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はてなキーワード: 印象派とは

2024-03-14

表現の自由」って歴史上しばしば問題になるよね

絵画歴史においても昔は宗教画ばっかりだったのが、人間性を描くルネサンスがおこり、なんだかんだあって印象派とかキュビスムとかが批判されたり

音楽でも同じような経緯をたどり、宗教音楽からモーツァルトへ、そしてジャズロックさらテクノとか

新しい表現基本的カウンターカルチャーにならざるを得ないので、「リアリストから排除される

ただ、今の日本では古いタイプ表現も認めろって話になっていて、萌え絵空也上人のアレみたいな話になっている

萌え絵はもはや伝統的な表現ではあるので

日本アニメ海外で人気があるっていうのは

世界遺産」みたいな感じ

ゴッホとかが浮世絵に影響を受けたのも同じ

2024-03-10

ヒトラーチャーチルも絵が上手かった

どっちかっていうとチャーチル印象派フォロワーみたいな画風のほうが好み。

2024-02-24

そもそも、都会のど真ん中にある美術館行列に並んで、田舎風景を描いた印象派絵画を見に行くみたいな行為倒錯性になんとも思わないんだろうか?

東京文化資本がすごいみたいな話を見るたびに思うんだが

大阪モネの絵がたくさんやってきたので見に行ってきた。

70作品くらい展示されてたらしい。

展示作品はすべてモネ

右を見ても左を見てもモネモネモネモネづくしだった。

展示されている一部の作品スマホ撮影オッケーでいくつか撮影したんだけど、

感心したのは結構斜め方向から撮影した作品でもグーグルさんは、これはモネ作品です、と識別したことだ。

という感じでわたしゃ日頃美術なんて関心のない素人なんだが流石にモネクラスの人の絵になると素人が何の知識もなく見ても魅せられてしまった。

ちょっと展示室から立ち去り難くなってしまうほどだった。

最初の方はなんてことないんだよ。

若い頃のまだ何者でもなかった頃の作品なんてただの上手い絵なんだよ。

でもね、なんか俺はもう風景しか描かねえよって感じで全フリしてきて、

見えるものの光をすべて捉えきってやるんだという意気込みで描かれ出す作品になると、

その作品群に脳みその何処かが感応してしまって、もう目を離すことが出来なくなってしまう。

印象派ってそういう意味では素人でもすごくわかりやすくていい。

うわー、これいいわー。ぐわっなにこれ?めちゃくちゃかわいいやん。うわーマジで?アホなん?みたいに夢中になってしまった。

とか書くと、

なんかこの作品意味は〇〇で美術史的にこのような価値があり、

みたいな論理で見ないと美術作品の本当の価値なんてわからないという意見の人に苦笑されてしまうのだろうけど。

でもわたしゃ、いい大人が全身全霊、人生を捧げて描き続けた人のラクガキなんてもの理屈でみても面白くないだろうという意見だ。

とはいえ美術展のガイドストーリーくらいは読むがね。

モネという人は印象派代表的人物の一人でそもそも印象派という言葉自体モネ作品名前からとられたものらしい。

そしてモネは「同じ情景・テーマ」を、「別の時間」、「別の季節」、「別の光」で描いている、『連作』というスタイルが有名らしい。

と、まあこういう知識を付け焼き刃でつけたところで仕方ないね

わたしゃ見たもので楽しめたらそれでいい派でいいよ。

あと2、3回は行くと思う。

でもモネかになると流石に人が多いね

閉館間近に行くのが時間はないけど意外と一番じっくり見れるような気はする。

2024-01-03

anond:20240103011625

実物の絵画の筆の運びはとても写真では表せない魅力があるんだよ

かにデジタル画像で見る分にはどっちも変わらないように見えるけど

モノとしての魅力があるんよ

結局のところは金持ち向けの趣味だね

職人アンティーク家具価値を見出すような

でも自分も大してホキ美術館にあるような写実絵画は興味ないね

印象派みたいな絵の方が好きだし

2024-01-02

文化を感じた日

川端康成の『雪国』は読んだことがないけれども、その文頭はあまりにも有名だ。

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。」

暖かい南国で生まれた。積もった雪は見たことがなかった。大学が近くになかったので、進学組はみんな強制的一人暮らしになる地域だった。雪が見たくて、ただそれだけで積雪がある某県に進学を決めた。

