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2019-05-08

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2018-10-15

[] #63-7「イタガリアン」

≪ 前

サッカーにおいてファウルアピールは1つのトリックプレーである。転倒時に大げさな痛がり方をすることを批難する者もいるが、それはその選手が下手くそからだ」

ジパング代表監督言葉らしい。

その言葉体現するように、転倒時の痛がりっぷりが抜きん出ていたのがイッタ・イマージだった。

彼のサッカー選手としての実力は決して華やかとはいえなかったが、痛がり方だけは圧倒的な存在感を放ち、その様子がカメラに映されることが多かった。

それを見た他の選手たちや観客の中には「見てるこっちまで痛くなる」と、痛みを錯覚する者もいたのだとか。

その割に、彼は現役時代に一度もケガが原因で交代したことがなく、故障したことがない恵体。

そうして15年間ずっと現役で居続けた、ある意味ですごい選手だったという。

「……で、引退後は自国観光大使として隣国を巡り、今に至るというわけっすね」

カジマの説明を話半分で聞いていたが、つまり痛がりのプロってわけだな。

ボーナスチャレンジの話を聞いたときは、ローカル番組にしては大盤振る舞いだなと思ったが、そういうことか。

これを企画したヤツ、どうやら俺たちを勝たせる気は毛頭ないらしい。

いわばプロモーションの一環だ。

テーマは“フリースタイル”です。お好きな方法で痛がってください。では先攻カジマ選手、どうぞ」

全国を魅了するほどのイタガリアンに、一般人の俺たちが勝てるわけがない。

これじゃあ勝負はやる前から決まっている。

「えー……どうしよう」

さすがのカジマも、この状況に相当なプレッシャーを感じているようだ。

この状態では、ちゃんと痛がることは難しいだろう。

これ以上、恥をかかせないためにギブアップさせるべきか。

半ば諦めていた、その時。

兄貴ー!」

弟の声が聞こえたので、その方向に視線を向ける。

すると、俺の目の前に「賞金2倍」の文字が書かれたフリップが目に入った。

諦念の相が出ていた俺を見かねて、どうやら弟が書いてくれたらしい。

そして、それは俺の思考を正常に戻すには十分なものだった。

……そうだ、つけ入る余地はあるはずだ。

いくら痛がることが上手いといっても、それは元サッカー選手としての副次的能力であり必須スキルではない。

リアクション芸人みたいに痛がりのプロというわけでも、面白いわけでもないだろう。

ならば俺たちが勝負すべきは、その“面白さ”だ。

そうと決まれば、まずはカジマの調子を取り戻させよう。

「カジマ、これはチャンスだ。痛がりのプロともいえるイッタ・イマージに、お前の痛がりを見てもらえるんだぞ」

「そ……そうか! これを機にオイラスターロードが……」

カジマの頭の中で、随分と前向きな解釈が行われているようだ。

あいいや、そっちのほうが都合がいい。

「よし、じゃあ1回戦でやった木の棒、その“応用編”で行くぞ!」

「おっす!」

「じゃあ、行きまーす!」

俺は1回戦と同じように木の棒を構える。

「くたばれ!」

そして、ほぼ同じ動作で木の棒を振りぬいた。

「あ``あ``!?

