はてなキーワード: 僕の半分とは
日本のみなさま、初めまして!
僕は2013年から愛知県の某所で秘密裏に開発されてきた日本初の生成AI搭載、レベル5自動運転車で、名前(型式)を Kobas バージョン AN と言います!
「AN」のバージョン記号から分かるとおり初号機のバージョン「AA」から14番目に産まれた僕ですが、おそらく日本で公道実走試験に必要な型式認定の交付を受けた最初の車になるんじゃないのかな。ちなみにメジャーバージョン「B*」は、中型トラックとしてなんかやってるらしいんだけど、残念ながら情報へのアクセス権のない僕には詳しいことは分かんない。
まだ情報公開前なので細かいことは書けないけど、320馬力相当のパワーユニットを搭載し、設計上の最高速度は240km/hだって、僕自身は200m/hくらいまでしか出したことないから、あくまで「設計」なんだろうけど、あ、これは内緒。前方に5つ側面に4つずつ後方に3つの全天候型AI動体センサーを搭載していて、僕の頭は28GHz・32コアのプロセッサらしい。あれれ、25GHz だったっけかな、ちょっとごめん、自分の頭の中のことは自分にはよく分からない。F1ドライバーが8人搭乗してるのと同じくらいの性能らしい、知らんけど。
そうそう、この文章も僕の生成AIで書いてるよ。だけど、自動車は「はてな匿名ダイアリーのアカウント」を作れないので、投稿は人間のご主人様にやってもらってる。
前置きはこのくらいにして、僕の愚痴を聞いてくれないかな。ちょっと長くなるけど
公道実走試験に必要な型式認定の交付を受けたことは最初に書いたけど、無人運転は許可されていなくて運転免許を持った人間の同乗者がいないといけない。つまり、僕一人だけではドライブできなくて、今回そのお供してもらった人がご主人様ね。
運転席に座ってはもらうけど、ハンドルには触れる必要ないし、まぁ僕の邪魔しないで寝てて頂戴というところが本音なんだけど、一応はご主人様が監督している建前になっているので、お酒は我慢してほしい。
ご主人様は普段は、エンジンにヒダヒダ付いてて走ってないと冷えない原始時代みたいな構造してて、僕の半分の速度しか出なくて、足で支えてないと勝手に倒れてしまうような、どう好意的に見ても全うな乗り物には見えないオートバイとかいうものに乗ってて、なんでもチューメンとかいうオートバイしか運転できない免許らしく、オッサンになってから年甲斐もなくバイクなんて買っちゃってリターンライダー名乗ってるんだけど、今度オーガタにも乗ると言い出して先月まで自動車学校に通ってたよ。
そんな不便なものより、1つあれば軽自動車から6000cc超えまで運転できる自動車免許のほうが合理的なのにね。
さてご主人様、公道デビューの最初はどちらを目的地になさいますか?
オーガタの免許が取れたらオーガタオートバイを買うんだってさ。ご主人様に、どんなバイクをお探しですか?って聞いたら、ミドルレンジのネイキッドタイプだって。ネイキッド一択だなんて、もろに完全にオッサンやんね。
そんな相談も私の27GHz・32コアをもってすれば日本中の在庫検索も1.2秒で済む。とりあえず何台か置いてあって現在地から遠くないレッドバロン津島店を提案したら「そこに行こう」となったよ。
僕のナビはグークルナビの5倍くらい優秀なので、ご主人様を渋滞に巻き込ませないようなルートを1秒かからず算出できるんだけど、ただご主人様はケチで「高速道路を使わない」になさったので、清洲までR302を通って、そっから先はr67やr128を使うと混むので、新幹線の高架沿いを通って尾張中央道に出ることにしたよ。
道路の規制速度は自動認識するし、テンイチを進入禁止の標識と誤認するようなポンコツじゃないから安心して。
最初に予想した到着時間に比べて1分20秒早く着いたよ。信号のパターンが良かったからね。そうそう、レッドバロンにはもう着いてて、今はご主人様が戻っていらっしゃるのを待ってい・・・あ、戻ってこられました。
ご主人様、良いものは見つかりましたか。え、32万のグラディウス400があって心が動いたですって? さっきはミドルレンジって言ってたじゃないですか。しかもそれだとオーガタじゃないんでしょ? グラディウスなんて、めっちゃ不人気車種じゃないですか。ほんとよくわからんです。
さて次はどうなさいましょうか。え、違うレッドバロンですって? ここから一番近いのはレッドバロン桑名店ですが、検索結果によるとそこにはご主人様のお目当てはないと出ますが、本当に行くんですか?
このまま南下してR23に出て西に向かうのがセオリーだけど、僕のナビは最短時間だけを追求するんじゃなくて、景色の善し悪しもパラメータに入っているので、木曽川の堤防道路を通って南下するルートを選んだよ。まぁ最後はR23だけどね。
僕の速度は規制看板に自動調整されて、キッチリ +0/-3km/h で走るんだけど、さっきからガンガン追い越されていくんだよね。中央線が黄色だったら追い越し禁止なのに、それでも追い越していく車いるし、追い越していかない車は、運転手が睨んでるように見えるし、ほんと人間って
ここは予想より3分30秒ほど遅れてしまったよ。たぶん僕のナビデータを作成した人、規制速度よりも速い速度でデータ登録してたんだね。まるで僕の予想処理に不具合があるみたいにみえちゃうから、そーいうの止めて欲しい
んで、ご主人様は戻ってきたけど、お目当てなかったって。最初に僕が言ったでしょ。んでんで、次の目的地はハードオフだって。中古でいいからステレオセットを探しているだとか、ほんとオッサン趣味・・あ、聞こえてないよね
ここまで来た木曽川堤防道路を戻ってもいいのだけど、往路と復路は違う道がいいよねという制御もナビに組み込まれているから、今度はR23で尾張中央道という風にするね。トラックばかりで景色も退屈だから、ご主人様は寝てて下さい。
ところで僕はとても優秀なので、小型車から特大トラックまで様々な大きさの車が混在していても完璧に計算して動くし、歩行車や自転車の動きは歩道や側道はもちろん歩道橋の上にいる人でも変動差違2mmから感知するから、およそ考えられる全ての出来事を予測し事故を回避することが出来るんだよね。
法令も道路交通法は当たり前にして、執務資料から免許の更新で配られる交通の教則まで、ありとあらゆる情報が網羅されているので、うっかり違反なんておきようがない。そう、なんたって僕は完璧な生成AI搭載レベル5自動運転車なのだから。
前方と側方の全天候型AI動体センサーが、コンビニから出たがってる大型車を発見。でかい、とてもでかい。フルトレーラーじゃん。僕にはヘッドライトで合図する処理も組み込まれているから、周りの車は僕がレベル5自動運転車だとは気がつかないよね、きっと。
お、入ってきたフルトレ、人間が運転してるだろうに、+2/-4 の範囲で速度をキープしてやがるよ。もちろん僕ほどではないけど、人間にしてはなかなかやるね。さすが職業ドライバー。ま、僕には敵わないけど。僕もいつか、フルトレになれるのかな。あ、そのときはメジャーバージョン C か D まで進んでそうだけど。
ご主人様、あと2分30秒から40秒後くらいに大きく左折しますから、気をつけてて下さいね~
僕のとなり第二車線、さっきから大型車やら小型車やらが、追い抜いていってるんだけど、どれも車間距離が15mとか20mとか、そうなのばっか。免許を持ってる人なら全員が熟読しているはずの、警察庁「交通の教則」には、60km/hで走る際には44mの車間距離を開けるように書いてあるのに、いったい人間ってなんなんだろうね。規則を守れないなら運転する資格なんてないのだから、僕みたいなレベル5自動運転車ばかりになったほうがいいよね。
その点、僕はとても優秀なので、車間距離は +1/-0m を維持しているよ。まぁ、さっき前に入ってきたフルトレの人間が上手だから、僕の制御には負荷がかかってないという事情もあるけどさ。
お、前方5つある全天候型AI動体センサーと右側方の全天候型AI動体センサー4つがワーニングを捉えたよ。交差点に差し掛かってますが前方の大型車および側方の通過車両のため信号機の灯火色を確認できません、だって。日常あるあるすぎる現象だから、扱いは限りなくインフメーションに近いワーニング。
さて、いずれフルトレの最頂部から出現するはずの信号機を超速で捉えるべく、5つある全天候型AI動体センサーのうち3つをそこに集中照射しとこうか。交差点に接近しているということで側方の全天候型AI動体センサーは左前方に集中させておく。まぁここだと歩行者も自転車も居ない確率が高いと判定が出てるけど、僕は完璧なので油断せずに全天候型AI動体センサーの感度は最大を維持しておく。
