はてなキーワード: 数奇にして模型とは
(森先生としては20周年なんて区切り意味のないものかもしれないけど。)
「すべてがFになる」アニメ見た人はあれが20年前に描かれた話でトリックだと気づいたんでしょうか?
そういえば、犀川先生は「意味なしジョーク」というものを使いこなしてる。ドラマではあんまり出てこなかったけど、多分意外と考えるのが難しいのだ。
あれはいかにも意味がある駄洒落のように聞こえるけど、実際は意味がまったくない。相手の思考を一時停止させる技だ。
「チャオ」
「何ですか?チャオって」
「さようなら」
「先生、お願いですから、やめて下さい。今どきチャオだなんて……。恥ずかしいわ」
「面白かった?」
「わざとですか?」萌絵はくすっと笑う。「それが、新しいジョーク?」
「いかにも」
(『夏のレプリカ』より。何故か「すべF」アニメ版で使われてました。)
とか
「ねえ、先生。もう少し、ここにいて下さらないかしら?」慌てて萌絵は頼んだ。
「上品な言い方だね。どうして?ぬり絵でもしたいの?」
「ぬり絵?」萌絵の頭の中は真っ白になる。
(『冷たい密室と博士たち』より)
森ミス好きの人なら分かると思うけど、森先生は超駄洒落好きだ。
意味なしジョークを始めとして、会話の中でたくさん駄洒落が出てくる。
本人はこう言ってる。
A. 生まれてこのかた、駄洒落を言ったことは一度もないです。
(第2回名古屋オフラインミーティング 森先生への質問会 より)
さてどうなんでしょう。
駄洒落と言ったらおっさんくさいので、言葉遊びと言うことにする。
20周年記念に(??)そういう言葉遊びを抜粋。森先生のダジャ…言葉遊びの面白いところは、例えば本のタイトルが物語に結構密接に関係しているところ。あとサブタイトルで英語(や日本語)で韻を踏んでいるのに気づいたら面白い。その英語に意味もあるから三回くらい楽しめる。ついでに表紙もオシャレ。
まず本のタイトル
(そのまま)
(好きにしてもOK)
(英題で韻)
(英題で韻)
これは有名な回文
雪に都の南西、桜花無に消えりと瞳濡らし、今朝何故か目開きて震え、実も俄かに熱を出し、床敷き夢去るは、死なむ友と虚し、春雨行きしこと、羊歯を常に河にも見える、不敵雨風、情け知らぬ身と、ひとり駅に向かう女、伊勢の子、闇に消ゆ
また「犀川が使う意味なしジョーク」に見せかけた「犀川の意味ありジョーク」。
「あのぉ……」西之園は短い息を吐く。「大丈夫ですよ。私がいますから」
「ふうん」
「何ですか? ふうんって」
「漢字変換するまえ」
(レタス・フライ収録「刀之津診療所の怪」より。これは萌絵が料理をする流れで。萌絵は料理センスが壊滅的)
こういう駄洒落…じゃなく言葉遊びが読みたければ「実験的経験」を読むといいと思う。これは普通の本では無いので、森先生に興味のある人におすすめする。オヤジギャグのオンパレード。
(英語がかかってる)
この20年で300冊弱本を出版している作家なので、読んでいれば相当な数のダジャレがあると思う。
気に入ってるのあったら是非教えてください。
前に西之園萌絵が嫌いな人はシリーズをどこまで読んだのか↓というのを書いたとき
http://anond.hatelabo.jp/20160215141400
エゴサして反応を見ていたら時系列が分からない、どれから手をつければいいのか?と言ってる人多かった(流石多作の森博嗣先生)
ただ、気軽に森ミステリィ沼に誘うことを趣味にしている身として、ドラマ、アニメ化が行われている二人からキャラ読みを薦めてみたいと思う。
基本的には「S&Mはどこから読んでもいい by作者」はずなのだが、きっと誰もそんな薦め方しない。
ここでは犀川と萌絵に関わる本を、出来るだけネタバレ無しで時系列説明しながら並べていきたい。
アニメは大体忠実に作ってるので、原作を読みなおすかアニメを見直すかは自己判断。アニメは「四季 夏」が混ざってる他、オリジナル描写も。
この時点で萌絵は大学一年。しかし高校時代にブランクがあるので19歳。犀川は32歳。
そこから発行順。
(とりあえずここまでが、当初予定されてたまでのシリーズ5連作だったらしい。なのでその知識を入れると、「ここまでが面白い」という偏った感想を抱くかも)
・封印再度 を機に微妙に二人の関係が変わっているような気がするので、読み飛ばすにしてもこの巻は読んだほうが良い。
ここから最終巻まで、萌絵はずっと大学4年生。22歳~23歳までの話。
一緒に見たほうが良い、というトリックがあるわけでも無いけれど一部リンクする。
萌絵のパーソナリティの問題としては「夏のレプリカ」は読んだほうが良い。この話のネタバレはググるな。
すべてがFになる の四季とか島田文子さんとか諸々が出てきます。
10作でS&Mシリーズ完結。でも犀川と萌絵の話はまだ終わらない。
この巻は完全にS&Mの続編、「萌絵 秋」なのですが。Vシリーズを読まないとわけのわからないキャラも出てきます。
「あのレゴ」の意味が書いてます。すべてがFになる、有限と微小のパンの残った謎解き。アニメにもなってません。
(四季4作は基本的にS&MシリーズとVシリーズを読んだ人向けのスピンオフ作品)
ちなみに「四季 夏」にも一瞬、犀川先生出てくるよ。Vシリーズ全体のネタバレがガッツリ書かれてるからお気をつけて。
二人の関係に大きな動きがあります。「四季 秋」の途中ぐらいの時系列。
……正確に言うと新作は収録されてませんが、S&MシリーズとVシリーズの番外短編を時系列としてまとめて再録した一冊です。
Vシリーズをなにひとつ読まなくても、S&Mシリーズとして読めます。オチをちゃんと知りたければVシリーズを読むしかない。
さぁここまで来たら、Gシリーズを発行順に読んでください。Gシリーズは1巻完結ではなく連作。
萌絵がD2の27歳、国枝研究室での後輩たちとの話を描いています(萌絵の内面のお話がたくさん出てきます。犀川先生とのラブコメも健在)。
と言いたいんですが、話が進むごとに時間がどんどん飛びまして。萌絵ちゃん別の大学の助手になります。
ここで時系列的にXシリーズが開始。Xシリーズでは助手萌絵が登場。こちらは独立性があるのでどれからでも読めるはず。
XシリーズはVシリーズの流れを汲み、GシリーズはS&Mシリーズといった印象。
そしてGシリーズに戻って
西之園准教授の誕生です。西之園先生!この巻はS&Mシリーズ、Gシリーズの同窓会といった感じ。
しかし犀川と萌絵がガッツリ出てきて、Gシリーズのメインキャラは大学を卒業し……今後どうなるのか。
ちなみにこの巻で島田文子さんが再登場。
どうやら
>あの夏、あの島の研究所にいた島田文子さんが主人公です。5月刊行!
とのこと。時系列はさらに飛びそう。全12巻らしいので、あと3巻ですね。
まぁここまで行くと説明せずとも読んでる人が居ると思うのですが、読み直したいとか、もう追ってない、とか言う人用のまとめでもあるんで。
四季からの百年シリーズからのWシリーズとか(Wシリーズ評判良いっすね!)まだまだ沼は広がってるんで。
みんなでまた森沼につかろう。
(何度か投稿失敗してごめん)
警告。この話はうんこに関係する話です。他人のうんこ話に興味がない人は読まないでください。あと個人的見解と独断に満ちあふれています。
夜はホテルでシンポジウムのバンケットだった。それでフレンチを食べたのだが、自分はどうやらフレンチを食べたら腹痛を催す体質らしい。以前にも結婚式でのフレンチにより猛烈な腹痛に襲われたことがあった。しかしフレンチを食べるのが久しぶりだったせいでその記憶・恐怖が完全に忘れ去られていた。腹痛を体験しない人には想像できないだろうから、腹痛について説明する。世の中には2種類の腹痛がある。ひとつはただお腹が痛むだけで、寝てウンウン言ったり病院へ行くと治る。そしてもうひとつは腹が痛くなると同時に便意を催すものである。この場合は我々が取る手段はただひとつ「トイレに行け」である。この後者の腹痛は時と場合により人の人生を破壊する威力を持っている。例えるなら人体は原発でうんこは核燃料である。漏れでていない内は平和で快適な生活が送れるが、ひとたび然るべき場所で漏れでてしまうと、グラウンド・ゼロは不毛の土地となり周辺部は二度と振り返れない姿となる。このような恐ろしいものを人体は内蔵していることを覚えておいて欲しい。そして腹痛持ちは度々メルトダウンと戦っているのである。
