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2009-03-05

[][]デフレ脱却にマイナス金利政策検討を 深尾光洋

日本経済新聞 2009年3月3日 一部抜粋

深尾光洋

デフレ経済の下では、金利が低くても貸し倒れリスクのない現金政府の信用に裏打ちされた預金国債などを保有するインセンティブ(誘因)が強まる。物価が下落している状況では、地価、株価は下がるが、現金価値が低下しない。このため、設備投資住宅投資が低迷し、現預金の保有が増加する。

金融政策面では、日銀がさらに量的緩和企業債務の直接買い入れを進めることで、ある程度は景気を下支えできるが、効果は限定的である。巨額赤字を抱える財政にも景気を支える余力はあまり残っていない。為替相場の円安誘導についても、海外景気が好調だった03-04年とは異なり強い非難を浴びる可能性が高く、採用は無理だろう。


では全く打つ手がないのか。そこで今後検討が必要と思われるのが、金利マイナスにすることの是非である。

もちろん、短に日銀マイナス金利銀行企業お金を貸し出しても、銀行貸出を拡大させる効果はあまりない。これは現金という安全資産が大量にあるからだ。銀行日銀からマイナス2%でお金を借りられるのであれば、日銀から借りられるだけ借金をして現金で積んでおくことで、リスクなしの2%の利ざやを稼ぐだろう。

だが課税をうまく使うことで、政府は税収を得ながら景気を刺激する事が可能である。これは実質的に金利マイナスにする政策であり、こうした「マイナス金利政策」は今後検討に値しよう。

マイナス金利は、ケインズが『一般理論』で紹介した、シルビオゲゼルドイツ人経済学者)の紙幣に対する印紙税構想として知られている。ゲゼルはお札の裏に印紙をはる欄を多数設け、毎週印紙をはりつけないとお札が流通できなくする事で現金に課税することを提案した。

今日では、ATM自動販売機が普及しており、お札に印紙を貼って流通させるのは非常に不便である。また現金のほかにも、政府保証のある預金クレジットカードデビットカード電子マネーなどが支払いのために広範に使用できる。このため現金だけに課税しても、支出を刺激する効果は限られている。しかし、課税方式を変えることで有効になる。

たとえば、お金使用期限をつけるか、使用しなければ価値が下がっていくようにすればよい。どんなに物価が下がっていても、家電量販店ポイント航空会社マイレージは、使用期限が切れる前に使うのと同じである。


そこで、政府価値保証している現金預金国債などの金融資産に対し、デフレによる実質価値上昇分を課税すればよい。同じ金額の安全資産で購入できる財・サービスデフレで増加する分を、税金政府が吸収するのだ。

課税対象日本政府が直接間接に元本を保証する円建ての金融資産であり、国債地方債預金現金などである。

現金は、色を変えるなどして新券を印刷し、旧券と交換するとき手数料を取れば良い。

そうすれば、課税対象の安全資産から、株式社債耐久消費財不動産などに資金がシフトし、景気は刺激される。銀行も課税される日銀当座預金を減らし貸し出しを増加させるだろう。政治的には大きな困難を伴うだろうが、税率二%で三十兆円以上の税収が見込める。これは全国民に二十万円現金を支給してもおつりが来る金額になる。

2009-02-27

「どこでもいい」とジロリアンに言われたら

1.「どこでもいい」は、二郎に行きたいを意味することを肝に銘じる

ジロリアンの「どこでもいい」は「二郎に行きたい」って意味です。

うっかりイタリアンなんて提案すると、即失格判定です。

和食洋食中華だけは絶対に避けましょう。

2.亜種系、リスペクト系の店は避ける

二郎に行きたいのであって、二郎によく似たラーメン二郎ではありません。

只の脂ぎった野菜が多いラーメンでは何のメリットにもなりません。

3.付加価値のあるお店を選ぶ

「盛りが激しい」「つけ麺がある」「卵がある」「唐辛子トッピングできる」「他、特殊なトッピングがある」など、味以外の付加価値があると、印象に残りやすくなるし、なんとなく美味しかったような気がするものです。

4.デザートが美味しい店

店の前に自動販売機があると、かなりポイントが高いです。

コーラなど炭酸系が置いてあるお店が良いと思います。

5.困ったときは二郎

ここまで読んでもちんぷんかんぷんで、何をどうすればさっぱり分からないあなたへ。

ちょっと混み合っている二郎を選べば、失格判定だけは避けられるはずです。

二郎が嫌いなジロリアンはほとんどいないと思いますし、混み合っている店はそこそこ旨いはず。大成功にはならなくても、「ま、いっか」と思ってくれる可能性が高いです。

http://anond.hatelabo.jp/20090226012600

2008-11-17

日本すごいwwってスレが人気。

ああいうスレを見るのって、前は好きだった。

今もテレビで「世界を変える100人の日本人」とかやってるし

本でも「日本人ジョーク集」とか「日本世界からこんな風に思われてる!」系の本とか、ああいうの読むのが好きだった。

けど今は微妙。嫌いなわけじゃない。ただなんかもにょもにょする。何か居心地が悪い。というか、正確に言うと、「居心地が良すぎて悪い」って感じ。まあ大抵こういうスレとか本ってのは、基本的には「日本海外を比べたときの日本の特殊性、それゆえの凄さ」とかが紹介されてるわけなんだけどさ。結局そう言うのを見て喜んでる自分が嫌なのかもしれない。昔は無邪気に喜んでたけど、「外人はこの自動販売機を見ると驚くんですよ!」「えーなんでですか?」「自動販売機ってお金がいっぱいつまっているでしょう?そんなものを放置しておいて、しかも盗まれないっていう治安の凄さに驚くんです!」「わー日本すごい!」っていうこの一連の流れが、日本人である自分にとって余りに気持ちが良すぎて逆に「ん?」って引っかかる。という感じ。

言い表しづらい。

なんか、「こんな、日本のいいところばかり切り取って、それで海外と比べてこんなに凄いんだよなんて悦に浸っていていいのか?」という危機感。

ヘキサゴンの誰だったか忘れたけど、「日本はすごい!」っていう露骨な歌があったっしょ。あれを聞いた時も、なんか、大嫌いってほどじゃないんだけど、「うーん、うーん……いいのか、これで?」っていう引っ掛かりがあった。

時にジェロの活躍なんかを見て、「やっぱり日本人黒人とか差別しないよね、アメリカ人と違って」とか言ったりする人がいるんだけど、でもあれって「黒人なのにうまい」から注目されてるわけで……そう無邪気に差別してないとか言える立場でもない気がするし……

ちょっと前に増田で「日本人すごい、ってのがキモい!」ってエントリがあったけど、あそこまでは思わないけど、確かに違和感は覚える。

日本人すごい!っていう本なり、スレなり、番組なり、見てると確かに気持ちいいんだけどさ。

でも、なんか、ひっかかる。ああいうのは褒められるところだけピックアップしてるだけで、実際にはそんな褒められたことばかりでもないのも現実だし、大体、「日本人すごい!」って本・スレ番組では、そのピックアップにしたってちょっと美化しすぎなところもあるし……

なんていうのか。「全然日本なんてダメだ」って言いたいわけじゃないんだけど。いいところを探そうとすればそれはまあ結構あるんだろうけど、でもそんなところばかり見てていいのだろうか。日本人ならばむしろ、いい所と悪いところを正直に真正面から見据える姿勢が一番大事なんじゃないのかな……どの国だってたいていいいところ悪いところとあるわけで、いいところだけ探せばそりゃどこでも集められるんではないかと……そういう在る意味まやかしみたいな物で満足していていいんだろうか、って危機感を、自分に感じる。いくら「なんだかんだ治安いいよね」「おいしいよね料理」とか言ってた所でアキハバラの事件が無かった事になるわけじゃないし自給率高まったり中国産に頼らなくて済むわけじゃないわけで……ある種の現実逃避感を感じてしまうのかもしれない。勿論ああいうものを見ている人が、そうであるといいたいんじゃなくて、そういう事を自分自身に感じている。ああいう「日本すごい」系の本なりスレなりを見ているときの自分というのは、多分、日本の問題から無意識に目を背けている。そして安心したいと思っている。昔はそういう自分の心境に気付いていなかったけど、近頃段々とそれに気がついてきたからこそ、もやっとするんだろうな。

愛国心っていうのは、いい所も悪いところも見据えた上で、その上で尚好きであると胸を張れるような心なのではないか。

いい所だけ見てその度に心慰められているというのは、単に「いい話」を見て、人間希望を抱くといったような……そういう行動と同じなんじゃないか……

俗に言う「いい話」を見ていても、近頃はそのまんま素直に感動をしてしまいそうな自分に直前で歯止めをかけてしまう。

「いいのか、それで」って。

素直に楽しんじゃえばいいのかな。でもな。なんか、ひっかかる。

2008-09-14

http://anond.hatelabo.jp/20080914182922

そっかー。工務店も大変だね。

うちはタバコ屋&ジュース自動販売機だったので、自治体・国政レベルで、

どの政治家がどうなろうが関係なかったけど。

2008-09-02

anond:20080901174352

将来の話だけどさ、牛丼を作るロボットが開発されたとしたらさ、(もしくはハンバーガーを高速で作っていくロボット)

