はてなキーワード: 疑似科学とは
最近話題になったのは「男女の脳のこことここの神経回路が違うから薬を使うときは考慮しないとね」みたいな話であって、その差が男女の行動に影響を与えているのか等はまったく言及されていなかったと思うが。
というか、あるテストの結果に男女で有意差があるとか、ある行動をとったときの脳の活動に差があるとかの研究は以前から存在するわけで、
いま否定されているのは右脳と左脳がどうだの脳梁がどうだので「男はこう女はこう」と大上段に分類する俗流の男女脳論についてじゃないか。
http://b.hatena.ne.jp/entry/353071057/comment/ht_s
http://b.hatena.ne.jp/entry/353071057/comment/takhino
まあ、どう考えるのも自由だけど、産声は肺呼吸切り替えのために起こる現象であり、激痛で泣いてるわけじゃないので(帝王切開でも泣く)、自説補強のために疑似科学を使うのはダメです。
http://b.hatena.ne.jp/entry/353071057/comment/yambb
帝王切開でも泣くだろ
あと「産まれてくる時,新生児に苦痛を与えるから出産は悪」(まあその「苦痛」とやら自体が,上のブコメを見るに単なる妄想という可能性が高いのだが)というなら,苦痛を与えない方法(例:帝王切開)ならOKなの?
そもそも「産まれてくる時,新生児が苦痛を感じている」とする根拠は?
このあたりの疑問に「論理的」に答えてほしい。
既に使うほうが間抜けなワードに成り下がってるから気をつけなよ。
- 法律用語で、所有権の証明が困難であることをいうための比喩。なぜ困難かは由来を参照。
- 法律用語で、困難な証明全般を比喩的に表す言葉。消極的事実の証明を指すこともあるが、消極的事実の証明だから立証責任を免れるというわけではなく、立証責任の配分において考慮すべき一要素でしかない。また消極的事実の証明だからといって、必ずしも困難とはみなされていない。
- (ここから先は、本来の意味を誤用したものである)2から「消極的事実の証明は一般に困難である」という誤解が広まり、議論のルールとして広く使われるようになってしまったもの。科学や論理学とは関係がないし、一般論として用いるのは誤りであるが、科学者はエッセイやブログで疑似科学を否定する際などにわりと使ってしまうようだ。論理学者は、このような曖昧な概念を嫌う。
- 3から「あると証明できないなら、(悪魔の証明は無理なのだから)無いと決めつけていい」と主張するために用いられることもある。これは「無知に訴える論証」(根拠無く新しい主張をすること)で、誤りである。ただし一般的に無いと思われているものの場合は、「無い」説は新しい主張でないので論理は通っているが、紛らわしい。
http://dic.nicovideo.jp/a/%E6%82%AA%E9%AD%94%E3%81%AE%E8%A8%BC%E6%98%8E
「えー……これは恐らく風邪……」
医者に風邪だと診断された以上、教祖もそう下手なことはいえない。
というか、もし弟が先にこっちに来ていたら「医者に診てもらえ」と言っていただろう。
「は?」
「風邪……風の精霊が体内でイタズラをしています。咳が出るのも、そのせいでしょう」
「じゃあ、俺の熱もそいつが?」
「……その風の精霊を撃退するために、君の体内に存在する火の精霊が奮闘している。その影響でしょう」
「そうです、なので風の精霊を撃退するためには、その火の精霊の手助けをしてやればよいのです」
「手助けって、具体的には」
「火の精霊の力は宿主に依存します。それゆえ体に良いものをバランスよく食べることで助力となるでしょう。手早く吸収できるものが体への負担も少なく、効果的でしょう」
教祖も思いつきで話を合わせているだけだったが、このあたりで興がノってきたらしく、どんどん話を盛っていく。
「他には?」
「えーと……火の精霊の邪魔をしないよう、熱いからといって体を冷ましすぎないこと。体を動かしすぎるのもダメです。反動で火の精霊が出て行っちゃいますからね」
「うーん……あ、水の精霊! 水の精霊に助けてもらいましょう」
「水の精霊?」
「そうです。空間に漂っている水の精霊を増やすことで、風の精霊は動きが鈍るのです」
「どうやったら水の精霊は増えるの?」
「水の精霊の住処となる、止まり木を作りましょう。そうすればその一帯は水の精霊が集まります」
「止まり木はどうやって作るの?」
「え……と……バケツなどの容器に水を入れて、そこに新聞紙などの紙の束を丸めたものを縦にビッシリと差し込んでください。それを室内にいくつか配置するのです」
水の精霊の住処だとか言っているが、まんま簡易加湿器の作り方である。
傍から聞いていると、宗教的な話に無理に絡めようとして、かえって歪になってきているような印象だ。
なぜか弟は素直に聞いているが。
「とはいえ、この時期は空間内の火の精霊も水の精霊も活発な時期ですから、あなたが風の精霊にイタズラされているのは体内の精霊が弱っているのが原因だと思われます」
「……つまり?」
「体を暖かくして、栄養を摂って、寝てください」
「ふーん……って、同じ結論じゃねーか!」
結論というか、それまでの説明も実質ほとんど同じだったのだが、弟は今さら気づいたようだ。
「停戦協定のための手形ですね。宿主の体が精霊たちの戦いに耐えられなくなったときに使います。正確には冷戦に近い状態になりますが」
「えぇ……じゃあ、あんたも似たようなの持ってないの? ほら、免罪符とか、できればすぐに治してくれるやつ」
「いや、免罪符ってそういうものじゃないですし……それに私がやっているのはあくまで布教活動だけで、商売はやってません」
『商売』って表現してしまうとは、教祖のくせにドライな宗教観だな。
「何でやらないの? 宗教とかそういうのやってるでしょ」
「……どうも誤解があるようですが、『生活教』において人々の無知や信仰につけこんで不当な金を得ることは邪教、カルトと同義です。そんなものと同列に扱って欲しくない」
「失敬な。宗教とカルトは似て非なるものです。科学と疑似科学くらい違うものですよ!」
いや、矜持じゃなくて教示か?
母の言うとおりにしたから?
どれでもない。
弟はほぼいつも通り過ごしていた。
弟の思考回路がどのような判断をしたのかは分からないが、「信じられるのは自分しかいない」とか言っていたのでロクなものじゃないことは確かだ。
そもそも信じる、信じないって話じゃないだろうに。
だが、俺から弟に言えることは少ない。
なにせ治ってしまった以上、弟の結論を全否定するのも憚られるからだ。
「結局、治ったのは俺自身のおかげってことかな」
「自分で考えろ」
俺は呆れ気味に弟にそう返した。
結局のところ、弟にとって重要なのは「治るかどうか」ということだけなんだな。