はてなキーワード: ヨークシャーテリアとは
アプデ(アップデート)
ウルセ(ウールセーター)
エアプ(エアプレイ)
キャトミュ(キャトルミューテーション)
ジェッコ(ジェットコースター)
ジグパ(ジグソーパズル)
チムワ(チームワーク)
トマジュ(トマトジュース)
ヌドシ(ヌードシーン)
ノーリ(ノーリアクション)
ヘドフォ(ヘッドフォン)
ホムパ(ホームパーティー)
マグカ(マグカップ)
マドサ(マッドサイエンティスト)
ミロビ(ミロのビーナス)
メンシ(メンバーシップ)
モタショ(モーターショー)
ヤーポ(ヤード・ポンド法)
ユニセ(ユニセックス)
ヨシャテ(ヨークシャーテリア)
レサパ(レッサーパンダ)
ロルキャ(ロールキャベツ)
ワイグ(ワイングラス)
サチコは犬を飼っていた。ヨークシャーテリアという犬種だった。
他の友達と一緒に訪れた。
これが数回続いたと思ったら、ゆっくりと扉が開いた。
やっとか!と思ったら扉から勢いよく犬が飛び出してきた。
追いつかれて足を思い切り噛まれた。
デニムノミニスカートを着ていたので、むき出しの脚は数か所噛まれ、血だらけ。
その間、サチコも、サチコの母もニコニコしてこちらを見下ろしていた。
うちの子ったら、暴れん坊さん★
こんな感じのことを思ってそうな顔をしていた。サイコパス顔だった。
結果、数か所の傷が出来ていた。とりあえず家に入れとうるさいので、家に入った。
血はダラダラ流れていたが、サチコ母は私が乗ったカーペットに血が垂れないか必死。
サチコは私の傷には一切触れず、謝罪もなく「なにしてあそぶー」という感じ。
「ひどすぎる!帰ろう!」と言い出してくれて
痛い足を引きずりながら一緒に帰った。
家には医療系の身内がいるので、消毒等してもらったので
幸い他の病気にはならなかった。
両親は怒って抗議とかはしなかったと思うけれど、
あまりよく思ってなかったと思う。
後日あっても、犬が噛んだことに対して謝罪は一切なく
他の友達が「犬が増田ちゃんを噛んだの悪いと思ってんの!?」って聞いても
「仕方ないじゃん」としか言わない。そうして自然と友やめしていった。
友達が「サチコっていうか、幸せっていう漢字が入っていると不幸になる」という
良く分からない迷信で私を元気づけようとしたのをよく覚えている。
見知らぬ人が来るとギャンギャン吠えるタイプで、トラウマが蘇った。
ダックスは女好きらしく、家に上がって少し経てば落ち着くらしいのだが
良い歳してボロボロ泣いた。噛まないと言われていたので安心していたものの、ボロッボロ泣いた。
今はもう亡くなっちゃったけど、おばあちゃん凄く優しかったなぁ。
大きな体した私が立ったままボロボロ泣くのでビックリしただろうなぁ。
私も落ち着いた。ダックスを触れるくらいになった。
元々は動物が好きだったんだ。サチコのせいでダメになっただけなんだ。
彼氏には小型犬がトラウマとう話はしてあった。彼氏も大型犬に噛まれたので苦手というのは聞いてた。
彼氏に「飼い犬が悪いのではなく、飼い主のしつけが悪いのだ」という話をすると、
必ず「あいつはバカ犬だから仕方ないんだ」というような反論をしてくる。
トレーナーつけるなり、何かしら対応しろよ近所迷惑だろアホかと毎回思う。
でも、結婚した。
面倒を見切れないしつけのできない奴は、動物を飼えませんように!
クソみたいな飼い主が滅びてくれますように!