早いとこ牛丼屋とかに配置して長期的な人件費を下げるべきだと思うのよね。

ハンバーガーの弱小チェーン(ロッテリア)で働いた経験からすれば、現在ハンバーガーチェーンにおいて、

調理業務に対するバイトが放逐されて機械化されることはないと思う。

ただ、牛丼屋や、その他まったく新しい販売形態として、トータルオートメーション化した食品業が成り立つ可能性はある。

ハンバーガー製造がオートメーション化しない理由は、現在業界の状況と関係する。

まず、機械生産と、人間生産メリットデメリットをみてみよう。

機械は、品質レベルが一定、大量生産可能、ランニングコストが安いなどのメリットがあるけど、

初期投資が大きい、必要とされる土地が大きい、新製品への対応が難しいなどのデメリットがある。

対して人間は、ランニングコストが高いし、どんなにマニュアル化しても品質レベルが一定にならないし、

大量生産も難しい。しかしながら、初期投資は少ないし、場所をとらない、変化への対応が容易というメリットがある。

このメリットデメリットファーストフード業界適応してみると、どちらが有効か。

小規模事業者が主体のフランチャイズという業種をとっている以上、そう大きな初期投資はできない。

この点では初期投資の少ない人間生産が有利。

駅前やデパートのような人口密集地に積極出店していることを考えると、これも必要な土地が少ない

人間生産が有利。

毎月のように新製品を投入しているところをみても、変化に対応しやすい人間生産が有利。

このように、現状のファーストフードを見る限り、機械より人間のほうがメリットが多い。

ただ、牛丼なら完全機械化が可能かも知れないと少し思う。

また、プレーンハンバーガーだけを作成する機械を長期にわたって使うという方法もあるかも。

その場合は、自動販売機のような感じになるかも知れない。

ただ、高速道路なんかにあるハンバーガーがそう売れてないことを考えると、、、ないんだろうな。

2008-08-06

初心者向けコミケ案内

 去年、コミケにはじめていったときに、いろいろなところの情報を読んで、自分なりにまとめたものを公開してみる。夏コミにはそこまで詳しくないので、間違っている部分や補足があればよろしくお願いします。訂正や追記をさせていただきます

コミケに行く前に

カタログを購入する

 これは必須コミケの注意事項や案内が載っているので、絶対に買うこと。2000円オーバーと高いですが、このお金コミケは運営されています。是非とも購入お願いします。初心者のかたにはCD-ROM版よりも冊子版のほうが丁寧なのでオススメまんレポも読めるし(熟読必須)。企業けが目当てならば、企業パンフを入手する方法もあり。

 ただ、カタログが売切れてしまった場合は(去年の冬コミは売り切れました)、仕方ないのでネットを使ってデータを集めてください。ここでもなるべくデータをまとめますが、情報は多いほうがいいので探しましょう。

 今回からコミケHPで諸注意ページがPDFで公開されましたので、参考にしてください。というか、初心者、熟練者含め必読。毎回変更点があるので。

参考:コミケカタログ74 諸注意ページ http://www.comiket.co.jp/info-a/C74/C74CtlgNotes.pdf

   初心者向けコミケ解説 http://www.sun-inet.or.jp/~sei/sakurao/kiroku/nippo_00/nippo0004c.html

   実録、コミケカタログの全て http://anond.hatelabo.jp/20070801015144

サークルチェック

 既に目当てのサークル作家)さんがいるのならば、その場所をチェック。いないのならば、カタログをみて探してみましょう。現場でみつけるのもいいですが、そんな余裕はない可能性も高いです。どのジャンルを中心に回るかだけでも決めておけば、当日に歩きやすくなります。最低限、どこを中心にみるか、それがどの辺りにあるのかだけでもチェック。

 どの辺りにどういうジャンルがあるのか、ビックサイト構造や移動手段、トイレ場所まで頭にいれておけば完璧時間によって通れなくなる場所もありますので、御注意を。

 ジャンルや参加企業についてはコミケHPにまとめられています

参考:夏コミジャンルコード一覧 http://www.comiket.co.jp/info-c/C74/C74genre.html

   夏コミ企業ブースページ http://www.comiket.co.jp/info-a/C74/C74kigyou/index.html

   コミケトイレまとめ http://anond.hatelabo.jp/20070810184538

   コミケ危険地帯 http://plaza.rakuten.co.jp/fantag/diary/200808030000/ 

カタログを購入できなかったかた用にサークル配置図を非公式で公開されているサイトリンクしておきますが、カタログは購入が基本ですので、購入可能なかたは購入するようにしてください。

   textbox.jp http://www.textbox.jp/downloadIEのみ)

交通機関の確保

 関東圏在住者ならば関係ないないですが、地方に住んでいる方はどういった交通機関でいくかも事前にチェックしておきましょう。高速バス新幹線飛行機、そして到着してからどうやってビックサイトに向かうかまで。これについては地方の状況によって違いますが、事前準備しておくと、あとで苦労せずにすみます

 一日だけではなく数日だったり、日帰りでなく参加する方は宿泊の準備も。ケチってカプセルホテルでもいいですが、体力回復に難ありなので、できればちゃんとしたホテルに泊まりたいものカプセルホテルだと逆に疲れることもあります

 秋葉原池袋など、東京観光も兼ねているならば、期間中のスケジュールも同時に立てておくのもありかもしれません。ビックサイトから秋葉原への直通バスもあります

参考:アニ店特急2008夏 http://www.animate.co.jp/aniten/capex3/

コミケ前日

千円札を大量に用意

 基本的にコミケで販売しているもの1000―500円のものばかり。1万円札を持っていっても、扱えない可能性があります。ある程度の予算よりも多い目に1000円札を用意しておくのがオススメ。多い目なのは、予想以上に買いたいサークルさんがあったときの為…よりも、何か想定外の事態に対応するためです。

 現地で卸そうなんてことを考えてはいけません。何万人もの人が参加する場所に、数台しかないATMです。どうなるかはいうまでもないですね。もちろんカードなんてもっての他。

 SUICAなどを持っている人はあらかじめチャージしておくことも忘れずに。こちらも多めに。

必要ものを準備する

 夏コミにいくためにあったほういいものをざっとあげてみると、

 基本的に必要ものは現地購入よりも、事前準備が基本です。自動販売機ペットボトル一本くらいならともかく(それでも厳しい)、コンビニで買うものだとそれだけで行列に並ぶことになったり、売り切れの可能性もあります。当日も忙しいので、前日までには準備しておくのが望ましいです。ペットボトルは数本準備し、なおかつ凍らせるなど、暑さ対策も兼ねるとよりいいかも。

 ビックサイト周辺にも飲食するとこはありますが、人数が人数なのと、時間もったいないので、事前に軽食を持っていくのもあり。というか、疲れすぎていてものが口に入らない可能性もある。手軽に食べれるのはカロリーメイトなど。それが無理ならば、ウイダーインゼリーなどもあり。どちらにしてもできるだけ速く体力を回復できて、なおかつ日射病対策のために塩分をとれるものを用意しよう。 

 雨天時の準備として基本なのは雨合羽。折りたたみ傘でもいいですが、行列で傘は御法度日傘ももちろんダメビックサイト周辺以外の行き帰り用ならば折りたたみ傘もOK。あとはゴミ袋やビニール袋を持っていくのがオススメゴミを入れるのはもちろんですが、雨が振ったときに買った本を守るために使うことができます

 ここまで書いといてなんですが、荷物は少なめにというのも基本。単純に重かったり、置き場所がなかったりするので、コインロッカーにも期待しないほうがいい。ゴミゴミ箱に、なければ自分ゴミ袋にというのも基本。いうまでもないですが、ゴミのポイ捨てはマナー違反

 あと、「らき☆すた」でこなたカートで周っている描写がありますが、カートは上級者向けでうまく使わないと歩くとき邪魔になりますし、事故の原因にもなりやすいです。手提げ袋でも十分ですので、それに予備の紙袋を持って行きましょう。

参考:夏コミ指南 http://purotora.com/report/report-natsukomisinan.html

   コミケにはこれを持っていけ! http://guideline.livedoor.biz/archives/50630975.html

   雨対策 http://www.zephyr.dti.ne.jp/~mikan/comike/rain.html

 

・どんな服を着ていこう

 まず、基本は動きやすい服。場合によっては日中に外で数時間も待機し、満員電車レベルの人ごみのなかを動き回るわけだから、できるだけ汚れてもよくて、なおかつ動きやすい服。真夏なので汗もかくことから、通気性が高く、速乾性の高いもの。白いもののほうが熱がたまりにくいのでいいが、女性場合は透けてしま心配があるので御注意を。

 待機列に並ぶつもりのかたはあえて半袖ではなく、長袖をチョイス。この真夏に外にいて、まず考えなくてはならないのは直射日光をどう避けるか。学校グラウンドのど真ん中のようなところに並ぶので、もちろん日陰はない。砂漠に並ぶのと同じもの。半袖を着て腕を直射日光でやられるよりも、長袖を着て暑くなったらまくったほうが楽。もちろん、ズボンスカートも同じ考えで長いものを選ぶ。

