はてなキーワード: ポール・グラハムとは
大企業を蹴って、ベンチャーに就職 するって?
「大企業だと先が見えてて自由がなくて面白くない、でも、ベンチャーだと会社と共に成長していけるから楽しそう」お前はそんなふうに思っているんだろう。
若者よ。気持ちはわかるぞ。そしてそれは全く正しい。
10年付き合った彼女が、おまえのとろうとしているキャリアパスをたどった。
一方、俺は逆のキャリアパスをたどることになったんだ。大卒で(名前がNから始まる)とある大手企業に入社し、数年後、仲間と共に小さな会社を興した。
新卒でいきなりベンチャーに入っちゃう若者は、残念なことに、結構いるらしい。
ベンチャー専門の就職説明会というのがある。ベンチャーに入りたい新卒を集めて、まだ名前が広まっていないベンチャー企業が集まって、彼らに自社を紹介する、そんな合同説明会だ。
説明会はビュッフェスタイルの豪華な食事とともに、ホテルのラウンジで盛大に執り行われる。参加する学生も熱意に満ち溢れている。一般的な説明会に参加する新卒とは、目つきのギラつきが違うらしい。企業の説明のために社長本人が繰り出してくることも多い。
企業の説明がひと通り終わって、担当者がフリーになると、学生は我先にと質問に押しかける。そして名刺を押し付けるんだ(学生が自分で名刺作ってるんだぜw びっくりだろ?)。
モチロン、名前を売るためだ。個人的に仲良くなって、入社の時にライバルに差を付けようとするのが、彼らの狙いなんだ。
「…へええ、実に、おめでたいねえ。俺が学生の時なんて、てめえの研究に夢中で、就職活動なんてろくすっぽやらなかったけどな。決められたレールで、用意されたステージでゲームすればいいやあ。俺ダメ人間だなーw って思ってたけどw」
「いや、違う。これは『バイオハザード』なんだよ」
つまり、『ゾンビ』は狩る気まんまんつもりで人間に群がるが、実は、狩られているのは『ゾンビ』の方なのさ。
学生側は自分で色々工夫して、積極的に就職活動しているつもりなんだけど、彼らの中にはモチロン東大京大早慶はいない。
そういう頭のいい連中は、まっさきに大手企業に内定決めちまってて、余った時間で、旅行先で女とパコパコしてるってワケ。
残ったボンクラ学生が、俺らを頼る。俺らは彼らに就職先を紹介してやる。『ベンチャー』の響きがいいから、彼らは、「あれ? 実は、俺らって勝ち組なんじゃね」とか「受け身で生きてる奴らに差をつける」とか考えちゃうけど、
そういうポジティブシンキングって、ただ単に、自分を騙してるだけなんだよね。選択肢がないって現実から目を逸らしてるだけさ。
まあそういう学生は実際に働く段になって、いろいろな不都合に目を瞑って頑張ってくれるから、企業側としてもありがたいんだろうけどね。
そういうのもある意味才能だよ。『セルフ・ブラックアウト』って俺は呼んでるw
それに加えて、目が眩むってのもあるだろうな。きらびやかな場所でパーティする機会なんて、今どきの学生はめったにしたことないだろうからさ。
でも実際は、『ホテルのラウンジ』は、『ハローワーク』なんだよ。
「まー結局は、いつの時代も、お金持ってる方とか、学歴持ってる方とか、もてるものが勝つんだよなーw そしてダメ人間は負ける」と軽口でシメようとした俺を横目に、友人は笑う。
「いや、中小企業も楽じゃないんだぜ。お前はわかってるだろう? 連中も東大京大とは言わずとも、早慶マーチあたりを取りたい。でも無理さ」
「カネがないからねえ」
「そう。でも大企業は金持ってるから、派手に募集をかけられるってわけ。リクルーTとかをつかってな。でも、そんな余裕のない企業様方もいっぱいいる。困ったなあ困ったなあ、でも学生ほしいよお。さあどうしよう?」
「そこにお前が現れるんだな」
友人はニヤリと笑って言う。
「その通り。俺らが中小企業たちに、『ベンチャー』ってラベルを付けて、魅力的に見せて、学生に紹介してやる。就職先が無くて意欲を失ってた学生も大喜び。Win-Winの関係。そういうマッチング商売なのさ。実にウマイw」