・ ホップからビールを作った。夏でもストーブつけっぱなしだったので部屋温度調整に失敗して全滅した
・ ガチョウを買った。意外と温度調整がシビアだったらしく有精卵1ダースが夏の暑さで即死した
・ 原住民の襲撃で住民の足が吹っ飛んだ。移動速度めっちゃ遅くなったので義肢手術をした
・ 地中からの機械虫の襲撃で住民の耳が吹っ飛んだ。義体化したくて不機嫌な人だったので人工内耳つけた
・ タバコ的なものの中毒になった者をドラッグ使用不可にしたら禁断症状で住人を罵ってメンタルマイナスにさせるようになったので毎日ビール投与して黙らせたらアル中になった
・ ラブラドールレトリーバーを買ってコロニー内で放し飼いにした。定期的に住人が和むので雰囲気が良くなるらしい
・ 殺人鬼ヨークシャーテリアの大集団が来た。タレットとライフルで全滅させた。20匹くらいいた。捌いた肉は全部ペットフードになった
その社員はまだ入社して1ヶ月も経っておらず、みんなと打ち解けるためにペットの犬を連れてきたのだ。
温厚なフレンチブルドッグだ。たまに豚のようにフゴフゴと鳴き声をあげていた。自分のデスクに近寄ってきて触らせてくれたし実に可愛らしかった。
良い息抜きになったなー俺もペットいたらなーと思ってたら次の日は別の社員が犬を連れてきた。
ヨークシャーテリアだ。たまにぴょんぴょん跳ね回り、たまにキャンと吠える。触らせてはくれなかった。残念。
それから徐々にみんなの心に火がつき始めたようだ。
他にも日を開けて3人の社員が犬を連れてきた。
今度また新しい犬が来るのかな。いや今までの子たちでも歓迎する。できれば触らせて欲しい。あとシャンプーはあまり強い香りのやつは使わないでいて欲しい。
トラウマになっている。
友達の家の犬が馬鹿だった。いや、飼い主が馬鹿だったんだと思う。
友達はモップみたいなヨークシャーテリアを飼っているといっていた。
小学6年生当時、犬は嫌いじゃなかったし、「遊びに来てよ!」と言われたので遊びに行った。
夏の日差しが強い日。半ズボンを履いて、遊びに行ってしまった。
ピンポンを鳴らすと「ギャンギャン!バンバン!グルルルン」という変な犬の泣き声が。
ドアホンごしに「うちの子、ピンポン鳴らすと興奮しちゃうんだよね」と笑いながら言って来た。
ドアを開けるから待って、といわれ待っていたのだが
ドアが開いた拍子に、犬がタックルしてきた。
こいつ……本気だ……
殴ろうと思ったけど、友達の犬だし何も出来ず
私は脛を差し出すのみだった。
結果、弁慶の泣き所は血まみれになった。私は泣かなかったが怒りでいっぱいだった。
私の脛が血まみれになっていたが、友達は気にすることなく「さ、あがって」の一言。
消毒液も絆創膏もくれなかった。シャワー借りてとりあえず流した。
友達との仲はそれから悪くなり(私が相手を嫌いになってしまった)疎遠。
そして、社会人になって出来た現恋人は実家で小型犬を飼っていた。
家族に紹介するとのことで家に遊びに行かないといけなかった。
ヨークシャーテリアじゃなくてダックスフンドなだけマシだった。
家に入ると「ワンワン!ワンワン!ワンワンワンワンワンワン!」めっちゃ吼えた。
でも、恐怖でどうしようもなくなり、思わず泣いた。ボロボロ泣いた。
小型犬が怖いだなんて何か恥ずかしかった。彼の祖母、祖父に泣き顔見られた…。
