はてなキーワード: おkとは
https://twitter.com/Teruhiko_Ishii/status/1239161003608174593
↑これ見て、ここまでちゃうけどこんなもんちゃうってのを書いてみた
B(LINE)「おおええで。どこ行く?」
[駅集合]
A「おいーっす」
B「ういー」
A「さー何食う?」
B「肉がええなー」
A「あ、焼き肉は勘弁な、財布がやばめやねん」
B「んー、鶏でもええで」
A「鳥貴族でええか?」
B「おう」
B「まー行ってダメやったら他さがそ」
A「寒いなー」
B「3月やのに勘弁してくれよな」
A「お前速足すぎんねん」
B「お前が遅すぎんねん、寒いねん」
B「お、そうか、すまんな、ゆっくり歩こか」
[鳥貴族到着]
A「結構空いてるわ」
B「さよか」
A「ほな入ろか、寒いわ」
B「ういー」
[飲み食い突入]
A「お前、最近どうなん?」
B「ぼちぼちやわ」
A「コロナなー、この店も空いてるけど、今おる人ら大丈夫なんか」
B「まー、死にたがりなんやろ、俺らも一緒や」
A「あほやしなー、俺らも」
B「まぁなー」
[ぐだぐだ]
A「ほんま、政府はなんとかせーよ」
A「似てへんわ」
B「似せてへんし」
[会計]
店「3500円です」
A「いつも通り安くて助かるわ」
B「じゃあ4000円で」
店「500円のお釣りです」
A「ごっそさん」
B「んなわけないやん」
A「おう、ほな2000円」
B「んー、ほい300円」
A「お、100円得した」
B「今度ジュースでもおごれ」
A「はいよー」
[再び駅]
A「ほなまたなー」
B「ほなー」
以上
タイトルには5chって書いたけど、正確にはVIPで人を集めてゲーム作った。
念のため説明しておくと、VIPってのはかつて2chで最大規模を誇っていた雑談板のこと。昔はとんでもなく面白い場所だったんだが、現在はなんJとかTwitterとか、他の勢いのあるところに押されまくってて寂しい。
実は2chでのゲーム製作には十年以上の歴史がある。昔の有名どころだと『しぇいむ☆おん』(2006年)とか『僕と君の夏休み』(2010年)なんかがある。他にも、当時問題になった企業名をもじった『姉は一級建築士』というセンス抜群のタイトルがあるし、最近では平成31年分のエロシナリオを用意することを目指した『平成のエロゲー』(2019年)なんてのもある。
凋落して久しいVIPではあるが、こういうクリエイティブな動きは細々と続いていたりする。
素人でも簡単に使えるゲームエンジンとか、凄いクオリティのフリー素材なんかはインターネットにいくらでも溢れているので、作ろうと思えば俺一人でもノベルゲームくらいなら作れる。でも、匿名で燻ってるクリエイターたちに何か作る場を用意することで、なんか面白いことができるんじゃないかなーと思った。「一人でもやれる人が集まるとそれぞれ個々人の予想を超えた何か面白いことが起きる気がする」って『フルサトをつくる』にも書いてあったし。
あと、ちょっとした話題性を狙ったのもある。無名の個人が作ってるゲームなんて今じゃ誰も遊んでくれないが、「匿名の変な奴らがなんか集まって作った」というストーリーがあると、少なくとも2chに入り浸っているは面白がって遊んでくれそうだ。それに、匿名のよくわからない奴らが集まって一つのものを作るという状況そのものも、なかなかカオスで面白い。
自分にできること、できないことを仕分け、できることについては全力でがんばる。できないことについては、VIPでスレを立てて人を集め、できる人に製作スタッフになってもらう。人が集まらなければ、フリー素材で済ます。これが大雑把な流れになる。
例えば俺はシナリオとプログラムなら書けるが、絵は描けないし、曲も作れないし、デザインの知識もない。よって募集する人員は絵描き、音屋、デザイナーということになる。
当然だが、基本的にスタッフはなかなか集まらないと思った方がいい。まず、目的となるスキルを持った人員の母数が小さい。特に音屋はなかなか捕まらない。今回俺は音楽については早々に諦め、フリー素材で済ませることにした。
まずは企画立案をする。こんなゲーム作りたいなーってのをざっくりまとめて他人に説明できるようにする。俺は次のようなことを考えて企画を練っていた。
どうせ作るなら多くの人にやってもらいたい。しかし現在は無料で遊べるソシャゲとか動画サイトなどの隆盛に加え、優秀なゲームエンジンやプラットフォームの登場によって、ノベルゲーム界隈はレッドオーシャンと化している。そんな中で無名の素人が目立つことは難しい。かと言って、作ったゲームが誰にも遊ばれないんじゃつまらないし、集まってくれるであろうスタッフにも申し訳ない。
