、政府予算案を決定しています

また、国会予算委員会での審議においては、多くの場合そのまま政府予算案通り承認されます


上記増田は、

近年出している文科省予算案は、案の通り成立したと文科省から出ています

と書いていますが、文科省HP記載での「予算案」は、財務省と調整後の12月に決定された政府予算案を指しており、文科省最初に8月に出した予算案を財務省が丸呑みしたわけではないです(丸呑みしたのは国会)。

上記9月~11月の財務省予算編成過程では、バチバチ財務省から注文を付けられ、また、概算要求された予算は多くの場合削られます(=コストカット)。

文科省の令和6年度予算要求財務省の反応について(私見

しろ財務省審議会財務省がこのタイミング論点化してきたことは、文科省教職員定数の増加や教員に対する奨学金返還支援について財務省から待ったをかけた形と見たほうが適切だと思います。ただ、教育関係予算を一律に削りたいとかではなく、文科省の令和6年度要求に反応した形ではないかと思います


教員の定数について

まず、文科省の令和6年度概算要求特にp.6参照)において、教職員給与の国の財源(教職員給与は1/2が国負担である義務教育国庫負担金について増額要求をしていること、特に以下の項目が、財務省としてはカチンときたのではないかと思います

義務教育国庫負担金】

<令和6年度要求

教職員定数の改善 +128億円(+5,910⼈) ・定年引上げに伴う特例定員 +105億円(+4,857⼈) ・教職員定数の⾃然減等 ▲168億円(▲7,776⼈)

<令和5年度予算

教職員定数の改善 +104億円(+4,808人)・教職員定数の自然減等 ▲132億円(▲6,132人)

令和6年度予算は、定年引上げを行い教員を増やすにもかかわらず、昨年度以上に教職員定数を増やしています

おそらく財務省としては、定年引上げに伴い教職員定数の増加量は小さくなる(例えば令和3年は定年引上げなしで+2000人)と見込んでいたところ、逆に増やしてきてぶち切れ、という流れかな、と勝手に推測しています(この辺りは令和5年度予算要求の際に文科省財務省にどのように説明してきたかにもよりますが)。

教師給与改善

また、、財務省一般公務員教員給与比較して云々言っているのは、同じく文科省の令和6年度概算要求資料p.6の中で、

【④教師の職責等を踏まえた処遇改善

教師給与体系の改善については、⾻太⽅針2023に基づき、具体的な制度設計を進めつつ、職務の負荷や職責を踏まえ、先⾏して以下の処遇改善を図る。

主任⼿当の額の改善 +4億円(令和7年1⽉からの3か⽉分)

管理職⼿当の額の改善 +4億円(令和7年1⽉からの3か⽉分)

としているところを問題視しているのかなと思います

財務省としては、「骨太方針2023(これのことです。)に基づくとか言っているけど、『職務の負荷に応じたメリハリある給与体系の改善』とされてるのに、なに雑に一律に給与上げようとしてんだよ!」となったのかなあ、と思います。ただこれについては額も小さいので、どちらかというと「今後ちゃんメリハリある給与体系をきちんと考えるんだよなぁ(威圧)」という脅しの意図のようにも思いました。

(この部分について個人的意見として、財務省側も、反論として教員給料国家公務員一般職)の給料を平均で比較して高いとしたのはあまりに雑すぎるのでは、と思いました。)

教員奨学金返還免除

あと、教員に対する奨学金返還支援については、「一度辞めたものを復活させるにはそれなりに理由がいる(もし理由がないなら、過去の決定は間違っていたことになる)けど、当時の理由が解消された、あるいはそれ以上の理由があるの?」という財務省として当たり前の指摘かな、という印象です。


全体的に、今回の文科省予算要求は、教員に対する奨学金返還免除でかなり話題になったため、大きく削る決定をする前の先手を打った、という形と思います

文科省財務省のバトルについての個人的意見

個人としては、現代教師の方は部活時間外労働など山ほどあってしんどいし大変で、本当に頭が下がるな、という思いはあります

一方で、そのために必要なのは学校の仕組みや組織改善部活の縮小やテストの採点・授業等の効率化など)であり、

今の枠組みを維持したまま、予算だけを増やしていくのは違うのでは、という思いが強いです。

その意味で、意見はかなり財務省寄りです。

個人的には、今回の審議会資料参考資料の、「在学者1人に対し、どの程度の公財教育支出を行っているかで見ると、日本OECD諸国平均と遜色ない水準。」というデータはとても驚いたし、今後公的教育支出の増額を議論するならこのデータへの反論必要になると思いました。)

