はてなキーワード: 祭屋とは
http://anond.hatelabo.jp/20160331150720
お坊さんをお呼びした家族葬(D.I.Y.葬)が総額42,360円で完璧に出来たお話
人によっては非常に役立つ、と言う話の一方で、批判もあるこの記事。
人の生き死にについては宗教観が付いてくるのでそれをどうこう言うつもりはないけれど、ブコメには「すごいけど、できそうにない」という声が多いみたい。
そこで、おじさんを2人看取ることになった田舎の貧乏農家の長男の俺がどうやって費用を抑えたか書こうと思う。
具体的に書かないと意味が無いので具体的に書く。表ブログの読者の方は誰だかわかるかもしれないけど、できたら黙っていてくれるとうれしい。
親父は8人兄弟で、そのうち3人は田舎にいるが、残りは都会に出て行った。
そのうち1人は早々になくなり、もう一人は癌で死亡、その時点で存命は6人、1人のおじさんは生涯独身を貫き、もう1人のおじさんは子どももいないままに早いうちに奥さんを亡くして、独り身だった。
俺の親父は次男だったが長男が都会に出てしまったので跡継ぎである。ただ長男が継ぐつもりだったので結婚が遅く、自分の歳の割には高齢だ。さらに俺はその長男なので、跡継ぎである。と言うことで、小さい頃から「親戚が困ったら、本家のうちが助けてやるんだぞ」と言われて育った。
育ったが、本家と言っても、昔なら山を守ってそこから得られる富で支える事ができたのだろうが、今となってはただのワーキングプアの貧乏農家であって、お金がない。
それで、あまり会葬者がいない葬儀を出費としては38万円ちょっとで上げた話をする。これには振る舞いや精進落としを含み、真夏でエアコンのない我が家で特に必要になったドライアイス代等も含まれるので、そこを省くとたぶん20万円ぐらいでできる。香典を入れると、収支はプラマイゼロでできた。
上の叔父の時は、叔父から突然「病院からどうしても親類の人に一緒に来てくれと言われた。申し訳ないが、来てくれないか」というのが始まりだった。が、すでに70を超えた親だけをいかせるわけにはいかず、同行、距離にして400キロほど運転して駆けつけると、記憶にあるよりずいぶんとやせた叔父がおり、医師の話を聞くと、やはり癌だった。ステージIII。
叔父はだいたい想像が付いていたようで気丈に振る舞っていたが、こちらは正直、当時22歳だった俺は何のことだかわからない状態だった。
叔父の「今まで1人で暮らしてきたんだから大丈夫」という言葉があったが、ほっとけるわけもなく、とりあえず手術をすることに。手術は後、病理検査が出たのだが、家族だけ医師に呼ばれ話を聞きに行くと、医師曰く、非常に悪性が高く、見えるところは取り切ったはずだが、砂のような癌ですぐに戻ってくる可能性が高いという。本人は癌と闘う気があるので、抗がん剤をやるが聞きづらい可能性もあると言うこと。
みてやりたいという意思はあったが、抗がん剤は周りの支えがカギ、と言うことは一番上の叔母が癌になったことがあったので知っていた。
支える事は、400キロも離れていると難しい。叔父の現在の在所に住み込むような金ははっきり言ってない。畜産はやってないにしても仕事はあまりほっとけるわけではない。
持病を持っていた叔父は保険にも加入できてなかった。蓄えはあったが、まとまった金と言うほとではなかった。
幸いにして発覚したのが農閑期ではあったのだが…そこで親父と医師と相談し、ありのままを告知して、その上で、最後は田舎に帰ってこないか、と言う話をした。
このような形で、叔父は人生のほとんどを過ごしてきた街ではなく、子ども時代を過ごしたとはいえ、あまり縁のある人のいない田舎でなくなった。そのため、会葬者などはおそらく家関係の義理しかかないだろうと想定された。
人生の最後で引っ越しをしてもらうなど蓄えもほとんど使ってしまっており、実は叔父からは通帳一式預かったのだが、ほとんどお金はなかった。
そこで、親と相談して、お世話になっている菩提寺に相談をした。
結果
合計37.5万円。
実際には告知することもなく小さくやったので、あまり人が来ないと思っていたら、叔父と幼い頃一緒だった同窓生などが、どこから知ったのか来てくれたりもした。また、葬儀場が当たり前になっていて、お寺で葬儀を行うことがなくなっていた(お寺はそもそもそんなに大きくないので)のだが、やはり雰囲気が非常に良く、お金がないなりにそれなりにできたと思う。
組合の方々は香典を持ってきてくれたし、また叔父叔母もお金を出してくれたので、当家の出費はほとんど無かった…と言うか、実は少しだがプラスになってしまった。
それはこの後の法事に回す事にした
実は病院で死亡宣告を受けた後、最初に相談したのは葬儀社ではなくお寺だった。地元では葬儀社を手配しても、葬儀社からまずお寺のスケジュールを抑えてくれと依頼されるので、先に葬儀社ではなくお寺に連絡をすることが常識だと言われていた。
今まで全部親がやっていたので、自分がかけるのは初めてだった。このときは借金をする覚悟を決めていて値切るつもりはなかったのだが、そのときに率直に「今からお金を借りに行ってくるが、今日は日曜日なんで」と言う話をしたら、お寺の方からアドバイスをいただいて、こういう形になった。
「最近はお困りの方が非常に多い。実は珍しい話ではない。家族葬という形で小規模にやると後で悔いが残ることや大変なことも多い。なにより、現世との区切りが上手くできない。
これは、仏様にとっても大変だが、後になって自宅にお線香を上げに来る方が絶えず来て困るという事になってしまうので、現世に残された者のためにもこういう形を勧めている」という事だった。
これは、ほぼ同じやり方を下の叔父の時にもやったし、そう言うつもりで注意をしていると、あちこちのお寺でこういう小規模な葬儀をやっている事に気づいた。
余所の土地でもできるかどうかはわからないが、宗教家というのは基本的には(あるいは、建前的には、と言ってもいいかもしれないが)困っている人をほっといたりしないので、相談するべきだと思う。
下の叔父は突然死だった。突然病院のコーディネータという人から電話があって、外出先で倒れて運ばれたが死んだと言う。
叔父も300キロぐらい離れた別の所にいる。が、なさけないこと最初に頭をよぎったのは、300キロも搬送したらどれだけ金がかかるのか、と言うことだった。調べたら下手をすると数十万単位でお金がかかるという。当然だがそんな金はない。
とりあえず親を公共交通機関で送り出しつつ、考えた。
実は元増田と同じようにレンタカーを考えたのだが、レンタカー屋になんとなく効いたところ「そのような用途は断っている」とのこと。他にもあるかと聞いたら「まず遺体の搬送を許しているレンタカーは無いでしょう」と言うことだった。曰く、遺体を直接禁止しているものではなくても、輸送に特別な規制があり許可が必要なものは断るという規定になっている場合がほとんどではないかと。
きっと元増田のように選択肢が多い都会ならばもう少しなんとかなったかもしれないけれど、やむを得ない。ただ、レンタカー屋の担当の方は「ただし、知らない場合にはお断りはしません」と暗に黙認してくれるようなフォローをしてくれてはいたのだが。
そこで、どうしたかというと、自前のトラックで迎えに行った。普段農作業に使っているものだ。まず、お寺に連絡をした後、先にお棺を出してもらって、それを荷台に載せ、動かないように詰め物で色々と詰め込んで、緑色のカバーを掛けて、トラックで迎えに行った。おじさん、すいません。
後から相談したところ、最後の手段として、赤帽的な小規模運送業者を手配するという方法もあると言うことだった。組織としてはリスクがあるので断ることがあるが、個人事業主が多いので、受けてくれる業者もあるらしい。ただその場合でも、荷主が診断書をもって同乗するというイレギュラーな対応になる。
故に頼み込むと専門業者の場合は数十万円かかるのが常識の距離でも、数万円で受けてくれることもあるらしい。ただこの場合は必ず心付けを渡すことを忘れないほうがいいと思う。人間として。
ただ、御布施については、前回余ったという事、それからこちらの叔父は病気療養でお金を使っていたわけでもなく多少はあると思われたので(確かめる時間はなかったが)、多めに出すことにした。
ただし、このとき、叔父が長年暮らしていた家の周辺の人々に何も通知していなかったことが失敗だった。
最終的に叔父の家に片付けに行ったとき、近所の方に声をかけていただき、話をしたら、叔父はきちんと近所づきあいなどもしていたようだった。また、引退して気楽な一人暮らしだ、と言っていたのだが、実は在籍していた会社からちょくちょくアルバイト仕事を受けていたらしく、そちらの方もあった。
その後、暮らしていた街で親しくしていた方や、近所の方、元の会社の部下の方などが遠い距離を墓参りに来てくれたりもした。葬式というのは、故人や親戚のためだけにやるものではなく、むしろ周りの人間と現世と区切りをつけるためにやるものだ、と言うことを実感した。
今回は利用しなかったが、自治体には大抵簡易な葬式のやり方を規格化して、「規格葬儀」あるいは「自治体葬儀」という形で定型化し、安価なパッケージにしてあることがある。それを利用すると言う手がある。
この場合、自治体に相談すれば基本的に利用できる。それが利用できる葬儀社の一覧があるので、そこで申し込みをする。どういった場合でも広く利用でき、規格化されているので交渉も必要が無い。檀家になっている寺院が無い場合、ネットでいきなり検索して怪しげな所を選ぶよりは、これの方がいいのではないかと思う。地域性も加味されているし。
ただし多くの場合
地元では遺体搬送が別で28万円。実際には10万円ぐらいでできるさらに簡易なプランもある場合があるらしかった。地元だと、28万のプランは表に出ていたが、10万円のプランについては一般には示していなくて、基本的に生活困窮者のためで葬儀社はほとんどボランティアになる、と言うことだった。
元増田にはエンゼルケア、と言うのが出てくるが、最後が病院で亡くなったため、病院側のターミナルケアに含まれていたので、追加でお金がかかることはなかった。
増田も自分でやったという事なんだけど、介護保険にはターミナルケア加算制度というのがある。これはいわゆる緩和ケアのことではなくて、患者が亡くなった後の遺体のケアと家族のフォロー一式の作業のこと。
おそらく施設の人に任せても施設はターミナルケア加算を受けられることもあって、追加で高額なお金を払うことなくやってくれたのではないだろうか。
これが死亡後に施す特別な化粧のことだったら話は違うけれど。
以上、何かの参考になれば幸いです。
葬式はすごく地域性が強いはずなので、そのまま適用しようとしないでください。普遍的に言えることは、何事もそうだけど立場的に中立的な発言が可能な人に相談すること。
例えば葬儀社に依頼したら、葬儀社の方は立場上、よほどのことが無い限り「うちは高所得者向けの商売だから辞めた方がいい」とか言えないので…。
僧侶や宗教家の人、自治体の担当者や、病院にはコーディネータとか、コミュニケータという患者や患者の家族のフォローを専門にしている人がいるので、そう言う人にお願いするという方法があります。
お寺との関係が肝かな。
http://b.hatena.ne.jp/entry/283953281/comment/aoi-sora
「ポイントは、お寺との関係だと思う。」ここで討ち死にのはてなー多そうだな。
http://b.hatena.ne.jp/entry/283953281/comment/atoh
ご想像の通り、うちではお金がないのはお金がないなりに、お寺様との関係はつないでいるというのはあるとおもいます。総代会には入っていて、負担金は払っているし、施餓鬼など季節によってある行事には必ず参加しているし、何回忌といったものも、和尚様の言われるようにやっています。
これは大変じゃないかと思われるかもしれないけど、まずそれが一つの宗教観だからというのもあります。
ただそれを置いといて言えることは、実はあんまり費用はかかっていません。これは地域ごとの相場があるけれど、施餓鬼料は5000円で、総代会は年間5000円程度。一年で1万点程度。実は毎年必要になるお金はこの程度です。ただし、これは我が家が腐っても本家なので、実際には施餓鬼、総代会の年間負担金は3000円が普通だそうです。これ以外に法事を行う年や、寺院の大規模改装なんかが必要になると色々とありますが…。