そんなこんなを勘案して俺が考えた企画のコンセプトは、超短期決戦だった。現実のイベントに合わせて、お祭り的に展開できるゲームを作るのだ。遊んでもらえるのは恐らくイベント期間のみに限られるだろうが、元々ロングテールは狙えないのだから、短期的にでも目立てることを目指す。ユーザーの可処分時間の奪い合いをしているような戦況で、あんまり長くて複雑なノベルを書いても敬遠されるだろうから、さくっと遊べるわかりやすい短編にする。スタッフの労力も少なくなって人を集めやすくなるだろう。俺が企画を考えていたのは10月上旬。製作期間を考えると、発表できそうな時期のイベントとしてはクリスマスがある。じゃあクリスマスを舞台にした短編ギャルゲを作ろう。こんな感じで計画を立てた。
次に、シナリオ作業と並行して、スタッフ集めのための募集スレを立てる。と言っても、匿名の奴に「一緒にゲーム作ろうぜ」と誘われてもなかなか信用できないのが普通だろうから、企画立案者は何かしら信頼してもらえるための材料を用意する必要がある。それは特別なものでなくて構わない。絶対に完成させてやるという熱意だったり、現状できあがっている企画書や成果物を見せるとかでいい。俺は誰も集まらなくても完成させるつもりだーとか言いながら全レスしてた。また、早々にシナリオの初稿を書き上げ、「もうシナリオほとんどできてるから後は素材当てはめるだけで完成だぜ」アピールもしてた。これなら傍から見ても完成する確率はそこそこあるように見えるだろうし、自分の作ったものが無駄になる可能性も低いと思ってもらえるだろう。あと当たり前だけど、やってもらいたい作業や作業量も事前に具体的に明確に伝えましょう。
今回の企画で集められたスタッフは、イラストレーターとデザイナーと賑やかしのギャラリー。彼らを集めるまでに掛かった期間は数週間程度。思ったよりもスムーズにスタッフが集まってくれた。
VIPは雑談板なので人を集めるのには向いているが、スレはすぐに落ちてしまう(書き込めなくなってしまう)ため、作業をするのには向かない。よって、他所に作業をするための安定した場所を用意する必要がある。2ch発の企画なので、したらば等の外部板に専用スレを立てるのも趣があるが、今回の企画では利便性のため、discordのサーバーを立て、そこでスタッフ間のやり取りを行った。もうこれVIPでのゲーム製作って言っていいのかわかんねえな。
毎週末には進捗報告会をすることにした。必要な作業量はそこまで多くないので、そんな頻繁に会議を行う必要はないっちゃない。実際、素材の提出も「公開予定日にさえ間に合えばおkだよ~」というスタンスでアナウンスもしていた。ただ、あまりにも締め切りまでの期間が長いとだれてしまう。コンスタントに集まる機会を用意するとそれを防げるし、モチベーションの維持にも役立つ。
そんなこんなで無事ゲームが完成した。
https://novelgame.jp/games/show/2684
15分もあれば終わる全年齢向けブラウザゲームだ。もちろんスマホからでも遊べる。最近のゲームエンジンは凄い。
作ってみて感じたのは、今でも匿名掲示板にはクリエイティブな人間はそれなりにいるということ。層の厚さはゲームの出来にも現れているんじゃないかと思う。ヒロインの立ち絵はなかなか可愛いし、デザインもこじゃれている。往年のVIPクオリティには及ばないかもしれないが、衰退期に入って久しいVIPでは多少は健闘できたんじゃないかと思う。
それと、匿名の書き込みの裏にはちゃんと人間がいるということ。普段は匿名である彼らと顕名でコミュニケーションを取るのはなかなか愉快な経験だった。
あとは、今回の企画の裏テーマとして、落ち目であるクリエイティブ系匿名文化を盛り上げたいというのもあった。それが成功したのかどうかというと、まあ微妙なわけだが、こういうノリはまだ死んでないってことくらいは示せたんじゃないかと思う。
古参のはてな諸氏におかれましては、恐らくニュー速出身の方が多いだろうから、俺とは肌が合わなかったかもしれない。しかし、匿名で長文を投稿して読んでもらえるwebサービスというと増田くらいしか思いつかなかったので、こちらで書かせて頂いた。最後まで読んでくれてありがとう。VIPPER兼増田の次回作にご期待ください。