学生から車は持てなくて、雪の積もった日は徒歩で30分以上かけて大学に向かった。自転車なら10分もかからない距離だ。泥混じりの雪が跳ねて、着く頃にはズボンの裾と靴下が真っ黒に濡れてしまう。それで丸一日過ごす。一年生の年明けには、雪を見るだけでうんざりするようになった。

雪の朝は、目が覚めるとすぐにわかる。妙に静まりかえっていて、ほのかに明るくて、身体の芯から冷えるような寒さの朝は雪が深々と積もっている。心底うんざりする冬の一景だ。

大学最後の年、私はすっかり暗い冬も鬱陶しい雪も大嫌いになっていた。

ある夜、何かの用事で車に載せてもらい、峠の方へ行くことになった。しっかり整備された高速道路を降りて、ろくに除雪されておらず街灯もない一般道に出た時、ふと窓の外を覗くと、月明かりのない真っ暗な夜空と真っ白な雪原が目に飛び込んできた。そして「夜の底が白くなった」ことに気がついた。

私は文豪のあまりにも的確な表現言葉を失い、雪原が終わるまでずっと、ぼんやり白い夜の底を眺め続けていた。

その後上京して何年も経つが、美術展にも行かず、バーにも通わず流行最先端にも触れず、およそ文化的とは程遠い怠惰な日々を過ごしている。これといった趣味もなく、美味いのかわからない飯を食べ、友人も少ない。都会の片隅でドブネズミ生活を送っている。東京文化人になるにも能動努力と磨かれたセンサー必要なようである

私は生憎地元でも東京でも「文化」とやらを感じることはできなかった。「印象派展」や「知る人ぞ知る日本上陸ブランド」に興味はなくもないが、疲れた週末に電車を乗り継いでよく知らない場所に行き、人混みに揉まれ行列に並ぶのは雪と同じく心底うんざりする。

このように都会暮らしでも文化を楽しむにはそれなりの素養と体力が不可欠だ。感受性が錆びつきセンサーが腐っているドブネズミがあの冬の夜、ど田舎の雪原に「文化」を強烈に感じることができたのは教育による知識下地に偶然が重なったおかげである。私はあの一景を生涯忘れることはないだろう。

2023-11-01

渋谷ハロウィーン禁止

の動きを見てると、なんか中共とか北朝鮮的なものを感じるわ

いわゆる「表自」界隈にもかかわってくるけど

表現世間迷惑なのはルネッサンス印象派にも通ずるものがある

2023-10-28

絵描き世界ゾルラーク

マネ「笛を吹く少年」(1866)

 

灰色背景に笛を吹く少年が佇む。

誰もが見たことがあるだろう。図工の教科書に載る絵の定番だ。

この絵のどこが凄いのかわかるだろうか?

それは・・・

 

背景を描かなかったこである

 

この凄さを知るには歴史を語らねばならない。

昔の庶民は字が読めなかった。字が読めなければ当然聖書も読めない。

牧師さんたちは字の読めない人のため、教会の壁に聖書の名場面を描き始めた。宗教絵画の始まりである

 

時代が降るとやがて壁画を描く人々は専門化していった。

親方師弟制度、そして職人ギルド。絵を描くことで金を稼ぐ専門家集団。彼らは芸術家ではなく職人であった。

彼らの稼ぎのもう一つは肖像画である。昔の金持ちはよく肖像画を描かせた。我々が写真館で証明写真や753の写真を撮るように、彼らは自分家族の肖像画を描かせたのだ。当時の絵描き写真屋の代わりであったと言える。

