「ヴ王」を含む日記 RSS

はてなキーワード: ヴ王とは

2024-01-04

https://anond.hatelabo.jp/20240102001822

金持ち文化を作る、とずっと思っていた。

ナウシカヴ王の息子が音楽を奏でている時から

からといって貧困から文化が生まれないとも思わないが、ただの確率問題ではなかろうか。

2018-02-24

anond:20180222211209

うん。めちゃくちゃ肩入れしてるよ。私はナウシカという人物が大好きだし。

そして、ナウシカは現人類に肩入れしている。ユパが好きだし、アスベルやチククも好き。クシャナクロトだって好きだ。風の谷のみんなが好きだし、トルメキア人やドルク、蟲使いも。それ以上に王蟲が好きなんだけど……。いがみ合いは嫌いだが、いがみ合ってる人物のものを嫌っているわけではない。

その好きな人々を亡くしたくないんだよ。そのためにできることは何でもするだけだ。犠牲行動を「良い」と思ってやっているわけではない。行動原理は「その相手を助けたい」だ。そのためなら瘴気の中でマスクだって取っちゃうし、周りをドルクに囲まれて死の一歩手前だろうがトリウマを助けるのが先だ。「良いかいか」で判断してるような人にこの行動はとれない。

ナウシカ墓所が現人類邪魔から消したんだよ。私もその決断同意する。「私達のように凶暴でなく、おだやかで、かしこ人間」なんていらない。少なくともそれを生かすことによって自身の愛する世界を失うことになるのなら、その障害を潰すことを厭わない。

作中の現人類の多くはこの思考同意するだろう。漫画世界ではなく、今PCを閲覧している読者の多くも、ヴ王と同様に「そんなもの人間はいえん」と思っているだろう。

王蟲は変わったけど、新人類が変わるわけがない。それもまた思い込みにすぎない。

うん、それは私の思い込みだな。新人類進化して「凶暴で、おだやかでない、バカ人間」に、現人類並みに育つ可能性はあるよ。私はそれまで待てない、と言い換えるか。それにどうせ現人類並みになるならリセットせずに今の現人類を使えばいいじゃない。そしてそのとき墓所技術は現人類にとって危なすぎるの。そこの技術が現人類のいがみ合いの種の一つになってるから。「ヒトラーと同じだ」というが、ヒトラーなら優性思想から「おだやかで賢い人間」を生かすんじゃないの。知らんけど。

墓所側が攻撃するのは当たり前のことだ。旧人類の悲願は人間性の闇を捨てることだ。現生人類死滅させたいのも当たり前だ。それが残っていては計画が水の泡になる。交渉する余地など最初からない。武力で負かして交渉テーブルに無理やり着かせる必要がある。

あ、そういうこと言っちゃうんだ。じゃあまあ墓が弱かったから仕方ないね。「交渉余地すらない。武力で負かして交渉テーブルに無理やり着かせる必要がある」と言うからには負けた旧人類と新人類は黙って消えるしかないだろ。どうもあなたは「墓所が勝った場合人類交渉余地はない」しかし「墓所が負けた場合は、墓所交渉テーブルに着かせてもらえる」と思っているようだが、そんな甘いわけがない、巨神兵裁定はおりている。そして巨神兵プログラムしたのは旧人類だ。

新人類に正しい審判を下せるのは旧人類でも現生人類でも新人類でも王蟲でもナウシカでもない。はるかかなたの未来に生きる人類たちだ

あなた言葉には "説得力がない" んだよ。

「今」を生きるのに精いっぱいの人々にはるかかなたの未来に生きる人類を気にかけてる余裕なんかない。21世紀の現代日本ですらそうだろ。繰り返すけど、あなた物語の中の今を生きている人類に寄り添えていない。そんな人物の言説を誰が聞く?

古今東西、人を説得できないと物事は変わらない。国会でどれだけ「日本を良くする法だ!」と自説の正しさ唱えたところで、党内の票をまとめられなければ法案は通らず歴史は変わらない。

その、愚かな人類と決別しようとする "新人類教" では物語の中の世界を変えられないんだよ。せいぜい数千年後にまだしぶとく生き残っている現人類が「古文書見つけた!『お前ら人類虐殺者だ』『ナウシカ悪魔だ!世界を滅ぼしたのだ!』とか書いてあるよ。新人類だってさ」と珍しがる程度だ。

現生人類のみんながナウシカに心酔してたわけではないように、人間凶悪さを誰もが喜んで従っているわけではない

そうだろうね。そしてそういう人物は、誰かを殺す心配をするまでもなく、とうに誰かに殺さているだろう、と先にも書いたよ。

ナウシカ世界は、その環境過酷さにより人々がいがみ合い、憎しみ合っている。しかしそれぞれの人は "新人類ではない" から憎悪の一方で愛も持っている。良い一面も悪い一面も持っている。これが人間だ。そういう人々の行動を変えるにはどうしたら良いか。まずは説得だ。ナウシカは数々説得してきた。しかし凶暴で賢くない人類から、説得には応じられないこともあるだろう。では説得に応じない相手はどうすれば良いのだろうか?そう "行動を起こす" のだ。あなたは「交渉する余地などない、まず武力だ」と言っているが、まずは交渉、のちに行動。

最終話近く、マニ族とクシャナ軍がにらみあっている。ユパが、ケチャ年寄り連中と一緒に必死にマニ族を説得している。だがマニの若者たちは納得しない。彼ら彼女らも "復讐は何も生まない" と理性では分かっているのだ。だが自身感情を説得しきれない。そして、この気持ちを晴らすにはトルメキア人を殺すしかない、と"行動を起こし"クシャナに襲い掛かかった。(法の整備された現代日本では許されないよ)

ここでユパも説得は通じなかったことを悟り次の手段に出る。マニ族とクシャナの間に割って入り、マニの刃を受けることで双方の連鎖を止めた。先だって左腕も犠牲にし「この片腕、わしの心のあかしだ。たのむ判ってくれ」と再度説得。単なるきれいごとではなく、自らを痛めてまで訴える人間言葉は人の心に届く。(これには先立ってマニの僧正が同じ方法でユパの命を救っており、恩返しという側面と、僧正の念がこの場に出現しマニ族を説得するという流れになっている。この通り、聞かなきゃ殴るだけが行動ではない)

ナウシカも同様に、数々の行動によって人々を説得してきた。

ナウシカは恐れでためらうことが少なく、瞬時の判断力を持っており、おおむね良い方向に作用する。(主人公補正はあるが)

  • トルメキア軍を攻撃してきたアスベルを何の迷いもなく救出に向かう。単に"声"の主を探してたらアスベルがまだ生きてて遭遇しただけなんだが、死を目前にしながらも懸命に生きようとしている人間が目の前にいれば、躊躇なく助けるのがナウシカの特徴だ。

アスベル新人類と入れ替えてみたらどうだ?と言いたそうだな。やってみようか。新人類は生き残ろうとしない。生に執着しない。あなたと同様に「人間凶悪さを発揮し蟲を殺してまで生きようとは思わない」と言い残し、ナウシカに遭遇する前に蟲に食われる。おしまい

  • 粘菌に船を飲まれ「もはやこれまで」念仏を唱えだすチヤルカを問答無用で救出。説得の末、チヤルカの信頼を得る。
  • 王蟲の信頼を得ているので大海嘯の最前線に入れ、王蟲が怒っているのではないことに気づく。
  • 清浄の地から引き返すことで"森の人"セルムの信頼を得る。あなたなら「わ~い、清浄の地だ~」ともう帰ってこないだろう。
  • 腐海侵食され絶望する残された人々に対し「私たち風の谷の民は腐海とどうにかこうにかやっていく術を知っている。今残された土地は少ないが、まだお終いではない」と解決策を示している。


説得・行動・説得・行動だ。これによりナウシカは数々の障壁を超えてきた。残念ながらあなたの思惑とは違い、最終話ではもはやナウシカを止める人はいない。ナウシカはもう辺境の一首長ではない。行動により強力な支持者を得て、民衆を説得できる力を持った。ナウシカはみんなをつなぐ糸になれた。