彼のわんちゃん。彼に言わせると「スケベ犬」らしく
男性が家に上がると1日中吼え続けるが、女性の場合は5分もしないうちに大人しくなるらしい。
5分もしないうちに、私のにおいをかいで落ち着いたのか犬が黙った。
先日、2月22日はにゃんにゃんにゃんの日とのことで、NHKを始めとし、各局が昨今の猫ブームについて報じていた。
それら猫特集では毎回のように犬が引き合いに出され、その度に犬がサゲられるので、若干腹が立った。
犬も猫も好きだが犬を飼っている自分としては、あまりにも偏向報道の様に見えたので、ここで報道内容の再検討と飼い犬の魅力について改めて提言したい。
犬1匹にかかる費用は小型~大型までで大きく変わる。十把一絡げにしないで頂きたい。
大型犬身体が大きい分、ドッグフードの量やペッドグッズも高値になりやすい。(そのため、大型犬を飼っているご家庭は裕福な家が多い様に思う)
対して、最小サイズのチワワやポメラニアンといった小型犬は、猫とそこまで食費等は変わらない様に思う。
これも犬種による。
確かに大型犬はストレスが貯まるため、散歩を毎日しなければならない。
しかし、小型犬は個体差があり必要ない(家の中を走り回るだけで十分)場合もある。
アウトドア派の人は大型犬を飼うだろうし、気が向いたときだけ散歩に行く人は小型犬を飼う。
「犬は散歩しなければならないから、猫を飼う人が増えた」という思考を誘導するような内容を放送されるのは遺憾だ。
犬には毛の抜けない犬種が存在する。トイ・プードルやマルチーズたちだ。
また、シーズーやヨークシャーテリアなど、全くではないが毛が抜けづらい犬種もいる。
かつて自分は動物の毛による動物アレルギーに悩まされていて、中型~大型の動物を飼うことは諦めていた。
(ウサギや猫は30分以上同じ空間にいると涙とくしゃみが止まらなかった)
それが、毛の抜けない犬種がいることを知り飼うことができた、毎日の癒やしである。
・クッションや座布団を掘りすぎて破壊 → 爪を定期的に切って引っかけないようにする
・飼い主をお出迎えするときに網戸に激突して破壊 → だれかが帰ってくるときはガラス窓の状態にしておけば良い
・トイレを決められた場所以外でする、ゴミ箱を荒らす → しつけの問題
いやこれ真面目な話なんだけど
ホッテントリのブコメとか読んでると、良くid◯◯さんなら~みたいな内輪ネタあるじゃん?
他にもはてな村では~みたいな枕詞とか、特定の人物を指してそうな呼び名とかさ、村長、先生みたいな
どんなに少ない時でも1日に10記事くらい多い時は40記事くらい9年間、毎日読んできてる正直かなりのはてな-?だと思うんだけど
なんかはてなで有名なキノコらしい、しいたけ?に見える人とかもつい最近その存在を認識したし、精神科のホッキョクグマ?だっけあの人はまあブログが昔からよく上がってたから知ってるけど
ほんとそういうホッテントリ常連?で役職とかに特徴のある人くらいしか知らないわけよ
そもそもはてブってチャットする場所とかないでしょ、なんでみんなはてな村とか聞いてそうそう昔は~とか普通に会話できてんの?
もしかして自分が知らないだけではてな民の集会所みたいなスペースがどっかにあって夜な夜な寝る間も惜しんで、友情を育んだりしてるわけ?
もしくは皆、実はあまりよく分かってないけど、てきとーにノリではてな村は~みたいにコメントしてるとか?