 できれば着替えも用意するのがベスト。一日歩き回ると、シャツは完全に汗だくになって気持ち悪い。チャンスをみつけて着替えよう。

 靴はもちろんスニーカー。履きなれているものを。サンダルハイヒール御法度。満員電車にそんなものを履いてのっているとどうなるか予想するのは容易い。しかも、旅行用のカートも行き交う場所なので、交通事故の格好の標的となる。無難に履きなれているスニーカーでいくのがベスト

 帽子も服と同じく通気性の高いもの普通にキャップで十分。

 

・早めに就寝

 コミケでいちばん重要もの同人誌よりも、お金よりも、体力。コミケで倒れたら、身も蓋もありません。準備を済ませたら、いそいそと早めに就寝しましょう。

 初心者向けに書いているのでないとは思いますが、徹夜ダメです。絶対。現場周辺でなくとも、体力を消耗した状態で行くのは危険なので、できるだけ避けましょう。

コミケまでの道中

朝ごはん食べたかトイレいったか忘れ物いか

 まずは朝ごはん。就寝のところでも書きましたが、コミケでいちばん必要なのは体力。朝ごはんは絶対に食べましょう。道中や入場待機行列で食べる方法もありますが、電車内の飲食はマナー違反ですので、御注意を。

 トイレにも絶対に行っておきましょう。コミケではトイレに○時間待ちがあります特に女性場合必須トイレに行ってたから楽しめなかったーなんてことにならないように。水分補給を控えめにするのもいうまでもないですが、熱中症にもなりやすくなりますので、バランス必要です。

 忘れ物はいうまでもないですね。未成年のかたは保護者コミケに行くことを伝えておきましょう。恥ずかしいかもしれませんが、必要なことです。

・さて何時に出発しよう

 ここは欲しいものがどれだけあるか、どういう目的を持っていくかにもよります

 余程欲しいものがたくさんあるか、コミケしか手に入らない壁サークルの本が欲しい場合以外は早朝に来る必要はないと思います。この辺りはいちばん重要なところなんですが、それだけに判断が難しい。どれだけ早くいっても手に入らないときは手に入らないし。

 参考程度にコミケHPに記載されている平均的な待ち時間転載しておきます。それにあわせて出発してください。ただ、雰囲気を楽しみたい程度ならば、10時以降に着くようにでれば、十分楽しめるのではないかと思います

来場時刻入場時刻待ち時間
始発電車10時―10時半頃時間
10時頃11時―11時半頃時間
12時頃12時頃時間

参考:コミックマーケット74のご案内 http://www.comiket.co.jp/info-a/C74/C74info.html

・どうやってビックサイトに向かうか

 さて、家を出たらビックサイトに向かいます方法は基本的に三つ。りんかい線ゆりかもめ都バス東京駅からならば、都バスで一本。時間が掛かるのが嫌ならばりんかい線ゆりかもめはいろいろあるので止めたほうがいいらしい(笑)

 詳細はコミケHPに載っているので、そちらを参照。いろいろ読んでいるぶんだとりんかい線が人気みたいです。

 ただ、タクシーについてはカタログに避けるように指示されています。これはビックサイト周辺の混雑の原因になる為です。やむをえない理由がある場合は別ですが、できるだけタクシーの使用は避けましょう。 

参考:コミックマーケット74のご案内 http://www.comiket.co.jp/info-a/C74/C74info.html

   東京ビッグサイトへ行く最適な交通手段とは? http://d.hatena.ne.jp/rikio0505/20071227/1198762853

 

コミケに着いたら

・入場待機列に並ぼう

 ビックサイト周辺にまでたどり着けば、スタッフさんがそこら中に待機していますスタッフさんの指示に従って、移動しましょう。ビックサイトには西館と東館があるので、間違えないように。間違えて入ってしまうと、反対にいくのは至難の業になります。基本的に企業ブースは西、同人は東です。

 無事に入場待機列に並んだら、静かに列が動くのを待ちましょう。暇ならば、周りの人と仲良くなっておくと、あとあと便利です(トイレに離れるときとかに)。早朝から並ぶ場合は、待機用に携帯ゲームなどを用意すると暇がつぶせて便利。

 あと、基本的にコミケ期間中のビックサイト周辺ではケータイが通じない為、友達と連絡をとるつもりのかたは、何かのときの待ち合わせ場所やはぐれたときの対策を決めておいたほうがいいかもしれません。

・存分に購入せよ

 なかに入ったら、存分に同人誌企業ブースで商品を購入してください。ただし、ここでは注意点があります。それはマナーを守ること。

 基本的にコミケプロはいません。買いに来るお客はもちろん、サークル参加している売り手も参加者という位置づけです。スタッフお金を貰っているわけではなく、ボランティアです。売り手と買い手も、コミケスタッフ立場の違いはあれど、対等です。

 同人誌を買うときは売り手に失礼のないようにしましょう。スタッフの指示は守りましょう。無闇に走るなとか、列に割り込みをするなとか、基本的なマナーを守るのはいうまでもなく。

 どちらかといえば、普通店舗で商品を買うよりも、フリーマーケットで買う意識でいたほうが参加しやすいかもしれません。フリーマーケットにいって何もいわずに商品を差し出す人はいませんよね。買ったあとに何もいわずに立ち去る人はいませんよね。何事もマナー大事です。

 あと、ほとんどのサークルの本は割と遅い時間でも買うことが出来ます。ですから絶対に走らないでください。コミケは常に満員電車のような状態です。満員電車で走ればどうなるかわかりますよね。走るマナーの悪い人もいますが、真似してはいけません。何よりも危険です。歩きましょう。

 ここまでいろいろ注意点を書きましたが、ほとんどのかたには当たり前のことだと思います。きちんとマナーを守って、楽しいコミケを。目的だったサークルさんの本を手に入れたあともぶらぶら回っていると思わぬ出会いがあったりとかします。是非とも楽しい一日を。

参考:コミケ参加の基礎知識-一般参加者の基礎知識 http://human-dust.kdn.gr.jp/doujin/gocomiket/1_3.html

   コミケスタッフだけど、何か質問ある? http://workingnews.blog117.fc2.com/blog-entry-1337.html

・迷ってしまった、友人と連絡がとれない、子どもとはぐれた

 コミケに行く上で起こりやすトラブルをいくつか。

 迷った場合はとりあえず上をみましょう。上のほうに文字が貼ってあるのがみえるとおもいます。まずはそれで大体の位置が把握できると思います。そしたら近くの島の端に場所名の書いた紙が貼ってありますので、そちらを確認。それでもわからなければ、一旦、エントランスにまで戻って場所を把握。それでもわからなければ、近くのサークルに声を掛けるという裏技も(できれば本を買ってね)。

 友人さんと来る場合は、あらかじめ待ち合わせの場所などを決めておきましょう。コミケ期間中のビックサイトではケータイは繋がらない可能性が高いです。連絡をとることは不可能なので、事前に決めておいたほうが無難です。午後からならば、割とゆっくり回れますが、午前中だとはぐれる可能性はかなり高いです。一緒に行動するつもりでも念の為。

 コミケでは普通の満員電車くらいの混雑が常時続きます。そんなところでは手を繋いで移動することは不可能ですし、もちろん誰かとはぐれる可能性も高いです。ですから子どもは絶対に連れてこないように。もしはぐれたら、呼び出しなどの対応もしてもらえますが、基本的には連れてこないほうがいいです。子どもがいなくなっても自己責任です。どうしても連れてくる必要がある場合はコミナビのなかにある迷子札をダウンロードして連絡先がわかるようにしましょう。

参考:コミケ当日の落し物について http://www.comiket.co.jp/info-a/LostsAndFounds.html

   コミナビ 迷子札(PDF)  http://www.comi-navi.com/contents/pdf/c-68/maigo.pdf

・もしトラブルが起きたときには

 コミケでは毎回倒れる人がいます。何かあったときにはまずスタッフさんを頼りましょう。うろうろしている人は作業中の可能性があるので、インフォメーションなどで待機しているかたに。救護室もあります。間違っても自分自身で対応をしたりしないように(救急車を呼ぶなど)。夏コミですので、水分補給も重要な要素になります。水分補給はできるだけ早めに。

 何より大事なのはあなたの身体です!

 

コミケ帰り

・さぁ、帰ろう

 さて、買いものも終わって帰宅します。閉会前後は駅も電車も混みます。できるだけ早めに帰りましょう。買った本を読みたい気持ちもわかりますが、それは家に帰ってからのお楽しみ。電車のなかでは迷惑になることもあります。できるだけ家に帰ってから読むようにしましょう。

 

最後コミケ初心者向けまとめサイトをいくつか

 コミックマーケット公式サイトhttp://www.comiket.co.jp/

 コミケ参加の基礎知識:http://human-dust.kdn.gr.jp/doujin/gocomiket/

 コミケ初心者講座:http://plaza.rakuten.co.jp/fantag/diary/200806290000/

 コミナビ http://www.comi-navi.com/

 コミックマーケット レポートリンクまとめ集 http://ponyapepe.sakura.ne.jp/comiket-74.html

 

 

 余談ですが。暇な方はコミケ前日(14日)の設営にも参加してあげてください。別のイベントで参加しましたが、ガチで大変なので。コミケの規模となると、想像もつきません。やりかたがわかんなければ、スタッフのかたが説明してくださるので、初心者でも大丈夫です。

2008-08-04

手の平に百円玉を乗せて、近所の自動販売機へ走った思い出はいつのまにか色褪せて、

今、汗だくの僕の手には150円。

炭酸水を辛いと嫌悪した思いではいつのまにか色褪せて、

それでもやっぱりスポーツドリンク

しまった、こんなときに限って、ポイントカード忘れた。

2008-08-03

http://anond.hatelabo.jp/20080802225851

たばこ屋については戦争寡婦や障害児を抱えた家庭などが優先的に商売としてできたという時代背景があるのだよ。

だけど、時代がすすんで戦争寡婦はもうおなくなりになってるし、福祉も別の路線がうまれてきた。

ここまで売上が激減するとはおもっていなかったかもしれないが、

タスポは、たばこ自動販売機を減らしたいという裏目論見はあったはあったかと思う。

で、それにかこつけてタスポの導入で甘い汁を吸おうとした人がいたとは思うのだけど、やりすぎちゃったと思って責任追及が始まるんじゃないかと、いまごろ青くなってるんじゃないかな。

次は薬局かな。

2008-08-02

http://anond.hatelabo.jp/20080802215237

一応突っ込んどくが(レイプじゃないよ)、その善良そうな爺さん婆さんが既得権益の甘い汁をすってるのな。

オリラジ経済白書」で「たばこ屋さんって何故潰れないの?」で詳しく解説していた。

開業しているたばこ屋の周囲何メールだか忘れたが、新規のたばこ屋は開業できず、範囲内の自動販売機

補充なども独占している。だから昼間は寝てて売り上げなくてもだいじょーぶ。

そんなたばこ屋が今潰れるのは、何故?

2008-07-14

今日仕事休みだったので久々に姫路映画館最近封切されたアニメドラえもん のび太K-1初参戦』を観ようと思って姫路までバスに乗って行った。すると駅前のヤマトヤシキのあたりが何だか騒々しいので、『ドラえもん のび太K-1初参戦』の上映時間にはまだ間があったので野次馬根性に任せて何が起きたのかと行ってみたところ人が鮨詰めの状態で入ろうとしておりその傍らでは人々が両脇に大量のトイレットペーパーを抱えて出てきた。


「一体何があったんですか」

「第二次オイルショックです」

「また石油の値段が高くなるんですか」

「本当に大変ですね」

「全くですよ。僕は一応原付通勤者なので」

「それは本当にお気の毒です」

「それはそれとしてどうしてトイレットペーパーを買い占めようとするんですか」

「第二次オイルショックだからです」

「いやそれは分かったんですが何故トイレットペーパーを買い占めるんですか」

「これ以上話しかけないで下さい紙が無くなっちゃうじゃないですか先着二百名の特典なんですよ」


そういう不毛極まりない会話が弾んだところで突然神姫バスの停車場から爆音が聞こえてそちらを振り返ってみると煙と炎が舞い上がっていた。一体どうしたというのか。


「あちらは山陽百貨店だからやはりトイレットペーパーが無くなって暴動が起きたようですね」


さっきとは別の人が私に話しかけてきた。全く物騒な世の中だ。私はこんなことはしていられない。『ドラえもん のび太K-1初参戦』を観なければいけない。今回は特別にミルコ・クロコップのび太の対戦相手として出演する。コマーシャルで流れていた予告編がカッコ良かった。


「僕はお前を秒殺する!!」

おまえは何を言っているんだ


そう言えば『魁!!クロマティ高校』という映画が放映されたそうだがクロマティクレームをつけたという一件を思い出した。これがアメリカフロリダ州1953年という経済的繁栄の最中に生まれた彼の真摯な怒りの発露だったのだろう。全くアメリカ人はやる時は容赦が無い。ワールド・ベースボール・クラシックの審判問題を考えてみたら分かる(私は見ていないのだが)。今回の第二次オイルショックアメリカが抱える経済的な病巣のせいだろう。


「どうしました?」


さっきの人が話しかけてきた。私は話しかけられてきたことを忘れていたので慌てて思考を元に戻した。一旦脇に逸れた思考が元に戻るまでに15秒かかるという話を聞いたことがある。その15秒間が命取りになるかもしれないので用心する必要がある。私は腰に挿した日本当の柄の手ごたえを確かめた。ちなみに私はいつも日本刀を持ち歩いているので(例えば自動販売機の下に落ちたお釣りを探したりする目的で)三島由紀夫に間違えられることが多い。


「第二次オイルショックだそうですね」

「そうみたいですね」

「あちらでもトイレットペーパーが売れてるみたいですね」

「そうみたいですね」

「何故オイルショックが起きたらトイレットペーパーが売れるんでしょう?」

「そうみたいですね」

「紙は石油から作られているんでしょうか?」

「そうみたいですね」


疑問が解決したので私は本来の目的を思い出して『ドラえもん のび太K-1初参戦』を観に行った。すると何かおかしい。よく観ると出ていたのはミルコ・クロコップではなく長州小力だった。


橋本ぉー!!」

「僕は野比のび太だよ」


何だか力が抜けてしまったので家に帰ろうと思い神姫バスの停車場に向かったところバスが一台もない。そういえばオイルショックと聞いていたがガソリンが尽きたのだろうかと思い事務のおばちゃんに聞いたところ今日バスはもう全部出てしまったといわれた。それで一夜を過ごすためにひとまず手近なビジネスホテルに泊まった。今そのホテルから書いている。ここは13階なのだけど窓の外に頭頂部から砕けた灰色の脳味噌を飛び散らした黒髪の痩せた女が般若のような形相でこちらを見ていたのでとりあえず日本刀で切ってみたらそのまま落ちていった。

2008-06-14

コンビニのチープ感

コンビニ食べ物は高い。

500mlペットボトル飲料は147円。自動販売機よりは安いが、スーパーではたいてい100円で売っている。

スーパーで肉を買うときは「牛肉は高いから豚肉か鶏肉にしよう」と考えるのに、コンビニでは平気で弁当と飲み物で700円くらい使ったりする。

その金額なら、スーパーだと焼肉パックや刺身盛り合わせが買えるんだが。

割高なものを割高に感じさせないコンビニのチープ感は魔術。

2008-05-04

http://anond.hatelabo.jp/20080504164952

一文字あたりの情報量が増えても、膨大な漢字の体系からその一文字の意味を探し出して解析するのにつかう労力が多いから意味がないってことかな?

その通り。例えば、英語において各単語を「文字」と呼びかえることにすれば、「文字」数が数万個の新しい「文字体系」ができあがったことになるし、そのとき英語を表記するのに必要な「文字」の数は激減するが、実際は何も変わっていないのは明らかだろう。

たしかドイツ語とかでも連続語は作りやすいらしいけど、やっぱり連続させる語数が多くなるほど文字数の差が顕著になる。

ドイツ語に限らず印欧語ではまとまりの単位は「文字」じゃないんだよね。たとえば"Verkaufautomat"(自動販売機)という単語は14文字というよりもVer(販)-kauf(売)-auto(自動)-mat(機)という4つのまとまりになる。それに、ドイツ語造語が容易というのは単なる表記上のお約束でしかなく、「社会民主党」を"Social Democratic Party"と書くことと"Sozialdemokratische Partei"と書くことが本質的に違わないのは明らかだろう。

ひょっとすると数百年後には、現在日本語の弱点とされているものが日本語長所と言われているかもしれない。

だから「日本語の弱点」って何よ。

2008-03-30

いい印象を与える15の方法(新入社員編)

2008-02-29

誕生日

暦の上ではひとつの節目。ほら、と指折り数えるように季節は過ぎ行く。夏と秋の間には確かにのっぺりと横たわるものがあり、それが僕らの気づかない進度で歩を進めた。徐々に徐々に森羅万象、そこかしこにその歩みの影を落としていった。僕らは気づかなかった。何故なら海はまだ青く、膝までつかった水温が迫りくるものが到来する時が遥か遠く先であることを語った。

 際限なく無限増殖する細胞のような入道雲は今にも落ちてきそうな程低く、僕らの町と空との間には気持ちの優しい屈強な巨人がその四肢でもって落ちてくるものを支えていたに違いない。それほど空の不透明度は低く、ときおり聞こえる巨人の唸り声や大地を擦って踵からつま先へと重心を移動するときの運びまで僕には雑音なくクリアに染みた。巨人が身を呈して守るこの町には軍事基地があり、そのお膝元では軍人の天下となっている。昔からの住人である人々には笑顔を顔に張りつける以外には生きぬく術がなかった。長い長い歴史の中で培われた護身術のひとつである。

  今しがた西の方から飛行機が飛び立った。

 「あ、また飛行機

 僕は銛を片手に堤防の岩肌が突き出した場所に腰掛けた少女の方を見て、呟くように言った。強い日差しの下でもなお黒い印象的に短い髪を風が撫でた。分け目なく乱れた前髪を手で払うようにしてから、彼女はその褐色に焼けた肌を惜しげもなく露出させたキャミソールに点々とついた水飛沫のあとを人差し指で追った。波礁のかけらが今また振りかかる。

 「珍しいね。何かあったのかな?ここんとこ見なかったのにね」

 有無は膝丈のジーンズをロールアップしたパンツから出した足をぶらぶらとさせ、パンツのポケットからメンソールの煙草の箱を出して包みのセロファンを開けて言った。

 「有無。タバコやめろって」と僕は即座に咎める。

 「またぁ。ほんと親みたいなこと言うね、コムは。いいじゃない別に。何がどうなるものでもなし」

 フリップトップの箱を開けて、銀紙を取り去る。ぎゅうぎゅうに詰った20本のうち1本を抜き取り、首から提げたヘンプライター入れから百円ライターを出して火をつけて有無は笑った。

 「コムじゃねぇよ。虚無。間違えんな

 僕は口を尖らせて言った。

 「知ってる?籠みたいなの被った人が時代劇とかに出てくるじゃない、アレ虚無僧』って言うんだよ。あんたと一緒。おかたいのよ、あんた僧侶だから」

 有無はけらけらと笑っていた。僕は口がたたないのでいつもこうやって最後には有無にオチをつけられてしまう。僕は僧侶ではないのだけど、有無の言うように「おかたい」のかも知れない。確かにうまいことを言うかも知れないがそれでも駄目なものは駄目だと思う。僕はそれ以上は取り合わず、水の中を覗くレンズで水中の魚の動きを追った。前かがみになり静かに刺激しないように獲物の動きを観察した。ふくらはぎの半分ほどの深さしかないこんな浅瀬でも魚はいるのだ。僕は彼らに悟られぬよう体を空気中の成分と同化させねばならない、水上で構えた銛の影だって彼らには察知出来るからだ。自分を狙う者の殺気を読めぬようではとてもじゃないけど自然界では生きてゆけない。僕はそういったことを父から習った。僕の銛が水中に落とされる。

 「オオッシャ!」

 僕は思わず拳を天に突き出し、歓声をあげた。銛の先には体をよじる反復運動を繰り返す魚がまだ息を絶えずにいた。その大きさは「大物」とは言いがたいが、とりあえずは僕がしとめた。僕は有無の顔を見る。

 「すごいじゃない。上達したのね」

 彼女は少し感心したような表情で、フィルターの近くまで吸った煙草を指に挟んだまま言った。短く切った髪を耳にかけて露出した耳には銀色ピアス太陽の陽光を眩しく反射させた。

 「その煙草、ポイ捨てすんなよ」

 僕は目を細めて、ぴしゃりと言った。

 家の玄関の引き戸を音を立てて開け、僕は「ただいま」と言っていつものように帰宅した。玄関先に婆ちゃんが駆けてきて、

 「あらあら、おかえり」と迎えてくれた。

 僕は獲れた魚が入ったびくを見せ、反応を伺う。婆ちゃんはやはり父には適わない、と言う。だけれど、僕だってそのうち父のように立派に成れるに違いあるまいと思うのだ。晩御飯の食卓にあがった自分の魚を想像して僕はにまりとした。

 「虚無、町に行って叔父さんのところに見せてくれば」

 婆ちゃんの提案に僕は「そりゃ名案だ」と同意して僕は自転車の籠に魚の入ったびくを載せて跨った。ゆっくりとこぎ出し、加速して町へ向かう坂道を駆け下りてゆく。頬にあたる風が普段の熱風とはうって変わって心地良いものになっていた。僕は心を躍らせて、叔父の賞賛の言葉と大きな手のひらが頭の上にのせられるのを想像してまたもにやりとした顔つきで自転車をこいだ。僕の着ていた白いTシャツはもう脇のあたりが大きな染みになる程汗を吸収し、ショートパンツは海の匂いが香った。汗でも海水でもいずれにせよ塩くさいのだが、僕の着るものがどれも余所行きではなくとも僕はそんなことは気にとめない。僕は頓着しない。

 町の中心部にある叔父さんの経営する釣具店へ向けて、僕はひたすら自転車をこいだ。

 栄えた大きな通りは夕ともなれば軍人で溢れる。彼らはそこで日々鬱憤を晴らすように酒を飲み、ときには暴力を振るう。そんな空気の中を僕は進んだ。

 規模は小さいが売春買春が行われる繁華街一角で見慣れぬ光景発見した。大概、一目でそれと分かる言ってみれば時代錯誤な「売春婦」風の女の人の立ち姿が見うけられるのだが、そのとき僕が見たのは僕と同世代か少し年上ぐらいのあきらかに条例違反であろう年代の女の子の姿である。僕は目を疑ったが真相など確かめる気もなかった。

 叔父の釣具店の扉を押すと、「波浪」と客に声を掛ける調子で叔父が言い、

 「おう、虚無か。どうした?」

 と僕と気づいた叔父は言い直した。

 「魚獲れるようになったよ」と僕は答える。やはり期待に違わず叔父は誉めてくれた。

 「すごいじゃねぇか。たいしたもんだよ、誰にも教わらずなぁ。銛じゃぁオレも教えられないし。どうだ?この際、針と糸に宗旨変えしねぇか?そしたらオレがみっちり鍛えてやるぞ」

 叔父はいつもそう言う。どうにも僕を釣り中間にしたいらしい。

 「それじゃぁ、食べられないじゃないの」

 と言って共に笑った。

 叔母さんの出してくれたオレンジジュースお菓子を食べながら、叔父さんと話した。

 「そういえば、諭くんどうしてるの?オレ昔良く遊んで貰ったよね、銛も上手かった」

 「あいつぁ、ダメだ」

 急に叔父の顔が険しくなり、僕は余計なことを尋ねた気分になった。叔父は続ける。

 「もう、虚無も大人だ。話してもいいだろう。いいか、虚無。おまえはしっかりしてるしそれに頭も良い。おまえだから話すんだぞ」

 「うん」と僕は異様な雰囲気に半ば飲まれながら頷いた。

 「諭。あいつはなぁ、チンピラだ。軍人の腰ぎんちゃくに成り下がって、ろくでもないことばかりしとる。麻薬の売人とかと組んでおるらしい。最近地元の子らを軍人に紹介する橋渡しのようなことをやっていると聞いた。要はな、売春の斡旋だ。分かるか?あいつだきゃぁ、クズだ」

 「ねぇ、叔父さん。じゃぁもしかして『桜番地』にいた僕と同じぐらいの年の子って…」

 僕は恐る恐る尋ねる。

 「あぁ、そうだ。昔は『桜番地』はきちんとした風俗街だったけど、今じゃぁ何だ、援助交際っていうのか?すっかり芯まで腐りきっちまったよ、この町も」

 叔父が煙草に火をつけたところで叔母が話に入る。

 「お父さん、やめなさいな。虚無ちゃんにこんな話。この子はまだ中学生なんだから。そうだ!虚無ちゃん、ご飯食べてく?」

 「何を言ってる。虚無はな、そこらのガキとは出来が違うぞ。そこらへんちゃぁんと分かっとる。な?虚無」

 僕は収拾をつけられなくなったので、「家で食べる」と言って店を出た。しかし、僕はさっき聞いた叔父の話で頭が一杯だった。僕がこんなにも動揺するのは集団の中に恐らく有無らしき姿を発見してしまったからに他ならない。まさかとは思う。ただ、どうしたらいいかは分からない。

 僕は家路に着いた。

 いつも魚を狙う場所があって、そこは観光客がくるようなところではなく地形も厳しく地元の子でもおおよそ僕ぐらいしか来ないプライベートな場所であった。今が夏休みだろうとそうでなかろうと、僕はそこで海につかった。 とろけそうな陽気の中有無はけだるそうに切り立った岩の上に立ち、僕を見下ろしている。彼女は紺色のキャミソールを着ていて肩にかかった部分から黒い下着のストラップがはみ出ているのが見えた。僕も彼女の立つところまで岩をよじ登る。爪や指先、そういった箇所が痛んだ。有無はやはり面倒臭そうに煙草を吸っていた。

 「今年は客足悪いんだってさ」

 彼女は自分の家が営む民宿の話をする。僕の家も観光客相手の商売を多少なりともしているので、そこらへんの話は良く耳にする。今年に限らず年々客足が減ってきているらしい。僕の住む町はそういったことに依った収入が不可欠な町なのだ。切り立った岩のすぐ下の水の中では僕が父から譲り受けた銛が天に向かって真っ直ぐに生えている。それは水没している部分がゆらゆらと正体不明に揺れて、眩しい光りを水面に放った。

 「喉乾かない?買ってこようか?」

 僕は振り返って有無の顔を見て言った。

 「ん」

 自分の財布を放り、咥え煙草のまま返事とも言えない返事で答えた。煙草を離した唇から白く風に棚引く煙を吹いて「奢る。あたし炭酸ね」と付け加えた。

 ガードレールなどない取りあえず舗装された道路を歩き、生活雑貨から何から売っている商店の前の自動販売機の前に立ち有無の二つ折りの財布を開いてお金を取り出そうとする。銀行カードや何かの会員証やらが差してあるスペースに異物感を感じて僕はそれを取り出した。僕は思わず絶句して立ち尽くす。コンドーム男性避妊具である。丁寧に連なったふたつのそれを慌てて元の場所にしまい、小銭が入るポケット部分から手早く出したお金ジュースを2本買った。有無のいる場所へ戻る最中、ずっと考えていたのだけど僕は僕の妄想を頭から払いのけることが出来はしなかった。

