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2016-04-06

森博嗣言葉遊び

森博嗣先生20周年だそうでおめでとうございます

(森先生としては20周年なんて区切り意味のないものかもしれないけど。)

すべてがFになるアニメ見た人はあれが20年前に描かれた話でトリックだと気づいたんでしょうか?

そういえば、犀川先生は「意味なしジョーク」というものを使いこなしてる。ドラマではあんまり出てこなかったけど、多分意外と考えるのが難しいのだ。

あれはいかにも意味がある駄洒落のように聞こえるけど、実際は意味がまったくない。相手思考を一時停止させる技だ。

「チャオ」

「何ですか?チャオって」

さようなら

先生、お願いですから、やめて下さい。今どきチャオだなんて……。恥ずかしいわ」

面白かった?」

「わざとですか?」萌絵はくすっと笑う。「それが、新しいジョーク?」

「いかにも」

(『夏のレプリカ』より。何故か「すべF」アニメ版で使われてました。)

とか

「ねえ、先生。もう少し、ここにいて下さらないかしら?」慌てて萌絵は頼んだ。

上品な言い方だね。どうして?ぬり絵でもしたいの?」

「ぬり絵?」萌絵の頭の中は真っ白になる。

(ぬり絵?)同じ単語が何度もエコーのように繰り返される。意味全然からない。

「ごめんジョークだよ。意味はない。意味がないのが高級なんだ」

(『冷たい密室と博士たち』より)

ミス好きの人なら分かると思うけど、森先生は超駄洒落好きだ。

意味なしジョークを始めとして、会話の中でたくさん駄洒落が出てくる。

本人はこう言ってる。

Q. 人のダジャレダジャレで返せますか。

A. 生まれてこのかた、駄洒落を言ったことは一度もないです。

(第2回名古屋オフラインミーティング 森先生への質問会 より)

さてどうなんでしょう。

駄洒落と言ったらおっさんくさいので、言葉遊びと言うことにする。

20周年記念に(??)そういう言葉遊び抜粋。森先生のダジャ…言葉遊び面白いところは、例えば本のタイトル物語結構密接に関係しているところ。あとサブタイトル英語(や日本語)で韻を踏んでいるのに気づいたら面白い。その英語意味もあるから三回くらい楽しめる。ついでに表紙もオシャレ。

まず本のタイトル

(そのまま)

英題夢で逢いましょう

(好きにしてもOK)

邦題英題の両方で韻)

英題で韻)

クロネッカーデルタ、Δ)

英題で韻)

これは有名な回文

住まい田舎がいい、森と陽だまりでひと寝入り、飛ぶ鳥、稲と日照り、まだひとりもいいが、家内はいます

虚空の逆マトリクス 収録「ゲームの国」より)

雪に都の南西、桜花無に消えりと瞳濡らし、今朝何故か目開きて震え、実も俄かに熱を出し、床敷き夢去るは、死なむ友と虚し、春雨行きしこと、羊歯を常に河にも見える、不敵雨風、情け知らぬ身と、ひとり駅に向かう女、伊勢の子、闇に消ゆ

(同上。虚空の逆マトリクス 収録「ゲームの国」より)

また「犀川が使う意味なしジョーク」に見せかけた「犀川意味ありジョーク」。

「あのぉ……」西之園は短い息を吐く。「大丈夫ですよ。私がいますから

「ふうん」

「何ですか? ふうんって」

漢字変換するまえ」

レタス・フライ収録「刀之津診療所の怪」より。これは萌絵が料理をする流れで。萌絵は料理センスが壊滅的)

こういう駄洒落…じゃなく言葉遊びが読みたければ「実験経験」を読むといいと思う。これは普通の本では無いので、森先生に興味のある人におすすめする。オヤジギャグオンパレード

英語がかかってる)