そもそもはてな村ってどこにある村なんだよ
なんかはてなで調べたら、犬が支配してる村とか、高齢化が進む蜃気楼の村とか、ヨークシャーテリアが犬の後釜を狙ってるとか出てくるし
ホント教えてよ
はてな王しなもんは二〇一三年の六月に死んだ。その後、ミニマリストの時代になった。物語の舞台はこの時代である。はてなダイアリーにもはてなブログにも長文を読み書きできる者が誰もいなくなった時代。終わりが近づいていた。当時のはてなでは、インターネットの終わりを待ち望む者と待ち望まない者がいた。一方は右翼、他方は左翼。ただし、両者は渾然一体としていた。彼らにも自分たちを見分けることはできなかった。なぜなら、インターネットの終わりは毎日毎秒ごとに訪れるから。それは、日本が滅びる前のことだった。
アナニマスダイアリーと呼ばれる古いサービスがあった。そこに、増田という若い増田がいた。人は彼のことを増田と呼び慣わしていた。「名無し」を意味する古い言葉だと人は言う。彼は美しかった。彼の書いた記事はさして評判を呼ばなかったが、いつも寄り添うように一本のブクマがついていた。Nettouochi は彼を愛していた。
Nettouochi は向かいの家に住んでいた。ブクマで生計を立てていた。気が狂わんばかりに増田を愛していた。朝も昼も晩も、ブラウザから増田を見つめていた。眠れなくなった。
ある晩、ねつけなくてベッドの上で寝返りをうちながら、彼女はひとりつぶやいた。
「休めない。あのひとのことを考えると、おなかがポカポカする。涙がまぶたのまわりにあふれてしまう。痩せこけて、いばらのよう(ずっと働かず増田にはりついているせいだった)。あのひとの名前がたえず気にかかる」
翌朝、彼女は服を着ると、青と白でおおわれたトップページをすっとばし、通りを渡った。そして、ブラウザの縁をたたいた。増田は不機嫌そうに眼をあげた。ネカマ仕事の邪魔をされたからだった。彼女は、あなたを愛しています。あなたの妻になれたらどんなにうれしいでしょう、と言った。さらにこう言い添えた。
「あなたのすべてが好きです。あなたの文字の響きさえ好きです。あなたにとって、自分の文字の響きとはなんでしょう。ただの文字です。でもわたしにとっては、命をかきたてるものなのです。」
増田は脱糞した。女を見た。考えさせてくれと言った。その申し出は光栄だと言った。夕暮れと夜と夜明けの時間をくれないか、よく考えてみるからと言った。
翌朝、正午のホッテントリが更新される前に、増田は Nettouochi の家の戸をたたいた。彼女は招き入れた。増田は彼女のほうを向くと、その手で彼女の手を包みこんだ。おまえの夫になることを考えてみた。ただし、結婚についてひとつ条件があると言った。
「Nettouochi よ、おまえのブクマ速度はアナニマスダイアリーで一番だという。はてなのトップを飾る他の増田記事とおなじように美しいホッテントリを作ることができるだろうか? わたしにはどうしてもできないのだよ」
そう言いながら、増田は腰に巻いていた自作記事を Nettouochi の手に託した。
Nettouochi は記事を手にして、顔を赤らめた。その記事には、増田のからだのぬくもりが残っていたから。彼女はこう答えた。
「やってみます、増田。だってわたし、あなたの奥さんになりたいのですから。きっと満足してもらえると思います」
Nettouochi は何日もぶっつづけで自演した。何日も徹夜した。でもどうしても、まったく3 users 以上を呼べる記事は作れなかった。
連日の徹夜の疲れに、ついに成功しないのではないかという怯えが加わった。情けないブクマカだという悲しみに、約束を守ることができないために増田に見放されるという苦しみが伝わった。
絶望がやってきた。PCの電源をつける意欲が失せた。食事も喉を通らなくなった。彼女はつぶやく。
「わたしは彼を愛している。わたしにはブクマの腕がある。休まず働いている。でもどんなにがんばっても、できない」
彼女はひざまずき、神に祈った。
「ああ偉大なるコーギーよ、助けにきてください。増田の妻になるためには何が足りないのでしょう」
ある晩のこと、Nettouochi が泣いていると、扉をたたく音が聞こえた。彼女はろうそくを手にした。