 缶を彼女に手渡すとき、偶然とは言いかねるが彼女の服と下着の中に眠るふたつの丘陵のゆるやかなカーブが見えて僕は激しく興奮してしまう。多分原因はさっき財布の中で見た、「性的な行為を行うときの確信」みたいなもので僕のその妄想を確かに現実の場所へ引きづりだすのだ。有無がいくら前かがみの体勢をしていたとしたってそれを覗くのは偶然でなく僕が見たかったからに相違ない。

 夏は終わりにさしかかっているようで終わりは一向に見えやしない。まだまだ雲はその力を誇示するかのごとく胸を張って広がりを見せる。空は低く。巨人はさわやかな笑みを浮かべ。

 僕は思い切って尋ねた。

 「なぁ、おまえ、やったの?」

 僕はこれ以上具体的には言えなかった。空気は全ての空間と繋がっていると僕は思っていたのだけど、それは違った。人と人を繋ぐ関係性の濃密によって区切られていたのだ。そして、僕は空気がこれ程硬く固まるものだなんて知らなかった。伝う汗さえも流れ落ちない程度時間が流れた。

 「見たんだ?」

 と言って有無は目を閉じて立ちあがった。そしてゆっくりとこちらを向き、太陽に背を向け逆光の中褐色の肌が通常よりもそのトーンを落とすのを僕は見た。明度も彩度もが一段落ちる。そして瞼を開いて微笑んで言った。

 「そうだよ。セックスしたよ」

  僕ははっきりと滑舌良く発音したその単語と服と下着の中から覗いたふくらみを脳裏に描いて、まるで猿のように際限なく永久機関のように終わりなくオナニーした。マスターベーション自慰行為と言い代えても良い。そう、十年一日のごとく来る日も来る日も布団の中でそればかりしていた。最低の男であった。他にするべきことも見つかりはしなかった。想像が加速してブレーキが利かず、有無は僕の想定した架空の世界の架空の部屋で日を追うごとに一枚ずつ脱いでゆき、日を追うごとに僕のどんな無理な要求にも応えるようになった。そしてある日の夕方一切立ち寄らなくなった海へ行き、計り知れなく大きい太陽ですらすっぽりと難なく包んでゆく水平線を見て自分が一体何者かを己に問うた。

 朝起きると適当な袋の中に水着タオルそういったものを積め込んで、海へ出かけた。銛は持たず、ただ体ひとつで海を泳ぐ。海水中の塩分が浮力を生み僕の体をまるで拒絶するかのように押し上げ水面に浮かせた。僕が潜ることを嫌がっているようでもあった。体中に蔓延した不健康な老廃物を全て排出する腹づもりで、体の奥深く何処かで息を潜める病巣の中核を探し当てねばならない。そうでもしないと僕は存在異議を失うのだ。夜毎陰茎をしごくだけの「もの」であって堪るものか。自分だけが知る海岸線でなく、公衆遊泳場に来ていた。時期もピークではないので割と地元若者が多いようである。そういった経緯で日がな泳いだ。

 僕はこれ以前にだって自慰行為をしていた。考えていた。ずっと。何故僕はこうまでみっともなくならなければいけなかったのか。何故僕はかさぶたを掻き毟るように。何故。何故。そういったことを呟きながら水中から回答の眠った宝箱を探す、見渡す。遊泳中のカップルの片割れで目的も持たずにふらふらと漂い泳ぐ女が平泳ぎの恰好で股の間の小さな布で隠された部分を晒すのを長い間ずっと潜り続けて凝視していた自分を発見したとき、僕は同時に答えをも発見した。なんのことはない。これが僕だったんだ。塩水で目を擦った。

 僕は大人になるまでこの自分自身の下半身的問題を平和的に解決出来ない。要するに女を買えない、ということだ。しかしながら僕は望みもしたが勿論憎みもした。有無が買われるという現実を、この両目ではっきりと見ておかなければならなかった。より深く自分を呪う為に。

  町へ降りると、金曜だけあって人は多い。都会の盛り場と比べたら本当にちっぽけなものだ。色町『桜番地』へ近づくにつれ、ぎょろぎょろとした目つきであたりを見まわす。ここの色町は変わっている。それらしい店を全部一角に集めただけで、表の通りから丸見えの場所で平然とさも普通のことのように売り・買いが成される。同時に良くある繁華街でもあるから、例えば僕や同級生やなんかが居ても特に誰も咎めない。

 僕は諭くんを見つけた。面影が残っていたのですぐに分かった。その後について歩くのは有無と同級生の友達であった。僕の予想は出来れば外れて欲しかった。全員知った顔で、それもクラスの中でも特に大人びていて顔だちが美しく整った者ばかりだった。そして有無は群を抜いている。

 僕は叔父さんの家にお使いに行く名目で町に来ていた、そして恐らく彼女らも似たような嘘を並べて来たことであろう。預かってきたトマトを握りつぶした。

 何てこった。あいつらか。

 僕は自転車の籠の中のトマト軍人の足元に投げつけた。そして僕自身、我を失い何事か夢中で叫んだ。自分ですら果たして何を言っているのか分からない。僕は右手の中指を立て、

 「間座墓!」

 と叫んだ。軍人は首だけで振り返り、それから僕の方へ歩みを寄せる。僕よりも40センチ身長が高い彼の眼光は既に「子供のしたこと」を笑って許すような雰囲気ではなかった。軍人はその上等な皮のブーツで僕のももの付け根をポケットに手を突っ込んだままで蹴った。大人の力の衝撃がその箇所から電流のように地面に抜け、さながらアースの役割でも果たしたかのように僕の左足は焼け焦げて落ちた。立っていられなくなり、地面に倒れ込むとすぐ目の前に皮製の靴のつま先がある。目をつぶる暇もなく鼻から大量の血が流れ出して、息が出来なくなった。口の中が熱くて、鼻水と血が混ざってマーブル模様を織り成しその不自然な美しいコントラストを眺めた。涙で視界が利かなくなると、今度はわき腹に針で刺されるような衝撃が訪れた。正体不明の嗚咽を漏らす僕を助けようなどという者は現れるはずもなく、結局は僕が何者であるかを問われるだけだった。彼の顔は笑っていた。

 「坂!…国家!」

 僕は片足を押さえ膝を付いた姿勢まで体を起こし再び中指を立てた。彼はそれまで顔の表情は笑った形を作って努めていたがその瞬間には完全に笑顔もおちゃらけた態度もなくなった。ポケットから出した拳で僕を思いきり殴りつけた。僕は誰だ?彼は最早軍人として僕を殴らない。そして笑わない。ならば、立ちあがろうとする僕は一体何者だ?今さっきまで軍人であった男は問う。オレは誰だと。オレは一生陰部を擦り続ける醜い生き物か?そんな男か?退いて生きるか?

 僕はふいに笑いがこみ上げた。

 「オレは海の男だ」

 僕は声に出して言った。

 彼は飽きたという身振りで友人らしき軍人を連れて、帰っていった。だらりとぶら下がった動かない腕はファイティングポーズのつもりだった。

 叔父さんの家で目が覚めた。叔父さんは安堵した表情で

 「あぁ、良かった。このまま目を開けないんじゃないかと思ったよ。しかし、すげぇ顔だなぁ」

 と僕に話し掛ける。叔父さんの説明によると僕は気を失い、そして軍人が帰っていった後で見ていた人達がここまで運んでくれたということらしい。有無がどうなったか知りたかったけれど、そんなことは勿論訊けはしなかった。叔母さんが出してくれたお粥を食べようとして口の中に入れたらすごい衝撃が走って、僕は思わず宙に浮く。

叔父さんも叔母さんも笑って言った。

 「虚無の親父さん、未曾有さんもケンカはしたけどさすがに奴らにケンカふっかけるなんざ聞いたことねぇや」

 「そうよ。もうちょっと相手を考えなさい。殺されてたかも知れないのよ」

 やはり叔母さんは泣き、僕はあとで家族にみっちりと怒られた。

 だけれど、僕は自分が何者かを取り戻した。

 以前にも増して僕は亡き父のように立派な漁師になろうと強く思う。鋭く切り立った岩壁を背に、汐が引いて膝丈程もなくなった外界から隔絶された知られぬ海で僕は銛を片手に空を見上げた。いつまでも空は夏の様相を呈していて水面に落ちた人影で僕は背後の岩の上に有無がいることを察知する。

 「そこだ!」

 僕は小指の爪ほどの大きさの小石を放ちながらそう言った。

 「久しぶりじゃない」と小石のことには触れずに進める。思わず冗談めかした自分が恥ずかしくなるほど冷静に。

 「そうだな」

 僕も冷静に。

 「虚無、少し変わった?」

 「そうかな」

 「何してんの?」

 「銛の練習。オレはやっぱり漁師になるよ」

 「そう」

 そんな会話を交わした。有無はメンソールの煙草に火をつけて煙を吐き出すと同時に顔を上げた。僕は相変わらず銛で水の中の地面を形をなぞるように落ちつきなく突ついていた。彼女は指に煙草を挟んだまま、切り立った岩のわずかな取っ掛かりを慎重に滑るように降りた。僕の隣に腰を下ろし尻をつけて砂浜に座る。僕も砂の上に座るが水着が濡れていた為に濡れた砂が尻の形にくっきりとついた。あまりスムーズ言葉が出ない。