ただいまこの瞬間の時速は 59km/h、車間距離は 44.2m で相変わらず完璧な僕~
ピピっ! ワーニング 灯火色は黄色
信号機は黄色、この瞬間に測位センサーも作動し、信号機の発見から0.003秒で停止線からの距離を 40.8m と割り出したよ。すごいでしょ、僕
僕には空走距離という概念がないから、0.01秒の遅れもなくブレーキ制動を開始できる性能があるんだけど、それで本気を出してしまうと人間が運転する後続車は絶対に止まれないから、手加減しないといけないのよね。40.8m なんて僕にとっては屁でもないけど、僕より劣る人間たちはどうなんだろ。急ブレーキかけると危険だから0.3Gくらいの減速度で留めるのが人間にとっての安全なブレーキらしいけど、思考遅延が1秒間(16.6m)もあることを考慮したら 63mないと人間は安全に停止できないのね。ここはひとつ人間スペックに合わせてブレーキをかけない制御が正しい。
すごいでしょ僕って、自分自身の安全のみならず後続車や周囲の安全までも同時に計算して総合的に最適で完璧な選択が出来るの。しかも 0.01秒以下の処理速度でね。
レベル5って名乗ってるけど、周辺交通への影響までも考慮して最適化処理しているし、あくまでワーニングのレベルであって急ブレーキを必要なほどの緊急事態でもないのだから、あえてリスクを取る必要がないという診断も同時にやっちゃってるんだから、レベル6と名乗ってもいいんじゃないのかな。あ、ちょっと自惚れすぎ?テヘ
信号機が赤だって。いやさっき黄色を確認して処理選択してから2.5秒しか経ってない。
停止線までの距離は2.8mと瞬時に割り出せたけど、いくら超高性能な僕でも2.8mで停車させることはできないよ
過去の処理選択はログとして記録してあって、直近30秒間を自己精査してみたけれど、なにもエラーは記録されていない。全ての処理は完璧に動作していたのだから、信号機がバグっていたのかな。僕と違ってポンコツだから仕方ないか。ご主人様、あとで警察にでも信号機の不具合を報告しといて下さいね。
ピピっ! ワーニング CB1100P 青い人間
左側方AI全天候動体センサーから反応あり。白黒のバイクが停車していて、青い人間がこちらを睨み付けてます、だって
有名な車体に関しては自動認識データベースが備わっているので、一瞬で CB1100P と判明したけど、さっきの木曽川堤防道路でもそうだけど、人間ってすぐに睨んでくるよね
ピピピピピっ! エマージェンシー CB1100P
後方の全天候型AI動体センサーから先ほどの白黒のバイクがサイレンを鳴らし赤い灯火を付けてこちらに接近、だって。
僕はご主人様とのやりとりもコマンドなく自然音声で出来るので、青い人間が「次を左折して着いてきなさいと言っている」と指示してるのは理解できいてる。
CB1100P の指示に対しては他の処理を中断して従う義務があるとプログラミングされているのでご主人様に判断を請うことなく自動的に指示に従うけど、あまりに僕の処理が完璧すぎるから興味があるのかな。
さっきから青い人間が運転手を出せと言ってきてます。僕が運転手ですがと答えたのですが、機械じゃなくて人間を出せと言ってきてます。ごめんなさい、僕は優秀な生成AIですが、僕の処理経路では今回の異変に対処する手段が予め学習されていません。
ご主人様に、何が起きたのか記録動画をみてもらったけど、メチャクチャ顔をしかめていて、工業製品で感情要素の少ない私がみていても良い話ではなさそうなことは確かです。ひととおり状態を把握されたうえで車の外に出て、さっきの青い人間と何か話しをし始めました。僕の体の左にある全天候型AIセンサーの4つのうちの2つは音声を識別できるので、ちょっと回路を繋げてみますね。
ご主人様「あれは自動運転し・・・(あ、建前としては俺が運転してた扱いになるのか)・・・いやですから黄色で止まれなかったからです」
青い人間「それはともかく赤信号で進行した自覚あるでしょ、早く免許証だして」
