はてなキーワード: 順列都市とは
この世界はシミュレーションの中にあるかもしれないといいますが、その前に。
そもそもシミュレーションの世界、本物の世界とは一体なんなのでしょう。
仮に t-1 の状態から t が計算可能な決定論的な「本物」の宇宙U1が存在したとして、
別の法則をもった宇宙U2の中でたまたまU1世界のある時点の t-1 から t を計算するということが行われたとしたら、
そのときU1の宇宙は「シミュレーションの中にある」のでしょうか?
考え方としてはその計算が行われるのは宇宙U3でも宇宙U4でもU99999999でもよいので、どこかの宇宙ではそのような計算が行われているはずです。
では決定論的な世界はすべて「シミュレーションされた世界」なのでしょうか。
そう考えると――例えば決定論的な世界の中で、t-1の状態には影も形も存在しなかった空中ディスプレイがポップアップして"こんにちは"と表示されるような――エデンの園配置の宇宙状態であれば、それは「シミュレーションによってしか作り出し得ない宇宙状態」と言ってよい気がします。
他の考え方としては計算に還元できない意識というものが存在しており、その意識が存在する世界が「本物」であとは「シミュレーション」だと言う考え方もある気がします。
とりあえずイーガンもクラークも行けるんならハードSFとつくものをあさっていけばいいとおもう。
超高重力下の中性子星で生きる生命とか、中性子星に行くにはどんな装備が必要かとかが詳細に描かれた『竜の卵』とか、ちょっと話のノリ自体はライトすぎるかもだけど『マッカンドルー航宙記』とか。
もちろん気に入った作者のそれぞれの続編読んでもいいけど2001年はシリーズ最終作の3001年は読んじゃダメ。巻末でずっこけるから。
イーガンに関しては順列都市とディアスポラいけるんなら他の短編集や長編もそんなのばっかりだから楽しくて仕方ないはず。
意識関係はイーガン読んじゃうと他は少し物足りなく感じちゃうので、(もう売ってないけど)『マインズ・アイ』とか『ゲーデル、エッシャー、バッハ』とかの心の哲学系の本にまで手をだすハメになる。
好きなSF短編で打線組んだ(http://anond.hatelabo.jp/20140604175240)
が楽しそうだったので、便乗。短編に限らずに打線組んでみました。
フランチャイズ小国家、凄腕ハッカー、スケートボードに乗った運び屋、仮想空間上のAI人格等々、わかりやすいサイバーパンク的ガジェットを詰め込みつつも説明臭くはなく、スピード感ある展開で一気に読めるエンターテイメントSF。よくできたハリウッド映画みたいで素直に楽しい。粘り強いバッティングと走力に裏打ちされた出塁率の高さから、不動の先頭打者。
バチガルピは、個人的には長編だとちょっとダレる感があって、そういう意味ではこの短編集の方が好み。ねじまき少女の世界観濃縮版「カロリーマン」、文明がゆるやかに崩壊する恐怖「第六ポンプ」が好み。現代を代表する作家の一人に数えられますが、独特のディストピア・バイオパンクを突き詰める職人気質。2番ショートで起用。
現代と地続きの近未来からスタートして、加速度的に変容する社会と人類が技術的特異点を迎えるまでを描く大作。ストロスはコンピュータ関連のジャーナリストってこともあって、ギーク文化との親和性も高そうなディテールが満載で楽しい。抜群の守備範囲の広さ、打てば長打を量産する勝負強さで3番に定着。
イーガンは短編が無難と言われてますが、この「順列都市」は素直に面白いと思う。荒唐無稽なアイデアを、超力技で煙に巻かれてなんとなく納得されられてしまう快感。本書冒頭の、コンピュータ上でシミュレートされた人格のコピーが、目覚めて状況を把握してから辿る思考過程を描いたシークエンスが最高で、10回は読み返してる。イーガンほど投手にプレッシャーを与える打者はそういないでしょう。ネクストバッターズサークルにいるだけでも圧倒的存在感。
現代SF・ファンタジーの最右翼(本人は左翼だけど)。スキンヘッドにピアスのイカツイ兄ちゃんです。一見ありふれたハードボイルド警察小説?と見せかけて「重ね合わされる都市」というとんでもない舞台装置、どうやったらこんなもの思いつくのか。さらにそれを言語化できる力量もすごい。
