2020-09-07

アイドルファンは全肯定応援スタイルが本当に正しいのか

私はかつて元KAT-TUN田口淳之介ファンだった人間だ。(釈放時に派手に土下座して法廷で公開プロポーズしたあいつだ現在も別の男性アイドル応援しているので、Twitterでいわゆるオタ垢を動かしている。そのオタ垢のTLで今年私をざわつかせた一連の流れがある。

手越祐也ジャニーズ事務所退所と、そこからファンの動きだ。

何がざわつくかって、かつての田口ファン層の変化と共通する点が多いからだ。

先にトピックを列挙しておく。

ファン需要供給の不一致

私生活の切り売り

ファン高齢化固定化

・全肯定ファンけが残った世界

当初たまたま目にしたファン...というより降りたくても降りられない人たちのつぶやきがあまりにも既視感があって、愚痴垢界隈からしばらく目が離せなくなってしまった。自分でもはちゃめちゃに気持ち悪いと思うけれど、自分トラウマと向き合って過去を冷静に振り返りたい自分がそこにいたのだと思う。

はじめに書いておくけれど、これはアイドルファンに対して「こうあるべき」と言いたいのではなく、手越くんをはじめとするアイドルたちに「残ったファンがこういう状況になったら危険」とどこかにメッセージを吐き出したくなったそこらの限界オタクの呻きです。オタクたちに石を投げるつもりは一切ございません。

また、「逮捕されたアイドルと一緒にするな」というご意見もあるかと思いますが、正直逮捕の有無に関わらず、逮捕前の田口の状況はいわゆる下降線をたどっていて、あまり芳しくなかったと思いますメジャーとの契約が切れたりして。(現在リセットされて少し良くなったと思う。この辺りは末尾にて。)知名度も人気の規模も手越くんとは差がありますが、あくまで「アイドルファン関係」が悪化すると活動が衰退する可能性があるぞという個人意見ですのでご了承ください。

ファン需要供給の不一致

田口といえば世間一般的にオラついていたKAT-TUNの中でもマイルド担当で、育ちとスタイルの良さ、ダンスの美しさからクラシカル王子様的ポジションとして愛されていた。(寒いギャグも言う三枚目キャラでもあったけど。)

ジャニーズ時代比較需要をまっとうしていたけれど、退所してソロ活動を始めてからは、本人のリアルな嗜好が垣間見れるようになってきた。

顕著だったのがアーティストロゴ

今でも「田口淳之介 ロゴ」と画像検索すると一部ヒットするが、ゴリゴリのワルなストリート系のロゴなのである(語彙力、、)。

インディーズで発表した1stシングルHERO」のジャケも完全にらしからぬワルでマッチョフォントタイトルが描かれていたし、続いてリリースされたメジャー1stシングルロゴストリートアート風で、本人のファッションもとてもカジュアルものだった。

活動のかなり初期から、熱心だったファンからも「これじゃない」「田口くんに似合う服はもっとこういうの(画像つきTweet)」といった類の意見が頻出していた。

音楽性に関してもちょいちょいジャパレゲテイストを出してきたり、ウェイ度の高いラップチャレンジしたり、イカついテイスト楽曲が目立った。(全てではないが)

はっきり言って、目指している方向が「理想ちょっと違う」というよりファン達が「なんなら苦手」と感じるジャンルだった印象だ。地雷を踏んでいたのだ。

アー写も「強い自分」を打ち出したい意図がわかりやすものを長らく使っていて、「もっと穏やかな空気感写真の方が田口くんの良さが出ていいのに」なんて言うファンの数は決して少なくはなかった。あれだけ言われていたのだからファンレター等で直接進言した人だっていたに違いない。

しかし、そういった意見からの変化は見受けられなかった。

逮捕前の田口は、ファン需要理解していながらも「自分表現したい自分」との大きなギャップに苦しんでいたのではないか

ライブ衣装しかり、写真集の衣装のチョイスしかり、需要に応える場面もそれなりにあった。けれど、本人が持たれたい印象と差があることがあまりにも明確だったので正直見ていて苦しかった)

独立して個人活動していくのだからアイドル自分のやりたい表現をやる権利行使して当然だ。それは美しく言えば信念とも言える。だけど、ファンのツボを押さえていないとファンが減るのは当たり前の結果なのだ

かつてのファンが一番切望しているであろう音楽活動が手薄なまま、YouTubeボランティア脱毛サロンにと活動範囲を広げている手越くんを見て、そんなことを思い出した。

