2023-09-28

2356年に目覚めた

眠りについたのは21世紀の半ば。

当時不治の病にかかっていた私は、一縷の望みをかけてコールドスリープで眠りについた。

解凍技術もなかった当時としては分の悪い賭けだったと思うが、私は勝ったようだ。

なんだか医者のような人が話しかけてきた。

あなた病気を治すためには、免疫系と細胞の増殖の調整をすべてナノマシンに置き換える必要があります

「そうするとどうなるのですか?」

「不死ではありませんが不老になります

病気を治すためには致し方ない。不老不死ではないから、そう悪いことにもならないだろう。同意書にサインした。

注射一本で治療完了医療に関してはすべて無料提供されるらしい。まさに隔世の感だ。

翌日、弁護士のような人が訪ねてきた。

あなたは、コールドスリープに入るとき普通預金を1,000万円程度お持ちでした」

「そうだったかもしれません」

「毎年だいたい平均して1%の利子がついて2億4千万円程度になっていますが、財産継承しますか?」

先立つものがあるとは大助かりだ。同意書にサインした。

その翌日、役人のような人が訪ねてきた。

NHKです」

NHK⁈」

あなたNHKに加入していました」

はい…」

契約更新はできなかったので年間受信料は13,650円です」

はい

「2116年に借金時効自己破産制度が無くなりました」

はい?」

「これまでの年間受信料13,650円の240年分と毎年8%の延滞料(複利)を合わせて16兆6081億1033万円をお支払いください」

「そんな無茶な!」

あなたは昨日財産継承同意をしたので債務継承されます

「それにしたって払えないよ」

「払えない場合現代では支払い完了まで債務刑務所に入ることとなっております

「……その刑務所に入ればいつか返済できるのか?」

「毎年利子分も返済できないので永遠に無理ですね」

「……」

今私は自殺方法検索している。

5000兆円ほしい

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