逆に文科省に対しては、自治体レベル教育各自治体の教育委員会、現場運営は各学校にゆだねられている中で、現場を少しでも改善しようと頑張っておられ、その中で今回の予算要求となったのだと推察しています。仮に今回の要求が大幅に減額になったとしても、教員予算教員不足解消に関する議論に一石を投じたという意味で、意味があるものと思います

一律に「財務省教育を軽視している!」とか、逆に「文科省は何もわかっていない!」と勝手悪魔化せず、冷静に論点を見極めて議論し、これから教育の在り方を我々一人ひとりも考えていきたいですね。

2023-06-06

子無しはフリーライダーって言われたくないなら

せめてOECD標準レベルまで公的教育支出割合公的負担率を上げることに賛成してもらえないですかね?文科省資料[1][2]によると、一般政府総支出に対する公財教育支出割合は9%台でOECD諸国38カ国中下から2番目なんですよね。更に私費負担率も最低レベルで、日本子供を育てるのは親の経済的負担が大きいことはデータとして明らかなんですよ。

それを「子無しも税金で子持ちを支えてるから……」とか言われてもその税金全然教育に使われてないので、現状は明らかに親が育児にかけるコスト社会全体がフリーライドしてる状況ですよね。しかもこれは経済的負担だけの話であって、育児のために日々行う家事労働コストは別途掛かってるんですよね。

別に子供を産めとか子持ちを敬えとかは求めないですけど、まずはフリーライダーである現状を自覚して教育お金をかけることで、胸を張って自分たち支援を受ける権利があると主張できる世の中を目指しませんか?

[1] https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg7/290313/shiryou4-1.pdf

[2] https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpab200901/1295628_005.pdf

2019-06-19

令和時代財政の在り方に関する建議の文教科学技術に対するコメント

気になったので読んでコメントしてみた。(個人の感想です)

令和時代財政の在り方に関する建議

令和元年6月19日

財政制度等審議会

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20190619/index.html

更にはその成果は使った「量」に見合うものであったのかといった議論に焦点があてられることはほとんどなかった。

しかしながら、本来、「量」は教育政策科学技術政策目的を達成するための手段であることから、これでは本質的議論とはならない。

えっ。あるけど都合が悪いか無視しているだけじゃね。

政策に生かされなかったが正しい文面じゃね?

話ずれるけど消費税とか年金とかで

政策目的を達成するための手段であることから、これでは本質的議論とはならない。

とか言うべきだよね。増税する前に。

教育は一人ひとりに対するものであるという観点から、在学者一人当たりで見れば、OECD 諸国と比べて、教育支出は高い水準にあり、公財支出に限っても遜色ない水準にある。


教育は一人ひとりに対するものであるという観点」がズレている気がする。

よくわからないけど、塾とかの費用は含んでいるのか?正しいのか?

