はてなキーワード: トマトジュースとは
ドゥンという突き上げで目が覚めて飛び起きる。ドコドコ上下に波打ち揺れてて呆然、寝起きで悪夢みたい。これはあかんやろな、死ぬかもという考えが一瞬のうちによぎるが体は動かず。遅れて携帯の緊急速報が鳴る。とっさの時って何もできないね。
窓開けると小学生が驚きながらも普通に登校してる、大丈夫か?部屋の中と見える周囲に被害なし。
NHKつける、市内は被害なさそう。津波ないと知って、取り敢えず外に出られる格好とお手製非常袋出してまたしばらく寝る。会社から安否確認メールが来てたが寝無視していてしばらく安否不明者になっていた。ごめん。
温水で顔洗う、ガスと水道は大丈夫やな、出勤。マンションのエレベーター止まっていた。利用してる地下鉄は遅延しつつも動いていた。混み具合意外と普通。睡眠がパフォーマンスと機嫌に直結するんで…と自主的早め出勤の立派な心がけの同僚を見て心で言い訳。
営業系も仕事行けず皆テレビにかじりついてる。上町断層帯ていうのを教えてもらう、知らなんだ、真上に住んでるやん!
昼過ぎにはだんだん状況明らかになってくる、テレビ見過ぎて3.11思い出してだんだんメンタルが削られるのを感じたのでそこからはあまり見ないようにする。あの時は東京支社の社食で津波にのまれる軽トラをリアルタイムで見ていた。あっああーって、あの時の無力感とヘリからのカメラがその瞬間映さないように回転したのも忘れられない。
親兄弟と大阪以外の友人が心配メールをくれている。ありがとう。
高槻の人が車で出勤してきてて家は置いといて取り敢えず出たと言ってて偉すぎるが、こんな時出社せえでもええんやぞ?
飯に出たらホワイティの店子が全部閉まってる。仕事は開店休業、もう帰れとのお触れで帰る。街に人が溢れている。タクシーもいっぱい。うちに泊めてあげられたらええんやけど。
スーパー寄ったら水がない、大小ペットボトル、無糖の炭酸水もない。トマトジュースと冷凍チャーハン買って帰る。冷凍チャーハン初めて食べたけどうまい。フライパンに残った脂すごい。はてブホッテントリ思い出す、いや頭にあったから買ったんかも。
気持ち落ち着かないまま寝る。いつも非・当事者だったと思う、阪神も東日本も今回のも。単に運の問題でお前はラッキーなだけ、また一方でそれはある一人の人間のたどった場所、いくつかは自分の意志で住んだ場所、と天災の運命とのマッチングだったと思う。これも非・当事者のたわ言かん。南海トラフ来そうとか言いつつも誰も非・当事者の気分じゃなかったか?起こらないと動かない、というのが、起こって分かるほどに動いていなかったのだった。悼みを忘れてはいけないと思う、まずそれから。おやすみ
先日地元の元同級生の男友達から、その友達のためにデートしてあげられないかと頼まれた。
「ほら、2組に田増ってやつがいたろ?」と言われたが全く記憶になかった。
その男友達とは部活が一緒で長い付き合いらしいが、私は少なくとも一緒に何かしたという記憶はない。
で、その田増君が前からずっと好きだった女の子に告白をしたら振られてしまい、今とても落ち込んでいるということだった。
田増君を振った女の人はすごくいい子だと思ってたのに実はあちこちの男と付き合ってたとか色々言ってた。
(あとになって考えるとその情報もなんだか怪しいところが多い)。
その話の流れで突然言い出されたのが「あいつとデートしてやって」ということだった。
なんで私が?と思ったが、少し前に友達が田増君と話した時に「他にも女はたくさんいるだろ。気になってるやつとかいないの?」と聞き出した時に私の名前が出たんだという。
高校時代から気になっていたが、話しかける勇気がなくてそのままになっていた。その時に行動できなかったことがトラウマになって自信をなくしているのかもしれない。というのが田増君談。
私は今の所彼氏とか欲しくないしそもそも田増君のこと全然覚えてないと言ったが友達は「別に付き合うとかじゃなくて、あいつに過去のトラウマをなくさせてやる手伝いをしてほしい」ということ。
まあちょうど用事があって地元に帰ることになっていたので、その時に昼間数時間くらいならお茶をするくらいいいかなと思い、男友達の熱心な説得に親切心で応じてみることにした。
待ち合わせ場所に来た田増君は痩せ型で顔色が悪く、話しかけてもすぐに返事をしないようなタイプだった。
駅前で待ち合わせて簡単に挨拶をしたが、それからどこに行こうとか今日はどういうスケジュールかとかそういう提案が全くなく、無言で何もせずその場で数分がすぎた。
ぼーっと突っ立っていても仕方ないので私がとりあえず駅ビル内のカフェに入ろうかというと、蚊の鳴くような声で「はい」と言ったような気がして私のあとについてきた。
席についても当然何を話すわけでもなくただお互い向かい合って座ってるだけで時間だけが過ぎた。
ちなみになぜか田増君はトマトジュースを注文していた。
時間がもったいないとは思ったがまあせっかく来たんだし何か話でもしようかと、ずっと地元にいるの?とか、紹介してくれた私の友達と同じ部活だったんだってねーみたいな当たり障りのない会話をして少したった。
でも何を話しかけても「ああ」とか「うん」とか全然乗ってこないし、私の方が気を使ってヘラヘラ盛り上げようとしてるみたいでだんだんめんどくさくなってきた。
もういいかなと思ったところで突然田増君が口を開いた。
「ねえ、いつもそういう話し方するの?」
「?え?たぶん」
そう言われた瞬間ゾッとして、これは早めに帰った方がいいなとわざと時計を見て「それじゃ」と立ち上がろうとした時にまた再び田増君が口を開く。
「それで、どうするの」
「どうって、何が?」
「だから、付き合うの?」
うわーこの人気持ち悪いわ。
ていうか自信なくしてるどころか自信満々すぎて怖いと思って、曖昧にごまかしながら席を立って別々に会計を済ませて外にでた。
それで、自分は友達に言われたから来ただけで全然付き合うとかない、どうも行き違いがあったみたいで時間をとらせて悪かった、それじゃと立ち去ろうとした。
その時も田増君は「はい」とだけ言ってそのまま突っ立っていた。
怖かったがしばらく歩いて角を曲がるところでそっと振り向いたらまだ同じところに立っていてこちらを見ていた。
怖すぎるんだけど、友人に話してもうまくこの怖さを理解してもらえない。