脛めがけて振りぬいた木の棒は、誤って狙いより上に当たってしまう。

股間にある“第三の足”にだ。

「ああ~っと! これは痛そうだ~~!」

「~~~~っっっ、ちょっとマスダぁ~!」

カジマは俺に怒りの声をあげるが、その姿と声量は情けない。

ハハハハハッ!」

そんなハプニングに会場は盛り上がる。

当然、これはワザだ。

同じテーマが出てきた時、二回目はコレで行こうと以前から決めていた。

同じことはやればやるほど退屈になりやすい。

だが変に奇をてらおうとするくらいなら、同じことをやったほうがいいのも確かだ。

期待はそう簡単に裏切れない。

だが予想は裏切れるんだ。


「ははは……さぁ~て、ちょっとしたハプニングはありましたが、気を取り直して後攻イッタ・イマージ氏、どうぞ!」

俺たちのやれることはやった。

後はイッタ・イマージ次第だ。

俺は彼の痛がりを知らないから分からないが、いくらサッカー選手とはいえ先ほどのカジマを超えるのは難しいはず。

ダイ……ジョブ……本気で」

イッタ・イマージがつたない日本語で、痛めつけ役のスタッフと喋っている。

今回のために覚えてきたのだろうか。

大げさに痛がるサッカー選手なんてロクなもんじゃないと勝手に思っていたが、意外と真面目な人なのかもしれない。

「じゃあ、行きます!」

どうやら俺たちと同じ木の棒で行くらしい。

カジマのを見た上で、あえての真っ向勝負か。

よほど自信があるとみえるが、さすがに見くびりすぎじゃないか

「おりゃあああ!」

「~~~~~~っっっ」

しかし、見くびっていたのは俺のほうだった。

それを思い知らせるかのように、その実力を見せ付けてきたんだ。

「お~~! さすがのイッタ・イマージ! 貫禄の痛がりっぷり!」

イッタ・イマージはその場に崩れ落ちると、殴られた足を押さえてもがき苦しむ。

生で見ているせいもあるのかもしれないが、圧倒的な迫力だ。

まるでサッカーグラウンドがそこにあるかのように錯覚させるほどに迫真の痛がり。

会場の盛り上がりも最高潮を迎える。

エンターテイメント性という意味では、カジマの痛がり方も負けてはいない。

だが臨場感の差は歴然といわざるをえなかった。

「ねえ、あれって本当に痛いんじゃないの?」

「確かに、そう思えるほどだ」

「いや、そうじゃなくてマジもんの……」

本当にあそこまで痛がるほどなのだと、俺たちまで思ってしまった。

その時点で、自ら敗北を認めているようなものだ。

「これは文句なしでしょう……イッタ・イマージ勝利です!」

完敗だ。

俺たちに悔しがる資格はない。

こちらの小細工を、単純な地力の差でねじ伏せてきやがった。

所詮リアクション芸人の真似事でしかない俺たちでは勝てるはずもなかったんだ。

「いや~、素晴らしいイタガリアンっす」

そう言いながらカジマは、握手目当てにイッタ・イマージに近づく。

だが彼の顔を見た途端、なぜかカジマの動きが止まった。

「ん? どうしたカジマ?」

「イッタ・イマージさん……き、気絶している」

…………

後に知ったことだけど、イッタ・イマージは痛みを感じやすい体質だったらしい。

彼の痛がり方にリアリティがあるのは必然というわけだ。

俺たちがそこまで痛いと思わないレベルでも、イッタにとってはリアルに痛かったんだから

あなたたちは痛みに慣れすぎて、鈍感になってるのよ……』

少し前に母が言っていたことを思い出す。

痛みってのは、さしずめ身体から発せられる救難信号だ。

その痛みに鈍感であることは、それ自体危険だと言える。

今回の一件で、俺たちは“痛みに鈍感”であることの意味、その危険性を改めなければならなかった。

「ねえ、いまさら気づいたんすけど……」

イッタ・イマージ救急室に運ばれていくのを眺めていると、ふとカジマが呟いた。

隣国観光大使をこんな目にあわせるのって国際問題になるんじゃ……」

こいつにしては珍しい、目配りのきいた意見である

だが生憎、俺はそれに答えられるようなものを持ち合わせていない。

「……どうだろうな。まあ少なくとも、それが国際問題になると思っている人たちの間では問題になるだろうとは思うが」

「え、どういう意味? なんかの言葉遊び?」

「違ぇよ。つまり俺たちが気にしたところで仕方ないってこと」

今回、痛くも痒くもなかった俺では、そう言うのが精一杯だった。

結局、痛みを知らなきゃ本当の意味では学べないのかもしれないな。

まあ、そのためにわざわざ痛みを知りたいとも思わないが。

(おわり)