写真から出発した西洋美術がよりリアルに、より精密に、表現が発達していくのは歴史必然であった。

  

長い時が流れ1866年、「笛を吹く少年エドゥアール・マネはあえて背景を描くのをやめた。マネは絵をデザイン的に捉え、少年の赤い服を魅き立たせる補色を背景に置いたのだ。

 

絵はもっと自由で良い。

 

マネ写実主義から印象派へと人々を導いた。「印象派の父」として知られる。

 

 

『あえて背景を描かない』

 

現在では手抜き絵と呼ばれる

 

 

anond:20231027224113

2023-10-24

東京文化資本っていうけどさ

ぶっちゃけ都内美術館とかミニシアターとかってボケ老人かアスペっぽい変な奴ばっかじゃね?

手帳高齢者割で安く入れるし何より暇だからだろうけど

キャプションの前からいつまでもどかないババアとか、映画に「あー」「うーん」とか相槌うってるジジイとか、小汚いホームレスみたいなの多いよ


印象派展とか〇〇文明展みたいな規模大きくてキャッチーなやつはさすがに健常者多いけど

ベラベラと相手知識開陳するかイチャイチャするのに夢中なカップルとか、展示より文化的なワタシが好きっぽいバシバ写真撮りまくり女さんとか、ギャン泣きキッズ連れ回す家族連れとか


お前は?って言われそうだけどこの文章から察してくれな

2023-10-17

印象派っていうけど

それ以外の派閥を知らないことに気づいた

2023-10-07

ヨーロッパ印象派絵画批判されていたのは1800年代後半の話ですが、2000年を過ぎてもまだそういう話をされているんですか?ジョークだとしても失礼に過ぎるし全く面白くもなんともないですが、これを面白いと思って投稿しているんですか?大丈夫ですか?って投稿したいけど中傷扱いされたら嫌だからこっちに投下するね。

美しさの感性って個々によって違うのに、なんで自分正義押し付けて恥ずかしげもなく冷笑的に相手をこき下ろせるんだ??????

2023-09-19

anond:20230919161208

シノワズリーの方が重要なのは明らかだけれども、一時的とは言え印象派あたりで日本の影響がある程度あったことも間違いないでしょ。今でも tatamiser なんていう語もあるくらいだし。  

https://en.wiktionary.org/wiki/tatamiser

https://fr.wikipedia.org/wiki/Japonisme

anond:20230919142540

日本という異文化エキゾチックな魅力。japonisme(フランス語)  

有名なところだと、ゴッホモネルノワールなど印象派画家たちが日本美術の影響を受けた。 

ちなみに中華風シノワズリー。

2023-08-20

anond:20230820171119

マネとかクールベとかセザンヌとかの現代人に理解できる範囲でのブレイクスルーを起こした作家の絵が飾ってあると話のネタになって楽しいかなぁ

モネピカソもそうなんだけど印象派キュビズムは有名過ぎるしデュシャンは行き過ぎ

2023-07-29

東京って何もないよマジで

何もないって言ったら語弊があるけど、歴史的建造物施設関西圏に比べて本当に少ない

近代建築はそれなりに残ってるけどそれ以前の時代の遺構って言ったらいきなり弥生とか古墳に飛ぶから

おまけに再開発でそういうモダニズム建築も地下の埋蔵遺跡も全部破壊されるし

歴史文化へったくれもない、今が持つ輝きを凄まじい勢いで消費する街

この新陳代謝の速さが良くも悪くも東京の特徴なんだろうけど

 

 

