2024-11-23

自分史上最低のラブコメ漫画家ジャンプに帰還

このタイトルを見てどの漫画家を思い浮かべるかは人それぞれかと思いますが、

私史上最低のラブコメ漫画家は「ぼくたちは勉強ができない」の筒井大志先生です。

筒井先生は今週のジャンプで「シドクラフトの最終推理」という作品で連載を開始しました。

相変わらず魅力的な絵です。話も評判がよくきっと長期連載になるのでしょう。

ただ私にとっては今もぼくたちは勉強ができない先生なのでこれを書きました。

これは個人的な恨みですがこの作者の漫画を読んだから抱く恨みです。

作者の元ファンの一人として綴ります

なぜ最低なのか

話がつまらいから最低というわけではありません。

筒井先生ぼくたちは勉強ができないという漫画を描いていました。

週刊少年ジャンプで5人のヒロインそれぞれのマルチエンドを実装したということで一時期話題になりましたので、もしかしたらご存知の方もいるかもしれません。

この評判は必ずしもいいものばかりではありませんでした。ですがそれは最低な理由ではありません。

ジャンプには星の数ほど打ち切られた作品がありますから、話の面白さでいえばそれらよりは上でしょう。

筒井先生が最低なのはキャラクターサプライズのための前座道化扱いして、ファン地獄に叩き落としたから。これに尽きます

具体的にはサプライズ演出するためにそのキャラを掘り下げた長編話を書かなかったことと、作品の終わりかのように演出したうえでラストを次のヒロインへの踏み台したことを指します。

前座扱いされたのは武元うるかというキャラです。

彼女は昔から主人公のことが好きな元気系の幼馴染系のキャラで、いわゆる負けヒロインと呼ばれるタイプキャラでした。

ぼく勉には彼女を含めて5人のヒロインがいますうるか以外のヒロイン過去トラウマ主人公の力を借りて乗り越えるというそれぞれの掘り下げをした長編がありましたが、うるかにはそれがありませんでした。

長編がないまま連載が続いていき、話は佳境を迎えて主人公視点の話が多くなり、主人公の掘り下げが進みました。それからラストに向けて色々あって主人公うるか告白しました。したがってここに至っても彼女長編はありませんでした。

これ自体はこれで作品自体が終わるのであれば、今までとは主人公ヒロイン立場が逆転するというある種王道な展開になりますので、そういった構造でしたらありかと思います

しか現実にはこのように話は続くことになりました。

https://i.imgur.com/j9weYzw.jpeg

https://i.imgur.com/i4udZqB.png

集英社 週刊少年ジャンプ 2020年15号 ぼくたちは勉強ができない問150 作者:筒井大志 より)

上記うるかルートとされている話の最終ページとその後のパラレルストーリーの告知です。

「君の笑顔のその先に――」とあるように、ここでは最終ページであるにも関わらず、うるかではなくうるか以外のヒロイン存在に焦点を当てています。(ぼく勉において花火(背景の白い光)はルート分岐の起点であるため)

うるかルートの終わりにあえて他のヒロイン存在に焦点を当てているわけですから、他のヒロイン前座扱いにするための演出という以外に解釈余地はないでしょう。

武元うるかというキャラクターの恋が実った瞬間、それを取り上げ台無しにする。

この瞬間の気持ちを例える言葉を私は持ちません。きっと私だけではないでしょう。

上記のような扱いによって私の好きなキャラクター前座道化扱いにされました。

このような扱いとなった理由は話の良し悪しではなく、作者の哲学問題です。

話の良し悪し、すなわち実力不足は出来るか出来ないか問題です。出来ないことは仕方がありません。

誰もが面白い話を作ろうと思って結果的につまらなくなってしまうだけですから、それ自体を責めることはできません。(ぼく勉の話の出来が悪いという話ではなく一般論です。)

ですが扱いを変えるのはやるかやらないか問題です。キャラクター間で扱いを変えるのは意図してやらなければそうなりません。ファンを踏みにじり地獄に叩き落すこと。それを意図してやったのです。