シワひとつ無いシャツの袖に、派手なカフスボタンをちらつかせて、ニヤニヤ笑う友人。
なるほど。ラウンジの貸し切り料金と豪華な食事代は、全部中小企業持ちか。それでもリクルーTの利用料金よりは安くつくってことか。なんだかなあ。
呆れた俺は、店の飲み代を彼のオゴリということにして、その場を後にしたんだ。
彼女はいきなりベンチャーに就職したが、俺はまず、(名前がNで終わる)大企業に就職することにした。
ことにしたって書いたけど、ちゃんと考えたわけではない。前述のとおり適当なノリで就職した。のんびりやってければいいと思っていたんだ。
けれども、周りを見ると優秀な連中ばかりで、そう甘くはいかなかった。
周りに流されやすいタイプだった俺は、せめて浮くまいとして、必死に仕事した。
いつしか気づくとデスクは光学関係の専門書で埋まっていた、仕事にかじりついて傷んだ腰を痛みを和らげるために、テンピュールのランバーサポートを買った。
社員は多いのに仕事は尽きること無く次々とやってきて、難しい問題に直面する度に、チームメンバーとの議論が白熱した。
少し暗いが音は優しい仲間たち。くせのある連中で、諍いを起こす度に俺は彼女に愚痴っていたが、振り返ってみると悪くない時間を過ごせたと思うんだ。
社食の味が薄味だったのが気にいらなかったけどね。
そうして、俺は経験をためていった。
村上春樹は自著で、”真の芸術が生み出されるためには、奴隷制度が必要不可欠”と述べているんだが、その理由は、奴隷が畑を耕したり、食事を作ったり、インフラ的なことをやってくれるからだ。その上で芸術家は好き勝手にやりたいことをやれる。研究開発でも同じだ。
安定した環境が確保されて初めて、知識や技術を会得できる。明日のおまんまを心配すること無く、目の前の仕事に集中できること。それが重要だ。
今、思いついたが、ベンチャーに就職した彼女がやつれていったのは、まともにメシを食っていなかったというのもあるかも知れないな。三食カロリーメイトとかザラ、等と言っていたので心配したこともあったんだった。
薄味の社食は物足りないかもしれないが、A定食→B定食→C定食→D定食→A定食... と繰り返していけば、飽きること無いし、栄養もつくし。
安定と関連するが、大企業は定時に帰れるってのも結構大事なんだ。
若いころこそ、”遊ぶ”イコール人生の無駄、的に考えていたが、今から振り返ってみると、本当によく遊べた奴が、得てして成功している。その傾向にあると思う。
俺の個人的な経験を拡大して一般化するのは無理があるかも知れないけどね。
”遊ぶ”ことは思考のかたよりを解消する効果がある。
とあるインドのジュニアスクールの休み時間は、授業一時間に対して、たっぷり30分取られる、という話を聞いたことがある(※ただし、その時間で自習している奴もいると思うけどね)。
俺も大企業時代で一番はかどってた時には、定時帰りで遊びまくっていたし。
每日のように街のダーツバーに行って、オネーチャン引っ掛けてよろしくやっていたんだ。
つまり俺が言いたいのは、”若くて技術がないうちは特に、大企業で力を蓄えるべし”ってこと。
そして、5年経ったら、独立する。
社会人のみんなはわかってると思うけど、どんな職場でも、5年も働くと飽きてくるんだ。
『飽き』っていうのは、仕事のパフォーマンスに絶大な影響を及ぼす。
「我々の先祖はジャングルに住んでいた。ジャングルでは意味のないものに注意を向ける人間はいなくなる宿命にある。
遠く流れる雲を数えたり、カブトムシを集めたり。のんびりと下らないことをしている人間は、背後から近づいてくる毒蛇や、ジャガーに、気づかない」
そうした性質が我々に遺伝した。すなわち、生き残るために、下らないことに注意を向けようとすると、やる気が無くなるようになっている、と。
そして、新卒の坊やが言うように、そうなったとき、好きに仕事を変えられる自由は、大企業では得難い。特に技術屋はそうだ。
時が来たのだ。技術は蓄えた。今こそ、真の自由に突入するタイミング!!