ではそれがずいぶん疎遠になっている場合はどうなのか、と言う場合ですが、お寺には過去帳という者があって全部記録があるので疎遠になっていても相談する価値はあるのではないか、と思います。あるいは、うちには菩提寺がない、わからない、と言うケースですが、こういうときはそもそも葬儀などから遠くなっていると思うので、まずは自分だけでやろうとせず誰かに相談した方がいいのではないかな…。ネットでは情報が出てきにくいけど、人は必ず死にますし、逆縁になっていなければ多くの子どもは親を2人見送るから絶対経験談を話してくれる人がいるはずです。
結局寺に負担かけるのな
http://b.hatena.ne.jp/entry/283953281/comment/kvx
もうめんどくさいから適当に書くけど、ちゃんと金払わない屑増やすようなことを次々に書くな。寺に負担かけるのは結局他の檀家に負担かけてることに他ならない。http://b.hatena.ne.jp/entry/283953281/comment/dadabreton
これには言い訳のしようがありません。お寺様には大変感謝しています。でも、無い袖は振れないと言うのが正直な所で…。親とかの分はきちんと積み立ててはいるのですが、突発的な事態には借金するぐらいしか手がありませんでした。
そこで手をさしのべてくれたおっさまには本当に感謝しています。ただ、2回目の時は御布施は始めよりはたくさん払っています。相場よりは安いですが…。
葬儀屋が諸悪の根源なんだろうかな。そっちの言い分も聞きた
http://b.hatena.ne.jp/entry/283953281/comment/hiruhikoando
葬儀社の方がどう動いてくれたかが書いてなかったので追記をします。
葬儀社の方はこんな最小限の動きでも、きちんと葬祭ディレクターの方が付いてくれました。また葬儀当日は、お手伝いとしてお一人女性の方が付いてくれました。また、料理なども葬儀社から依頼しています。
儲からない仕事で申し訳ない、と葬祭屋さんには言いましたが、少なくとも問題は無いと言ってくださいました。まぁ和尚様に紹介してもらったので、断れないというのも、あるとは思うのですが。でも、費用は全部葬儀社に払っているので、赤字ではないのではないかと…。
個人的な感覚では、非常に公共性が高い仕事ですし、最短2日で葬祭道具から返礼品、料理まで全部そろえる態勢にはお金がかかると思うので、それほど暴利とも思ってはいません。
http://anond.hatelabo.jp/20160403011302
主語を自分にだけおいてください。「私はいらない」だけにして「他人も捨てろ」とか言うのはやめましょう。自分がそうだからといって他人も自分と同じだと決めつけるのはやめていただきたいです。多様な価値観があります。
その上で、
死亡→診断書→死体処理→搬送→保管→火葬→散骨
最短距離として、今回私が取れば一番シンプルに済んだのは、病院から連絡があったとき「引き取れません」と断るという方法があります。すると後は行政の無縁仏の処理のラインにそって公金で処理がされるはず。
正直、自分もそう言う選択肢が頭をよぎらなかった、といえば嘘になります。
「最初の記事では行動しない奴らが多くて、日本の寺、仏教(日本人の精神的な拠り所の1つ)を潰せないな。しょうがねー、もっと簡単なのも紹介しておくか」 「日本人の精神を潰すのは楽しいな、生きがいだぜ!」
http://b.hatena.ne.jp/entry/283953281/comment/hayato1999a
煽りにマジレスするのもなんなのですが、和尚様がこういう安いやり方で葬儀を提案してくださったのは、宗教を壊すとかではなく、全く逆ではないかなと思いますよ…。
私も、葬儀をきっかけに、その後のお寺の集まりのなかで、掃除とか Permalink | 記事への反応(3) | 18:54