 「有無は?何になるの?」

 僕は沈黙の堰を切るように話し掛ける。

 「分からない。あんたのお嫁さんにでもして貰おうかな」

 僕が驚いた顔をしていると「冗談よ」と言った。

 二人で動きのない海を見ていた。海鳥が遠くの島へ飛んでゆく。すると、有無は立ちあがり

 「気持ち良さそうね。あたしも入ろ」

 とそのままの姿で駆けて波を掻き分けてその身を浸した。僕があっけにとられ制止する暇もないまま彼女はずぶぬれの恰好で海からあがってきた。

 「やっぱ服着たままだと辛いね」

 僕の目は彼女の透けた服から浮き出た秘密しか入らず、完全に思考は停止し例えば気の利いたセリフのひとつも出てこないままとめどなく湧いてくる唾で急激に乾いていく喉を潤していた。髪をかきあげる仕草をした後、有無は

 「虚無はセックスしたいの?」

 と訊いた。

 僕は「オレはセックスしたいよ」と答えた。

 僕は煮え切らない情欲を抱えて悶々としたままの紳士に分かれを告げた。僕は快楽を貪る者だが、決してそれのみには存在しない。彼女に抱いた幻想彼女に抱いたいかがわしい妄想、己に都合の良い空想、そういったものを1箇所にまとめて全部破棄した。それから僕は有無と交わった。

  鋭く切り立った岩影で、外界から情報がシャット・アウトされた知られぬ砂の上で、落ちかけた太陽に焼かれ背中を水飛沫に濡らし僕は一際大きな声を出して果てた。

 僕も有無も裸だった。彼女のお腹の上にはまだ生々しく行為の証が記されたままである。濡れた有無の服は薄いタンクトップですらまだ乾かず先ほどと全く変わらない。時間の経過も感じられない。脱ぎ散らかされた衣類の位置もそのままだ。

 「気持ち良かった?」

 と一番最後に有無は乾いた服をそそくさと着ながら訊いた。

 自転車海岸線を走っていると、東の方角へ飛行機が飛んでいった。僕が数えただけでももうさっきから一体何台の飛行機が飛び立っただろうか。気体がもの凄い速さで小さくなっていくのを見届けてから、再び自転車に跨りエデンに似た外界から隔絶された場所へ向かう。遠目に有無の姿を発見して片手でハンドルを握りながら大きく手を振った。彼女も体全体を使って信号を僕に返す。

 「あ、また飛行機

 有無は上空を見上げて言う。

 「オレも見たよ。来るときだけですごい数の飛行機見たなぁ」

 「あたしも。何かあるのかなぁ。演習とか?」

 僕は「さぁ、どうだろうね」と言い終わらないうちに、すぐ隣に座る有無の乳房を背面越しに触ろうとした。彼女は僕の手をまるで蝿や蚊をはたくような感じで叩いた。僕が彼女に会うのが待ち遠しかったのはいわずもがななのだけど。有無は

 「あの時だけだよ。そんなねぇ、都合良くホイホイやらせるわけないでしょうが」

 と手厳しく言った。僕はしつこく懇願したが、彼女が要求を飲むことは無かった。岩場に立てかけた銛が太陽の光りを反射して光線を生み出す。僕や有無に浴びせ掛けられた兆しの元を探し、空を見上げた。往き付く先は夏を完全に体現しその大きな両手で包み込むような入道雲。空を支える巨人はやはりその笑みを絶やさずやがて秋が来るまで微笑み続けるのだろう。

 「まったく、言わなくちゃ分からないの?」

 有無は胸の高さの水面に左手を入れて、水の中で僕の手を握り引き寄せた。帆を張った舟のように水面に浮かんだ僕の体もその小さな力で彼女の体にぶつかる形で引き寄せられる。お互いに向き合い体の前面を押しつけるように抱き合った。彼女は僕の股間を水中で触る。空は高く広大で、僕たちは身を寄せ合い抗わずそこに含まれた。東の空からまた飛行機が飛んで来て、僕たちの上空を過ぎ去るのを見ていた。

 僕たちは飛行機の来た方角の空を見る。空では入道雲とは違う、けれど、ひときわ大きな球体のような雲が風船が膨らむ様を連想させた。心なしか荘厳で見ているものを魅了する何処かで見たことのある形の雲だった。ずっと、ずっと遠くまで、僕は僕の父も祖父もが愛したこの海の果てまで思いを飛ばす。

 「わぁ、見て。綺麗」

 と有無は水中から出した手をかざし、遥か遠くの海で立ち昇る雲を指差した。

2008-02-03

http://anond.hatelabo.jp/20080203090220

どう考えても利権絡みじゃないかな。

未成年者の喫煙なんていうのは建前で古いまま動いている自動販売機を刷新させたいだけだろ。

taspoつけるために少なくとも危機の導入が必要なわけで、

そのちっこい機械が機密という名のもとにOBがいる関連会社にまるっと発注されてそう。

でもさ、例えば職場タバコすっているひとが自販にタバコかいにいこうとしても、

これからは小銭以外にカードが必要なわけで、余計タバコを吸う人がへるんでないかとか思ったりする。

ま、いいこっちゃ。

2008-01-24

今、vista開発をしつつ思いついたんだけど

vistaって2000円札的存在だと思うんだよねー。

自動販売機とかきっぷ売り場とかみんなアップデートして

2000円札も使えるようにしなきゃいけないんだけど

対応が遅れて結局広まらないまま終わっていって

おつりで受け取ったら嫌な顔されるみたいな。

まぁ現実には、XP生産も終わるだろうし変えざるを得ないんだろうけどなー。

まだ対応してないソフトも多いし、情報が少なくて嫌になる。

2008-01-20

駅前で「マッサージいかがですか??」の女たちと戯る

卒業旅行と称してはじめて台湾に行ったとき、色々と現地の土産屋を連れ回された。激安ツアーだったので仕方がない。必ずかわいい店員がいて訛り一つない日本語で特産品を勧めてくる。ぼくはまだ学生だったからお金がないと繰り返すのだが、その女店員はニタニタしながら「わたし日本語よく分かりません」などとミエミエのうそを繰り返し、結局は6000円もするカラスミを買わされた。その時まだ北京語なんて声調だって滅茶苦茶な「ニーハオ」と完璧だけど使う場所がない「ウォーアイニー」ぐらいしか知らなかったからだまされたのだ。喜んだのはそれをつまみに呑んだ父だけだった。

もうだまされたくない、それがぼくを中国語へ掻き立てる主たる動機だ。別に中国のかわいいお姉さんと結婚したり、一緒に住んだり、デート楽しみたいとか、銀座四丁目交差点で熱いキスをしてみたいなんて考えは微塵もないのだ。

それで中国語教室に通いはじめたのだが、そこではじめて受け付けてくれた先生がぼくよりひとまわりも若いお姉さんだった。笑顔のかわいいアンパンマンのような気品があった。一通り現在中国語能力についての簡単な口試をするといきなり、

「XXXXXXX(ぼくの名字の北京語読み)」

と呟きだした。自分の名字ぐらい中国語で言えたからすぐ分かったのだが、何が驚いたっていきなり"呼びつけ"だったのだ。全く、若い女性から毎回名字を呼びつけにされるスパルタ授業がスタートした。

「ニーチーグオチョングオマ?(あなたは中国へ行ったことがありますか)」

いきなり彼女はそんな質問を投げかけてくる。それぐらいもう先生は知っているはずだ。何を今さら・・・

「ウォープーチーグオチョングオ。(わたしは中国には行きません)」

そう答えるとはじめて会ったときの営業スマイルはなく、まるで浮気発覚後の旦那に哀れみをかけるような見下し視線で、

「行ったことがないときの否定は"メイチーグオ"でしょう?あなたは過去形まだダメですね!」

なんて言い放つのだ。それでも検定に合格したらいいものをあげるなんていうから頑張った。合格した。先生は近くにあるミスタードーナッツでいくつかドーナッツを買ってきてくれた。

「礼物(プレゼントですよ??)」

そのドーナッツの味をぼくは胸を躍らせながら食べた、いや違うっ!ぼくの目的はそんなもんじゃなかったはずだ!

因みに彼女女性に対しての形容詞は「漂亮(きれい)」と「可??(かわいい)」しか教えない。クラスメートが「XXXXXは独身だから恋人にするといいよ」と言ったら真面目な顔して「もう遅いです!」と答えやがった!!

ところで、1週間90分の授業だけで中国語をマスターできるほど語学世界は甘くはない。そこでチャイナパブインターネットで検索して通い始めた。

破産した。

それなのにそこのママは毎日ぼくに電話をかけてくる。「全然来てくれないだから」いや一昨日行った、「XXXXXXが来るときは若い娘用意するから」驚くなかれ、ここには若い娘が一人しかいないのだ!

そう、その娘に送られて店の外に出たとき、コートやらジャンパーを着た夜の街特有の異国の女たちがいたのだ。

前置きが長かった。

その女たちというのがいわゆる場末の飲み屋街に必ずウロウロしている「マッサージいかがですか??」女たちだ。試しに"マッサージいかがですか"でググってみればいい。もちろんぼくはセックスライターでもなんでもないし、ぼくの目的というのはいつだって純粋なモノなんだから、彼女たちが何をしているかなんて説明なんかしない。大体分かっているのは基本的に彼女たちが日本語に不自由なことだ。こんな格好な語学練習相手はいない!