例えば作中のキャラクター言動を以って作者の人格否定するのは誤りです。それは作者の思想を反映したものとは限りません。

ですが作品内容以外でのキャラクターの扱いは作者本人の判断によるものです。それは作者が決断したものであり、筒井先生哲学を反映したものです。

哲学問題であるからこそそれが変わることはありません。作者にとって改善すべきものではないからです。

また同じことを繰り返し、また同じように一人のキャラ犠牲にされるでしょう。

作者にとってはそれが正しく、また書きたいことなのですから

もっとも、キャラクターに損をさせることやファンを踏みにじり地獄に叩き落すこと。おそらくそ自体がやりたいことではないのだろうと私は信じています

単に筒井先生は多くの人を幸せにしようと思ってそうしているだけなのです。

想像力がなく無神経なのでその行為でそのキャラクター好きな人間がどう思うかわかっていないというわけでもないでしょう。一般的感覚がわからない人間が人気漫画を書けるはずがありません。

自分の行動がどういう感情を与えるのか理解した上で、そのファンを切り捨ててでも自分の我を通しているのです。これが一番多くの読者を幸せにできると信じているのです。

武元うるかというキャラクターと、それによって踏みにじられるファン気持ち犠牲にして、より多くの読者を幸せにしているのです。

うるかが報われることで気落ちしたより多くの読者をサプライズの発表で盛り上げるために、あえてひた隠しにしていたのです。それでうるかが好きな読者が傷つくことも、どれほど深く傷つけるのかということも知りながら。

実際、筒井先生は連載終了後に送られた、筒井先生へのお疲れ様リプライ原則全て返信していました。「ぼく勉は物語ではなく設定集だ」という、筒井先生リプライしたわけでもない一読者の批判的な呟きにもわざわざエゴサして「勉強になります!」とクソリプしていました。

しかしながらお疲れ様という言葉と合わせて武元うるかの扱いが悲しいという趣旨のことが含まれたいくつものリプライには一切の反応を示しませんでした。切り捨てた後ですから丁寧に扱う必要はないと思っていることの証左でしょう。

現に筒井先生批判的な感想を呟いたアカウントミュートしています

連載終了以前にうるかの扱いへ不満をこぼしていた方がいました。当然筒井先生リプライしたわけではなく、単に呟いていただけです。

その方は連載が終わったときにはお疲れ様という趣旨のことだけを筒井先生リプライしてましたが、それへの返信もいいねもありませんでした。不満を呟いていたときとはアイコンID名前も変わっていましたから、ミュートしていなければ返信していたはずです。

筒井先生はご自身の取り組みについて色々な意見があるとおっしゃっていましたが、色々な意見があることは知っていても批判的な意見を見る気はないのでしょう。

こうした扱いに耐えかねて、実際にX上でアカウントを消してしまった方も多くいました。

ぼく勉の感想を熱心に呟いていた方、うるかの可愛らしい絵を描いていた方、うるかへの大きな愛を語っていた方。色々な方がいましたが、筒井先生の行いによって嘆き悲しみ、アカウントを消してしまいました。

もちろんアカウントは消さずに悲しみと怒りを吐き出した方もいます。そしてこうした行動に移した方々よりも黙って傷ついた方々のほうがずっと多いのは言うまでもありません。

サプライズのために平気でファン地獄に叩き落す。今まで支えてきたファンを平気で切り捨てる。

人の気持ちを大切に扱うべき恋愛漫画で人の気持ちを雑に扱う。それでいて描くべきことを描いたのだと胸を張る。

から筒井先生は最低のラブコメ漫画家なのです。

おまけ

上記のとおり武元うるかという女の子筒井先生によって犠牲にされました。

犠牲にした後、使い終わった後の扱いは更に象徴的です。

作者本人がヒロイン5人は平等だ。並列だと言っているにも関わらず、その扱いには露骨格差があります

些末な話ではありますが例としてあげていきます

ジャンプではセンターカラーとき扉絵が書かれます。各ヒロイン単独扉絵うるか以外のヒロインは2回以上、少なくとも1回はありました。うるかは1回もありません。

単行本の表紙も同様です。次のURLを見ていただけるとわかりますが、うるかを除いた各ヒロイン単独の表紙は2回ありますうるかは1回もありません。(褐色の子が武元うるかです)

https://www.shueisha.co.jp/books/search/search.html?seriesid=37225

18巻以降はモチーフイラストと称して各ヒロインモチーフとなったおとぎ話アレンジした表紙にしています。素敵なイラストですね。

うるかの分は作者個人のXと作者個人YouTubeチャンネルで公開されました。ジャンプでの連載が終了してから2ヶ月、パラレルが発表されてからは1年経ってからのことです。

