2024-11-23

企業中心社会を超えて』

この本、日本社会における最初出版1993年らしいけれど、正直今まで知らなかった事を後悔した。

はっきり言って2024年の今現在にも問題なく通じるし、日本社会社会主義であった事など一度もなく、会社主義社会であったとの印象を強くする。

企業中心社会を超えて

現代日本を〈ジェンダー〉で読む

企業中心社会を超えて

大沢 真理 著

https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b521338.html

ノーベル経済学賞を獲った、男女の経済格差に関する研究があったけれど、少なくとも日本固有の問題に関してはこの本の方がずっと的確だと思う。

年齢に伴い広がる男女の賃金格差について結婚出産に伴うM字カーブというお約束「ではなく」、知的熟練という概念査定という制度に基づいて説明している点が説得力高い。

企業は男が重要仕事をしているか賃金を上げるのではなく、男の賃金を上げたいか重要(とされる)仕事をさせるんだ。

でなければ看護師のように人の生命身体に関わる重要業務賃金が低い説明が付かない。

それとパートタイム労働についても実質的には週5日で正社員と変わらない時間労働していながら低い待遇に抑えられる、まさに身分制度である事を鋭く指摘しており

配偶者女性問題矮小化していない。

フェミニズム的に非常に読む価値がある本だと思ったし、もっと広まってほしい。

  • あの本、ちゃんとしたモデルの構築がない(社会学系は概ねそうだが)ので、どこまで行っても結局は私はこう思うの範疇を出ないんだよね。 それがあったら外的なデータを使った検証...

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