続きを書く。バンケットが終わったが、電車の時間が近づいていたこともあり、複数の友人と駅まで小雨の中を走った。電車に乗った時、ピーンと来た。これは腹痛の種が育っていると。書き忘れていたが、自分は中学生の頃から腹痛と戦ってきた百戦錬磨の者である。腹痛に襲われたことは数あれど、メルトダウンしたことは数えるほどしかない。さて補足説明を行うと、腹痛の種とは腹が痛いというわけではないけどなんか違和感があり、いままでの豊富な経験によりヤバイ級の腹痛に育つ可能性がある腹部の違和感である。腹痛の種を感じることによりに腹痛との戦いがフェーズ0として始まる。ちなみにフェーズ1の腹痛とはお腹の痛みを覚え始めるころの腹痛である。この腹痛の種は適切に行動することで高確率で消散させることができる。例えば自分が得意とするのはクロスホールディングとリンパ促進法である。クロスホールディングは上体を屈めながら両脇に手を差し込み、お腹と脇の下のリンパ節を同時に暖める技である。この技からリンパ促進法につながると腹痛の種を消散させることができる。百戦錬磨の自分は今までリンパ促進法により数々の腹痛の種を消滅させており、今回も違わず種を散らすことに成功した。しかし過去の経験より、今回の腹痛は腹痛の種が消えたと言っても時を置かずにフェーズ1の腹痛として復活することは目に見えていた(一般に食事が原因の腹痛は種を散らしても復活する可能性が高い)。復活するまでの時間を経験の内から30分と見積もった。電車はあと15分で駅に着き、そこからはバスで15分の道のりである。
駅に着いた時には腹痛の種はなくなっていたが、腹の奥の痛みと共にフェーズ1に移行していた。ここでひとつ致命的な間違いを犯した。電車を降りてトイレに行くことを選択せず、腹痛を抑えられると判断してしまったのだ。たとえバスが30分に一度しかない、一緒に友人がいたなどの理由を考慮してもこの選択は最悪と言ってよかった。思い出してほしい、人間はうんこという核燃料を保持していて、メルトダウンにより人生を破壊される可能性があるのだと。たとえ過去に100個の腹痛の種のうちの1つだけしかフェーズ1に移ったことがなかったとしても、一度メルトダウンが発生すると次はないのだ。すなわちいくらメルトダウンの確率が低いと言っても一度メルトダウンが発生するとそのコストは無限大となるのだ。どんな理由があろうともトイレに行く選択をするべきであったのだ。
これは完全な偏見だが、腹痛の時、電車の中では便意は減退し、バスの中では逆に便意が促進する。これは電車の縦横への揺れが気を紛らわせる効果があり、バスの細かい縦揺れがうんこを押し出す効果があるのだと思う。そして今回自分の体は雨で湿っていて、電車の中の暖かい空気で保温されていたということを注記しておく。停車しているバスに乗って座席に座った時、腹痛は第2フェーズに入った。このフェーズは腹痛に加えて膀胱あたりにも圧迫感が現れ、肛門にだけに集中することができなくなるのだ。まさに前門の膀胱、後門の肛門。腹痛第2フェーズでは更に厄介なことに、気温変化および体表面へのストレスに対しての感応性が飛躍的に高まり、僅かな風や冷気を含む空気により猛烈な勢いで腹痛が悪化するのだ(腹痛で苦しんでいる人に水をかけたり扇風機を回したりしちゃだめだよ)。これらの条件のもとでは第0フェーズと第1フェーズで活躍するリンパ促進法でも改善は見込めない。リンパ促進法での回復量と同等な量を消費してしまうのだ。第2フェーズに突入してしまうと百戦錬磨の自分でも悪化しないことを祈ることしかできない(そもそもこのフェーズになる前にトイレにたどり着くべきである)。
まだバスが出発するまで1分ほどあったが、自分は動けなかった。動いたらもはや打つ手のない第3フェーズに突入してしまうかもという恐怖と計算ではぎりぎり間に合うという後ろ向きの思考が、バスを降りるという決断を妨げたのだ。バスが動き始めた瞬間、自分の過ちを知った。バスが動き始めた瞬間、腹痛が第3フェーズに突入したのだ。このフェーズでは刺すような膀胱の痛みと便意に加えて、細かな違和感がお腹の奥のほうで点滅する。この状態になると防戦一方となってしまう。三方向からまったくのランダム時間差攻撃をされると想像してほしい。こうなると反撃は叶わず、ひたすら消耗を最小限に抑えることが最適解になるのだ。つまり時間との戦いが始まる。
