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2024-01-04

2024年版・初心者が知るべき暗号資産投資の始め方

皆様明けましておめでとうございます

この記事では、暗号資産投資を考えている初心者の方向けに、いま界隈がどういう状況になっているか、もし投資するとしたらどのようにアプローチしていくべきかを身も蓋もない形で説明します。

1.今投資するとしたら、何に投資すればいいか

以下のどれかが望ましい。


2024年のメインイベント米国ETFビットコイン半減期、そして利下げ開始である

まり主導権は米国経済でありつつ、暗号資産のサイクル的には半減期通過で一定の期待が持てる状況。

ビットコインはまもなく米国現物ETF判断が出て、かなり確度が高く承認の見込み。質のいい資金流入が期待できる。

イーサリアムETF申請が行われており、こちらも確度が高い。スケジュール的にはビットコインの相当あとになりそう。

コインベースは、これらのETFカストディアンとしてほぼすべての申請指名している。新NISAビットコインETFはまだ買えないので、もしその枠で検討するならコインベースがいいだろう。ただし、コインベース自分の鍵で管理できるアセットではない。分散思想的にNGな人はビットコインイーサリアムを買えば良い。

上記三種以外にお金を入れる人は、自信過剰な界隈の猛者か、資金を最速で失うお客様である。これを忘れてはいけない。

上記で挙げなかったが、ソラナ(SOL)とアバランチ(AVAX)は選択肢として検討しうる。ただ、ビットコインイーサリアムより遥かに価格変動が大きい。例えばソラナでいえば、以下の文脈を踏まえた投資必要

もし現時点で一つでも詳しくないトピックがあるとしたら、貴方情報で劣後している。投資家ではなく出口様である。止めておいたほうがいい。



2.大きなイベント説明

主に今年前半、以下のイベントが発生し相場に影響を与えうる。

①【価格上昇要因】ビットコイン現物ETF承認

1月初旬(というか数日中)に承認されそう。承認後は資金流入が期待できるが、事実売りで低迷期があるのではないか?と懸念されている状況。

②【価格上昇要因】ビットコイン半減期

2024年4月になりそう。売却圧が減りテクニカル的に煮詰まることで、半減期後しばらくすると価格が急騰すると一般的には言われている。現在のところ再現性もある。ただし、半減期前後で毎回大きな調整が発生している。

③【価格上昇要因】イーサリアムアップデート

2024年3月ごろになりそう。いわゆるレイヤー2と呼ばれる連中の取引手数料が減ると思えばOK

④【価格下落要因】米国の利下げ

いつ始まるか不明

利下げが始まると、一般的には債権資金流れるため、株やコモディティ価格は下がりがち。

①②③の価格押上効果は強そうだが、④を考えると、通年でのんきに価格が上がっていくというシナリオは考えづらい。

かなり高い確率で、大きめの調整があるだろう。そのため、どのタイミング資金を入れるかはよくよく考える必要がある。

株の暴落があると思うなら調整を待てばいいし、難しいことを考えたくないならドルコスト平均法でのんびり買えば良い。

暗号資産業界に興味があるからNISAコインベースを買って放ったらかします」も悪い選択肢ではない。

3.この暗号資産はどうか?(という潜在的質問に対する回答)

上記以外にお金を入れるな。これに尽きる。インフルエンサーが様々な暗号資産を煽るだろうが、彼らは本質的に出口を欲している。あなたお客様だ。ゲームGPSAI、新興チェーン、まあとにかく手を変え品を変え出てくるだろう。

だが、どれほど詳しい人であっても、基軸となるトークンよりも良いパフォーマンスを出すことは至難である

2023年の年初にBTCを買ってホールドすれば、資産は3倍弱になっていた。大きな声を出してキラキラと煽る彼らがそれ以上の利益を出せていたか?答えはNOである。もちろん例外はいるが、そんなのは例外に過ぎない。

ブロックチェーンゲームで良作が出たとしよう。あなたはそのトークン買ってはいけない楽しいゲームが出たら遊べ。シンプルにそれだけでいい。買うな。初心者が、界隈の猛者を差し置いてラッキーパンチを引けるか? そんなことは不可能である

