はてなキーワード: トトカルチョとは
彼女の一日は日頃の感謝と安全祈願を込めて愛用する道具のお手入れから始まる。
縦ロールは自律でセット。
お支度を済ませてお嬢様は軽やかに言った。
「それでは行って参ります」
決戦場となる体育館に三名のサバイバリストがつどう。彼女たちは一辺が5mの正三角形の頂点に立った。
「最後の戦いが二対一なんて酷くありませんの?」
縦ロールのお嬢様はやんわり抗議する。
ルール上、禁じられた行為ではないが、今までタイマンばかりだったのに唐突な感は否めない。
しかし、姫カットお嬢様とセミロングお嬢様にも言い分はあった。
「あなたが「ふつう」でしたら、こんな戦い方はしませんけど……」
「おわかりですね?」
縦ロールのお嬢様は物憂げにうなづいた。
「そうですわね……分かっていますわ。美しさは罪、ということですわね?」
「ぜ、ぜんぜん分かっていませんね!!」
セミロングのお嬢様は脱力した。姫カットのお嬢様には彼女よりも耐性がある。
「あと、これは最後の戦いではありませんよ。
「私のはナイr……」
最初に武器――ねじ込みクロスを使って作った十字槍だ――を構えたお嬢様に、
「なかなか安定感がありますわね」
セミロングお嬢様の持つ500mmのSGP25Aパイプは1本で1.2kgになる。
服の中はもう少し短いものも多いが、これらを14本と多数の継ぎ手を抱えた彼女は20kg以上嵩増しされていた。
彼女が戦いを急いだ背景には重くてしんどいという切実な理由もあったりする。
「力で引けないならば!」
両縦ロールが地面に打ち込まれ、チェーンブロックのレバーが引かれる。
「ぐぅ……!」
有無をいわさぬ機械のパワーにセミロングお嬢様は顔をしかめた。
「私のことを忘れすぎです!」
戦闘態勢を整えた姫カットのお嬢様が鉄鎖引きの横合いから参入する。
「忘れてなどいませんわ!」
チェーンブロックのロックがいきなり外され、踏ん張っていた鉄パイプさんは自分の力で後ろに吹っ飛ぶ。
「えいっ!」
さらに工具の本体側が迫る姫カットお嬢様の左手に投げつけられる。
さきほどまで熱心にお手入れしていたのに酷い仕打ち。
それでも物言わぬチェーンブロックは健気にお役目を果たし、姫カットお嬢様に攻撃回避の労をとらせた。
その眼前に縦ロールお嬢様は駆け寄っている。
「いただきですわ」
いつもなら接近戦は姫カットお嬢様の望むところだが、回避直後は流石に体勢が悪い。
膝を突かんばかりの彼女に、掌底が打ち下ろされる。それを跳ね上げて袖を絡めようとする動きを許さず、右のミドルキック。
ガードをしてもダメージが加算される。
「ぐぅ!」
今度は姫カットお嬢様が下から右貫手を繰り出すが、左縦ロールが一閃。
貫手を弾き飛ばして、巻き毛が背後に回り込む。
インシュロック使いの首筋に死に神に鎌を突きつけられたような寒気が走る。
予感が現実にならなかったのは、セミロングお嬢様が槍を投げて敵を後退させてくれたおかげだった。
「わずらわしいですわ」
さきほど伸ばした左縦ロールが巻き戻ると同時にチェーンブロックを姫カットお嬢様の背中に肉迫させている!