そう思って会社を興した俺。紆余曲折を得て、なんとかベンチャーを続けられてる。
ところで、入社したはじめはわからなかったが、エリートとその他大勢を見分けるのには、実はちょっとしたコツが有るんだ。
それは机をよく見る事だ。
いや、机のきれいな奴がエリートってわけじゃない。机の汚い奴にも仕事のできるやつはいる。というか多い。
営業とか、人材マネジメント関係の人は割と皆知っていると思うが、「机の片付け方に、そいつなりの秩序がある奴は、たいてい仕事できる」。
たくさん仕事している奴は、資料をちょっと振り返るのに、ガサゴソ書類の山を漁ってさがしたりしない。ちょっと考えればわかると思うけど、そういう作業には1分とか2分とか、細かく時間が掛かるし、脳内コンテキストをスイッチしなくてはならなくなる。
つまり、それまでの深い思考を一時的に、脳内のメモリからハードディスクに書き移して、退避させなきゃならないんだ。
脳みそのハードディスクは書き込みは速いが、読み込みは遅い。目的の書類を発見した後に、再び深い思考状態に戻るのは、かなり時間がかかる。そしてそういう行ったり来たりを繰り返していくうちに消耗して、いつしか深く考えるのをやめてしまう。
だから、デキるやつは、書類を探すのに時間を掛けない。たとえ机の上に山ができていても、目的の書類を即座に(1秒以内に、迷うこと無く)見つけてくることができる。
彼のシステムを発見するスキル。意識していると、いつの間にか身につく。
社内のいろんな部署にちょっと顔を出して、そういう机をしている奴を探して、声をかけるんだ。
で、連絡を取り合って、一緒にバーに行ったりするんだ(そしてオネーチャンたちに”自慢の友人”として紹介する)。
そうして仲良くなった数人を引き抜いて、自分で会社を起てるんだ。
おおまかに言うと、俺が会社を起てる際にやったことは、そういうことだ。
Yコンビネータっていう外国のベンチャーキャピタルの、ポール・グラハムっていう人がこんなかんじのことを言っていた。
ベンチャーが成功するかどうかを決めるのは、彼らのアイデアがどれだけすごいかは関係無く、ベンチャーを構成するメンバーの『人間』で決まる。
初期メンバーは今はいない人も多いが、会社を軌道に乗せるのにみんな役立ってくれた。
それ以後にも結構人を雇ったが、使えない奴はとことん使えない。単に役に立たないということじゃなく、仕事の邪魔になるんだ。かと言ってすぐに抜けてもらう訳にはいかないし。
のべ数時間程度の面接や試験だけで、そういった『人間の本質』を見分けるのは土台、不可能に決まっている。
前述の就職支援の友人も、同じようなことを言っていた。(働いた後に机を見ればわかるんだが。)
人を雇うのにはコストがかかるし、振り回されると更にコストがかかる。
だからこれが、ベンチャーを起業して上手くやるための、”唯一まともな”最短パス、なんだ。
え? まともじゃなくてもいいから、真の最短パスを教えて下さい??
一方で高校時代に付き合い始めた俺の彼女は、小説家になるのが夢で、文系の国立大学に通っていたんだが、結局プロにはならず、普通に就職することにした。
学外に知り合いの多いやつだった。
知人の紹介でとあるベンチャーにツバをつけていた一方で、大手の広告関連企業の就職試験も突破していた。
まだ就職が決まっていなくて多少不安だった俺は、安定した企業の方がいいんじゃないか、空いてる時間でおまえの好きな小説が書けるかも、とアドバイスしたが、
ベンチャーで一旗揚げて、いつかキミを養ってあげるのもいいじゃんw 等と言っていた。いや、別にいいよ。とスルーしたと思う。
ほどなくして、連絡があった。彼女はベンチャーの方にかじを切ることを決めた。
当時の俺は納得できなかったが、決断を否定することだけはしたくなかったので、それ以上何も言わなかった。
社会人になって、電話で度々、「忙しくて小説書けねぇw」と愚痴ってきたので、その度なだめていた俺だったんだが、
学生時代はデートのために休みになる度に電車に揺られていた。社会人になってからは真夜中に突然訪ねてくるようになった。
でも、ある雨の夜にドアベルに気づいた俺がいつものようにドアを開けると、泣いている彼女が立っていた。びっくりする俺。彼女のブラウスの上のボタンが外れていた。
社長と揉めたらしい。
「無理矢理犯されそうになった」彼女はそう言った。
社長と二人で会社に残っていると、おつかれさま、少し休んだほうがいい、と言って社長が背後に立つ。振り返ると、どうも様子がおかしい。怖くなった彼女は逃げようとした。
それで、なりふり構わず逃げてきたという。
そういうことはよくあるのか、と問いただすと、「いつもはおしりを触ってくる程度」と、まるで自分が悪いかのように、申し訳無さそうに言った。
気づかなくてごめん、と俺は謝った。それしかできなかった。
後でわかったことだが、その日社長は二徹していた。
社長からの謝罪があって、彼女は再び会社に通えるようになったが、心配した俺は、そういうことが次にあったら、まず俺に言うんだよ、と注意した。
だがその後、職場環境は悪化するばかりだった。仕事は積み重なり、彼女も部屋に帰れない日が多くなった。心配した俺は度々電話をかけたが、通じないことが多かった。
言うまでもなく、ベンチャーは仕事が多い。そして人間追い詰められると、判断がおかしくなることがある。
その社長はいくらなんでもクソだと思うだろうが、彼女の方にも問題がある。
働いて、職場の人達と話して、しばらくすると口座に自動的にお金が入ってくる。
そんな中で、例えば、おしりを触ってくることに関して社長に楯突くことが、どういう影響をおよぼすのかわからないのだ。