ここまででお分かりの通り、増田は現代SF好きです。が、この「地球の長い午後」は入れざるを得ない。遠未来、自転が停止した地球。動物と植物の力関係が逆転した異常な世界で、食物連鎖の下層で右往左往する人類の、圧倒的無力感。ベテランならではの味わい深さと駆け引きの巧さ。
6番・オールディスの直接的な影響下にある、椎名誠のSF三部作。の中でも、この「武装島田倉庫」が一押し。奇妙な生き物が跋扈する文明崩壊後の世界を、さまよい、戦い、逃げ惑う人間たちの群像劇です。これも何度も読み返してるな。漬汁がなんか旨そう。
海外文学方面では、現代SFにおけるイーガン的大正義ポジションを占めておられますマッカーシー御大の手による、核戦争後と思しきポストアポカリプス世界をさまよう親子を描いたロードノベルです。沈黙の音が聞こえそうなくらいの静寂と、真綿で心臓を締め付けられるような絶望と哀しみ。大変地味ですが間違いなく大傑作。
ギブスンといえば「ニューロマンサー」でありそれに続くスプロールシリーズなんでしょうが、増田はどうにもこの「ヴァーチャル・ライト」が好きでして。何と言っても作中に出てくるベイブリッジ。閉鎖された橋をホームレスが選挙して好き勝手に増設を繰り返し、無計画・無軌道に成長してしまった構造物…すてきすぎる。
増田の中では「柔らかいイーガン」という位置づけにあるんですけどどうでしょうか。「実存」をメインテーマに据えながら、幻想的・宗教的な色彩の強い作品群。ワンアイデアをじっくり煮詰めて、これ以上ないくらい適切に料理した佳作集。死ぬほど寡作なのが玉に瑕。最近何してんの。
増田的には究極のSFはステープルドンになるんじゃなかろうかと思っています。20世紀から20億年後までを俯瞰する人類史。これほどのタイムスパンで書かれた作品は他にないんじゃなかろうか。しかもこれ1930年の作品ですよ。半端ない。
手短にいこう。俺は長編小説が読めない。
事情とはなにか。
第一に、俺は読むのが遅い。時間がない。小説は、長いというだけでハイソだ。俺はハイソじゃない。
第二に、俺は飽きやすい。「飽き」は意志の弱い人間に挫折を受け入れされるのに十分な言い訳になる。永久に。
第三に、無理をして読む動機がない。『白鯨』や『失われた時を求めて』以外にも魅力的な他の選択肢はある。
たとえば、以下にあげる50の選択肢が。あなたにとってはどうだろうか。
■海外編
「しあわせの理由」 グレッグ・イーガン★
「9マイルは遠すぎる」 ハリイ・ケメルマン★
「ライ麦畑でつかまえて」 J.D.サリンジャー
「ねじの回転」 ヘンリー・ジェイムズ
「長いお別れ」 レイモンド・チャンドラー
「地図にない町」 フィリップ・K・ディック★
「ポップ1280」 ジム・トンプスン
「99999」 デイヴィッド ベニオフ★
「眼球譚」 ジョルジュ バタイユ
「虎よ、虎よ」 アルフレッド・ベスター
「無常の月」 ラリイ・ニーヴン★
■国内編
「葉桜の季節に君を想うということ」 歌野 晶午
「最悪」 奥田 英朗
「バイバイ、エンジェル」 笠井 潔
「姑獲鳥の夏」 京極 夏彦
「ハサミ男」 殊能 将之
「大いなる助走」 筒井康隆
「生首に聞いてみろ」 法月 綸太郎
「百億の昼と千億の夜」 光瀬 龍
「すべてがFになる」 森 博嗣
「瓶詰地獄」 夢野 久作
謝っておかなければならない。
好きな小説を上から50数えたら、こんなに★があったわけだ。
そういう奴もいる。
あんたは俺を哀れだと思うか。
短編集。特に「Live me Me.」と「Slowlife in Starship」は入門として理想的な完璧さ。同じ短編集である「老ヴォールの惑星」でも良いが、入門なら上記を薦める。
内容が面白いのは当然だけど、最近発売されたから簡単に探しやすいってのもオススメの理由であったりする。こういう入門書とかで、絶版になった過去の名作とか薦めても仕方ないしね。
小川一水で準備体操を終えたら、イーガンに挑戦してほしい。理知と言語感覚と背景世界の美しさを味わいつつ、自分が翻訳物に向いているかどうかも確かめる。
イーガンを読み終えることができたら、君も立派なSF者だ。多分。それで誰に何を自慢できるのかということは別として。
強いて言うなら、あまり厚くないもの、シリーズでないものを選ぶべき。サクサク読める分量の短編集とかがベスト。前半4分の1あたりにしおりを挟んだまま半年経ったりすると、多分2度とSFに戻らなくなるから。