ジャンプの本誌や増刊にはそのイラストどころかその情報すら載ったことはありません。ジャンプ公式Xでもぼく勉の公式XでもRPなどで宣伝されることはありませんでした。ぼく勉の単行本にすらその情報はありません。

このイラストを見ることができたのはあれほどの仕打ちを受けた後でも1年近く根気強くぼく勉の情報を追っていたファン、もしくは作者のXをフォローしていたファンに限られます

ジャンプ単行本を読んでいただけでは絶対に辿り着けません。

言葉なく離れていった、おそらく一番見たいであろうファンに届くことはありません。

連載終了後にぼく勉を読み始めた読者にも当然届くことはありません。

後世に残るのは、好きになったキャラクターは一人だけ表紙が貰えなかったという事実だけです。

なおぼく勉の公式Xではうるか以外のキャラYouTube動画やグッズの情報RP宣伝されていました。

うるかのそのイラストの後に描いた、ヒロインの一人の両親というサブキャライラストすらRPされていますが、うるかイラストはされていませんでした。

あえてうるかだけやらないのはもう切り捨てているかファンは残っていないとわかっているからですね。エコロジー。一秒で出来るところまで公式が徹底するんだからこれはいっそ感心しました。

Youtubeチャンネルで作者のお絵かき動画がアップされた回数も、うるか以外のキャラは3回以上アップされていますうるかはそれ未満です。扉絵がなかったり表紙がなかったりする分増やすこともなく、むしろ他のキャラより少ないのです。

他にもぼく勉アニメ版権絵を描いていた人が連載終了後にskebでぼく勉キャラの絵を描いていました。うるかを含めて何人かのキャラを描いていました。

筒井先生うるかイラストには反応しませんでした。他のほとんどのイラストにはRPをしたり引用RPをしてコメントを付けたりしているのに、うるかイラストにはRPどころかいいねすらせずスルーしました。(これは他人いいねが見えていた頃の話です。)

もっと前にフィギュアが出たとき真冬のものRP画像ツイートしたのにうるかフィギュアRPツイートしませんでした。一貫してますね。

他にもぼく勉では各ヒロインそれぞれのルートのボイスドラマが作られて単行本の特典になっていましたが、これもやはりうるかルートのボイスドラマだけ作られませんでした。そしてうるかだけないことについて、筒井先生が気にされている様子も今に至るまでありませんでした。

単行本の描き下ろしでも同じように格差があります。他のヒロイン単行本では最終話の後にその後の様子の描き下ろしがありますうるかにはなく、代わりにパラレルルート開始の告知が掲載されていました。うるかより後のルート単行本が発売されてそれを知ることになったときは、まるで煽りのようにも感じられました。

筒井先生のこのような反応を受けて、私自身以前に読み切りとき感想を書きました。私以外にも替え歌を作った人もいましたし、別に感想を書いていた人もいました。これらは言い過ぎや被害妄想などと言われて一部から非難されていました。

キャラに対する作者のこういった扱いの差を見たときに、嫌われているという感想を持つことは言いすぎでしょうか? 被害妄想でしょうか?

筒井先生の内心はいずれにせよ、言われて当然だろうと私は思います。人の内心はわからいから、その行動から推測するしかないのですから

あなたの好きになったキャラはこのような扱いを受けるのです。

(これは筒井先生うるかを嫌いなわけではないという意見否定するものではありません。ただ作者の行動を見たときに、嫌いなんだなと思うことを否定することは困難でしょう。嫌いじゃないと思うにしろ嫌いだと思うにしろ、作者の内心はわからないという点で等価ですから

なお筒井先生はどのキャラも大切だとおっしゃっていたという指摘がありそうですが、

最終話サプライズのための犠牲にされたのはうるかだけです。単独の表紙がないのはうるかだけです。ボイスドラマがないのも単行本での最終話後の描き下ろしがないのもうるかだけです。