「……っ!」
鉄鎖に背中を強打され、姫カットお嬢様の息が詰まった。一対一なら勝負ありであるが、
「やああああっ!」
白い鋼管を構えたお嬢様が自分に注意を向けるため、喚声をあげて突っ込んでいく。
縦ロールお嬢様は再度フックを投げつけて、敵の接近を止めた。
唇をシミターのように吊り上げた彼女は、右の縦ロールを綱引きの相手に指向する。
彼女は咄嗟に半身の構えを強くし、敵への投影面積を最小限にした。
ゴアッッ
真横にいる姫カットお嬢様は、右縦ロールが一瞬かすみ、発生した疎密波が縦ロールの前後に広がる様を目撃した。
縦ロールの中から「何か」が高速で飛び出し、セミロングお嬢様を襲う。
「きゃあっ!?」
スカートのブリーツに仕込んだスウェージロックのシームレスパイプが甲高い音を立ててひしゃげる。
ふとももと脇腹への被弾は一発ずつが肌にまで突き刺さった。
「くあっ!」
「おほほ!コイルガンのお味はいかがかしら?おかわりたーんとありますわよ?」
説明しよう!
縦ロールお嬢様は電線を断続的に仕込んだ縦ロールを次々に急速回転させ、
発生した磁場でロールに装填したニードルを順次加速させ高速で撃ち出したのだ!!
凄いね人体。
よく知らない兵器。気持ち悪い。セミロングお嬢様が青サバより血の気の引いた顔で叫んだ。
「そこ!変な混ぜっ返しをしないでください」
アホボケとクールボケに対してツッコミは自分一人。セミロングお嬢様は二対一が別の構図に思えてきた。
漫才によって敵の注意を分散させる意図は理解していたけれども。
「やっぱり三人は姦しいですわ」
縦ロールお嬢様はもう一人への隙ができるのを承知の上で、左ロール砲をセミロングお嬢様に向けた。
まずは配管工を倒す。
姫カットお嬢様が左縦ロールに結びつけた透明なインシュロックの輪かざりを引いたのだ。
彼女は事前に縦ロールのパワーとスピードを把握している。ただで真横の通過を許しはしない!
ニードルの散弾が縦ロールお嬢様にとっての二人の敵、その間に着弾する。
「今です!」
事実上1ターンに三回以上動ける天衣無縫のお嬢様を倒すためには同時攻撃が必要だった。
サバイバルゲーム開始以来はじめて、彼女の顔から余裕が失われる。至急チェーンブロックを波打たせて波動の鞭にセミロングお嬢様を襲わせる。
――はずが、標的は脱皮を済ませていた。重量級の上着をフックに巻き付けて身軽になったお嬢様が突っ込んでくる。
右縦ロールを地面に突き刺しての回転キック。
だが、今度は姫カットお嬢様が上着を脱ぎ、縦ロールの台風に覆い被せた。
大量のインシュロックが織り込まれ、末端がお嬢様の手に握られた、それはまさに投網。縦ロールお嬢様の回転は自らを縛り付ける結果に陥ってしまう。
「うきゅ~」
目がぐるぐる状態の珍獣を狩人たちは押さえつけた。姫カットお嬢様はインシュロックを通したマウントベースをいくつもいくつも床に接着しまくる。
ひとつひとつは5kgf程度の耐過重だが、何十個もつけられては、さしもの縦ロールも動かせなくなる。
「やっておしまい!」
「すみません、縦ロールさん!!」
セミロングのお嬢様は、超硬(タングステンカーバイド)のジグソーブレードを装備したレシプロソーを取り出すと、哀れな獲物に向けた。
「およしになって!何をなさるつもり!?」
至近距離からの悲鳴を浴びたセミロングお嬢様の手が危なっかしく震える。
「うう、罪悪感が……」
「反対側は私が切ります。彼女を自由にしてあげましょう、この縦ロールから」
そう言って姫カットお嬢様は本来はコンクリート切断用のダイアモンドホイールを装着したサンダーを取り出した。
戦闘前に情報交換をした二人のお嬢様は、残る一人は動く巻き毛によって、おかしくなっていると判断していた。
同様の症状を示していたポニーテールのお嬢様が、セミロングのお嬢様に倒されてから、すっかり彼女に懐いている様子からも、そう思ったのだ。
二対一で卑怯と罵られても異常をきたした仲間を放っておくわけにはいかない。
「うぅ……」
強力を通り越して凶悪なツールにざっくりと縦ロールを切り落とされたお嬢様は喪失感と開放感を同時に覚えた。
自分が縦ロールに洗脳されていたと、彼女を引き起こした二人に洗脳される。
「わたくしは今まで縦ロールに操られていましたの!?」
縦ロールあらためウェーブロングのお嬢様は憑き物が落ちた顔でつぶやいた。
「今までなんてことを……」
思わず姫カットお嬢様とセミロングお嬢様は彼女ひしと抱きしめた。
「よかったですね」
「友情の勝利です」
「ありがとう、わたくしの最高のお友達!……ところで、決着がまだですわね?」
「「え?」」
ぴちゅーん
アフロのお嬢様と同じく、縦ロールの使用に耐えてきたウェーブロングお嬢様の肉体も強靱だった。
二人まとめての裏投げという豪快な決まり手で、増田お嬢サバイバル大会は幕を閉じた。
ちなみに縦ロールは毎朝牛乳を飲んで体操していたら動かせるようになったそうな。
「残り1名!
ありがとうございました」
前回
http://anond.hatelabo.jp/20160414193717
次回
元増田です。
本件に関しては、その場に居た全員(Aさん、彼氏さん、友人たち)の期待を裏切ってでも、自分のポリシーを貫いたと言えると思います。それが正しかったのかどうかは判りませんが。
触ってしまうことで、自分が崇拝の対象としているAさんの美脚が自分と同レベルにまで堕ちてしまうということを恐れていたのかもしれません。
一方で、「据え膳に箸を付けなかった」ということは、私にとってAさんの脚が触るに値しないものであったと解釈される可能性もあります。或る意味、私からAさんに対しての侮辱です。
この件の後Aさんとは特に連絡はしていませんが、「ヘタレ」と思われる程度であればともかく(現実にヘタレな訳ですし)、「彼氏や友達の前で恥をかかせられた」と思われると厳しいです…
自分の行為は、自分自身の何を守って何を損ねたのか、そしてAさんの何を守って何を損ねたのか、まだわかりません…
twitter等各所の反応も眺めてみました。
http://b.hatena.ne.jp/entry?mode=more&url=http%3A%2F%2Fanond.hatelabo.jp%2F20120826210020
https://twitter.com/#!/search/realtime/http%3A%2F%2Fanond.hatelabo.jp%2F20120826210020
等から
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心配しなくても、触れないだろうことは見透かされてるよ。
なんだこのカップルむかつく
気の利いたリアクションができればコミュ障脱却の糸口になると思うが、実際にはテンパって何もできないだろうな。眼鏡っ娘好きだが眼鏡触って良いといわれても多分何もしない。別に眼鏡が好きって訳じゃない(キリッ)
むしろ舐めようぜ。ぺろぺろ
「その場にはAさんの彼氏も居り」メロスばりに激怒してもいい場面。
「彼女に対して失礼ではなかったか」お互いに失礼なので問題ないかと
「はい、あーん」とかもある。
本当に触ってたら最悪逮捕沙汰になるような地獄絵図になる所だったかもしれないので触らなくてよかったね!