ここまできて、ぼくのことを中国人差別だとか女性差別だとかレイシストなんて後ろ指を指す偽善者たちが現れそうだが、何のことはない、彼女たちがまず日本人を蔑視していることは特筆に値する。普通中国彼女たちはこんなことをしないはずだし、鼻の下のばした日本人オヤジの緩い財布を狙って日々活動しているに過ぎない、中国語の練習台にしたって何も悪いことはない。

ところで彼女たちを振り切る方法というのは一つ。「妻がいます」か「ガールフレンドがいます」で大体あきらめる。それでも追いかけてくると思うところが日本人日本人たる所以だ。間違っても「不要(プーヤオ)」などと数少ない中国語語彙を使ってはいけない。

そうぼくは「不要(プーヤオ)」と言ったのだ。

マッサージいかがですか??」

「不要(プーヤオ)」そう言って早足で通り過ぎようとすると後ろからダッシュして頭からタックルしてきたのだ。それからドドドドドっとぼくの前にでるなり上目遣いで、

「オニイチャン、チュウゴクゴウマイジャナイノー」

と抱きついてきた。それから隣で手さえ組んできて「サイゴマデデキマス」なんて意味の分からないことを言ってくるのだ。それにしても中国語を話さない。期待はずれの女だ。ジャンパーで丸々となっているから人なつっこい猫を思わせる。

「行くとどんなイイコトがあるんですか?」

「ハア?キマッテルジャナイデスカー、サイゴマデ、イチバンイイコトデショウ?」

そうか「サイゴマデ」というのはそんなにイイコトなのか!それにしてもこんな日本語を仕込んだのはどこの誰だ?

さすがにこんなアホなことを続けていると生来の鬱体質がさらに悪化するので、最近iPodリスニング練習だけで我慢して、夜は錦糸町サウナに通うことにしている。

そのサウナの帰り、またいたのだ、「マッサージいかがですか??」女が。ぼくは懲りずに「不要(プーヤオ)」と不機嫌に吐き捨てたのに、ずっとついてくる。「アサマデイイデス」、朝まで捕まえてケツの毛までむしり取るつもりだな!ぼくは一貫して冷たくあしらい、渇いた喉を潤すために自動販売機に100円玉を2枚放り込んでいた。

左を向くとまだその女がついてきていた。さっきまでの笑顔は失せ、「ピア錦糸町」の灯りをバックにぼくを見つめていた。日常に疲れたように髪を乱しながら、暗くてよく見えないながらも目は潤んでいるように見えた。ああこれがアジアなのだ。ぼくは気づかぬうちに彼女たちに対して失礼を働いていたのかもしれない。彼女の視線の先には日本という資本主義、そしてかつての帝国主義悪魔が見えているのかもしれないのだ。そう、次の一言に全ての恨みが凝縮されているはずだった。

「オイ、ワタシニモジュースオゴレヨ」

2008-01-17

http://anond.hatelabo.jp/20080117105550

タバコ恩恵

タバコを売っているちいさな小売店を想像してみてほしい。

おばあさんが猫をひざに抱えて小さな窓口にひとり座っている光景が思い浮かばないだろうか?

このイメージはあながち間違いではない。

タバコを売るという行為は戦後戦争で旦那をなくした寡婦に与えられた。

また、障害児を抱える世帯などからたばこ小売販売業許可がおりていたという事実があった。

だが、時代は代わりタバコを買うのはコンビニや駅の自動販売機から。

あげくにはパチンコの景品から。

買う人はどこで買っても一緒だと思っている。

タバコは税収以外に支えているものがあった。

だがその支えているものを無視してどこでも売るようになってしまった昨今、

タバコ販売事業者が社会的に役に立っているといえる根拠はどんどん希薄になってしまった。

もういいんじゃないだろうか。

だらしのない喫煙者のせいで火災リスクを増やすだけだし、

タバコフィルターのせいで街の清掃コストもあがる。

社会的にそこにあまり価値がなくなってしまった以上、優遇する必要なんざないと思う。

2008-01-14

献血したい

駅に併設の献血センターに行きたい。無性に行きたい。今すぐ血を抜いて欲しい。たっぷり400cc取って欲しい。

腕の血管に針をプチッとさして、ポリエチレンのパックにちゅーちゅーと血を吸い出して欲しい。

押すだけで出てくるコーヒー自動販売機も使いたい。何杯も飲んで、職員に嫌みのひとつも言われたい。

好みは、ホットカルピス爽健美茶。それから、ただの冷水。この3杯を立て続けに飲むのだ。

でもこの間、献血したばかりだから無理。何ヶ月か献血センターに行けない。血を抜いてもらえない。

体の調子はよい。検査結果もとても良かった。むしろ、数年前より向上した。風俗遊びもしてないし、きれいな体だ。

それでも献血はできない。血が薄いのだ。センターに行っても断られてしまうのだ。

成分献血にしておけば良かったと、今になって後悔している。

2007-12-31

目的意識が強くない奴が一番不幸な現実

歌がうまいも、点数をとるも、会社で実績上げるも、結果を出していかなければ誰も認めはしない

厳しい(´_ゝ`)

過去に辿り 高高 前高 桐高 樹徳k 桐女 この学歴者は凄い

スポーツ推薦で免除付き たいしたものだ

良い高校には良い高校なりの偏差値というものがある

結果が偏差値であれば 過程は勉強となり、闇雲にやったのだろう

偏差値を上げる手段として塾や英会話家庭教師などが用いられ その目的に見合った指導教育が行われひたすら勉強する

決められた日程に結果を試されるテスト

2ヶ月前にやる子 テスト前日にやる子 毎日授業を真剣に行い常時勉強をしてる子

まぁいろいろ(゜Д゜)

負け犬の遠吠えかのように学歴のない雑魚俺は、学歴のあるやつに対し非常に尊敬してる目がある

何故かというと・・・

今はともあれ、齢16歳の時に高学歴を取得したやつは その時点でなんかしらの目的をもっていたからだと思うからだ

べっつにいくとこねーしとりあえず樹徳のkでも受ぅかぁろう♪てへ(笑)

こんなやついたら最強だ

センスやスキルが高い人間は常に目標があり。目的を定めている

1・コーヒーが飲みたくなった。

2・コーヒー自動販売機までかけつける

3・120円払いコーヒーボタンを押す

4・手元に入り、コーヒーを飲む・・・達成

その手段として自転車でいくか?歩きでいくか?バイクでいくか?手段を変えてみる

コーヒーor高学歴を獲得

難しさは間違いなく高学歴の方・・・馬鹿でも分かる

でも共通点

簡単、難いはともかく、この2つも目的に向かってやってることに変わりはない

どこに結果を出せばいいかと定める

自分にとってそれが最も必要であるものか

遊びで生きるなら遊びの偏差値をあげ

雇われて生きたいのなら雇われ偏差値をあげ

有名になりたかったら有名になるための偏差値をあげ

人間みんな違う自由だ!

だから目標を掲げるのだ

目的なしに生きる価値はないと

2007-12-17

結局あなたも私の体が目当てだったのね!

乱暴に衣服を剥がれては、真っ白なシーツの上につきたてられる毎日。

研ぎ澄まされた神経は、すぐに磨り減って。

ぼろぼろになったら私を捨てて、新しいのに取り替える。

私が安く売られているからって、大量に買いあさるなんて最低よ!

と、鉛筆さんに訴えられたのですが、どうしてよいか分かりません。

しつこい奴は嫌いなので次からはボールペンを買おうと思います。

ですが、時折自動販売機の後ろから鉛筆さんがこちらをにらんでいるような気がして夜も眠れません。

仕方が無いので今晩、僕と踊ってくれる万年筆さんを探しています。

2007-11-19

自動販売機監視カメラをセットする計画があるらしいぜ。恐いよー。

監視社会攻殻機動隊アニメIRシステム(?)を思い出す。

2007-10-20

無題

夜の冷たい風を突き抜けるようにエンジンをふかせば、

分厚い手袋の上から突き抜けてくる寒気に手はかじかんだ。

どこまで走っても見えないゴール。

僕はまっすぐな道を延々と走り続ける。

エンジン音と風を切る音だけが、目の前以外に感じとれる唯一の世界

白いはずの吐息を白いと感じることなく、ただ風に流れるがままに漏らしていく。

時おり見える真っ白な街頭が方々に突き刺さり、僕が往くべき道を照らしている。

しかし道は暗く、かじかんだ手が一層アクセルを緩めさせる。

気がつけば自動販売機の前で僕は止まっていた。

おもむろに財布から硬貨を取り出しては、自動販売機に投入していく。

まいどー」という、いかにも気の抜けそうな声。

僕は温かいココアを買い、かじかんだ手に温もりを取り戻すことにした。

手袋を外した手であつあつの缶をそっとつつみこむと

ふわっと両手にぬくもりが戻っていく。

プルタブを引き、少しずつ少しずつ、

あたたかいココアを口へ。

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