BTCとETHを以外を買った場合あなたは高確率お金を失う。

4.各勢力の身も蓋もない状況説明(非初心者向け)



ビットコイナー】

Inscriptionのせいで、これまでシットコイン製造機と散々バカにしていたスマコン通貨と同じ悲劇ビットコインで発生。

ビットコインは最早シットコイン製造機であり、ギャンブルの本場であるETF賛否と合わせてコミュニティ意見割れる。

彼らの本音と建前を書くとこうなる。

Inscription:

本音)俺たちの大好きなビットコイン上でカジノ遊びしやがって、ふざけんな絶対に許さん

(建前)Permissionlessなので止めることはできない。手数料が増えることも持続可能性にとってプラスである

ETF

本音ビットコイン価格が上昇するのは超嬉しい!

(建前)ETFは、自分の鍵を自分管理するビットコイン本来のTrustlessに反する動きである賛同しない。

建前の発言本心から発しているビットコイナーは少ない。

【イーサリアン】

ソラナの猛追を受けて自信喪失気味。待望のアップデートが目前、Modularの筋の良さも相まり決済レイヤーとして展望が良くなっている状況でこれは不思議極まる。

一方でOFAC準拠バリデーターが増加傾向だったり、バブル期弱者から資金を抜きまくっていた勢力がエアドロにタカり始めた結果、本家シットコインカジノの汚い輝きが増してきた。彼らは投機を越えた投棄勢であり、ロクな連中ではない。イーサリアム界隈に行くなら注意しよう。

【Binance(バイナンシアン)】

Trustlessの世界で、CZをTrustする不思議なひとたちがかつていた。米国に押し込まれた結果、王国は半壊。パーティー会場として散々散らかされたBSC廃墟と化し、深刻なアイデンティティ危機に見舞われている。opBNBはOP stackを使って構築されているが、BSC共通する文化、つまりオリジナルに対する敬意が極めて希薄コピーキャットを礼賛する連中の集まりのなかで、Pancakeだけが唯一、勢力を保っている。

SOL(ソラナー)】

2023年に最大の利益を得た勢力。といっても、「FTX崩壊事件後、ATHからどの程度戻したか」という指標で見ると実は他とそんなに変わらなかったりする。開発者コミュニティが残り継続的アクティティがあるのは素直に称賛されるべきだろう。とはいえ、JLPはオラクル決済型GMXとほぼ同じ設計で、Bonkはミームである。現状、何もかもが足りていない。FTXの巨大な売圧はまったく解決していないし、他と比べたときの高インフレ体質は調整時の脆弱さにつながる。もちろん高値更新を続ける可能性はある。だが、イキリ散らかした後始末はどこかで歪みとして発生するだろう。

アバランチ

ModularのETHとモノリシックSOLに囲まれて、存在感がどんどん薄くなっている。

イーサリアムアップデート後はさらに苦しい立場になりそう。最近Avalanche Foundationがミームトークン出資する発表をしていたが、まさに迷走を象徴している。

COSMOS勢】

ATOMはもう救えない。みんな諦めた。可哀想に。Celestiaが生まれたことで、Modularの中心候補としてイーサリアンと奇妙な共闘状態になりつつある。同床異夢となるかは分からん

DoKwonが、事業失敗ではなく単なるポンジ詐欺師だったことは様々な報道裁判で明らかになっているが、全員目を背け忘れたフリをしている。

過去に煽ってた連中は涼しい顔をして別のプロジェクト推している。

あとこいつの問題は、「これを買えば安心」という基軸がないこと。これに尽きる。Tia高すぎるだろ。

【Poladot勢】

もう救えない。polkadot sdk微妙に使われているが、そいつらが生き残っていけるかは不明。生き残ったとしてもDOT本体とはあまり関係がない。現在構造競争に勝ち抜くのは無理。

【他の勢力

無理。がんばってください。

5.業界に対する身も蓋もない状況説明

期末時価に対する税制改正など、バズワードだったWeb3をテコにした法改正はとてもうまく立ち回っている印象。汗をかかれたかたはお疲れ様でした。一方で一向に統一されないJVCEAとJCBAトラベルルール相互に送付ができない取引所など、なんでそうなるねんという状況が多い。控えめにいって業界としてのガバナンス能力がない。