あなたには説得力もなければ行動力もない。だから序盤で死んでいるだろうけど、それを大目に見てこの場で

新人類に正しい審判を下せるのは旧人類でも現生人類でも新人類でも王蟲でもナウシカでもない。はるかかなたの未来に生きる人類たちだ

と言えたとしよう。で?誰が耳を……あ!聞く耳持つ人がいたわ!墓所と守り人。ヒドラ

最後には旧人類の歩んだ道をなぞるだけだ。まったく徒労でしかない

これがあなた発言。そして墓所庭園の主『歴史は繰り返す』『お前達はその朝をこえることはできない』。そっくりだな!といってもあなたは墓の側に立って意見を出してるんだからそりゃそうか。

あなた墓所ヒドラだった場合、結局ナウシカを説得できなかったので歴史は変わらない。変えるとしたら、最後の生き残りの人々の前に現れ、今回の数々の教義を唱え、賛同者を募ってナウシカを止めてもらう必要がある。

そこにいる人々は、戦乱の世を必死に生き延び、死にたくないと願い、場合によっては人を殺めても生き延びてきた人たちである。その中でどのくらいあなた賛同者がいると思う?ナウシカを引き留めるには到底足りないと思うんだけどね。

ナウシカだって最初無垢でいたかったんだよ。でもそれだけでは自分愛する人は救えないと理解し、成長する物語だ。そしてナウシカは罪悪感や自己矛盾ちゃんと受け入れている。「人類を滅ぼしにいくのかもしれない」と自覚している。「悪魔として記憶されてもかまわぬ」と言っている。それに比べりゃ私たちなんて楽なもんだ。最後の決定をナウシカに任せちゃえるんだから。だからこそ、その決定について、ナウシカに責を負わせることはしないでおこうと思う。

あなたは、虐殺を犯したくない、無垢でいたい、と思っているようだが、一方で「まずは殴って言うことを聞かせる」と言う。あなたには矛盾があり、残虐で、勝手である。どう見ても現人類側の人間だ。

新人類だってあなた救世主だとは思えないだろう。「その人は私たちのために何かをしてくれたの?」「なんだ、世界の片隅で祈ってただけか」と。

あなたは、未来を変えたいが、自分の手は汚したくないという。墓所の主はそういう役割としてプログラムされているからまだわかる。しかあなたはには自分意志があるのに、その体があるのに、先へ進もうとしない。今の自分を超えようとしない。現人類より新人類側に思いを寄せている。もしかしたらあなた旧人類のように全てに絶望しているのかもしれない。どうせ全滅するのだから何をしたって同じか?「そうではない」とこの物語は示している。

ナウシカ行為正当性を産むことができるとしたら現生人類が生き残ることではなく、火の七日間を再度起こさないと確信に値するものを示すしかない。しかし作中の現生人類がそれを示すことはないまま作品は終わってしまった。

「答え」なんか分かるわけがない、っていうか自分で考えろってことだよ。人類は再度火の七日間を起こすよ。歴史は繰り返す人類は愚かだから正統性より目の前の命を取る。

今回私が書いたことはほとんど漫画の中に描写されていることだ。あなた最後の答えを知りたいというが、まずそこに至るまでをうまく読み取れていないじゃないか。まずもう一度通して読んでみてはどうだ。

あなたは結果を重視しているが、私は現人類過程を重視している。あなたは「自然に任せよう」と思っているらしいが、あなた自然だと思っていることは実のところ人間プログラムだ。穏やかで、賢い、人工の物体だ。自然体は許されない。人も動物も全てを書き換えるつもりだ。ナウシカ方法の方がずっと自然だ。「今」を乗り越えても、凶暴で頭の悪い人類は結局は滅ぶかもしれない。でも人類は滅んでも虫や動物は生き続ける。人類は滅ぶが、世界は滅ばない。とはいえ、人類はそんな簡単には諦めないという話だ。

たとえ過去1万回同じ過ちを繰り返したとしても、諦めなければ1万1回目でクリアできてしまうのが人類だ。1万1回やったけどダメだったから諦めたのが旧人類なんだろう。現人類は1万2回目、歴史は繰り返すしかしそれがいつになるかは現人類が決めるし、現人類はその今を精いっぱい生きるの。