まりサプライズ犠牲にしていいと思う程度に大切で、センターカラー単行本の表紙も描かなくてもいいと思う程度に大切で、一人だけボイスドラマも描き下ろしもなくても何ら問題はないと思う程度に大切なのでしょう。

これほど大切という言葉空虚に響くのを私は知りません。

最後

筒井先生は絵が上手です。可愛く魅力的なキャラばかりですから、読んだ人であれば全員か、そうでなくとも一人は好きなキャラができるでしょう。

ですが熱中することはやめましょう。報われることはありません。

キャラを愛することはやめましょう。作者はキャラを愛しません。

あなたの好きになったキャラクターは作者の自己満足犠牲になり、一人だけ冷遇されてしまうのです。

その深い怒りと悲しみは、あなたを酷く傷つけます。時間が経ってもふとしたときに思い出してはあなたを苛みます。決して癒えることはありません。

なぜ彼女だけボイスドラマが与えられなかったのか。

なぜ彼女だけ単行本の表紙が与えられなかったのか。

なぜ彼女サプライズ犠牲にされなければならなかったのか。

いかけても帰ってくる答えはありません。作者は何も語りません。

自問自答も苦しみも。絶えることなく際限もなく続きます

筒井先生の新連載は今週発売のジャンプからまりました。

面白漫画だな、可愛いキャラクターだなと思った方。

あなたの好きになったキャラクターがこのような扱いを受けるということを意識して読んでください。

たとえ同じ扱いでなくとも似たような扱いは必ず受けます

作者の哲学ではそれが正しく、また描きたいことなのですから

前作で犠牲にされたキャラクターが好きだった、作者の元ファンの一人から

どうか心のどこかに留め置いてください。

最後にまとめます

事実として起きたことを挙げると、

うるか人生の夢が叶った瞬間をサプライズの発表という形で台無しにする。

・一人だけ長編を書かない。

・一人だけ単独センターカラー単行本の表紙も書かない。

・一人だけボイスドラマを作らず、またそのことについて説明どころか申し訳無さそうな素振りもない。

・一人だけお絵かき動画がアップされた回数が少ない。

・他のヒロイン単行本最終話後にその後の話が書き下ろされているがうるかにはなく、代わりにパラレルルートの告知が掲載されている。

後はキャラ説明でのうるか留学先の誤字(正しくはオーストラリアだがアメリカにしていた)やパラレルルート解説パラレルルートの連載中毎回ジャンプに載っていたコラム)でうるかの顔の上にタスク処理かのように「完了」と書いたこと(うるかの次のキャラの話が終わった後には「完了」ではなく、「Happy end」と書き直した)などいくつかありますが、筒井先生裁量が大幅に及ぶ範囲内であればこのくらいになるでしょうか。

筒井先生の新連載も自分の好きなキャラクターがこういった扱いをされることに耐えられる人が読むことをおすすめします。

逆に次はどの子花火キャンセルされるのかという楽しみかたをするならいいかもしれないですね。

私はするつもりはありません。

  • 熱いお前の気持ち確かに受け取ったぜ!また増田に来て漫画について教えてくれよな!それじゃあ、また来週! 次回 「届けこの思い!」

  • でもうるか一番可愛いやん

  • ぼく勉アンチ増田久しぶり 2020-07-24 作者に嫌われているキャラクターを好きになってつらい anond:20200724234926 2021-03-08 【追記】作者に嫌われているキャラを好きになったら特典...

    • 3年以上、1人のキャラに執着できるのってすげーわ

      • ネットのオタクたちは「俺の嫁」を半年や一年で乗り換えながら生きてるのにな ハッタショ特有の固執なんやろな

        • 悔しかったらお前も乗り換えろよ

        • 男オタクの界隈では「長門は俺の嫁!」みたいな事言って痛車作ったりするような俺嫁的ムーブする人はほぼ00年代末には絶滅してて、どっちかというとその精神性は女オタクが10年代半...

  • こんなに熱心に読んでもらって漫画家冥利に尽きるね

    • 冥利には尽きるけど、ハッタショに固執されてもカネにはならんのや カネを稼げないのに「いやぁ作品が愛されて幸せだなぁ」とか言いながら生きるとか逆にみじめで辛いだろ 評価され...

      • その点ガチャゲームの世界は理想的な集金スキームだよな ゲーム自体がよく作られてればの話だけど

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