経営層もさー、明らかにプライベートスマコン触ってないでしょ? そういう人が指揮をとるのは業界の損失なので、さっさと後進に道を譲ってください。

それでは、良い暗号資産ライフを。

2023-02-15

エレクトラホワイトペーパー 20230207 (2)

https://anond.hatelabo.jp/20230215130142

5. イノベーション製品

このアプローチにより、プロジェクト資金調達に伴って投資家コントロールを共有する場合、従来の企業株式に関連するすべての問題が取り除かれます

同時に、投資希望する顧客は、管理制御が容易なエレクトラムトークンを受け取り、将来の投資への道が開かれます

投資家は、保有するトークンシェアに比例して収入を得ることができます配当金の総額は、プラットフォーム上に配置されるすべてのプロジェクト収入シェアの合計となりますプラットフォームに載るプロジェクトポートフォリオは、すべての参加者の最大限の効率を確保するために、綿密に監視されます

1. 投資ツールとしてのNFT

ウォレットとは異なり、NFTは複数の種類の価値抽象化を保持することができます。NFTは譲渡、売却、贈与が可能です。さらに、NFTは鋳造時に明確で透明なルールによって管理されます。これらのルール文書化され、全世界に公開され、監査される。これらのルールはすべて、スマートコントラクトと呼ばれるものに設定されています

私たち場合エレクトラムNFTは従来の株式の代わりとして、プロジェクトクライアント資金調達能力提供し、投資家を惹きつけることができます

ファンド運用成果から投資家収入を与えるETFトークンとは異なり、当社のアプローチは、収入が発生する直接的かつ透明なメカニズム意味します。

2. プロジェクト向け

私たちクライアントは、最大限の透明性と安全性をもって、世界中の分散コミュニティからプロジェクト資金調達するユニーク能力を得ることができます

プロジェクトとしてプラットフォームに参加するためには、信頼できるパートナーから監査を含む包括的セキュリティチェックに合格する必要があります

エレクトラムNFTの保有者に適切な配当保証されるような、将来的な収入可能性が確認されたプロジェクトのみがプログラムに参加することができます

3. 投資家およびコミュニティにとって

このプラットフォームに参加されるお客様は、予測可能レベル受動的な収入を得る可能性を持つことになります私たちは、たとえあなたがそのビジネス精通していなくても、収益性のないビジネスには決して投資しないようにします。

6. プラットフォーム

1. エレクトラムNFT
2. リディア銀行

エレクトラムを売買・交換するための専用マーケットプレイス

3. トークノミクス

Electrumには取引価格があるが、チャートはなく、担保もない。

取引価格は1ドルからまり2023年2月1日から2033年までの10年間、180日ごとに10%ずつ上昇する。

なお、エレクトラムの取引価格は一度上がると、システム上、一生下がることはない。

4. ザ・ウォレット
5. 配当金発行プラットフォーム

7. ロードマップ

01 NFTの開発

02 当社マーケットプレイスでのトークン販売開始

03 ウォレットの開発

04 Swipe2Payの独自機能ウォレット統合

05 配当金発行プラットフォーム

2021-03-08

anond:20210307202613

すまんな、実はおっさんフォロワーの別人なんや。今は富士通本体に吸収された富士通BSC企業不祥事が余りにアツくて解説したくなってもうた。人間模様バチバチから暇やったら探して読んでみてくれ

2021-02-07

2021年版・ド初心者向け仮想通貨投資の始め方

この記事対象のひと

仮想通貨投機詐欺

買えば良い通貨

  • BTC、ETH。以上。

買ってはいけない通貨

どう買えば良いか

他の稼ぎ方はあるのか?

一番オススメ戦略は?

「Uniswap」が停止する可能性はないの?

BSCバイナンス・スマートチェイン)はどうなの?ガス代安いっていうけど。



総じて、2018年2020年よりも遥かに環境がよくなっています

実際に動いているプロダクトを触りながら稼げるので、金融屋よりも技術屋のほうが優位性が出てきていますエンジニアならぜひ触ってみましょう。

Aragonを利用したDAOの民主主義とか、スマートコントラクトを利用した面白い試みはとても深く、信じられないほどたくさんあります

届く人に届けば良い。

追記)PUIPUI。

2016-11-28

SIerランク

ランク 企業

A+ OracleCiscoNTTデータSAP

A 日立製作所富士通

A- 日本IBMNTTコミュニケーションズアクセンチュア野村総研(NRI)

B+ NEC日本HP新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)、日本総研(JRI)、大和総研(DIR)

B NTTコムウェア伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、電通国際情報サービス(ISID)

B- 三菱UFJインフォメーションテクノロジー(MUIT)、みずほ情報総研(MHIR)、

日本ユニシスアビームコンサルティング

C+ JSOL、農中情報システムSCSK日立システムズ(HISYS)、日立ソリューションズ(HISOL)

C NECソリューションイノベータニッセイ情報テクノロジーJR東日本情報システム(JEIS)、

東洋ビジネスエンジニアリング

C- オービックTIS、オージス総研富士通エフサス、シンプレクス、

タタコンサルタンシーサービシズ、東京海上日動システム

D+ 三菱UFJトラストシステム三菱総研DCS兼松エレクトロニクス都築電気

日興システムソリューションズ、キャノンITソリューション

D 損保ジャパン日本興亜システムズ、インフォコムセゾン情報システムズ日商エレクトロニクス

コベルコシステムIIJネットワンシステムズパナソニックインフォメーションシステムズ、

菱化システムJRシステム富士通システムイースト東芝ソリューション富士通FIP

D- ユニアデックスNECネッツエスアイ日立産業制御ソリューションズ、

三菱電機インフォメーションシステムズMS&ADシステムズ、NTTソフトウェア

NTTアドバンステクノロジ、JFEシステムズ、テクマトリックス三井情報第一生命情報システム

ソニーグローバルソリューションズ、ワークスアプリケーションズ

E+ 富士通システムウエスト富士通マーケティング三菱電機インフォメーションネットワーク

中央コンピュータシステムティージー情報ネットワークリンクレアジャストシステム

E NECフィールディングNEC情報システムズ富士通BSC日本情報通信

住友電工システムソリューションJR西日本ITソリューションズ、

インテック明治安田システムテクノロジー

E- 富士通ネットワークソリューションズ、日立公共システムNEC通信システム

スミセイ情報システム丸紅情報システムズ双日システムズ

京セラコミュニケーションシステムsky

F+ 日立ソリューションズクリエイトキヤノンソフトウェアさくら情報システム

トヨタコミュニケーションシステムエクサアイネスTKCCACCEC、SRA

F クオリカNSDDTSさくらKCS東邦システムサイエンス、菱友システムズ、

ヤマトシステム開発CTCシステムマネジメント

G 大塚商会富士ソフト、コア、アルファシステムズ

H トランスコスモス旭情報サービス、ジャステックシステナ、Minoriソリューションズ、

東京コンピュータサービス

2008-11-03

日本は侵略国家であったのか」を読む 補足

http://anond.hatelabo.jp/20081101232814

 こんにちは元増田です。

 どれだけ厳しい批判が寄せられているだろうかと恐る恐るみてみたら、好意的な反響が多く、胸をなでおろしています。

 増田に書く理由としては、ひとつめ、専門外のことに長く関わるつもりがないこと、ふたつめ、連休の出先で手元に一冊の参考書籍もなく、HDDネット上のソースだけを参考に書いたエントリなど、歴史を専攻したものとして、しかも専門外のものとして、とても胸を張って提示できるものではないこと、みっつめ、それゆえ、ホームに書いたら全て書き換えるほどの修正をせずにはいられないだろうが、その気力も時間もないこと、よっつめ、しかし、あれを「論文」とすることには憤りを覚えたので、せめて学問を知る人にはトンデモトンデモであると伝えてみたかったこと、いつつめ、増田であれば上記の点をそれほど気にやまずに済むこと、このくらいでしょうか。したがって、私のエントリはいわゆる「ちらしのうら」です(文献表記がみにくいのもわざとです。すみません)。私はさくっと書き逃げする卑怯者です。内容がいかがわしいのも推敲が甘いのも全て私の責任です。でも、もろもろの言い訳によって逃げられるものではないですよね。ああ。

