大人になってくると、（おおむね）異性に対して好意をいだくということが出てくる
好きというのも幅があって、まあ素敵な人となんやかんやしたいという欲も出てくる
- 話したい、好意を向けて欲しい、触りたい、などなど
- また逆に、よく知らない・あるいは嫌いな人からそういった「なんやかや」をされるのは苦痛であるというのも、とても重要な観点
こういう感情があることは、人間が有性生殖という方式をとっていることと関係しており、おおむね不可避
子供のうちはこの感覚が無いか薄いので、まだよくわからないとは思う

水商売について

「（おおむね）異性が好き」という感情を活用する商売を大きく括って「水商売」と言ったりする
- いろいろな言い方はあるが、とりあえずこれに統一する
- コロナで出てくる「接客をともなう飲食業」というのは主にコレ
- 言葉としていいニュアンスではないので、歯にものが挟まったような言い方をしている
水商売・風俗業、いろいろ呼び方はあるし、内容も様々
- お酒出して一緒に話をするだけの店もあるし、もっとなんやかやするものもある
おおむね「道徳的ではない」「良いことではない」という社会的なコンセンサスがある
- この辺の程度は時代にもよる。一夫一妻のルールとかが基本にある
- 「風俗業」ともいう。つまり昔からある風習だから特別にやってもいいけど本当はダメなんですよ。みたいなニュアンス
「感情労働」つまり心・気持ちに負担をかけるタイプの労働であると言われている
- 「好きでない人からなんやかんやされたくない」という強いストレスを抑えつけて行う仕事であるためキツイ
- 強い欲に基づくため、場合によっては身体に危険がおよぶことさえある
- 反面、強い需要があり、場合によっては高い収益をあげられる仕事でもある
「道徳的ではなく社会的に認められにくい」「リスク・負担が多い」「お金になる」という点から特殊な職種になりがち
- 国からの保護が薄く、悪い人たちが集まりやすく、危険な仕事になりがち

遊郭について

「水商売」の店が集まった街のこと
- 塀や堀があり、出入り口に制限があるなど、逃げ出さない仕掛けがあるケースが多かった
- 国が「この範囲で商売をしろ」と指定するケースも多かった
- 日本にあったものは、現在は廃止されている
「人身売買」が行われている場所でもあった
- お金を渡す代わりに今後一切なんでも言うことを聞け。という、今では非人道的と言われる取引
- 現代でもまったくなくなったわけではないし、形態を変えて似たことが行われていることはあるが、違法である
- 昔は時代劇でよく「騙されて作らされた借金の形に娘を売らされる」という話があった。その場合はだいたい主人公が悪いやつを倒して助ける
- 遊郭など以外にも、労働力を目的とした奴隷という形で人身売買が行われることがある
日本の遊郭の特徴としては、提供サービスに幅があったことが挙げられる
- ランクが高いのが花魁で、安全で身分がありお金持ってる人しか会えないみたいな。しかも演奏聞いてお酒飲んでお話するだけ
- 芸事と言われるいろいろな芸能の技能を磨いて、歌や楽器、その他教養も必要とされた。浮世絵のモデルになってさらに人気が出る、でも会えないというようなマーケティング
- そういう意味ではお金の集まる文化の発信地でもあった
- 同じ遊郭の中でも、家にお金が無くて売られて、望まず働かされる人達の方が多かったようだ
- そういう場合の多くは、食べ物は最小限、病気になっても薬も与えられないなど、悲惨な環境であったという
プレーヤーは「売られる者」「売る者」「仲介者」そして「買う者」
- 遊郭あるいは水商売に関して、それぞれから見た世界は違ってくる
- 「売られる者」若い・幼い女性であることがほとんど。死なないようにランクを上げるか身請け（客に身柄を引き取られること）されるように頑張るしかないが、それが仲介者あたりを利することになるので酷い話
- 「売る者」お金がないなどの理由で親が売るケースが結構有ったようだ。借金が膨らんでとか、兄弟姉妹多すぎて養えないとか
- 「仲介者」遊郭などに店を持つもの、あるいは各地から人を買ってくる者。意外なことに「売られる者」を保護するのも仕事。ただ生かさず殺さずみたいな酷い人になりがち
- 「買う者」根本的にはコレが悪いといえば悪い。少なからぬお金を供給する。詳細な動機は様々だが、だいたい性的欲求が根っこにある。たいてい遊郭は良いところだと思ってる
遊郭はいいのか悪いのか
- 人身売買をベースにした遊郭は「売られる者」にとってかなり危険であり、現在では違法である
- 道徳的に問題のある施設を国が特別扱いすることを問題視する向きもあった
- ただ「買う者」の需要は消えることはなく、現在も形を変えて見えづらい場所で展開されているのも事実
- お金がなくて生きられない人の最終手段でもあったという見方もあり、その立場からは遊郭という場所と集金システムがあったために「比較的」安全であったと言われることもある
- 仲介者は売られる者を保護する動機もあるので、如何に危険でない仲介者にするかというのも1つの考え方。遊郭のような場所を国が管理するというアイデアがある
- いろいろな意見があるので、偏らず少しずつ知ってよく考えよう。鬼滅に出てくる遊郭も（悪くない）解釈の1つである