ちゃんと聞いてくれるのか、疲れた社長をノイローゼに陥らせて会社の機能を停止してしまうんじゃないか、そうすると仲間に迷惑をかけるんじゃないか、あるいは権力で押し切られて逆に会社でハブられることになるんじゃないか。もしかしたら辞めさせられてしまうんじゃないか。万が一辞めざるを得なくなったら、自分はどうやって生きていけばいいのか。キャリアもない、スキルもないのに、再就職先があるのか。路頭に迷うんじゃないのか。セクハラされたせいでやめたと、正直に再就職先に言っていいのか、再就職した先でその話が伝わっていじめられたりはしないか。
若者は、何も知らない。
まして、必要な激務で疲れている。そんな中でちゃんと判断を下すことが出来るはずもない。
セクハラの例は極端かも知れないが、あらゆる局面でそのような判断力の弱さは出てしまう。
どれだけ自分は働けるのか・働くべきなのか、業務で必要な知識を養うにはどうすればいいか、などなど。
大企業に就職した人は、そういった常識は、周りの人間のアドバイスを受けたり、会社が提供する教育を受けたり、社内の規律を学んだり、顧客の企業や、子会社との交流したり、そうして徐々に身につけていく。
知っていなければ。選択肢がなければ、選択できない。当たり前だ。
選択肢が無い。そして増えない。
若者よ、君たちは鳥だ。
社会に出て数年は確かに辛いかもしれない。でも巣の中で母鳥がくれる餌を兄弟と取り合うんだ。英気を養え。そのエネルギーはやがて力になる。すべては、巣を離れて大空を羽ばたく、その日のために。
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ところで彼女のことだが、事件があった日からしばらく働いていたんだが、やがて体調を崩し、ベンチャーを辞めてしまって実家に引っ込んだ(そうして、ようやく好きだった小説が書けるようになった)。
それでも何年かは交流は続いていたんだけど、ある日、些細なことで喧嘩して、それっきりになってしまった(確か彼女がネコを飼いたくってたまんない!ってしつこく訴えてきて、好きにすれば、って言ったらそっぽ向かれてしまった。それで俺も冷めたんだ)。
今は音信不通なんだが、風のうわさによると、最近結婚したらしい。どうやら幸せにやっているみたいだ。
相手の勤めている企業の名前こそ知らなかったが、良く日に焼けた、笑顔の似合う好青年だ。
元気な男の赤ちゃんの写真も見かけた。俺はタイミング的にデキ婚なんじゃね?等と下衆の勘ぐりをしてしまったけど(ひょっとすると俺の中にも未練が残っているのかもしれない)。元気でいてほしいと思う。
追記) げっ元増田の記事、よく読んだら、判断を下すのは今日中、ってことか?? さっさと投稿すべきだった… もう俺には、元増田がこのトラバに気づいてくれるように祈ることしかできない…
なお、ここまで読んでくれた読者で、全然参考にならなかった方、ゴメンナサイ。ダラダラと長くて、あなたの時間を奪ってしまって済みませんでした_ _。
via Twitterオタが非オタの彼女にTwitter世界を軽く紹介するための10ユーザ
まあ、どのくらいの数のプログラミング言語オタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、
「オタではまったくないんだが、しかし自分のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、
その上で全く知らないプログラミング言語の世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」
ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、プログラミング言語のことを紹介するために
習得させるべき10言語を選んでみたいのだけれど。
(要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版だな。彼女にプログラミングを布教するのではなく
相互のコミュニケーションの入口として)
あくまで「入口」なので、アーキテクチャに過度に依存するアセンブラ等の低級言語は避けたい。
あと、いくら基礎といってもBrainf*ckやUnlambdaのような難しすぎるものは避けたい。
ポール・グラハムが『Arc』は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。
そういう感じ。
彼女の設定は
ロジカル度が高く、頭はけっこう良い
まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「Java以前」を濃縮しきっていて、「Java以後」を決定づけたという点では
ただ、ここでオタトーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。
この情報過多な言語について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報を彼女に
伝えられるかということは、オタ側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。
アレって典型的な「オタクが考える一般人に受け入れられそうなプログラミング言語(そうオタクが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのものという意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには一番よさそうな素材なんじゃないのかな。
