はてなキーワード: ワームホールとは
■よかったところ
・短くまとまっているところ。
単行本5巻で綺麗に完結しているところ。変な引きみたいなのはなくてスピンオフとかもなさそう。
マンガでもいうのかな。変な用語とかなくてリーダビリティが非常に高い。
・終盤の展開
このあと散々文句言うので嘘くさいけどやはり終盤の展開。
本来予定していた読者以外も引き込んだ技量はやはり特筆すべきものかと。
■俺が気に入らなかったところ
・背景説明の不親切さ
背景のほとんど描写されないSF作品で、無条件に未来の地球の話と思う人ってどのくらいいるかなあ。
俺は地球によく似たパラレルワールド程度に想定していたので、例の大ネタ部分も驚く所?とおもってしまった。
ほかにも武器の使用が世界的に強く忌避されている点があまり描写されない点とかコールドスリープ装置の扱いとかそこどうなってんのみたいなところが思いのほか多かったり。
ワームホール装置に関しても存在してはいけない禁断のテクノロジーなわけで、ほかの連中はともかくザックはなにかしら反応するべきなのではとか。
犯人が当初は自分もろとも皆殺しにしようとした点、そこから心変わりして自分+1で生き残ろうとした点とかの予想がほぼ不可能であったりとか。ザックあたりが突然俺が犯人ですとか言い始めても成立しないですかねこれ。
・アナグラムのダサさ
これではドラマになっていない。なぜなら、一番ドラマチックな父と娘の相互理解がクライマックスであるべきなのに、その場面が第三者の投入で安易に済まされているからだ。
この題材なら、父親にとっての射精とは、客にとっての射精とは、娘にとっての射精とは何かを掘り下げた上で、それが互いを理解する糸口にならないといけない。
仕事内容を知って傷ついた娘と父親は絶縁状態になってしまうが、大学生になった娘はある日、父親が殺人罪で捕まったことを知る。実は、亡き母親はレイプ事件の被害者で、犯人は特徴的な性器を持っているという手がかりがあった。それを探るために父親はあんな仕事をしていたのだ(人探しをしているらしいことは6話辺りから徐々に匂わせる)。復讐を果たした父親は警察に見つからないように、自身で撮影した犯人殺害時のVR映像を娘に残していた。父親の思いを知った娘は、涙を溢れさせながらVRゴーグルを装着する、というところでエンディング。エピローグで、十数年後に出所した父親を娘が出迎え、VR映像を見せる。進歩した未来の技術で、幸せだったころの家族三人の映像が再現されているのだった・・・
「はい、開いたよ」
「よし、行くぞドッペル」
俺は、未だ足元のおぼつかないドッペルを抱える。
「じ……自分で歩けるよ」
そう言ってドッペルは降りようとしているが、その抵抗に力はまるでかかっていない。
俺は有無を言わさず、そのまま穴に飛び込んだ。
そしてこの瞬間、得も言われぬ違和感が俺たちの体全体を覆った。
その違和感は穴を通り抜けるとすぐになくなった。
だが、またも奇妙な感覚が襲ってくる。
「なんだ、この感じは」
さきほどいた別次元とはまた違った、居心地の悪さを感じる。
「に、兄ちゃん。もう降ろして」
ドッペルが足をジタバタさせている。
どうやら幾分か調子を取り戻したらしい。
となると、ここは元いた世界ってことか。
「何か変な感じだが……俺たちは戻ってこれたんだよな?」
やはり何らかのミスがあったらしい。
タイマーらしき部分が、デタラメな数値を羅列して荒ぶっている。
「何が起きているんだ」
「ぶ、分裂しかけている……」
「何が?」
「ボクたちが今いる、この世界がだよ!」
よく分からないが、焦りようからしてマズいことが起きているってのは伝わってくる。
「世界線は可能性の数だけあるんだろ? 分裂することの何がダメなんだ」
「分岐しているわけじゃないからだよ。無理やり引き裂いて二つになろうとしている。その状態の世界はとても不安定なんだ」