教職員数については、少子化の進展に伴う自然減や平成 29 年度の法改

正に基づく基礎定数化を勘案した見通しによれば、定数改善を行わなく

とも、児童生徒当たりでは増加することとなる。また、主要先進国と比

べても教員一人当たりの児童生徒数は遜色がない。〔資料Ⅱ-3-4参

照〕

したがって、更なる定数改善必要か否かは、定量的かつ客観的なエ

ビデンスや PDCA サイクルの確立大前提として考えるべきである

主要先進国と比べても」あるけど仕事の内容が同一じゃないから比較するのは明らかにおかしい。

PDCA サイクルの確立学校とかじゃなくて政策のだよね。

加えて、教育上のデメリットが指摘されている小規模校(1学校当たり 11 学級以下の学校)が半数を占めている実態もある。

あいまいに書くことでなんか言いたいような文章だけど。具体的なデメリットの内容がわからない。よくわからないけど金銭的なデメリットというだけじゃないの。

近所にあるとか。そのようなメリット無視した文章だと思った。

(5)国立大学法人等への公的支出

公的支出の総額について

まず、国立大学への公的支出の総額については、このうち国立大学

営費交付金だけを取り出して、平成 16 年度の国立大学法人化以降、約

1,400 億円減少したとする指摘がある。しかしながら、この指摘は、教職

員の退職に応じてその都度別枠で補助してきた退職金相当額が退職者の

減により減少したことなど教育研究に直接影響しない減少を含んでしま

っている一方で、教育研究向けの補助金の増額を含んでいない表面的・

一面的ものである

これらを勘案した実質的教育研究向けの公的支出の総額を見れば、

法人化以降、約 600 億円増加している。

競争資金割合が増えたせいで安定した運営となる基盤の財源の割合が少なくなっていることとか書かれていない気がした。

払わなければならない学費の増加と関係しているのに。

昨秋の建議において、こうした現状を温存することなく、社会ニーズに応じた教育水準やグローバルレベル通用する研究水準を確保するための全学的なマネジメントが行われるよう、

教育研究にかかる共通定量的な成果指標による相対評価50に基づく配分を徹底し、

評価に基づく配分額をまずは国立大学運営交付金10%程度、1,000 億円程度にまで拡大

する必要があると指摘したところである

1つ目はいいと思うけど。大学場合、小中高の共通ないようによるテストはないので手法として難しい気がする。またこ評価実行の金銭時間コスト政策側が負担すべきものだろう。

2つ目は危ういと思う。新分野の教育について最初評価は低くなりがちで革新を抑えるため、さら教育が硬直する危険性がある。

一人ひとりの学生研究者でみれば教育研究の成果が現れるには一定時間がかかるという主張もあるが、全学としてみれば、教育をした卒業生を毎年度送り出し、また、日々グローバルにしのぎを削っている多くの研究者を抱えている。

こうした過去から努力の積み重ねとして毎年度現れてくる成果を適時適切に評価することなくして、評価やそれに基づく配分といった既得権長期間固定してしまえば、新陳代謝切磋琢磨を阻害し、ひいては国際競争の後れにもつながりかねない。

しろ過去から努力の成果を毎年度適切に評価することによって、教育研究の質の向上を促すべきである

悪意を持って研究評価教育評価と混在させた議論をしているように感じた。

時間スケールの異なることを議論して都合のよい部分だけをつまみ上げた文章である

当たり前だけど教育研究は別々に評価すべき。

日本主要先進国並みの研究開発の生産性を確保できれば、日本トップ 10%論文数のシェア主要先進国を上回ることができる。科学技術関係予算

の「伸び」が課題とされることが多いが、こうしたことを考えると、真の課題研究開発の「生産性の低さ」であると言える。〔資料Ⅱ-3-31~34 参照〕

研究開発の生産性の低さの要因について

大学における研究環境の硬直性・閉鎖性が研究開発の生産性が低い要因であるということは、大学内外から指摘され続けてきた。実際、

・ 分野ごとの論文数のシェア学部学科の定員のシェアが長期にわたり硬直的であることや、

日本研究人材の国際流動性や国際共著論文数が主要先進国の中で劣っていること、

は明らかである

雑務が多いと言われているので「勤務時間」を分母とした場合では生産性は明らかに低いことは同意する。

研究にかける時間に対しての評価」に対しての生産性議論をせず、単に研究生産性(研究者が悪いと決めつけた議論)へすり替わっているのが気になった。

このため、まず、科学技術分野における戦略プロジェクトを設定・

実施する際に、

研究予算多寡などの研究に使う「量」(インプット)を目標とするのではなく、これにより得るべき研究成果を相対的定量的評価可能指標として目標化するとともに、

・ そのうえで、重点化する分野、いわゆる「ハリ」の分野のみを提示するのではなく、過去総合科学技術会議科学技術予算についてSABC の4段階評価55を行っていたように、温存しない分野、いわゆる「メリ」の分野も提示し、厳しい優先順位付けを明確にするべきである

2つ目は悪名高い「選択と集中」。しかも、ここで評価をしたからといって全体の予算が増えるかどうかとの関係性は述べられていない。

全体の予算が増えない状況でこのようなこと時間をかけて行うモチベーションが湧くのか?非現実的方法と思った。

加えて、官民の適切な役割分担・連携重要である日本企業部門研究開発投資主要先進国の中でトップクラスの水準にあり、また企業部門流動資産過去高水準にある。

[要出典]

ほんとなの?特許数とか論文数とかでも???

 
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