最初の1冊が地雷だとあんまりなんで、最初は上を薦めるけど、その後は自分の感覚を信じて、次の1冊を手にとってみるといい。選ぶときは Amazon も良いけれど、本屋で「自分で手にとって選んだ」って体験は強い。自分が選んだ本って、やっぱり特別だと思うんですよ。
ある日あの噂の「早川さん」を見て、SFに興味を持ち、読んでみることにした。
今まで読んだことのあるSFというと、星新一くらい。ハルヒのSFめいた部分も好きなんだけど、2chのSF初心者スレで、「オススメのを教えて下さい、ちなみによんだことのあるのはこのくらいです」とその旨を書き込んだら「これだから初心者は…あんなオタ向けラノベの稚拙な設定をSFっぽいとか言われてもね」的に嘲笑されてしまったお。リアル早川さんだお。こ……怖いお……
怯えつつも聞いたところ、夏への扉とかを勧めてくれた。
「初心者ならここらへんからじゃない?」とのこと。「猫好きならオススメ」うーん。どっちかっていうと犬派だけど……でもまぁいいや。初心者向けだっていうしひとまずこれ読もう!と思い本屋へ。
他にも初心者向け!と言われた本をメモってあったのだが、いざハヤカワ文庫コーナーへ行くと、なんだか面白げなタイトルが並んでいる。「順列都市」「万物理論」……なんか、面白そう。「夏への扉」もあった。しかし、序盤を読んでみると、なんだか恋人と友人に裏ぎられてどーのこーのみたいな普通の小説みたいな描写が続くだけで、なんかSFめいた展開になかなかならんなー、まあこの後面白くなるんだろうけど、正直そこに至るまでちょっと飽きそうだなー……と断念。結局初心者板で聞いたくせに、私は自分の好みに従い「順列都市」という本を上下で買っていった。(なんか裏のあらすじを見たら面白そうだった)
で、読んだ。(以下微妙にネタバレ?)やはりところどころある日常パート?などはちょっと飽きる。飽きたところはところどころ飛ばしながらも、なんとか読み勧める。「上」の後半辺りから段々面白くなってきたけど、同時に、よくわからなくなってくる。わからないままとりあえず読み進める。「下」にはいって、ピーが椅子の脚だけをひたすら作り続けるなどの描写でwktkし始める。面白いのだが、自分が理解できているのかどうかよくわからない。分かったよーな分からんよーな、て感じ。一応想像しながら読んでいるんだけど、もしかしてこの脳内の想像は全く間違ったものかもしれない。ていうか多分そうだろうな……塵理論を見たとき、バベルの図書館をちょっと思い出した。ちょっと違うか……でもこういう考え方は好きだ……私の理解が合っていればの話だけれども。最後は興奮した。誤って次の行を先に読まないように注意しながらたちながら読んだ。そしてラスト。おお……これは、なかなか……。読み終わった後は少し寂しい感じだった。いい映画が終了したあとの映画館での余韻みたいな……その日一日は「なんか面白くて壮大な話を読んだよ!」と興奮していて、母に「順列都市ってのをよんだよ!面白かったよ!」と伝えたのだが、母に「へぇ。どういう話?どこが面白かったの?」と聞かれ、「え……ど、どういう話って言われても……なんか……面白かった」としかいえなかったため、やはり理解はかなりあやふやと思われる。(今またちらっと読んでみたら、前よりは結構分かる気がする。当たり前か)
で、じゃあ次は「万物理論」ってやつ読んでみるかーと思って本屋へ。グレッグイーガン、グレッグイーガン、と探す。しかし「万物理論」はその本屋にはなく、代わりに「しあわせの理由」というのがあった。そのなかにある「しあわせの理由」をちょっと読んでみた所、これがツボで、面白かった。結局立ち読みで「しあわせの理由」を全部読んでしまった。こういうのは好き。読んでしまった手前買ってきたけども、他の短編は未読。母に持っていかれた。
で、次は図書館へ行った。「SFはこれを読め!」という新書を発見。それを借りた。面白そうな奴がいっぱいある。とりあえず紹介されている中で一番興味を引かれた「理解」と、「幼年期の終わり」ってやつを読む事にした。
「理解」は凄く面白かった。短かったし、読み始めたらとまらなかった。歩きながら読んだ(あんまよくないね)。ラストは家で「フオオオッ!フオッ!」と唸りながら読んだ。思わず友達に「テッド・チャンの理解って本おもしろいど!」とメールした。「え?テッドチャン?は?」「SFだお!」「は?SF?すこしふしぎ?」ドラえもん!?
で先日「幼年期の終わり」を読んだ(以下ネタバレあり)。いきなり「ソ連」と来た。……ソ、ソ連?なにこれ結構昔の話?携帯やネットがでてこない違和感を覚えながらも読み進める。例によって飽きるところは飛ばしつつ……おおおオーバーロードだってよ!きましたよ!うぉお!何?この人類のちっぽけ感……なんという圧倒的な進化ぶり。萌える。オーバーロード萌える。と邪な楽しみ方をする。「いつ姿見せるんだよー」「50年後だよ!」ちょw死んでるがなwいちいちでっけえなw
黄金世代、入りました、いいねぇ、この桃源郷な感じ。科学的技術の発展のために豊かになった世界というのはなんか……いいよね。これが本当の桃源郷って感じがする。とか思いつつ読む。ところでオーバーロードが、初めどんな姿をしているのか分からなかった。「え?なに?鳥?でかい鳥なの?別にいくね?」ってレベルだった。しかし他の本にはしっかりと「悪魔」とかかれているそうで、あーなに、そういうことかそういうことがいいたかったんか……悪魔だってわからんかった私涙目wあの説明じゃでかい鳥、としか想像できなかったよ。西洋の発想だからか私の知識不足か。後者ですよね……サーセン。
クジラの標本にもぐりこむっていうけどそんななんつーか稚拙な方法、すぐバレんじゃね?持ち込むときとか、何か中にないかどうか赤外線的なものでチェックしたりしないの?と思ったけど意外と通っていた。
でもここはちょいちょい飛ばした場面も多数。クジラに乗り込んだヤツが帰って来るころには、ヤツの知り合い全員死んでる、っつー話になり「人間ちっせえな、いちいち宇宙ヤバイな、でけえな」と感慨に浸る。オーバーロードの星のシーンでなぜか先日プラネタリウムいったときのことを思い出した。
で3部、ここは面白い、うおおお!うおお!そそそそういう目的だったのか、へぇー、っていうか、あれだよ。宇宙ヤバイ。
こういう「人間の終わり」みたいなのってそういえば余り考えた事無かった。人間の終わりっていうとたいてい、科学技術行き過ぎて自ら破滅の道を選んじゃいました愚かな人間どもですー、とか、普通に隕石で恐竜のごとく消えうせたよー、所詮自然には逆らえなかったよー、とか、あくまで、人間がそのままの姿で一挙絶滅的なものが言われがちな気がする(SF者にとってはそうでもないんだろうけど初心者の私からすると)。そこでこれ、うお、これはいいかも。しかしこの本も、こんなこといってるけど、ちゃんと理解できているのか正直心配。間違ったイメージを持っている気がする。順列都市よりは分かりやすい気はするけど……全く別個のものになっていくこの絶望感、しかしどこかオーバーロードの「うらやましー」て視線もあってか、どこか「これはこれで……寧ろそうだ、これこそが進化ってもんなんだろーな」と、今の人類が、ほとんど姿かたちは今のまま、ちょっと知能や科学技術が発展する程度で続いていくより、こういったパターンの方がいいかもしれない。
で、そういえばヤツは?クジラでいっちゃったヤツは?っておもってたらきたよ!うおおお!ここからはもう怒涛の勢いで読む。何か凄いんだけど、でも、正直イメージしづらくもあった。ただ凄さは伝わってきた。前半はちょっとイマイチだったけど後半は結構よかった。読み終わった後また余韻に浸った。
でもこの中で一番好きなのはやはり「理解」かな。
しかしやはりSFは読み辛いwなんかわかったよーなわからんよーな、って感じ。SF者と話し合ったら絶対ついていけないと思う。漠然とした理解でしかないから……もう一度読み直そうかな。それとも違うのを読むか。でも、ミステリよりはSFの方が好きかも。(ミステリと比べるのは、他に読んだ小説というとミステリくらいしかないため)
ところでSF者は何冊くらい読んでるんですかね?初心者板とかいくと、100冊だかなんだかくらい「初心者はまずこれをよめ」的に書いてあってビビるのですが。あれで基本!?みんなどんだけSF読んでんだよ……!こりゃしばらくは初心者だな。まあいいんだけども。