「ポケットを叩くとビスケットが増えるが、実際は割れて二つになるだけってことだな。そのまま叩き続けても粉々になるだけ、と」
「う、うん。その例えは分かりにくいけど、解釈は近いよ」
どうして俺の例え話はこうも評判が悪いんだ。
「……それで、何でそんなことになったの?」
「別世界へ移動するには、ボクの持っているアイテムで“穴”を開け、それを繋げる必要があるんだけど……」
「その際の設定をミスったというわけか」
SFのお約束で、ワームホールの説明に二つ折りした紙を使うというものがある。
今の状況は、その紙の折り方が変だったせいでちゃんと元に戻っていない、或いは戻し方が荒いせいで破けそうになっているってところだろう。
多分、そんな感じな気がする。
「跳ぶ前に確認はしたのに、なぜか時間設定だけがバグっているんだよ」
「そもそも時間の設定なんて必要ないだろ。今回はパラレルワールドを行き来したんだから」
「ボクたちが別世界にいた間の時を巻き戻す必要があるんだよ。そうしないと、元の世界で“ボクらが存在していなかった時間”が出来てしまう」
ガイドの言うことに「なぜなに」の疑問がどんどん湧いてくるが、このまま質問を繰り返した所でキリがなさそうだ。
今は危険な状況らしいし、さっさと本題に入ろう。
「で、分裂を止めるにはどうしたらいい?」
「座標を正確な数値に戻して、再結合すればいいんだけど……ズレてしまった原因が分からないことには失敗するだろうね」
「も、もしも、また設定を間違えたら……?」
「この世界は完全に分裂するだろうね。その状態じゃバランスを保てず、そう遠くないうちに消滅する」
つまり、この世界に存在している俺たちも実質的に死ぬってわけか。
何が悲しくて、人生最大のピンチがこんな場面で起きなきゃならないんだ。
「この分裂現象はフィードバックループが関係している……となると、やはり原因を確定させないと元に戻せないか」
危険な状況ではあるんだが、その様子に可笑しさを感じてしまう。
ああ、こんなタイミングで思い出したぞ。
俺がSFから距離をとるようになったのは、こういう展開についていけなかったからだ。
ガキの頃に観た映画の話だ。
主人公が自分の娘に向けて、すごい遠まわしな方法で科学データを送るという展開があった。
五次元だのブラックホールだの意味不明な場所から、時計の針をモールス信号みたいに動かして、それに気づいた主人公の娘が解明するっていう……。
かいつまんで説明しているだけでも頭が痛くなってくるし、それにつけてもバカげた展開だと今でも思っている。
だが、とある学者から言わせるなら、その映画の科学考証は優れているらしかった。
そのとき、「俺はもうSFに関わるべきじゃないな」と思ったんだ。
理由は上手くいえないが、自分の好きなジャンルから突き放される前に、こちらから離れたかった……のかもしれない。
今回は俺も一応モチベーションがあったのに、ここにきてそれが減少していくのを感じる。
これは、アレだ。
どうする。
今から弟を迎えに行けば間に合うか。
いや、いま向かっている途中ですれ違ったらどうする。
もう今回の小旅行を断ったほうがいいだろうか。
ああ、くそ。
寝起きの頭じゃあ考えがまとまらない。
「ごめん、にい……兄貴。遅くなった」
頭がグズりだしてきたとき、弟がやっと来てくれた。
それで失ったモチベーションが元通りになるほど俺は調子のいい人間ではないが、ひとまず安心といったところか。
「弟よお、荷物もないのに何をそんな時間をかけることがあるんだ」
「い……いやあ、寝癖が大暴れしてさあ」
「寝癖って。お前そういうの気にするタイプじゃないだろう」
「そ、そうかな……」
しかし、このときの俺は寝起きで判断力が鈍っていて、そのことを深く考えていなかったんだ。
「じゃあ集まったところで、別次元での行動についておさらいするよ」
ガイドが注意事項を説明し始めるが、内容はほとんど当然のことばかりだ。
別次元に悪影響を与えないために目立つようなことはしないだとか、その次元の住人に迷惑をかけないようにだとか。
ところどころ小難しい横文字を並べている以外は、修学旅行の学生しおりレベルのことしか言っていない。
「……というわけで、キミたちが注意すべきなのはそんなところかな。ちゃんと心がけてね」
「は~い」
だからといって、本当に修学旅行中の生徒みたいな気のない返事をしてしまう弟も大概だが。
言ってからそのことに気づいたようで、気まずそうにモジモジしている。
こいつ、まだ寝ぼけているようだな。
「……ほら、キミも返事!」
なんだかこのあたりのやり取り、本当に修学旅行みたいなノリだな。
「じゃあ、今から“穴”を開けるよ。そこを通って別の次元を移動するんだ」
いわゆるワームホール的なやつか。
気取った横文字並べられるのも癪だが、“穴”っていう表現は風情がねえなあ。
「開いたらすぐに入るように。長く開けておくと次元警察が煩いから、すぐに閉めないといけない」
放り投げられたオブジェは空中で静止し、1秒と経たない内に“穴”を作り出した。
穴の先に見える景色は淀んでいて見えにくいが、自分たちが今いる世界とは明らかに違うと感じさせる。
「さあ、ボクについてきて! 早く入って!」
未だモジモジしている弟の手を引いて、俺はその空間に勢いよく入った。
(1巡目)
目「ワークライフバランスを大切にしたい増田さんは~」
読み上げ係「ワームホール クライシス……スパイシー オン ザ フューチャー (楽しくなってきた) エターナル デスティニー ラブ アンド ピース OK☆」
意識「えっ?なにそれ絶対おかしい!ちょっと目!もっとよく確認してちゃんと解析班に渡して!!」
(2巡目)
目「ワークライフバランス……」
意識「うぉーくらい & ばらんす?……!もしかして、ワークライフバランス?」
(3巡目)
意識「やはりワークライフバランス!……で、ワークライフバランスがどうしたって!?もっかい最初から!急いで!」
(4巡目)
読み上げ係「フォークダンスライブを大切にしたい増田さんは~」
意識「ふんふん、ワークライフバランスの話、そしてこの人はフォークダンスが大事な趣味なのか」
意識「ホバリ…?おいフォークダンスどこいった!?どこから間違った!?目ェ!!」
目「……ワークライフバランスを~」
まず先に結論を述べます
「過去の最適化をしたからって未来が最適化されるわけではない」
僕らはよく「あのときああしていればよか」って思うのだけれど
じゃあ「過去を変えることはできるのか?」と考えたとき、まあ最初に過去に行くにはどうするのっていう技術的な話になると思う。ワームホールを使うとかドラえもんに頼むとか。
で、まあそこの議論はめんどくさいからやらない.だからとりあえず今は過去を変えることは出来るとなったと仮定します。
また、過去を変えたことで自分の今の未来へも影響を与えることができるとして(過去を変えた時点で宇宙がもうひとつ生まれてしまうので現在の宇宙に影響を与えるわけではない、とかいう人がいるわけですから)。
「よっしゃ!いっちょ過去いって今まで起こったすべてのいやなことをなかったことにしてくるわ!」
このようにしてタイムマシンに乗った僕は過去の最適化を行うわけです.
テストで満点を取って,憧れのあの子と付き合って,ほしかったゲームを買って,誰からも怒られず,みんなからは賞賛を送られ…
最高の人生をやり直せてるわけですが,いつかはまたタイムマシンに乗り込んだ時点,つまり今に帰ってきます.
そこからが問題です.僕は今の時点においてこれからなにが起こるか何もわかりません.それまで最高の人生を送ってこれたのはこれから起こることを知っていて修正することが出来たからです.
僕は未来が自分に押し寄せてきたときに結局またいつもどおりに”あてずっぽ”で進むべき方向の選択をすることになります.もちろん一番いいことが起こるであろう方向を選ぼうとすることはできます.でも解空間が単峰性とは限りません!!結局はローカルミニマムに陥ることになるんです(ここらへん最適化の専門用語です,すいません).
だからベストの状態への最短ルートを過去から取得できない以上過去の最適化にはなんの意味もないことになります.
「過去を最適化したからといって未来を最適化できるわけではない」
そしてここで付け足しです.数学的帰納法の考えを導入します.上の命題が成立つと仮定すると両辺に「+未来」して(?
「未来を最適化したからといってさらに先の未来を最適化できるわけではない」
つまり
「過去の最適化から最適化された未来を得ることは金輪際ない!」
じゃあどおすればいいんだって思うわけですが,そもそも人間にはきっと後悔しない人生なんて送る権利がはじめからないんだと思うわけです.
失敗したという情報から離れるように進むことしか出来ない.つまり失敗しなければ今よりよい場所へ向かうことはできない.
できるだけ良い思われる今を過ごすこと.人間に出来るのはそれくらいなのだと思います.
なんで自分がこんなことを考えているのかというと、昨日TEDで見た物理学者のせいです.
http://www.ted.com/talks/lang/jpn/clifford_stoll_on_everything.html
僕が一番この人を魅力的だろ感じた一言.
「ワオ! タイムマシンだ! なんてことだろう,昔に引き戻されました」
このひとは写真を見てそれをタイムマシンといった(比喩表現を用いたとは思えない本気の口調で,まるで今本当にタイムマシンを発明したかのように).
このインスピレーションは自分にとってとても印象的でした.感動的ですらありました.
なんてこった思ったのはこっちなんです.そんな発想今までしたことなかった.
もし過去へいって人生をやり直すことのできるタイムマシンが見つかったとしても,僕はそんなものは絶対に使いません.
下手したら過去に戻ってやりなおしたい瞬間が過ぎた後未来に戻るのにまた全ての自分の人生をやり直さなければならないからです.
そんなタイムマシンは絶対嫌です.
でもこのへんてこな頭の物理学者が発明したタイムマシンなら僕はいつでも乗っていいと思う.
過去はやり直すものではなく,懐かしむものなんです.
ジン「というわけで、そろそろ信じてもらえたかな」
アルファ「あんたが宇宙人で、退屈なのでひまつぶしにこっちにきて、出会った人間の願いを聞いているということをか?」
アルファは自分の手の中のランプをもてあそびながら答えた。先端はワームホールというものでできているらしい。
アルファ「信じないわけにはいかないだろう。」
ジン「そうかそうか、じゃあ早く願い事を考えてくれ。」
アルファ「とは言ってもなぁ、特に欲しいものもないしな。やりたいことはすべてやりつくして、退屈なので遺跡を発掘していたらこのランプ……まぁ、あえて例えるならランプかな、というへんな代物だが……が出てきたわけなんだ。」
ジン「まぁまぁ、俺はお前らより科学力があるということを忘れているだろ。お前らが自力でできないことでもできるかもしれないぜ。」
アルファ「うーむ、宇宙旅行とかしてみたいけどなぁ。宇宙に出るのは怖いんだよなぁ。地球にいるままで銀河の別のところに移動できたらいいんだが。」
ジン「それならやったことあるぜ。自分の星からの景色を見飽きたんで、別の太陽系に星ごと運んだんだ。連星の惑星になるとかどうだい。結構見物だぜ。適当な位置に下ろせば平均気温は変わらないしな。試してみて嫌だったら戻してやるし。」
アルファ「そうか、それは面白いかもしれない。じゃあそれでお願いするよ。」
それがアルファの最後だった。
ジンは知らなかったのだ。ケーキの入った箱は振り回してはいけないということを。
唐突に思いついたので書いてみました。ショートショートを書くのは始めてです。
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