ただここまでは本人がリスク覚悟してどこまで天秤にかけるのか次第の話だからまだいい。ここまでなら未来に期待して残るファンはそこそこいる。

私生活の切り売り

芸能人実名をあげまくった手越くんの自伝とは影響力にだいぶ差があるが、田口もしばしば私生活の切り売りと称されても仕方のない活動があった。

いくつかの媒体で、退所から現在までを振り返るインタビュー結婚をいずれ考えている主旨の発言をしたり、吉本芸人がたくさん集まる関西ローカル番組でも同様のことを語ったりしていた。

長年交際を続けている恋人がいるのはファンなら周知の事実だったし、退所理由を濁された時点で結婚を見据えての退所なのだろうと多くのファンが推察していたせいなのか、ソロ活動の開始当初から田口ファンには恋愛に寛容な人が多かった。

だが、週刊誌から情報が流れてくるのと本人の口から語られるのとではダメージ全く異なるのだ。くだりの関西ローカルから一気にファン離れが進んだ印象が強い。

アイドルだって恋愛自由だ」という考えは正論だし、どちらかといえば私もその主張に近いが、一方で「恋愛して欲しくないというより、アイドルの生々しさに触れたくない」というファン気持ちはわからなくもない。そういうファンが良い悪いというより、アイドルが実生活恋愛の話をすと、一定の耐性がある人でないと応援しづらくなるのが実情なのだ

また、生々しい恋愛を語りファンに耐性を求めることで、”とあるリスク”が生じるのだ。

ファンのと高齢化固定化

そのリスクとは「ファン高齢化」だ。

現在手越くんを純粋応援するファンの方も、どちらかというと高齢の方が目立つ。

田口ジャニーズ時代から元々マダムキラーの傾向があったが、1stアルバムを出したとき池袋サンシャインで行われた特典握手会には本当に若いファンがたくさんいたし、握手して感激して目をはらして会場を後にする人で溢れていた。

それが、いつからか会場には自分の親世代ファン割合がどんどん増えていって(つまり若い子が減った)、スタンディングの密集した現場なんかでは誇張ではなく本当に加齢臭が漂うようになってしまった。

アイドル恋愛に耐性がある人とはどういう人なのか。全員ではないが、自身結婚経験している人ほど、その傾向は高まるように思う。

また、アイドルの親目線で「幸せになって欲しい」と願うファンもこの傾向が強い。(言わずもがな世代の人たちに親目線ファンが多い)

自分結婚しているのに、アイドル恋愛結婚咎めるのは後ろめたい」と思う人、「アイドル恋愛を許容する心の広い自分が好き」と思う人たちが生き残る。

高齢ファンが全て悪いとは言いません。年齢を重ねて穏やかに応援していて、マナーを大切にする素敵なファンの方もたくさんいました。

ですが、高齢ファンのよからぬ特徴も正直あります

SNSが苦手

SNS上で内輪ノリな人が多い

SNSが苦手。これが単に「拡散力が低い」だとか「他界隈を沼に落とすのが下手」といった特徴であれば、単にプラスの影響が少ないだけで、害はありません。

SNS慣れしてない、SNSしてない世代の特徴は、<自分SNS上での振る舞いで他者からどう見られるか>という視点が欠如した行動全般を指すのです。

わかりやすい例でいうと、愚痴つぶやくとき検索けが出来ていなかったり。アイコンプロフィールがダサかったり。使っている絵文字顔文字など表現全般が古かったり。内容を垢分けせずに無駄日常を垂れ流したり。

そのダメな行動の最たる例が内輪ノリ

高齢女性ってなんですぐ「○○ちゃん〜❗️」とか言ってすぐリプライで絡むんでしょうね。あとすぐ「○○同盟」とか「見守り隊」とか言い出したり。

きっと若い世代以上に良くも悪くも<いか標準的であるか>に気を遣う世代からすぐに群れたがるのでしょうか。

アイドルディープオタクになるための2大行動として「ファンクラブに入る」と「SNSで専用垢を作る」だと思うのですが、後者の専用垢を作る前段階で、新規若いファン大手垢を中心に、界隈のファンがどんな発信をするかをチェックします。そして、安心できるコミュニティーだと判断してようやく壁打ち垢からスタートするものです。

SNSが下手なファンばかり増えてしまうと、残念ながら新規ファンはどんどんつきにくくなります

あとこれは田口ファンだけかもしれないけれど、高齢ファン気持ちが昂ってても遠慮してなのかライブ会場であんまり声出さないから、パフォーマンスの素晴らしさの割に現場熱狂が薄くて悲しくなることが多かったな。。。