それは何かの罠だったと思います。
やなカップルだな
戒を込めて、おちょくるという行為の罪の話。|誰もあなたを嫌ってはいない。が、どこか蔑まれていることはあなたも気付いているはず。乗る必要は全くないと思う。
コメントといい増田主といい、繊細or魔法使い予備軍がようけ集まっとる。 / だがそれがいい
その美人は何もわかっとらんな。真の脚フェチは、踏まれる欲望を持っているものだ。
それって「"人間おとなのオモチャ"になってもいいよ?」ってことでしょ?増田は人としての尊厳をギリギリで守ったなw>「その場にはAさんの彼氏も居り」
こういうのは北方謙三に人生相談すれば良い答えを貰えると思うの。
増田氏は良く耐えたな。自分はこの手のAさんみたいな人間は嫌いです。
「なんぼや?」
人畜無害認定されてるのに勘違いしてるところが非モテあるある。
「それでは失礼します」と言って『彼氏』の脚を触ってこそ真のフェチと呼べる(美脚美人の脚を眺めつつ美脚美人の彼氏の脚を触って美脚美人の脚を触ってるつもり)のではないか。まだまだ修行が足りないといえる
これは据え膳ではなくて画餅では。。彼氏なしで二人のときに触らせて貰いなさい。
この据え膳は喰わないのが正解.
女性のほうは飲み会の小ネタぐらいの感覚だったんだろうし、そんな大袈裟に考えなくてもw
こういう女嫌い
ばかにされてるみたいでやだな~
童貞にネタで脚を触らせようとするような女のひとを「汚れる」とか「失礼」とか「据え膳」とか女性として意識してしまっている所にそこはかとない非モテの非モテたる所以を見た。相手は反応を楽しんでるだけだよ。
揃いも揃ってロールプレイが下手なので一度化けの皮を剥がす必要があると思います。
「そのマカロン食べてもいいんですよ」という銭ゲバ(ドラマ版)的な何か。
ヘタレすぎるwが、触らないで正解。触ったら、奴らのセックス時の枕話のネタにされるだけ。
この、行動前に考えすぎる、その後も考えすぎる感が非モテあるある。
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私の行為に対する賛否以外に、Aさんと彼氏に対する批判的な意見が意外に多いということに驚きます…
私にとっては二人とも友人として信頼でき、そして楽しい人達であると考えています。
ちなみに私自身は30代後半・彼女いない歴=年齢・真性童貞(つまり魔法使い)、Aさんは20代後半、彼氏さんは30代前半です。
人間力、教育力といった数値化しない良く分らない力を掲げる会社だった。
秋に一度集められた時、数冊の本を指定され、春までに全て目を通すように言われた。
それと、12月から週5日で中途採用扱いの新人研修というものが行われることになった。
研修内容は新人一人に付き先輩一人が教育係として割り当てられ、
課題のデキを競わせるというものだった。
残業代はでない。毎朝1番に争って出社し、掃除にせいを出す毎日。
同期との関係もぎすぎすしたものだった。
でも学歴も経験も無い僕らはどんなに会社におもちゃにされても辞めない覚悟があった。
4月になると、僕は営業兼SEとしての仕事をこなす事になった。
職場の半分以上が派遣エンジニア、専門学校でたてのエンジニアばかりだった。
僕はSEが良く自殺する理由がなんとなく分り始めていた。
秋になったころ、
僕らの同期は半分になっていた。そして僕もこの業界を去る事を考え始めていた。
サービス残業が非常に多くなった事と、プライベートが上手くいかず、
何かを感じ取ったのか、一番仲のいい先輩が呑みに連れ出してくれた。
僕は会社に入って、行事としての飲み会以外で社員と呑むのは初めてだった。
とても嬉しかった。
先輩は高校をでてからソフトウェア会社に入って、その後転職を何度も繰り返していた。
不快な気持ちになったが、
先輩がどうやら僕を勇気付けてくれていることに何と無く気づき嬉しかった
実は僕は正社員ではなかった。入社式の直前に試用期間1年の契約社員であると言われていた。
試用期間1年をさらに1年延長する契約書。僕は疑問を感じながらも
会議室をでるとある先輩にすれ違いざま、肩を当てられた。
とっさのことだったので僕は転倒してしまった。
彼は何も言わずに舌打ちをするとそのまま客先に出かけていった。
あとで知った事だが、僕を呑みに連れて行った先輩と僕が辞めるかトトカルチョをしていたようだ。
僕が仕事で手に入れたものは何なのだろう。