2023-11-17

フリーレンの隠された設定のネタバレ

ごめん。タイトル釣りで、ネタバレではなくて考察です。

フリーレン世界の最大の謎は、魔族の存在だと思います

不思議ポイントその1: 共感能力がない

少なくとも地球では、ヒトの言語能力が発達した理由は、群れのコミュニケーションを円滑にして群れ全体の生存能力を上げるためです。その際には共感能力、つまり相手気持ち自分の身に置き換えて考えて想像する能力、が群れの維持には不可欠です。

暗がりから「お母さん」ってヒトの声真似をする生き物くらいは自然発生してもおかしくないでしょう。ですが、魔族はヒトの貴族を騙しきるほどの服装コミュニケーション能力を手に入れていますコミュニケーション能力の発達のためには多様な個体との接触特に大きな群れの維持が必要ですが、共感能力がなくて魔力の大きさだけを尺度にしているような社会暴力のみが支配するサル山と同じです。人族の貴族を騙しきるだけのコミュニケーション能力が発達する余地はありません。高度なコミュニケーション能力が発達するのは、不可能とは言わないまでも、何らかのメカニズム存在示唆しています

不思議ポイントその2: 人族を食べる

フリーレン世界での食物連鎖最上位は人族です。大魔族を例外として、ドラゴン等を含め、ある程度大規模な人族の街を滅ぼすことができるような生物基本的存在しません。

人族は、仲間が殺されると集団復讐する習性があります大陸中に幅広く分布しており、ときおり現れる超強力な個体や、不老不死エルフなども考えると、はっきり言って人族を食料にする時点で種の長期的な保存が困難になります。人族は文字を使った世代地域を超えた学習能力も厄介で、数百年の研鑽によって得られた特攻魔法を、数十年で完全に破ってきます絶滅が嫌なら人族を狙うのをやめるべきです。実際人族よりはるかに強力とされている魔族が滅ぼされつつあります

そもそも、「人を食う化け物」と言われつつ、描写されるのは人を殺している場面だけで、人を食べるシーンらしきものは一度もありません。ですが、発達した言語能力や、記憶を読んで再現する能力など、ヒトに害をなすことに注力していることは確かです。

不思議ポイントその3: 死ぬと消える

これが最大の不思議ポイントです。これは、人族と魔族で根本的に生命としてのあり方が違うことを示唆しています。おそらく魔族はオレオールにも行けないのでしょう。仮に女神世界造物主で魔族の作り手でもあるとすると、魔族への扱いがひどすぎます

魔族は目的をもって作られたのではないか

これらを踏まえると、魔族は単に「人の悪意が魔力だまりで形をとったもの」みたいなありがちな存在ではなく、人族の敵として上位存在設計された存在ではないかと考えますフリーレン世界の上位存在女神です。女神は人族を愛しているとされており、もしそれが正しいのであれば魔族も人間のため、あるいは世界のために必要役割果たしていると考えられます

話が大きくなってきました。世界メカニズムに関わるもののうち、おそらく一番大事なのはヒンメルにも抜けなかった勇者の剣です。「勇者の剣を引き抜けるのは、この世界を滅ぼす大いなる災いを撃ち払う勇者のみ」とあるように、女神世界を滅ぼす災いに備えており、その災いは病気火山噴火などではなく、剣で打ち払えるものだ、ということでしょう。

魔族の存在意義とは?

そうなると、人族に害をなす魔族の存在意義は、人族の敵となり、「この世界を滅ぼす大いなる災い」と戦っても勝てるように人族の団結と進化を促すことではないでしょうか。魔族は哀れなピエロです。知的存在でないと人族に簡単に滅ぼされてしまうけど、知的だと人族と講和してしまうかもしれないので、共感能力の欠如や人族を食べるなどの特徴を付与して、あくまで敵として戦う存在であることを保証したのでしょう。単に目的を果たすためだけの魔法生物なので、人族とは格が違い、死ぬと消えるのでしょう。

こう考えると「人族のことを理解しようとした」魔王考察も進みます魔王は、神話時代の大魔法使いゼーリエをもってしても、「戦いを追い求める」ことでは倒せません。「人族からダメージを受けない魔法」などがあるのかもしれません。では、ヒンメルはどうやって魔王を倒したのか?人族を理解し、人族と講和して共存することを目指した魔王が、高潔なヒンメルとの会話で魔族の種としての限界に気が付き、あるいは、人族の発展により「大いなる災いを撃ち払う」ことのめどがついたと判断して、自ら消滅を選んだのではないか

  • 一つ目は共感しないことじゃなくて、、「嫌い」とか恐怖とかの感情自体はあるのにもかかわらず共感しないことだよね。 二つ目は、人を食うらしいし食ったこともあるらしいけど「食...

    • そうそう。一つ目は人間に嫌われることに特化してるように見えるよね。生物として、感情のバランスを意識的に整えていないように見える。 二つ目もマハトの生活を見る限り、数十年...

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