 さて、前回のエントリでは、後半にさしかかったときにから睡魔に襲われ、最後は「藁人形叩き」ばかりになってしまいました。ようやく投稿できたと思ったら、字数超過で記事を分割せねばならず、つづきでは田母神氏の論文タイトルを間違えてしまいました。謹んで失礼をお詫びします。いろいろとミスがあろうと手をいれるつもりはなかったのですが、批判する論文タイトルの間違いはいくらなんでもひどいので、訂正します(ついでに「シンガポール華僑粛清事件裁判記録」後編のミスも直します)。これも後出しですが、原文が縦書きの漢数字は、横書きなので適宜英数字にしています。

 では、気をとりなおして「藁人形叩き」ばかりをしていたところに補足してみたいと思います。最後に与太話の蛇足ですが雑感を述べてしめます。

 しかし人類歴史の中で支配、被支配の関係戦争によってのみ解決されてきた。強者が自ら譲歩することなどあり得ない。戦わない者は支配されることに甘んじなければならない。

(前回と同じく、はてな記法による引用の出所は、田母神俊雄日本は侵略国家であったのか」2008年http://www.apa.co.jp/book_report/images/2008jyusyou_saiyuusyu.pdf

 第2次世界大戦開戦の時点であっても、カナダオーストラリア南アフリカなどが自治領化・独立した例がありますね。フィリピンでも独立を前提とした自治領政府が成立していましたね。

 また、どちらかといえば植民地統治体制の比較の話ですが、自治・独立とまではいかないまでも、現地の住民を支配機構採用していく次のような例もありました。

1920年代より英国ビルマに赴任するICS〔引用者注インド高等文官の略称〕に英国人のみならずビルマ人も採用すべく方針を変え、その結果1939年末の段階で、ビルマにおける全高等文官のうちビルマ人は32.8%を占めるに至った」(根本敬「英領期のビルマ人高等文官(ICS/BSC)とタキン党」『東南アジア学会会報』63、1995年、17ページ。http://ci.nii.ac.jp/cinii/servlet/CiNiiLog_Navi?name=nels&type=pdf&lang=jp&id=ART0004924657

それは日露戦争、そして大東亜戦争を戦った日本の力によるものである。もし日本があの時大東亜戦争を戦わなければ、現在のような人種平等の世界が来るのがあと百年、2百年遅れていたかもしれない。

 1940年代において、宗主国が疲弊し、植民地独立運動が高揚したのは確かなことでしょう。ただし、歴史学の領分は、「もしも」を考えるというより、その過程をつまびらかにして、それぞれの要因や重要性を検討することにあります。

 まず、開戦の詔書には「東亜ノ安定」「世界平和」「万邦共栄」「東亜安定」「東亜永遠平和確立」という表現はありますが、肝心の戦争目的を述べている部分は、あくまで「今ヤ自存自衛ノ為蹶然起ツテ一切の障礙ヲ砕碎スルノ外ナキナリ」(「御署名原本・昭和十六年・詔書一二月八日・米国英国ニ対スル宣戦ノ件」1941年12月8日アジア歴史資料センターレファレンスコードA03022539800。引用部分の漢字は適宜新字体を用いました。センターホームページの検索バーに左記のレファレンスコードを打ち込めば該当資料のページへ飛べますhttp://www.jacar.go.jp/)ということであり、「アジア民族解放」、「植民地解放」、や「独立」といった文言は一切ないことを指摘しておきます。文面上はまさに自存自衛の戦いをうたっており、解放約束は明文上ではなされていません(ちなみに、みればわかりますが「八紘一宇」もないです)。では、実際、アジア諸国にどう接し、現地住民はどう対応したのか、前回は文献名をあげただけのものから少し引用しておきます。