ウィルスを防ぐために共有ソフトで落としてきたセキュリティソフトに顔を近づけると、見慣れぬヨークシャーテリアの姿が見えた。
Nettouochi はおずおずと扉を開けた。テリアは言った。
「怖がることはない。わたしは夜に迷ったわんこだ。アナニマスダイアリーを覆うゴミ記事の霧をかきわけここまでやってきた。夜に灯るこの家の液晶が見えた。迷惑でなければ、ちょうどいいウォッチネタを少し所望したいのだが」
Nettouochi は客を招き入れた。
「青二才の新作をごらんにいれましょうか」
「いや、kawango と浩光先生のバトルのほうが良い」
テリアはネタをかじった。かじりながら、Nettouochi がこっそり涙をぬぐっているのに気づいた。
「娘よ、泣いているな」
Nettouochi はおっしゃるとおりです、と答えた。
「わたしは増田を愛しています。こんな時間まで働いているのも、増田にホッテントリを作ってあげると約束したからなのです。でも、夜を日に継いで五週間もたったというのに、ちゃんとした記事に改良できないのです。これをごらんになってくださいまし」
テリアはほほえんで言った。
「待て。世間は狭いと言うべきか、偶然は不思議なものだというべきか。たしか、わたしの首にかけてある袋に、それと実によく似た記事が入っているはずだ。」
二人は記事を見比べ、同じ文体、同じ内容で 300 users をこえていることを確認した。同じでない単語は一語もなかった。同じでないダジャレはひとつもなかった。
ところが Nettouochi はにわかに泣き崩れた。そして言った。
「わたしが泣いているのは、自分が貧しいからです。その記事にはすくなくとも三〇〇〇はてなポイント、色付きスター七十個の値打ちがあります。わたしにはとても買い取ることができません。わたしは増田と一生結婚できない。」
テリアは Nettouochi のすぐそばまで寄ってきて、その禿げ上がった頭を舐めた。そしてこう語りかけた。
「おまえが望むなら、ただでそれをやろう。」
「何と交換に?」と Nettouochi はテリアの舌を払って聞き返した。
「どんな約束?」
「お名前はなんと?」
Nettouochi は思わず笑い出した。手をたたいた。そして言った。
「kanose、そんな簡単な名前をどうして忘れることができましょう。からかってらっしゃるんだわ」
「からかってなどいないよ。そんなに笑うのはよしなさい。いいか、一年後の同じ日、真夜中のこの同じ時刻、もしおまえがわたしの id を忘れていたら、おまえはわたしのものになるのだ」
「名前をおぼえてることくらい簡単だわ。でも、あなたをだましたくはありません。わたしは増田を愛してます」
「増田との約束のことはすでに聞いた。だが、わたしと交わした約束のことも忘れてはいけない。わたしの id を忘れてはいけない。記憶がおまえを裏切ったときには、その増田には気の毒だが、おまえはわたしのものになるのだ。」
「おなじことを繰り返しているのはあなたです。わたしはばかではありません。 kanose という名前をおぼえていることは、Nettouochi という id をただしくおぼえているよりむずかしい仕事ではありませんし、自分の id をおぼえていることにログインするとき苦労した記憶もないように思います。一年後、あなたの腕に抱くのは風と後悔だけでないかと心配でなりません。」
「あるいはそういうことになるかもしれない。」 kanose は不思議な笑みを浮かべてこのような言葉を言い放つと、家を出て、また闇のなかへ去っていった。
二人は結婚した。結婚式はトピシュが取り仕切り、オフ会マニア、プログラマー、大学院生、メンヘラ、ネカマなどが列席した。
nettouochi はホッテントリ記事をかかげて、増田の家を訪れた。増田は妻に id とパスワードを教えた。彼女は不要な過去記事を削除した。風呂に入り、髪を上げ、首のところでリボンをまとめ、右手に iphone を持ち、床に横たわり、脚を開き、男を受けいれた。ふたりとも幸せだった。九ヶ月がたった。
九ヶ月目の終わり頃、日課のアナニマスダイアリー巡回をしているとき、Nettouochi の顔がにわかに曇った。