肯定ファンけが残った世界

よく愚痴垢界隈や降りかけのファン、ひいては批判を投げかけるファンに対して投げかけられる意見として、「嫌なら見なければいい」という言葉があります

特に逮捕直後は当然ながら田口ファン界隈のSNSも荒れに荒れ、結果として擁護からこの言葉が発せられました。

少し前にAKB48柏木由紀ちゃん(この人選で傷つく手越くんファンいたらごめん)も自身Youtubeチャンネルで、「全肯定してとは言わなけれど、アイドル自分理想に変えさせるのは違う。見ていて自然応援したくなる人を応援すべき」という主旨のことを話していた。全肯定まではいかないけれど、比較的近いスタンス発言だと思う。

こうした類の意見は、ファン自身精神を病まずに応援するという観点では大正解だ。

だけどアイドルから見て、本当にこのスタンスは望ましいのだろうか。

アイドルに限らず、認知度がものを言う世界では、無関心こそが最大の脅威だ。愚痴を言われながらフォローを続けられているならまだマシで、チャンネル登録フォローを一度外されてしまったら、そのファンが戻ってくる望みはほぼゼロに等しい。

だいたいアイドルが何をやっても許すならば、そもそもなぜそのアイドル推しているのかという根拠が揺らいでしまう。だんだん応援するのが習慣になってしまったとしても、元はといえば応援したくなる決定的な要素があったかファンになったはずだ。本当に全肯定になってしまったら、それはただの宗教依存自己陶酔だ。

今私が推しているアイドルの界隈は、ことによっては批判も行われ(批判アイドルだけでなく運営に向けられることもある)、少なくともファンの間では正当に議論が交わされることが多い。批判も決して押しつけではなく「次は気をつけられるといいね」「反省できる○○くんは素敵」といった具合に幸いにもポジティブに着地するのをよく見かける。こういう意見が見られる場所応援してこそ、自分推しているアイドルを好きだと日々自信を持って実感しながら応援出来るのではないか

そして現在手越くんの愚痴界隈は、見切る勇気がなかったり、まだ期待しているというだけでなく、ファンが減ってしまう恐ろしさを察知しているからこそ、健気に意見を言い続けているのではないでしょうか。

かつての田口から見ても、彼女たちがいなくなってからが本当に切ない事態を招いてしまう予感がします。Twitterを見た感じ、若いファンが多いし。

少し前に現在応援しているアイドルグループのメンバーの一人が、新しいレギュラー番組を始めるにあたって、「今まで見せたことがない一面を見せるかもしれない」と事前にブログで発信していてとても感心しました。ファンが離れる恐れのある新しい挑戦の際に、先回りしてファンケアしたり、活動の幅を広げるにしても、ファン理解できるような筋を通すことでいか安心感が得られるか、と実感した体験でした。手越くんもよかったら参考にしてみてください。

最後にこのブログで散々貶めてしまった元自担田口淳之介さんに関して補足。

私は逮捕が原因でファンをやめたというより、逮捕後、ファンクラブの会員だけが見られるブログでは「法廷で語ったことが全て」と言っていたくせに、そのブログの後で家族との仲が原因で小嶺家に助けられて絆を深めた、などなど余計なことをベラベラと週刊誌に語ったのに呆れ果てて応援する気をなくしてしまいました。

ですが、私がファンをやめる前より、現在の方が状況が良いように思います

逮捕されたことで以前よりプライドがなくなったのか、自身オリジナル曲だけでなく「踊ってみた」に積極的に挑戦して動画投稿したり、逮捕からラジオ番組を通じて交流があったボカロ界隈の方と楽曲を作ることで、クリエイターを押し上げつつハイペースに作品を出すことに成功しています

正直、逮捕された後にここまでアクティブ活動してくれると思っていませんでした。

ボカロ曲が私の音楽的嗜好に合わないので、応援はしていませんが、SNSフォローは続けています

たくさん傷つけられましたが、今でも幸せになって欲しいという気持ちには変わりはありません。

何より、「歌って踊ることが好き」であるということにしっかり軸を置いて活動しているのが見て取れるのが嬉しいし、どうかこのまま続けて欲しい。田口氏に関しては、いつの日かまたファンに戻る日がくるかもしれません。

勝手比較して勝手に書き散らしましたが、どうか手越くんのファンやかつて手越くんファンだった人たちが幸せに心穏やかに暮らせますように。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん