はてなキーワード: 世界の警察とは
数日前にTwitterで話題になっていたアレ。中国の半導体メーカーから米国籍の人々が逃げ出しているというツイートね。
https://anond.hatelabo.jp/20221016140905
当方は半導体業界ではなく、どちらかというとノンビリした業界にいるけど、輸出管理関係の仕事もしているので、何がヤバいのかを書いておこうかなと。
■今までの規制
「米国は世界の警察」という言葉がある通り、米国はありとあらゆる手を使って敵対国に経済制裁等を発動してきた。その中には、米国財務省主導の資産凍結や、米ドル取引を禁止したりする処分があった。
今回の規制は米国の商務省主導であり、一般的に「輸出管理」というときは、普通はこちらの商務省主導のものを指す。
で、普通の国の輸出規制であれば、その国の中で規制すべき貨物を定め、その輸出に監督官庁の許可を必要とする仕組みとなる。たとえば日本は高性能な工作機械を輸出するときは経産省の許可が要る(仕向地によっては許可が下りないことも当然ある)。
ところが、米国の輸出規制というのはちょっと変わっていて、米国から輸出する貨物(技術含む)だけではなく、米国原産貨物を組み込んでいるものも規制対象にしていたり、米国に由来する(米国オリジン)規制技術を使って他国で製造した製品も、米国の輸出規制を受けるとしているんだ。
じゃあ例えば米国の釘を一本打ち込んだ機械や、あるいは米国製の3Dプリンターを使って製造したモノを輸出する場合は米国輸出規制に引っかかるのかというと、さすがにこれは各国から強い反対もあったようで、米国も譲歩している。具体的には貨物の組み込み比率だったり、米国製技術がどのような理由で規制されているか等々なのだが、結構複雑なのでここでは割愛する。
とはいえ、日本から輸出する場合に米国規制に引っかかるのは①米国産貨物を一定以上組み込んでいるか、②米国で規制されている狭い範囲の技術に基づいて製造されたものか、を気にしていればよかった。①か②にあたる場合でも、それが米国が規制していない貨物や技術であれば米国商務省の許可は不要(EAR99という)だし、せいぜい米国が定めている制裁リスト(DPL、ELなどというものがある。山口組が対象となったリストはSDNという財務省主導のリストなので、また別の話)に輸出先が掲載されているかどうかをみれば、まあクリアできた程度のものだったのだ。
この「EAR対象か否か」というのが、今までの米国規制の限界・閾値であり、その外の世界であれば自由に貿易できていたのが、2022年10月7日までの世界だった(正確には10月21日施行だが)。
■ここ最近の情勢
ところが、米国規制はここ数年でどんどん先鋭化している。それは、米中の対立もそうだし、従来の「輸出管理」で上手くいかない部分が出てきているからなんだ。
輸出管理は通常は国々の合意に基づき、規制される貨物を各国一致で決めている。通常兵器でいえばワッセナー・アレンジメントという枠組みだったり、ミサイルであればMSG、生物化学兵器であればオーストラリアグループという枠組みがあり、そこに加入している国は、ほぼほぼ同じような規制貨物を定め、その国から輸出する場合は官庁の許可を必要としている。先述のとおり、日本だと経産省、アメリカだと先述のBISとか。
ところが、この枠組みは近年機能しなくなってきている。というのは、とにかく加盟国が多すぎてなかなか決まらない。いくつかの枠組みにはインドや中国も加入していて、その議論には党派性が強く出てしまっている。国連のようなものと想像してもらえばいいかもしれない。おまけに技術は日進月歩で、今で言えば高性能3Dプリンターとかドローンとか、規制すべきものが中々規制されず、時代遅れの工作機械の位置決め精度とかの、ショボい改正を一生懸命議論して決めている体たらく。
■米国の本気
米国はそんな状況に業を煮やし、先述した規制の限界を撤廃し始めている。つまり半導体製造関連で、かつ仕向地が中国であれば、①米国貨物を組み込んでいなくても、②どんな技術であれ米国の規制技術を使って製造したものは、米国輸出規制の支配下に置かれる、ということを一方的に宣言したのだ。
正確に書くと②については対象貨物や米国制裁リストの区分でいくつか条件分岐するけど、たとえばスパコン関係であれば、富士通が日本国内の子会社にメイドインUSAの機器を移そうとした場合でも、いちいち米国商務省の許可が必要となる。そう聞くと果てしなく面倒くさいものとイメージできるのではないだろうか。