「プログラミング言語オタとしてはこの二つは“教育用言語”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。
ある種の言語オタが持ってるラムダ計算への憧憬と、ACM監修の関数型言語的純粋さへのこだわりを
彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにも参照透過な
の二要素をはじめとして、オタ好きのする要素を言語にちりばめているのが、紹介してみたい理由。
たぶんこれを見た彼女は「Emacsだよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。
この系譜の作品がその後続いていないこと、これがポール・グラハムの間では大人気になったこと、
ポールグラハムがウェブサービスの構築に使って、それがいろんなウェブサービス開発者にも影響しててもおかしくはなさそうなのに、
実際のウェブサービスでこういうのが使われないこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。
「やっぱりプログラミングはバッチ処理のためのものだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「awk」
でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この言語にかけるラリーとdankogaiの思いが好きだから。
断腸の思いで延ばしに延ばしてそれでも2008年、っていうPerl 6のリリース予定日が、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、
そのリリースというイベントへの諦めきれなさがいかにもオタ的だなあと思えてしまうから。
Perlのリリース延期を無駄だとは思わないし、拙速なリリースは無茶だろうとは思うけれど、一方でこれが
GuidoやMatzだったらきっちり予定通りリリースしてしまうだろうとも思う。
なのに、各所に頭下げて迷惑かけてリリースを延期してしまう、というあたり、どうしても
「自分の言語を形作ってきた哲学(TMTOWTDI)が捨てられないオタク」としては、たとえラリーがそういうキャラでなかったとしても、
親近感を禁じ得ない。言語自体の高評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。
今の若年層でPostscriptを直で書いたことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
PDFよりも前の段階で、DTPの哲学とか印刷技法とかはこの作品で頂点に達していたとも言えて、
こういうクオリティのプログラミング言語がエディタで書かれてたんだよ、というのは、
別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなくプログラミング言語好きとしては不思議に誇らしいし、
いわゆるJava VMでしかスタック型言語を知らない彼女には見せてあげたいなと思う。
PHPの「HTMLに埋め込み可能な点」あるいは「RDBMSとの接続性」をオタとして教えたい、というお節介焼きから教える、ということではなくて。
「HTMLのテンプレートエンジンを作り続ける」的な感覚が言語オタには共通してあるのかなということを感じていて、
だからこそアメリカ版『Yahoo!』の開発言語はPHP以外ではあり得なかったとも思う。
「MとVとCを分離なんてできない」というオタの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「オタクの気分」の
源はPHPにあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、
単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。
これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。
こういう述語論理風味の計算をこういうかたちで言語化して、それが非オタに受け入れられるか
気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。
9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的にC++を選んだ。
Javaから始まってC++で終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、テンプレート以降のメタプログラミング時代
の先駆けとなった言語でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい言語がありそうな気もする。
というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10本目はこんなのどうよ、というのがあったら
教えてください。
「駄目だこの増田は。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。
こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。