ビルマ1943年8月1日主権を有する独立国家となったが,真の独立を求めるビルマ人にとってそれは,’’偽の独立’’,’’メッキの独立’’にすぎなかった。ビルマ人は,独立が’’空虚’’であることを知っていた。この当時の日本人に対するビルマ人の態度は,「愛していなくても我慢して接吻する」ようなものであった」(大野徹「ビルマ国軍史(その2)」『東南アジア研究』8(3)、1970、360ページ。http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/55632/1/KJ00000134014.pdf原文の注の番号は引用者が削除しました。以下の引用文でも同じ)。

日本の『朝日新聞』は、この作戦について、「皇軍航空部隊の空襲は一見、印度民衆の苦難を一層増大せしめるかに見えるが、爆弾の雨の中に、皇軍印度独立運動に対する無限の慈愛と支援が含蓄されている」と書いていた。まことに「含蓄」の深い論評だったと言うべきであろう」(中里成章「日本軍の南方作戦とインド」『東洋文化研究所紀要東京大学)』151、2007年、190ページ。http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/bitstream/2261/5716/1/ioc151004.pdf)。

「本稿では不十分ながら、日本大東亜共栄圏アジア主義プロパガンダが、そして、その大枠の中で動いたチャンドラ・ボース等の活動が、インド社会との接点を持てずに、空回りしていたことを明らかにしえたのではないかと思う」(前掲中里論文、195ページ。ボースたちについては、197ページの注6、200ページの注22、202ページの注26、208ページの注80も参照)。

 インドネシアフィリピンベトナム抗日闘争について、詳しくは論文本文を読んでいただきたいのですが、結論としては、

「要するに、東南アジア諸国の反植民地民族独立運動は、太平洋戦争日本の侵略によって生じた情勢やその他条件を、主体的、積極的に活用して日本に対応し、戦前に比して飛躍的な成長を遂げた。そして、このことは、戦後における東南アジア諸国の民族独立運動の高揚や民族独立の達成の決定的要因となった。この意味において、太平洋戦争日本の侵略は、東南アジア諸国の民族独立運動史における一大転換点であったということができよう」(谷川榮彦「太平洋戦争東南アジア民族独立運動」『法政研究九州大学)』53(3)、1987年、395ページ。http://ci.nii.ac.jp/cinii/servlet/CiNiiLog_Navi?name=nels&type=pdf&lang=jp&id=ART0008279870原文にあった傍点は除いた)。

 以上でつっこみの補足は終わりです。現下の情勢については特に言及しません。

 さて、今回のエントリ執筆目的としては、可能な限り速やかに「論文」が論文になっていないことを示すことでした。大事なのは「内容」とおっしゃるのは結構ですが、学問的に批判可能な形式(もちろん既存の研究にとらわれない革新的な独自形式でも、読者に史料を提示できればかまいません)をとらないものは、「無敵な人」の独自な「歴史観」の告白にすぎないでしょう。それに価値を認めるのは個人の自由ですが、学問教育の場に持ちこむのはお門違いです。そのような姿勢では、いつまでたっても歴史学における扱いはトンデモのままですよ。もちろん、大学研究所にいる専門家でなければ歴史の話をしてはいけないということではないです。「昭和史論争」を引き起こしたのは歴史研究者ではありませんでした。しかし、自己見解教科書にのるような通説となさりたいのであれば、専門家と同じ舞台に立ち、その批判に応答しなければならないでしょう。「つくる会」はその舞台に立つ気はないと宣言した結果どうなっているでしょうか。今なら学術雑誌に投稿しなくても、インターネット上でいくらでも長文の論文発表できますよね。

 一般に、歴史研究者は、四年生大学で専門的なトレーニングを受け、さらに修士課程二年間、博士課程三年間以上を費やして史料を読み込み論文を紡ぎだしています。それでも、個々の論文の結論で言えることはささやかなことです。また、研究会学会書評などの形でお互いに切磋琢磨しています。それぞれが広範な史料に目を通しているからこそ、個々の研究がその時代の歴史像のどこに位置づけられ、どの部分がその時代の特徴をよくとらえられているかを議論できるのです。自分の個別研究歴史研究の大きな流れのどこに位置づけられるのかをとらえるため、歴史を学ぶ標準的な手順としては、まずは先達がエッセンスを詰め込んだ教科書、概説書を読み、そこから主要な研究文献やレビュー論文目録等を漁って研究史をたどり、そこで用いられている史料を読み、先人の研究の妥当性を検討したり自己の問題関心を追求していくのです。木簡のように新しい史料が見つかったり、機密文書が公開されたりして史料が増えれば、それがどのように従来の見解に修正を迫り、新たな知見を付け加えるのか議論します。そのような積み重ねのなか、通史は更新され、教科書記述も変わっていきますが、このことをもって歴史は定まりないものだから最新の研究成果も独自研究も変わりないということは的外れでしょう。それはかえって科学としての歴史学が機能している証拠にほかなりません。