バスは停留所に止まることなく一路走行する。しかしすでに大勢は決しつつあった。到着10分前にして、第3フェーズの特徴ノッキングが始まっていたのである。ノッキングとは要するにアレの先端が\こんにちわ/する状態である。これは腹痛からの最終勧告であると同時に最終決戦の前の最後の安らぎである。一度ノッキングが起こるとそのあと数拍は腹痛が薄れる状態、すなわち死線を越えた状態となる。したがって自分のような百戦錬磨の者は死線を越えた状態をできるだけ長引かせるように、ぎりぎりまでノッキングを我慢してから一瞬開放し、そのあと弛緩して次のノッキングを遅らせるのである。しかしこの技術をもってしてもノッキングを克服することは不可能である。なぜならばノッキングの間隔は非線形に短くなるからである。間隔が十分に短くなると、腹痛を我慢しつつノッキングを我慢するというために、お腹と肛門を手で抑えるという見たままのスタイルを取らざるを得なくなる。
バス停に到着した時は、のぐその覚悟はできていた。隣の野原でしてしまおうと考えていたのだ。しかし当然ながら友人たちと同時に降りるのでその解決案は諦めねばならなかった。その代わり負けを認め、多少こぼれてもいいから最速でトイレに駆け込むべきだと決断した。我が心の語録にも「最善を捨てることによって最悪を避けるシステムに切り替わったのだ。」[数奇にして模型, 講談社文庫, p621] とある。決断を行ったことで気持ちの整理がついたので、荷物を友人に預け、体を軽くすると同時に抑えるところを抑えながら駆け出した。予想通り駆け出してすぐにノッキングが激しく、そして力強くなった。自分にはこの理由が分かる。トイレを利用しようとしたら一つしかないトイレの個室を占領している奴がいて、はじめはおとなしくノックしていたけど段々我慢の限界が近づくにつれ激しくノック否キックするようになるようなものだ。何度かパンツと肛門の接点が膨らむような感覚があったが、気にかけることなく奥義ツヨイ・オサエを信じて、エントランスを駆け抜けて、トイレの個室に滑り込んだ。
正念場であった。公衆便所を見てわかるように、便器の一歩手前でうんこを漏らす人は多い。これは便器の一歩手前もしくはズボンを下げた瞬間、集中力が途絶えてメルトダウンしてしまうからである。したがって個室にたどりつたとき真に重要なのは、集中力を途切らせることなく便器に座るまでの一連の動作を行うことである。経験がない人はそんなの無理だろ今までギリギリだったのに、と思うかもしれないが意外と達成可能である。これは全精神力を費やして驚異的な強度で肛門を閉じることで、だいたい10秒程度の最後の時間を得ることができるからである。自分も体験するまでは、ゲーム内の「全能力を消費して短時間強化→全能力ダウン」について、嘘々少しぐらい力が残ってだろうし全力を使うなんてねーと思っていた。しかしこの最後の時間を経験してからあの設定は意味があったのだとまさに実感したのである。おそらくゲームの開発者はうんこを漏らしそうになったことでこの設定を思いついたのであろう。なぜならばもし間に合わずに漏らしてしまったとすると、最後の時間に絶望して「こんな設定意味無いとみんな知っているだろう」と考え、設定は採用しないからである。最後の時間を発揮することでメルトダウンは回避できた。そしてノッキング、{ドライ,ウェット}ベントによる汚染を確認すべく膝の間のパンツを眺めたところ、汚染痕跡は発見できなかった。奥義ツヨイ・オサエは名に恥じぬ奥義であった。勝ちでもなく負けでもない今回は引き分けとする。個室には1時間居た。
最後に名も知らぬ女性に感謝を捧げる。彼女が完璧なタイミングでエントランスのオートロックを解除して外に出てきてくれなかったら、引き分けには持ち込めていなかった。ありがとうございました。