京都奈良大阪はふらっと遊びに行ける距離寺院仏閣があるのがいい、羨ましい

建立が奈良飛鳥時代まで遡る寺があんなに集中する場所なんて日本のどの場所を探してもない

大規模な木造建築が街中に残ってたり、歩けば重文国宝級文化財にぶちあたるのが京都奈良

東京だって色々展覧会やってるけど貴重な仏像みたいなもんは秘仏だの御本尊だので基本所有してる寺から出ねえんだわ、だから現地行くしかない

日本古美術文化財に触れるという意味では東京ある意味砂漠地帯

もちろん日本美術東洋美術に特化した美術館は少なくないけど、そこにあるものって既に美術品として収容されてしまって、ものが作られた当初の目的文脈からは切り離されてる

美術館の展示が悪い訳じゃない、だけどやっぱり作品本来持っている魅力みたいなものはいくらか損なわれていると思うんだよなぁ

展示ケースを覗きこむより日本家屋の中自然光の下で見る障壁画や屏風絵の方がずっと綺麗だよ

そしてそんな場所都内にない

 

 

西洋美術とか現代アート作家展覧会を見るぶんには東京はいいかもね

でもそれはそれでパリNYと比べた時の文化的な乏しさに目が行くんだよな

ルーブルやMETには勝てねえもん

やたら印象派展覧会ばっかやってるのだって日本にまとまった数ある西洋美術がそれぐらいしかいからだし

 

東京って面白い街だけどつまらん街だよ、少なくとも美術館の有無を文化享受基準にするならマジで物足りねえ

2023-07-27

東京に住んでない人って、どうやって文化享受してるんだろう。

都心3区に生まれて。

大学だけ京都の某大学に通っていた。(院はやはり東京)

関西でも、文化的趣味(美術音楽最先端海外文化など)って、けっこうキツかった。

大阪京都神戸を合わせて、東京の4割くらいのイメージ

最先端のものはほぼないし、日本上陸サムシングも、たいていは東京に3店舗くらい出来てから関西に来る。

もちろん、趣味の95%はカバーできるんだと思うけど、上澄みの5%は東京しかない。

言ってみれば、京都首都だった頃の一級品は京都しかないのと同じだ。

から東京に戻ってきたときは、ああこんなに恵まれてるんだな、としみじみ思った。

安くて美味しいご飯は多いんだけどね、関西は。

それで、社会人になってからだ。

地方出張に行くことも増えてきた。

そうすると、福岡だったり、仙台だったり、札幌だったり、熊本だったりと、それなりに栄えた地方都市に行くわけだ。

ここには、東京でやった展覧会巡回展も来てくれない。海外アーティストライブだってやらない。国会図書館だってない。

そういう場所暮らしている人って、どうやって趣味を楽しんでいるんだろうか。

大人になると誰しも、尖った趣味の一つや二つはあるだろうに。

辛くならないんだろうか。

まあ、東京だって印象派展が大行列

寂れた世界地方都市だけどね。

なんか、悲しくなってきた。


追記

東京文化なんて単なる流行りモノじゃないか!みたいな意見が多くて、すこし驚いている。

聞いてみたいんだけど。

いい?

地方の人たちのところまで降りてきた"文化"が、最初から"文化"として存在していたと思ってるの?」

まだ評価が定まっていない、新しいモノ・若いモノの中から未来コンテクストとなるような本物を自分の目で見つける。

自分と同世代の人たちのあふれる才能にビビりながらも影響を受けていく。

もしくは海外から異文化との邂逅。

そのスリリングさ。

文化って、そうやって生まれものでしょ?

そんな文化の創出を支えていくのが都市生活醍醐味だし、現場にいないと、感じとれない大切なモノってあるでしょ?

美術美術館だけで見るモノじゃ、ないんです。(巡回展の例えは皆にわかやすく書いただけだよ)

東京"で"生まれ文化を、周回遅れで地方享受する。

そんな受け身体験こそ、消費であって文化ではない。

もしくは、京都奈良のような古都

評価の定まったもの、枯れた文化の上であぐらをかくことの、どこか文化的なの?