2015-01-14

ベイマックスと類似する作品構造からあれこれ2(ネタバレあり)

http://anond.hatelabo.jp/20150114231342

主人公が死んで生き返る映画のサンプル

1)風の谷のナウシカ

2)ダークナイトライジング

3)アイアンジャイアント

4)ガーディアンズオブギャラクシー

5)ベイマックス

6)モンスターズユニバーシティ

7)ヒックとドラゴン(1)

8)長編劇場版ドラえもん

9)ガメラ2 レギオン襲来

10)以下、適宜追加予定
















死のリアリティ 再生リアリティ

ナウシカ場合

  再生には特に理由伏線)はない。ザ・松田である。いんだよ細けぇことは。

  奇跡である神話世界からそれもありである

ダークナイトライジング場合

  死の方を「明らかに死んだだろう」事態を間接的に描写するにとどめ、実は生きていたとした。

  伏線は空飛ぶバットポッド(The Bat)の自動操縦できるできないのミスリーディング

  再生のありえない世界である

  (ただし、「実は生きていた」シーンの方をアルフレッドの幻覚である、とする見方をする人もいた模様。)

アイアンジャイアント場合

  成層圏弾道ミサイル体当たりして爆発四散という直接的描写

  伏線が見事なので視聴者はあっということ請け合い

ガーディアンズオブギャラクシーの場合

  クライマックスグルート本体が死に、実は生きていた挿木から再生する。

  切り株から再生するシーンが伏線となっている。そういう世界からそちらはいいのだが、問題は、中盤に

  スターロードもガモーラドラックスも死んでもおかしくないダメージを受けた描写の後、実は生きていた、

  というくだりがそれぞれある点。それにより最大のピンチの筈が弱まってしまっている。

ベイマックス

  ここまでくれば ベイマックスラストバトルで壊れて、再生するというのは観る前に九分通り見通せてしまう。

  「どうせロボットから修理できるんでしょ」という視聴者の上を行く(裏をかく)「異次元宇宙に置き去り」

  で「死」のかわりに「死」のもつ性質永遠の別れ」をクライマックスの最大のピンチに置いた。

モンスターズユニバーシティ

  まず、実際の生命をやったりとったりする世界ではなく、ヒット作の前日譚であり、死ぬけがない。

  本作での死は大学を退学になることに相当し、「社会的生命」とでもいうべきものである

  モンスターズインクに入社できるかどうかという点も予め答えが与えられており、そのハンデを負いつつよく深いピンチ表現したものである。これは死んで生き返らない話パターンとみなすこともできる。

ヒックとドラゴン

  あわや死んだと思ったがに片足がちょん切れただけですんだ。

ドラえもん

  のび太スネ夫死ぬと思って映画を観る人はいないと思われ、生きるか死ぬかのサスペンス

  主にゲストキャラクターに託される。

ガメラ

  そのとき不思議なことがおこった!(クライマックスではない)

中間まとめ

死           直接的に描写する←→間接的に描写する(仄めかす)
再生理由メカニズム ご都合主義伏線なし)←→伏線あり

 という二つの要素があることがわかる。

ブルースウェインが超再生遺伝子細胞パワーを持っていたので生き返った、では売れる映画も売れないだろう(観てみたくはあるが)

リアル寄りの世界では、死を直接描写した上で再生奇跡を描くのは難しい。

再生奇跡カタルシスは、死なないとわかっている主人公では描けない。

(無制限再生能力をもっているヒーローがいるだろうか?)

奇跡を観客に納得させ、どんでん返しカタルシスを与えるには

再生(または死を避ける)能力メカニズムの片鱗をクライマックス勝負以前のどこかでさりげなく見せておく

ことが重要なのであろう。

あくまさりげなく

シナリオのやっつけ感

 プレーンズプレーンズ2の方が、ベイマックスより何倍も

 工場生産シナリオっぽいと思います

 

死んで生き返らない話・穴から這い上がれないがハッピーエンドな話

 についてもいつか書きたい

2013-09-24

未だにスーパーマリオワールドスターロードを通らずにクリア出来ない

3面から難易度が確実に上がっている、お化け屋敷の緑の丸いやつが沢山浮いてる所が嫌過ぎる

 
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