はてなキーワード: 不老不死とは
少なくとも地球では、ヒトの言語能力が発達した理由は、群れのコミュニケーションを円滑にして群れ全体の生存能力を上げるためです。その際には共感能力、つまり相手の気持ちを自分の身に置き換えて考えて想像する能力、が群れの維持には不可欠です。
暗がりから「お母さん」ってヒトの声真似をする生き物くらいは自然発生してもおかしくないでしょう。ですが、魔族はヒトの貴族を騙しきるほどの服装とコミュニケーション能力を手に入れています。コミュニケーション能力の発達のためには多様な個体との接触、特に大きな群れの維持が必要ですが、共感能力がなくて魔力の大きさだけを尺度にしているような社会は暴力のみが支配するサル山と同じです。人族の貴族を騙しきるだけのコミュニケーション能力が発達する余地はありません。高度なコミュニケーション能力が発達するのは、不可能とは言わないまでも、何らかのメカニズムの存在を示唆しています。
フリーレン世界での食物連鎖の最上位は人族です。大魔族を例外として、ドラゴン等を含め、ある程度大規模な人族の街を滅ぼすことができるような生物は基本的に存在しません。
人族は、仲間が殺されると集団で復讐する習性があります。大陸中に幅広く分布しており、ときおり現れる超強力な個体や、不老不死のエルフなども考えると、はっきり言って人族を食料にする時点で種の長期的な保存が困難になります。人族は文字を使った世代や地域を超えた学習能力も厄介で、数百年の研鑽によって得られた特攻魔法を、数十年で完全に破ってきます。絶滅が嫌なら人族を狙うのをやめるべきです。実際人族よりはるかに強力とされている魔族が滅ぼされつつあります。
そもそも、「人を食う化け物」と言われつつ、描写されるのは人を殺している場面だけで、人を食べるシーンらしきものは一度もありません。ですが、発達した言語能力や、記憶を読んで再現する能力など、ヒトに害をなすことに注力していることは確かです。
これが最大の不思議ポイントです。これは、人族と魔族で根本的に生命としてのあり方が違うことを示唆しています。おそらく魔族はオレオールにも行けないのでしょう。仮に女神を世界の造物主で魔族の作り手でもあるとすると、魔族への扱いがひどすぎます。
これらを踏まえると、魔族は単に「人の悪意が魔力だまりで形をとったもの」みたいなありがちな存在ではなく、人族の敵として上位存在に設計された存在ではないかと考えます。フリーレン世界の上位存在は女神です。女神は人族を愛しているとされており、もしそれが正しいのであれば魔族も人間のため、あるいは世界のために必要な役割を果たしていると考えられます。
話が大きくなってきました。世界のメカニズムに関わるもののうち、おそらく一番大事なのはヒンメルにも抜けなかった勇者の剣です。「勇者の剣を引き抜けるのは、この世界を滅ぼす大いなる災いを撃ち払う勇者のみ」とあるように、女神は世界を滅ぼす災いに備えており、その災いは病気や火山の噴火などではなく、剣で打ち払えるものだ、ということでしょう。
そうなると、人族に害をなす魔族の存在意義は、人族の敵となり、「この世界を滅ぼす大いなる災い」と戦っても勝てるように人族の団結と進化を促すことではないでしょうか。魔族は哀れなピエロです。知的な存在でないと人族に簡単に滅ぼされてしまうけど、知的だと人族と講和してしまうかもしれないので、共感能力の欠如や人族を食べるなどの特徴を付与して、あくまで敵として戦う存在であることを保証したのでしょう。単に目的を果たすためだけの魔法生物なので、人族とは格が違い、死ぬと消えるのでしょう。
こう考えると「人族のことを理解しようとした」魔王の考察も進みます。魔王は、神話の時代の大魔法使いゼーリエをもってしても、「戦いを追い求める」ことでは倒せません。「人族からダメージを受けない魔法」などがあるのかもしれません。では、ヒンメルはどうやって魔王を倒したのか?人族を理解し、人族と講和して共存することを目指した魔王が、高潔なヒンメルとの会話で魔族の種としての限界に気が付き、あるいは、人族の発展により「大いなる災いを撃ち払う」ことのめどがついたと判断して、自ら消滅を選んだのではないか?
眠りについたのは21世紀の半ば。
当時不治の病にかかっていた私は、一縷の望みをかけてコールドスリープで眠りについた。
解凍技術もなかった当時としては分の悪い賭けだったと思うが、私は勝ったようだ。
「あなたの病気を治すためには、免疫系と細胞の増殖の調整をすべてナノマシンに置き換える必要があります」
「そうするとどうなるのですか?」
「不死ではありませんが不老になります」
病気を治すためには致し方ない。不老不死ではないから、そう悪いことにもならないだろう。同意書にサインした。
注射一本で治療完了。医療に関してはすべて無料で提供されるらしい。まさに隔世の感だ。
翌日、弁護士のような人が訪ねてきた。
「あなたは、コールドスリープに入るときに普通預金を1,000万円程度お持ちでした」
「そうだったかもしれません」
「毎年だいたい平均して1%の利子がついて2億4千万円程度になっていますが、財産を継承しますか?」
その翌日、役人のような人が訪ねてきた。
「NHKです」
「NHK⁈」
「はい…」
「契約の更新はできなかったので年間受信料は13,650円です」
「はい」
「はい?」
「これまでの年間受信料13,650円の240年分と毎年8%の延滞料(複利)を合わせて16兆6081億1033万円をお支払いください」
「そんな無茶な!」
「あなたは昨日財産の継承に同意をしたので債務も継承されます」
「それにしたって払えないよ」
「払えない場合、現代では支払い完了まで債務者刑務所に入ることとなっております」
「……その刑務所に入ればいつか返済できるのか?」
「……」
5000兆円ほしい