まあ京都に4年住んでみて、かつての京都の深みのようなものが、ある程度までは現存していても、あとはもはや観光業界が生み出したファンタジーだって分かったよ。

京都サロン文化だなんて言うけど、東京サロン文化からね。明治維新の頃に、華族は皆東京に移り住んだの知ってるかな。

最後に、ちょっと他の人の記事に反応するようだけど。

田舎の畦道を歩いたら蛙に出会う。

素敵だけど、それは個人的体験であって、文化とは別の価値

文化とは、人の集まるところにしか成立しないもの

あと、蛇足だけどガルシアマルケス短編集読むと過大評価だってわかるよ。

2023-07-21

生成AIは新しいものを作れるのか

18世紀の絵ばっかり学習させて、印象派とかポップアートを作り出せるのかな

できないならサルマネしてるだけじゃん?

2023-07-17

君たちはどう作るか

宮崎駿の最新作『君たちはどう生きるか』を見てきたんで、ある程度ネタバレありで感想書きなぐっておこう。

ネタバレありだからね。

正直、観る前に想像してたより悪くなかった。

テンポも悪くないし、人間関係に緊張感もある。

作画が徹底的に心象風景に寄っているのも、職人芸の趣があった。

火災とか草原の描き方なんて、ゴッホともセザンヌともなんだか判らんけどとにかく印象派的に歪みまくっていて、主人公の高熱に魘された夢のような心が伝わってくる。

田舎の家も、当初は主人公の内心の萎縮ぶりを示すかのように何もかも巨大で、玄関なんてどこの古刹の大伽藍かと見紛う巨大さであり、今に残ってたら家ごと国宝になりそうだ。