■今後中国の半導体開発・製造の援助は全てNG(要許可、ただし許可は下りません)
退職者が続出しているという例の話は、この援助(support)規制が影響しているものと思われる。この規制はEARインフォームという、その名前に反して通知すら不要というよくわからない規制なのだけど、とにかく範囲がめちゃ広い。なにせ規制対象は幅広く「援助」なのだ。もちろん、前述のEAR規制の閾値も関係ない。半導体業界で働くことはもちろんのこと、おそらく機械設備を運送する運輸関係もアウトと思われる。
■今後の見通し
EAR規制の閾値を突破したケースは過去に一度だけあり、それが現在のロシア規制だったりする。
上で述べたEARインフォームが使われ、非米国製品も幅広く規制されている。じゃあこれが日本でなぜ話題にならなかったかというと、ざっくり「米国のロシア規制に賛成し、同様の規制を敷いた国は、対ロシア以外であれば普通に貿易をして良い」という免罪符があるのですな。日本は菅さんか岸田さんの頃か忘れたけど、ちゃっかりこの免罪符をゲットしていた。
だから、今回の中国半導体規制も、米国と同様の規制を敷いた国同士の取引は例外扱いになると思う。たとえば日本と英国アームとか、前述の富士通グループ間取引や援助は、米国の許可なしで普通にできるようになるのではないでしょうか。
とはいえ中国に輸出できないというのはビシっと決まってしまったわけで、今後の日本半導体業界の売上自体は右肩下がりになるのではないかなーと思います。半導体業界を知らないから何とも言えないけどね。
遠回しな援助だってアメリカが立ち位置を早い段階で明らかにしなかったら足並みそろわなかっただろうしな。
結局のところどこの国もまだ世界の警察に頼ってた時代の考えを捨てきれない。
「アメリカが世界の警察から降りた」ということを世界中に明確な事実として示したという意味でも
「いきなりトチ狂ったロシアに襲われたウクライナは大変だったね」で不運な事故として例外処理して
何事もなかったように今まで通りで行くのか、「世界の警察はもういない」という現実と向き合って
各国が考え方を改めるのか、全く予想がつかない。恐ろしいな。
今のウクライナに対する「ロシアは想定外に苦戦してる」っていう報道の類って
日本に置き換えたらそういうことだよね。
だーれも直接助けに来ず遠回しな援助投げてよこすだけで外野がそんなこと言ってたとして、お前ら納得できるのか?
首相が他国を行脚して「助けてくれ」って言って回ってもそんな状況だぞ?
個人的には、世界の警察が居なくなるだけでここまで世界は薄情になるんだという現実を突きつけられた思いだよ。
どの国も、自国民を犠牲にして他国を助ける気なんかないって事だ。
でも、たった一国が世界の警察をやっていたということの方が異常だったのかもな。
これから先、世界の警察に頼り切ってだらけていた世界各国は西も東も関係なく自分たちの立ち位置を考え直していかなきゃならなくなる。
つくづく、凄い時代に生きているんだと実感させられる。
日本国憲法9条のようなものもない、自国の軍を持っていたウクライナがロシアに攻められても
他国は蹂躙を遠目から眺めつつ遠回しな支援してるだけだったよ?
ウクライナはNATOに入ってないから攻められたって言われるけど、NATO の Partnership for Peace には名を連ねてるんじゃないの?
Partnership for Peace なんて何の意味もないって事なのか?
だったら、それと似たような位置付けに日本が落ちぶれるのはそう遠くないから、日本にとっても他人事じゃないよ?
日本は米軍基地がある今はまだ大丈夫だろうけど、今のロシアに対するアメリカの態度見てれば
実際、米軍基地が日本に留まるための日本に対する要求は増す一方だ。
もうあの国は他国のために自国民の血を流すことを当分やらないだろう。
その当分というのがどのぐらいかといえば、9.11を体験した世代がすべてこの世を去るまではどうあがいても無理。
その先だって自国内である程度資源確保できる今となってはかつてほど世界の警察に拘る必要もないから微妙。
だとしたら、日本が正式に軍を持って、アメリカがこれ幸いと手を引く可能性を考えると、下手に軍備したらダメなんじゃないの?
軍備不要というより、きちんと戦略立ててアメリカなしでも自国を守れる算段立たないと正式に軍を持っちゃダメだろうね。
ただ、自分で書いておいてなんだけど、国策で人口が激減する日本ではそんなの国内経済を犠牲にしないと無理なので
ロシアがこの後全世界からボッコボコにされても、蹂躙されたウクライナや失われた命が戻ることもないし
相互安全保障という、金をケチりたいっていう話を覆い隠す上っ面の理論が現実論(笑)に戻ることもない。
どの国も、他国のために自分たちが血を流すなんてしない。それが現実となった。
せいぜい個人単位で義勇兵として乗り込むぐらいだけど、それは個々人の自由だから好きにしたらいい。
自衛隊のラベルを日本軍に張り替えて今まで通りアメリカに守ってもらおう、なんていう平和ボケした現実論じゃなくて
悪いけどあなたの言ってる事は全部間違ってる。
そもそもアメリカはウクライナの件に介入しようとは思ってないんだよ。アフガン撤退見ても分かるように、もうアメリカが世界の警察官をやる時代じゃない。「参入する」と言っていれば抑止力になったかもしれないけど、そもそも抑止する意向ではないし関わりたくないという話な。
アメリカとロシアはヨーロッパと大西洋を挟んで距離的にもかなり離れてるし(モスクワとワシントンDCの話な。アラスカとロシア東端は近い)、別にロシアはアメリカを攻撃しようとしている訳でもない。ロシアと事を構えても第三次世界大戦が起こるだけで誰も得しない。だから経済制裁だけなの。
内容のバックアップと所感など
【演説全文】ウクライナ ゼレンスキー大統領 米議会で演説 | ウクライナ情勢 | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220318/k10013540231000.html
(魚拓)
【演説全文】ウクライナ ゼレンスキー大統領 米議会で演説 | ウクライナ情勢 | NHKニュース
(はてブ)
[B! ウクライナ] 【演説全文】ウクライナ ゼレンスキー大統領 米議会で演説 | NHKニュース
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www3.nhk.or.jp/news/html/20220318/k10013540231000.html
あとで探す。
まずプーチンを擁護するつもりは一切ない。プーチンは殺したウクライナ人に謝罪賠償して、引退すべき。
その上で、アメリカという国も大概クソだという印象が拭えない。
アメリカの建国の歴史を学ぶと、イギリスからやってきた侵略者が、もともと北米大陸にいた原住民(ネイティブ・アメリカン、インディアン)から土地を略奪して作った国だと分かる。
アメリカ人は、西部の開拓時代とか言って、原住民を蹴散らす戦いを正義として美化してきてが、自分達が強盗の末裔という現実を直視すべき。
原住民から土地を略奪して、自分達の生活を豊かにすること、すなわち自分達が自由になれば他人はどうでもいい、という論理を振りかざしている。
今の地球で一番極悪な人間はアメリカ人であり、ロシアや中国はアメリカ以下の雑魚とアホの集団でしかない。
そんなアメリカに泣きついて頼らないと生きていけない人類は、なんとも情けない限りである。
「世界の警察」とかいって、他人に依存するメンヘラが増えると、ますますアメリカは増長するだけ。
もっと自立する気持ちをもって、アメリカに頼らず、自分は自分で守るという気概と努力をする人間が増えないと、地球はダメになるね。
しているけど
アメリカ達西側がやる事は侵略戦争だろうと民間人虐殺だろうと「全てが正義」と見過ごされ
今世界の敵認定されてるロシアがやる事はアメリカと同じ事だろうと「ヒトラーの再来」みたいな叩かれ方をしてるのが凄く居心地悪い
侵略戦争が全て悪なら中東の石油資源目当てに戦争始めたアメリカだってロシアと同じように悪なんじゃあないのか?
世界の警察アメリカのやる事は人民の敵ロシアと違って全てが正義なのか?そこら辺スッゲーモヤモヤしている
ただ仮に日本を占領支配したのはアメリカじゃなくてロシアだったら、今頃日本人は貧困に苦しむ地獄みたいな国だったろうなとも思う
「中途半端な及び腰でウクライナを見守るだけのNATO」という状況が長引くと
ベラルーシみたいにプーチンの犬になる国も続々出てきちゃうんじゃないかな?
かといってウクライナを見捨てるとNATOの威信丸つぶれだし、
ガチンコで手を出したら第三次世界大戦に一直線だし、なかなか辛いところだね。
経済制裁でいくらロシアに後からダメージ負わせたって、蹂躙されたウクライナが元に戻るわけじゃないしな。
むしろ経済制裁がロシア国内の反戦勢力の支持を削る結果になるかもしれない。
このままじゃロシアも長期的には酷い事になるだろうし、見捨てられたウクライナは蹂躙されたままだし
かといってアメリカも今更世界の警察に戻る気はさらさらないだろうし、どうなるのか予想が付かないな。
凄い時代だ。