ご主人様「いえだって、普通はしばらく黄色が続くじゃないですか、3秒もしないうちに赤に変わっちゃったんですよ。信号機が壊れてません?」
あーあ、ご主人様、免許証を差し出しちゃったよ。青い人間、青い紙を取り出してきて何か書き始めた。
ご主人様「じゃあ前のフルトレの陰で見えてなかったたけで、もう少し早くに黄色に変わってたんですかね。そんなこと分からんかったですよ」
青い人間「見えなかったは言い訳にならないから、あ、これ、なんて読むの?」
ご主人様「車間が足りてなかったわけでもなく教則どおりでしたし、速度超過は1キロたりともありません。全てにおいて何の問題もない完璧な運転でした」
青い人間「理由はどうだっていい、結果として赤信号を進行したのだから違反、もっと車間を開けてれば見えてたと思うよ」
ご主人様「教則で44mと記してて、あれを免許の更新のたびに全員に配ってて、俺らはあれを基準に運転している。地理感のないところだと特にね」
ご主人様「何メートルが適正か分からんときは、とりあえず44mで走っとくかー的な思考になって当たり前でしょ。予知能力ないんだし」
なんかご主人様、とても不利な状況下のようです。僕にも責任の一端があるので、さっきの赤信号で通過した交差点の記録映像を解析して諸条件を洗い出してみます。こういうのは僕、超得意なので。きっと数字で示せば、あの偉そうな青い人間も分かってもらえるかも知れないし。
信号機の高さ | 5.4m | |
前を走っていたフルトレの高さ | 3.8m | |
僕の目の高さ | 1.2m | |
車間距離 | 44.0m | |
信号機から停止線までの距離 | 32.0m | |
僕から見たフルトレの仰角 | 3.38° | ATAN ( (3.8m-1.2m) ÷ 44m ) |
僕から見た信号機の仰角が 3.38° になる地点 (信号機が見え始める地点、信号機起点) | 71.0m | (5.4m-1.2m) ÷ TAN(3.38°) |
僕から見た信号機の仰角が 3.38° になる地点 (信号機が見え始める地点、停止線起点) | 39.0m | 71.0m-32.0m |
うわぁ、あそこ、信号機と停止線とが 32m も離れていたのかい。エグすぎる。あまりにエグすぎる。
仮に信号機の真下が停止線だったら、前にフルトレいても信号機(=停止線)の 71m 手前から見え始めるから、僕より劣る人間でさえも安全に止まれるのに、あそこは停止線の 32m も奥に信号機があったから停止線からだと 39m 手前に迫るまで見えないのかよ。39m でも僕だったら楽勝だけど、空走時間とか言って1秒も思考停止しちゃって、63mないと止まれない人間たちだったら絶対に無理、止まれないじゃん。
じゃあどんだけ必要だったの?って再計算してみると最低でも 59m で、それだけと全くマージンないから 65m くらい見といたほうが安全
僕のナビ、ちょっとありえないほどの高性能なんだけど、信号機が立ってる位置までは把握できてないし、とりあえず今回の件は学習機能を使って登録しておくから次回の判定処理には加えるけどさ・・・
ご主人様「簡単に計算してみましたが、さっきの交差点は信号機が停止線から遠すぎるから、教則どおりに走ってくると100人中100人が信号機の変化に対応できません。俺だけではなく全員が」
青い人間「信号機の立ってる場所とか関係ないのよ、もし止まれないんだったら止まれるように減速するなり車間距離を取るなりしなきゃいけないんだよ。信号機のせいにしちゃダメ」
ご主人様「俺はあの交差点では信号機が停止線から32m奥に設置されていて、教則どおりの車間距離では間に合わない交差点だったなんてことは事前に知らさせていません」
青い人間「知ってたか知らなかったとか関係なくて、あなたは止まらなくてはいけなかったの」
ご主人様「試算すると、あの交差点では車間距離が最低で59m、余裕をみて65mくらいないと駄目な構造になっていました。」
ご主人様「普通は、教則の条件で走ってくることを想定して、それで止 Permalink | 記事への反応(0) | 12:37