もちろん、本物はせいぜい田舎豪農レベルなのだろう。

心象風景として東大寺大仏殿並の巨大建築に見えているだけである

敢えて心象風景とわかるように表現している事で、主人公が実際には父の後妻を嫌っていない事も想像がついた。

なぜならすんごく清潔感のある優し気な美女として描かれているかである。嫌っているなら心象風景でそうはならない。

初対面から一目ぼれレベル主人公は慕っていたのだろう。

でまあ、作品は途中から塔の中パートと、塔の外パートという二輪構成で進んでいくのだが、

まあ、なんだ、ここから批判が多くなる。

まず塔の中パートだが、なんというか、とにかく意味があり過ぎる。

これは褒めてない。

宮崎駿もののけ姫辺りから、やたらと意味のあるものを描こうとするようになってしまってるように思える。

1シーン毎に意味があり、多分本人に質問すれば「このシーンはこういう意味がある」と全部答えてくるだろう。

まり寓話的で哲学的記号的で、イソップ童話とか不思議の国のアリスとか、そういう感じの、「意味の塊」として作品を作ってしまっているのが塔の中パートだ。

ハウルとか千と千尋とかでも顕著だったけど。

これの何が悪いって、妄想が爆発してないのである

ムスカラピュタの雷をぶっぱなしたシーンに意味なんてないだろ。王蟲がペジテのドーム食い破ったのも意味なんてないだろ。

あいう爆発するほど格好いいシーンに意味なんてないのだ。

「どうやお前らこんな凄えの見た事ないだろ。俺も見た事ないから作ってやったぞ。見て驚け。」

という作り手の妄想の大爆発なのだ

妄想を爆発させるためにそこには当然無理がある。歪みがある。そのシーンを効果的に描くために、他のシーンで入念に爆発物を積んでいる。

その無理、その歪みが、ある人には滑り、ある人には刺さるのだ。

本人が見せたいのは爆発の部分だが、関係なく歪んだ部分が受けたりする。それが創作快感である

ところが、この作品含めて後期宮崎はその「見た事ないだろ」をやらない。庵野もだけど。

なぜなら、名前が売れて裁量が大きくなった事で、作りたいものを作れるようになったからだ。作りたいものは作ってしまい、もはや「こんなの見た事ないだろ」が無い。

庵野はその無理のなさを、その歪みの無さを、オタク知識で埋めてシン・ウルトラマンやシン・仮面ライダーを作った。

そこにはTVエヴァのような溜めに溜めた便秘解放のような妄想の爆発は無く、無い物を何とか絞り出した感のある細長いウンコしかない。

一方、宮崎駿はそれを哲学記号で埋めてこの作品の塔の中パートを作ったのだ。これは最早宮崎駿のバランス感覚のみで構成された世界から、やたらとデジャヴがある。

もののけ姫と変わらずに「鎮まりたまえ~鎮まりたまえ~」とやってるし、千と千尋と変わらずに仕事やらされたり禁忌に触れて怒られたりしている。

でてくるのもやたら思わせぶりな妖怪連中である。思わせぶりなだけで、記号であるために特に伏線とかない。どういう存在説明されてフェードアウトする。

エンタメに徹するなら、塔の中はクトゥルーばりの別の星・異星文明でも良かったはずだ。せっかく宇宙から飛来した謎物体的な設定があるんだから、一気にスターウォーズ世界になっても良かったのだ。

そこから進めて、「現代日本主人公の迷い込む異世界として描く」まで手が伸びても良かったはずだ。

ところが、そういうエンタメに走らず、やたら寓話的な見たような話で埋めてしまうのが今の宮崎駿である

ブチ切れるセンス・オブ・ワンダーではなく、賽の河原の石積みみたいなひじょーに心象的なもので埋めてしまうのが今の宮崎駿マイブームである

そういう「意味」だけで構成されたパートからストーリーなんてあって無きがごとしである。断片的な寓話職人芸でつなぎ合わせた取り留めのないタペストリーである

一方、塔の外パートは違う。庵野と同じく、オタク知識で埋めている。

人力車描写一つ、言葉遣い一つ、看板一つ、食事のお膳一つから、「当時はこうだったんだぞ」という聞いてもないのに披露されるオタク知識臭がする。

多分、キャノピー実在ナントカ式とかそういう裏打ちされた設定があるんだろう。田舎がどこの県のどこの地方かも絶対決まってるねありゃ。

っつーことで塔の中パートより終わってる感のある塔の外パートだが、そこで主人公父親が妙な存在感出してるおかげでかなり良くなっている。

というのも、この父親ある意味主人公と後妻という二人の問題元凶と言える一人であり(まあ、亡くなった実母の方がより存在感は大きいが)、更に経営者であり金持ちで何でも自分で決めてしまタイプ

というジブリ作品ちょっと見ないタイプキャラからだ。

こういうタイプは、通常は出て来ても悪役なのだが、この作品ではそれを悪役として描かない。塔の外の部外者として描く。(大叔父と血のつながりもないし)

そんなわけで、このキャラについては宮崎駿の才能の爆発が感じられるのである

経営者であり第一線でもある、という後期宮崎駿が手にした立場意図せずに作り上げた鬱屈爆薬になってこのキャラに込められているのだろう。そのせいで、後半になって妙に生き生きしている。

主人公の心象にだけフォーカスするなら、後半の塔の外パートは要らなかったはずだ。少なくとも、もっと小さくなり、警察とかが来て事務的に進むのがセオリーだったはずだ。

しかし、おそらく宮崎駿はこの父親を描くことに創作快感を感じたのではないかと思う。

なんかもう藤井聡太ばりに全く失着を犯さず最善手を打ち続ける主人公の代わりに、

この父親勝手にやらかすし勝手決断するし部外者でありながらガンガン行くしで、

前半には明らかに狂言回しだったこキャラけが、後半に「キャラ勝手に動いた」を感じさせるのである。作中で唯一、記号を感じさせないのがこの父親である

そんなわけで、ち密に意味を積み上げて作り上げたであろう全体の印象を、後半の父親がぶっ壊して変になっているが、その父親がぶっ壊した所こそが個人的には最も見ごたえがあった、という何とも評しがたい作品である

まあ、悪くなかったよ。

でもね、道徳副読本を作りたいんでもなければ、作品作る時はもっと一点の妄想・一点の美意識に全賭けしましょうや監督

2023-07-14

ネタバレ注意】君たちはどう生きるか観たよ【さようなら宮﨑駿】

かっーーー!!!くそ映画やないかーーーーーーー!!!