この20年で300冊弱本を出版している作家なので、読んでいれば相当な数のダジャレがあると思う。

気に入ってるのあったら是非教えてください。

2016-02-19

犀川&萌絵が出てくる話だけ読みたい人の時系列

前に西之園萌絵が嫌いな人はシリーズをどこまで読んだのか↓というのを書いたとき

http://anond.hatelabo.jp/20160215141400

エゴサして反応を見ていたら時系列が分からない、どれから手をつければいいのか?と言ってる人多かった(流石多作森博嗣先生

結論は乱暴に言うと全部読むしかない。

ただ、気軽に森ミステリィ沼に誘うことを趣味にしている身として、ドラマアニメ化が行われている二人からキャラ読みを薦めてみたいと思う。

基本的には「S&Mはどこから読んでもいい by作者」はずなのだが、きっと誰もそんな薦め方しない。

ここでは犀川と萌絵に関わる本を、出来るだけネタバレ無しで時系列説明しながら並べていきたい。

ミステリィなので、ぐぐってネタバレは避けてほしいものだ。

最初に読むのは「すべてがFになる

アニメは大体忠実に作ってるので、原作を読みなおすかアニメを見直すかは自己判断アニメは「四季 夏」が混ざってる他、オリジナル描写も。

この時点で萌絵は大学一年しか高校時代ブランクがあるので19歳。犀川は32歳。

そこから発行順。

(とりあえずここまでが、当初予定されてたまでのシリーズ5連作だったらしい。なのでその知識を入れると、「ここまでが面白い」という偏った感想を抱くかも)

封印再度 を機に微妙に二人の関係が変わっているような気がするので、読み飛ばすにしてもこの巻は読んだほうが良い。

ここから最終巻まで、萌絵はずっと大学4年生。22歳~23歳までの話。

次の2巻は同時系列で別々の事件を取り上げている。

一緒に見たほうが良い、というトリックがあるわけでも無いけれど一部リンクする。

萌絵のパーソナリティ問題としては「夏のレプリカ」は読んだほうが良い。この話のネタバレググるな。

すべてがFになる四季とか島田文子さんとか諸々が出てきます

10作でS&Mシリーズ完結。でも犀川と萌絵の話はまだ終わらない。

この巻は完全にS&Mの続編、「萌絵 秋」なのですが。Vシリーズを読まないとわけのわからないキャラも出てきます

「あのレゴ」の意味が書いてますすべてがFになる有限と微小のパンの残った謎解き。アニメにもなってません。

四季4作は基本的にS&MシリーズとVシリーズを読んだ人向けのスピンオフ作品

ちなみに「四季 夏」にも一瞬、犀川先生出てくるよ。Vシリーズ全体のネタバレガッツリ書かれてるからお気をつけて。

  • 短編「いつ入れ替わった?」

二人の関係に大きな動きがあります。「四季 秋」の途中ぐらいの時系列

短編集「どちらかが魔女」に収録。

……正確に言うと新作は収録されてませんが、S&MシリーズとVシリーズの番外短編時系列としてまとめて再録した一冊です。

Vシリーズをなにひとつ読まなくても、S&Mシリーズとして読めますオチをちゃんと知りたければVシリーズを読むしかない。

さぁここまで来たら、Gシリーズを発行順に読んでください。Gシリーズは1巻完結ではなく連作

萌絵がD2の27歳、国枝研究室での後輩たちとの話を描いています(萌絵の内面お話がたくさん出てきます犀川先生とのラブコメも健在)。

と言いたいんですが、話が進むごとに時間がどんどん飛びまして。萌絵ちゃん別の大学助手になります

ここで時系列的にXシリーズが開始。Xシリーズでは助手萌絵が登場。こちらは独立性があるのでどれからでも読めるはず。

XシリーズはVシリーズの流れを汲み、GシリーズはS&Mシリーズといった印象。

そしてGシリーズに戻って

西之園准教授誕生です。西之園先生!この巻はS&Mシリーズ、Gシリーズ同窓会といった感じ。

しか犀川と萌絵がガッツリ出てきて、Gシリーズのメインキャラ大学卒業し……今後どうなるのか。

ちなみにこの巻で島田文子さんが再登場。

どうやら

森博嗣さん Gシリーズ最新刊『χの悲劇

>あの夏、あの島の研究所にいた島田文子さんが主人公です。5月刊行

とのこと。時系列さらに飛びそう。全12巻らしいので、あと3巻ですね。

まぁここまで行くと説明せずとも読んでる人が居ると思うのですが、読み直したいとか、もう追ってない、とか言う人用のまとめでもあるんで。

四季からの百年シリーズからのWシリーズとか(Wシリーズ評判良いっすね!)まだまだ沼は広がってるんで。

みんなでまた森沼につかろう。

(何度か投稿失敗してごめん)

2007-10-18

http://anond.hatelabo.jp/20071018114522

西澤保彦なら、「依存」「七回死んだ男」が個人的ツートップ。次点は選び切れないが「麦酒の家の冒険」か「方舟は冬の国へ」。タック&タカチシリーズSF的要素を前提としたミステリシリーズ(「複製症候群」「人格転移殺人」「瞬間移動死体etc)はガチ。読んで損はない、と思う。