あの夜、彼女のもとを訪れたテリアのことを思い出した。そのとき交わした約束を思い出した。そのテリアの id を思い出そうとしたとたん、ふとその id が頭から逃げ去った。
その id は肛門の縁まで出かかっているのに、彼女はそれを排泄することができないのだった。その id は腸壁にこびりついていて、そこにあると感じているのに、それを蠕動させることも、放屁することも、発音することもできないのだった。
気が動転していた。彼女は室内を歩きまわった。あの夜自分が口にした言葉を繰り返したが、その時の仕草、あのテリアがブクマした記事、その毛並み、その言葉、その言い回しは思い出せても、その id は思い出せないのだった。
彼女は眠りを失った。
悲しみが寝室に忍びこんだ。夜になると彼女は怖がり、夫の記事へのブクマを拒み、背を向けて失った id を探し求めるのだった。
夫は驚いた。
Nettouchi は炎上するようなブコメを残すようになった。炎上しないときは、ブクマすること自体を忘れた。アナニマスダイアリーを巡回しなくなったので、クソみたいなイデオロギー論争であふれるようになり、煙が立った。それほど彼女は失われた id を思い出そうと必至になっていた。
夫は怒った。
彼女は痩せていった。また茨のようになっていた。アナニマスダイアリーに Nettouchi 以外のブコメも一切実らなくなると、ユーザーもいなくなった。すべてが静まりかえった。
夫はいきなり妻をぶった。
「おまえは泣きすぎる。そんなに泣くなら、これからはおまえのことを sabacurry と呼んでやろう。この村に潜む魔の id でおまえを呼んでやろう。まるで一日中泣いてばかりいるおまえとおなじように、一年じゅうわけのわからないブクマをつけてまわっている、その id でおまえを呼んでやろう」
Nettouochi は言った。
「わたしはあなたに嘘をつきました。あのホッテントリ記事はわたしのではありません。わたしにはそれへブクマをあつめることはできませんでした。わたしはずるいことをしました。わたしがどうしても記事を改善できないでいると、あるヨークシャーテリアが扉をたたきました。その人はわたしにホッテントリ記事をくれました。わたしは、一年後にそのテリアの id を忘れてしまったら、彼のものになるという約束をしました。もう九ヶ月以上たちました。id って何でしょう? id をおぼえるより簡単なことってあるでしょうか? 増田ということば、どうしてそれを忘れることがありましょう? あなたの名前、わたしはそれを『退会理由』欄に書いてアカウント削除することでしょう。それなのに、あの名前はどこかに行ってしまった。」
増田は近づいてくると、ホッテントリ記事を放り捨て、妻を抱き寄せた。
「泣くな」と彼は言った。「おまえが好きだ。わたしがその id をみつけてやろう。さもなくば、そのテリアを見つけてやろう」
増田は旅に出た。二時間歩くと、すっかり疲れてわんわんパーク跡地に座った。彼は泣きだした。すでに十ヶ月目のなかばになっていた。不意に彼の前にシロクマが鼻先をつきだした。シロクマは言った。
「なぜ泣いているの?」
「傲岸なテリアを探しているのだよ」
シロクマは言った。
「ついておいで!」
導かれると、そこは大きなお城だった。城の中庭では、従僕たちが大きな黄金のアドオンを磨いていた。
「よろしかったら、どうしてそのアドオンを磨いているのか、わけを教えてもらえませんか。」と増田は聞いた。
「ご主人様がもうじきアナニマスダイアリーへご出立なさるんだ。若いブクマカを探しだして、結婚するのさ」と従僕たちは言った。
「その御方の id は? さぞかしこのアドオンに劣らず立派な id に違いない」
「そうとも。加野瀬末友さまの、kanose さまのアドオンときちゃあね」
増田はみぶるいした。
彼は城を出た。加野瀬の領土を後にした。ちなみに、加野瀬とはニフティサーブのかつての住人たちが地獄(彼の瀬)をさして言った言葉である。
ちなみに地獄とはこの世のあらゆる人間たちがインターネットを指して言う言葉である。
彼はアナニマスダイアリーを目指して走った。彼は kanose という id を繰り返していた。繰り返しながら、頭に刻みこんでいた。懸命にその名を繰り返していた。