金と時間返せーー!!!

世界観・設定【2】/10

ストーリー論理的整合性【2】/10

キャラ論理的感情的整合性【1】/10

キャラ魅力度【1】/4

テンポの良さ【1】/4

魅力的、独創的な演出【2】/4

映像美【3】/4

音楽の良さ【2】/4

合計【14】/50

■良かった点

・火の粉が舞う中、病院へ向かうシーンの演出作画、凄み感じた。写真動画じゃだせない絵だった。印象派を感じた。凄い。

田舎豪農豪商すげー!家がかっこ良すぎるー!

タバコ交渉材料にして、ナイフ研いでもらうシーンなんかいいよな。大人子供が対等な感じがして良い。

・きりこさんが舟を操ってるのかっこよかった。いい作画。魚釣りのシーンも良かった。海の底からアングル格好良い。

・ホワホワがKawaiiかわいいは正義

インコ包丁研いでるシーンなんかマヌケかわいい

■気になった点

父親傲慢さ、剛腕さが鼻につく。姉と結婚死別してすぐ妹と結婚すんのかよ。価値観合わなさ過ぎてゲロ出るわ。

・夏子さんが、眞人の手を引っ張って妊娠してるお腹を触らせたシーン。ちょっと厭らしさを感じたな。自分母親になったんだぞって誇示してるようで。僕はそういうのやられたらヤダな。夏子さん基本良い人なんだけどね。

勝手想像だけど、父親が夏子さんの金を目的結婚してそうで、嫌だなぁって思った。

・眞人、自分で傷をつけて、同級生を貶めようとするの嫌な奴だなぁ。

父親自分の子供のことだけしか考えてなくて、猪突猛進学校に抗議とかモンスターペアレントやんけ。

アオサギの中身、ハゲチビニキビ歯茎キャラデザ悪すぎ。声も嫌い。

カエルが大量に体に張り付いてくるのあれなんなん??まじで不快不快!!なんなの??演出理由を聞きたいわ。不快

・矢羽のなんか意味わかんない必殺技みたいな奴、あれなんなの??意味不明。ダサい

ペリカンをなんであんなに沢山出さなきゃいけねーんだよ。気持ち悪いわ!不快

・きりこさんが出してるシチュー盛るシーンの効果音が泥みたいな音で不快だった。前のシーンが魚の内臓ガッツリ出てくるシーンだったから余計にキツイ

インコキャラデザ何なんだよ。悪すぎる。

・塔が宇宙から降ってきた隕石ってなんなの??現実虚構もっとわかりやす表現しろよ。千と千尋と同じくらいわかりやすくしてくれよ。なんか全然設定が腑に落ちない。

ジャムパンの食べ方汚ねぇー!!音も不快。ジュルジュルじゃねえよ、汚ねぇよ!!

・夏子さんの「おまえなんか嫌いだ」って台詞、あれ要る??物語不要だったよ。無くても成立するのに、ただ不快だっただけ。

・急な夏子お母さん呼び意味わかんない。なんで急にお母さんって認めはじめたん?心境の変化生まれる要素あった?

・塔から落ちそうになってアオサギに助けてもらっても、ありがとうも何もなく塔の中に入っていく眞人。あれでよくアオサギは眞人に対して友達とか言えたよな笑。お前眞人から友達って認識されてねぇよ。

インコ大王ってなんだよ笑ダサすぎ。キャラデザ死んでる。

あんだけ堂々と後ろ付けてきてんだから気づけよ

ジジイはもう引退しろ全然魅力的な世界作れてないよ。インコ大王に切られて良かったね。

・積み木にピース加えるシーン、ダサぁ。あれわざわざ描く必要ある?

・鳥の糞が落ちすぎ、汚い。

・全体的に「なにみせられてんの?」感が強い。

・わけわかんない。意味不明。

唐突

・何が言いたいのか、何を伝えたいのか全然わからん

別にどうでもいいけど気になった点

・なんで夏子さんは塔に入っていったのか?説明ないんかい

・あの門なんだったの?