 さて、歴史学者全体がイデオロギー的に偏向している、現行の教科書自虐史観マルクス主義史観に基づいているという「つくる会」の主張もありますね(それでいて『国民歴史』のように、専門家研究から剽窃したりするの会員もいるのは厚顔無恥ですね。参照、尾藤正英『日本文化歴史岩波新書2000年あとがき)しかし、戦後長く標準的な高校教科書として採用されてきた山川出版社の『詳説世界史』の執筆者には林健太郎(故人への敬称は略します)が含まれていました。日本史にしても伊藤隆氏が編者であった『近代II』を含む、『日本歴史大系』山川出版社、1984-90年、が、受験前に初めて読む通史だった私などには、学会の主流がマルクス主義史観など妄言にしか聞こえません。岩波だから駄目などという意見も見ることがありますが、最新の『岩波講座世界歴史岩波書店、1997-2000年、では、古代中世近世近代という時代区分はもはや採用されていません。そもそも研究の場では、評価は自分の目で確かめてから下すもので、事前に確定できるものではないのです。

 私が前回あげた書評にこういう記述があります。

「いずれも〔引用者注:本文でふれられている臼井勝美氏、酒井哲哉氏の研究のこと〕,侵略の時間連続性〔引用者注満洲事変から日中戦争へ〕を,陸軍の遠心性,すなわち現地機関の好戦性や暴走に帰さない画期的研究であった」(加藤陽子書評 安井三吉著『柳条湖事件から盧溝橋事件へ―1930年華北をめぐる日中の対抗―』」『アジア経済』45(9)、2004年、67ページ。http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/bitstream/2261/7473/1/kato45_09.pdf)。

日本の軍は強くなると必ず暴走し他国を侵略する」なんて本質論は、学界ではなされていませんよ。人事面でも、システム設計運用面でも、上部の問題は大きかったですよね。私みたいなものにも自衛隊に信頼できる友人はいますので、余計に上が軍の失敗を反省するそぶりもみせないのは問題と感じるわけです。

 最後に、余計なお節介でしょうが、歴史学入門、史学史についていくつか参考文献をあげておきます。ご興味のある向きは手にとられてみてはいかがでしょうか。

小田中直樹歴史学ってなんだ?』PHP新書2004年。(CiNiiの定額許諾を契約している大学関係者は、下敷きとなった論文DLできるかもしれません。私は今DLできる状況にないので保障はしません)

小田中直樹言語論的転回歴史学」『史学雑誌109(9)、2000年

http://ci.nii.ac.jp/cinii/servlet/CiNiiLog_Navi?name=nels&type=pdf&lang=jp&id=ART0002622266

歴史科学協議会編『卒業論文を書く―テーマ設定と史料の扱い方』山川出版社1997年

永原慶二『20世紀日本の歴史学』吉川弘文館2003年

 今まで述べてきたような研究の積み重ねに対し、自説の根拠もまともに示さずに自分の意見を広めたいと主張する行為がどういうものか、一度お考えになっていただけたら幸いです。

 また見苦しい長文になってしまいました。最後まで読んでくださった方に感謝します。

(追記)さすがに人名の誤記は看過できないのでミスを修正しました。

(再追記)引用文の出典が抜けていたのも直しました。すみません。

(再々追記)直ちに答えられるトラバをいただいたので応答します。ホロコースト研究の進展について次の文献を参照してください。

健介ホロコーストニュルンベルク裁判」『史論(東京女子大学)』55、2002年http://ci.nii.ac.jp/cinii/servlet/CiNiiLog_Navi?name=nels&type=pdf&lang=jp&id=ART0008575897

 
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