アナニマスダイアリーにつくと、店長の記事が迎えたお祭りが行われていた。彼は立ち止まった。その隠し切れない顕示欲が美しいと思った。浮かれ騒ぐブクマカたちに見惚れた。そのとたん、空腹を感じた。
からだを起こし、id を言おうとした。それはすぐ間近、肛門の縁まで出かかっていた。近づいてきたかとおもうと、肛門から逃れ去っていった。だが、それを妻に告げる段になると、その id は完全に奥へ引っ込んだ。
彼は息も絶え絶えに妻に自分のアカウントにログインするよう言った。
「あいつの id をわたしの本アカウントに書いた。それを使うのだ」
彼はしずかに首を振った。
「もういい。人を呪う人生にも飽きた。信じてもいないイデオロギーを信じているふりをし、嫌いでもない id を罵倒するのはもう疲れた。かつて、わたしにも名前があった。本アカがあった。それをおまえのブクマとともに永遠にしてくれ」
そして、増田は床に崩れ落ち、息絶えた。
増田の命が尽きると同時に、深夜の最初のアラームが鳴り、にわかに風が起こってブラウザが勝手に立ち上がり、地獄のテリアが戸口に表れた。
テリアはしっぽをふりながら進み出た。彼は Nettouochi の手を舐めようとした。彼女は手を引っ込め、こう言った。
「なぜわたしの手をお舐めになろうとするのですか」
「わたしの id をおぼえているか、 Nettouochi よ」
「では申せ。わたしの id はなんという?」
Nettouochi は笑みを浮かべて亡き夫のアカウントではてなにログインした。
「kanose、加野瀬末友。地獄の kanose 。それがあなたのお名前です」
すると、テリアは叫び声をあげた。あたりが暗くなった。メイン、サブ両方のPCの電源が落ちた。今、ガリガリと悲鳴をあげてフリーズしかけているわたしのこのPCのように。
そして、闇夜に犬の遠吠えだけが響いた。
Nettouochi が勇気をもってふたたび自分のアカウントでログインすると、テリアはすでに姿を消していた。
Nettouochi は冷たくなった増田に寄り添い、その唇に最期のくちづけをしようとした。
アナニマスダイアリーはいまでもそうであるように、あまりに暗かったので、Nettouochi はブクマを集めて users 表示を紅くし、男の顔のそばにその 10 users を置いてから、おおいかぶせるようにして、静かに横たわっている男にそっとブクマをつけた。
鬱って 漏らす♪
15行だけで 死んでれら♪」
シロクマP「いける」
シロクマP 「思う存分楽しんできてください」
ブクマカC「人がッ、人がッ」
ブクマカA「死んでる死んでる超うける」
シロクマP 「よくやった」
増田(17)「今まで言えなかったけどずっとPのことが好きでした」
シロクマP 「でも俺クマじゃん」
シロクマP「あ、ホッテントリのブクマカたちが文体解析しはじめた」
シロクマP「正体がバレた…‥」
増田(17)改めコンビニの店長「魔法がとけたので本業に戻ります」
ヨークシャーテリア「ウッシッシッシッシッシ」
シロクマP「あれから三十二年……彼女は今どこで何をしているんだろうか……今も元気にFC本部から搾取されているんだろうか……」
ヨークシャーテリア「アイドルの輝き……それは青春の輝きである。儚く、短く、だからこそ美しい。僕たちはなぜ増田をやるのだろう、なぜブコメを打つのだろう、なぜブログを書き、twitterでつぶやき、FBでイイねを稼ぐのだろう。それは僕たちが永遠ではないからだ。永遠ではないからこそ、美しく生きられる。そう、僕たちはひとりひとりがシンデレラ。僕たちはひとりひとりがプリンセスなんだ。それを忘れないでいてくれ」
そのフラストレーションは、村公認のバカに集中し、粛清の嵐が吹き荒れた。
もちろんそんな時でもヨークシャーテリアはなにもせずただ笑ってそれをみていた。
ヨークシャテリアは2人が消えてむしろホッとしたのではないかと妄想している。
あるいはヨークシャテリアが必殺仕事人の仕事をしたのかもしれないと(あくまでも)妄想している。
2悪人が犬と猫との異種間不適切な関係をネタにし始めたから、真偽は別としても苦々しく思っていたであろうことは想像できる。
真偽はどっちでもよくて、よくできたネタだなーと草を生やしつつも「ヤバイ…そろそろヤバイかも」と思って見ていた矢先に2悪人は死んだ。