さようなら宮﨑駿

ありがとう、宮﨑駿。もう新作が出たとしても観ないと思います

昔の作品沢山観ます!!

今までありがとうございました。

2023-06-28

別に「本格ファンタジー」で暴れてもいいとは思うで。

 

歴史上でも、印象派の主流派批判みたいな経緯が、なんどもあったわけだし。

今のネット小説ランキング上位のやつと面白いやつがイコールかというと絶対違うしな。

 

ただ、吐いた唾飲む事だけはしちゃならねぇ。

売れようが売れまいが20年30年とそれを出し続けて、固定ファンを作り出していかないと。

ほんまにそこまで「本格ファンタジー」が好きなんかが問われるで。売れなくても書きたいぐらいの熱量があるのか。

それはお手並み拝見させてもらいたいで

2023-06-14

K-POP身体性,J-POPと非身体

最近LE SSERAFIMにハマってよく聴いている.K-POP苦手な人もUNFORGIVENを聴いてみてほしい.格好いい.

https://www.youtube.com/watch?v=wIBZ7UcQmDU

LE SSERAFIMはヒップホップファンクを取り入れて,ダンスが上手で,という風によく説明される.

BTSなどのK-POPスターと並べて考えてみると,K-POPダンスリズムといった身体性を共通語として世界を席巻しているのだろう.

そもそもK-POPは過剰に身体性を中心に据える傾向がある.一時期のセクシー路線K-POPアイドルを見ればわかる通り,

とにかく劣情的な衣装ダンスアイドルやらせる傾向があり,形式上は清楚で処女性を売りにする日本アイドルとは異なる.

とはいえ別にK-POP上げ,J-POP下げをするつもりはない.

そもそもグローバルチャートを沸かすという意味で,私は一時期PerfumeBABYMETALに期待していた.

結果的になぜかヒットしたBABYMETALはともかく,Perfumeグローバルチャートを狙って海外ツアーを何度も挑戦している.

昨日,YMOの以下の記事を読んで,日本は打ち込みが好きなのだろうと思った.

https://www.cinra.net/article/202306-technobyobu_ymmtscl

これは日本人にはクラシックピアノが向かないとか,ショパン気持ちアジア人にはわからないとかそういう話ではなく,

各国は自分たちが最も輝いていた(豊かであった)時期に流行っていたものに捉われると言われる.

日本人が異常に印象派が好きだったり,中国人がいわゆる現代美術が好きなのもその亜種だと思う.

YMO任天堂を始めとするゲーム文化世界を席巻したSONYの印象,

それらが全て日本の非身体性を持つ音楽へと埋め込まれていったのではないだろうか.

バンドをやっても洋楽の真似事にしか見えない.でも,打ち込み系ならば自分たち文化と繋がっている.

そのように考えた音楽家も多かったのではないかと思う(正しいかどうかは別として)

結果的ボーカロイドという花が咲いたのは事実であるし,テクノポップ身体性を再融合したPerfumeが出てきたのは面白い

Perfume武道館ライブにおけるEdgeが最も良さが出ていると思う.海外進出以降は狙いすぎて外している.ガラパゴスから良いというのがわかっていないのだ.

https://www.youtube.com/watch?v=FP03WWuIbiw

このところYOASOBIのアイドルグローバルチャートでヒットしていて,めでたい,いやアニメ効果だ,アメリカが入ってないなどと騒がしい.

YOASOBIも非身体性の音楽だろう.そして,それがYOASOBIの良さである

身体性の音楽であるK-POPと非身体性の音楽であるJ-POP.どちらもそれでいいんじゃなかろうか.

相対主義に陥っているわけではなく,ある時は刺身を食べたいし,ある時はトンカツを食べたい.

消費者としてはそれでいいと思うし,作り手としては得意なものを伸ばすのが良い.

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