加納朋子はなんていったって、アリスシリーズ(「螺旋階段アリス」「虹の家のアリスetc)!年下の美少女に振り回されるおじさん、というシチュエーションに惹かれる人なら読むべき。いや、普通日常の謎推理小説なのだけど。「ななつのこ」「沙羅は和子の名を呼ぶ」「ささらさや」もオススメ

篠田真由美は「アベラシオン」!建築探偵初期もいいけど、やっぱり「アベラシオン」!謎めいた車椅子美少年。招待された怪しげな洋館。曰くありげな三人の女。見え隠れする過去の因縁……こういう雰囲気が好きならば是非。まあ作者の常として若干耽美ですが。

柴田よしきニコニコ保育園シリーズ関係ハードボイルド認定。「フォー・ディア・ライフ」「フォー・ユア・プレジャー」どっちも素晴らしい。私立探偵+保育園経営、というギャップに惹かれたらどうぞ。主人公はどうしようもない男だけど憎めないキャラではある。しかし腐ってる私が珍しいことに山内には引かれないのだなー

有栖川有栖はとにかく江神先輩シリーズ(「月光ゲーム」「孤島パズル」「双頭の悪魔」)でFA。新作も出たしこれを期に。文庫版の装丁が可愛いと思う。

近藤史恵はモップシリーズ(個人的名称。「モップの精は深夜に現れる」「天使はモップを持って」etc)をオススメする。連作短編掃除の達人が謎も掃除しちゃって、相談者の心の悩みも掃除しちゃう話。「茨姫たたかう」とかの整体師(だったかな)ものもおすすめ

倉知淳は「過ぎ行く風はみどり色」がガチ。出てくる人出てくる人みんな善人過ぎて泣ける。逆に「星降り山荘の殺人」は騙されたー!って一度は驚けるんだけど、そこしか読めるところがない上に読後感が……

殊能将之は「ハサミ男」一択。これはもう読んでとしかいえない。

辻村深月はね、デビュー作は作者と同じ名前の登場人物がいい子過ぎてウザーとか思ったもんだったけど、悔しいことにそれ以降出てるのは全部面白い。「凍りのくじら」と「スワロウハイツの神様」がツートップかな。特に後者。下巻のある一節だけで泣ける泣ける。

森博嗣は新SMシリーズの一作目があまりにも面白くなさ過ぎて最近はチェック緩み気味。それでも、「封印再度」と「今はもうない」「そして二人だけになった」は傑作だと思う。というかSMシリーズ10作は読んで損はないはず。「すべてがFになる」が読みにくければ、二作目から入る、という手もあると思う。私は「封印再度」から入った(F思わせぶりすぎて読みづらかった)。

海堂尊はとにもかくにも「チームバチスタの栄光」が素晴らしすぎる。その後二作は大分落ちて、「ジェネラルルージュの凱旋」でちょっと持ち直したか、て感じ。とにかくバチスタを読むべし。そしてバチスタが面白くても、逸って残り二作を買うのは罠だ。田口先生出てないと面白みが著しく下がる(個人的感想)。

小路幸也は初期の恩田陸が好きな人なら、「空を見上げる古い歌を口ずさむ」は気に入ると思う。あと「東京バンドワゴン」。

(追記)

恩田陸なら「六番目の小夜子」「木曜組曲」「三月は深き紅の淵を」「黒と茶の幻想」「ネバーランド」「光の帝国」は間違いなく傑作。

浅暮三文は「ダブ(エ)ストン街道」。貴志祐介なら「黒い家」で、小林泰三なら「人獣細工」。

打海文三なら「愚者と愚者」で、沢村凛なら「サウスポーキラー」で、上遠野浩平なら「パンドラ」。

古橋秀之なら「ブラッドジャケット」で秋山瑞人なら「イリヤの空、UFOの夏」で須賀しのぶなら「惑星童話」「ブルーブラッド」で氷室冴子なら「銀の海金の大地」で小野不由美なら「風の海 迷宮の岸」。

木原音瀬なら「檻の中」「箱の外」で、月村奎なら「そして恋がはじまる」。榎田尤利なら魚住シリーズ

そういえば檻箱と魚住は最終話の構成が似ていて面白いなあ。

名前あげた人は基本的にどれも面白い!間違いない!

//記憶を頼りに書名挙げているところが多数のため、間違ってるかもですよー

 
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