このあたりはどこまでいっても平行線かもしれない。だからあなたが「私はナウシカ決断同意できない」と宣言すること自体問題はない。ただ、最後決断をした人物を責めてはいけない。私は旧人類の決断が間違っていると思うが、旧人類がそれしか取る手がなかったのだということは受け入れる。旧人類を責めはしない。現人類として、その決断には従わないという意思を示すだけだ。

1万2回目の人類最後ナウシカが決める。少数の反対を除き、私を含め大多数はナウシカ最後を託した。

歴史に埋もれたできごとが間違っているわけではないが、トルメキアとドルクをクシャナとチククが再興していくことを考えると、はるかかなたの未来に生きる人類たちはナウシカを「救世主」として受け止めることになるよ。「青き衣の人」として。新人類は生に執着しないが、もし執着するほど進化したとしたら、その時は現人類選択理解し受け入れるだろう。(同時にはなし得ないのでパラドックスだが)

あなたは現人類絶望しているのだろうが、それでも旧人類の決断自分を託すんじゃなくて現人類として自分で決めよう。誰から必要とされない自分なんていなくていいと思っているかもしれないが、人の評価未来を決めることはない。

本当に絶望の淵に立っている人に「マンガでこう言ってるし」「不安絶望も背負って、それでも生きていくしかない」と諭してもまったく力にはならないだろうなとは思う。私は漫画版ナウシカから力をもらったけど、絶望中にはせいぜい現実逃避として読んでただけな気がする。ある程度元気になって、現実世界に少し救いがあったからこそ、余裕をもってああだこうだ言える今がある。

はいえ、あなたは「マンガだし」と投げ捨てず、その内容について意見を書き綴れるくらいの力があるんだから、もう一度立ち止まって読んでみてはどうですか。

2018-02-22

anond:20180221195103

逆にいうけど、あなたあなたナウシカに肩入れしすぎている。

しろ神の視点からこそ読者として客観的評価するべきだ。

読者なんて結局のところ神の視点以外の視点なんて持てない。

それは感想評価に対する批判になってない。

墓所側の言い分はどうなんだ。

人類の行きつく先として巨神兵王蟲を作るほどの高度な科学技術を手に入れたが

ヴ王ナウシカの好む人間としての闇が強すぎた結果、滅びの道に進んでしまったのが旧人類ではないか

滅びに進むにつれて旧人類はナウシカたちが想像するよりもずっと大きな絶望と失敗を繰り返した。

ナウシカのいうような「血反吐を吐いてまで」という経験旧人類側はもう既に十分すぎるほど経験している。

今を生きる、今だけしか生きてこなかったナウシカからこそ、

墓所側の歩いてきた歴史を信じられないし、同情もできなかった。

反吐を吐いて進んだ道の答えが新人類であり、現生人類たちが例え環境適応し生き残ったとしても、

最後には旧人類の歩んだ道をなぞるだけだ。

まったく徒労でしかない。

人間性の闇を捨てる計画を立て、自分たち破壊した環境を取り戻すために尽力した行動と選択は、全部旧人類の流れた血によってつくられている。

神の視点に立たずともナウシカには墓所側の行動と動機推し測るだけの情報は十分すぎるほど得ている。

ナウシカエゴが贔屓されたのは、それは自分たちに向いていたからだ。

ナウシカ庇護を受けているからこそ心酔するのだ。

ナウシカ自己犠牲や時には反知性的犠牲行動を、「良い」と思ってやっている。

からこそ危険まりない。

やりたいから、やっているだけであり、その行動の結果がどうなるか推し測る能力にたけているわけではない。

トルメキアの兵士を怒りに任せて殺した場面でも仲間をより危険さらすだけだ。

しかナウシカはやった、やりたいから。

彼女ヒトラーと同じことをしている。

 

墓所側が攻撃してきたか交渉決裂。

墓所側が攻撃するのは当たり前のことだ。

旧人類の悲願は人間性の闇を捨てることだ。

現生人類死滅させたいのも当たり前だ。

それが残っていては計画が水の泡になる。

交渉する余地など最初からない。

旧人類は徹頭徹尾新人類を次の星の覇者にしたいのであって、現生人類はずっと捨て駒としてしか見てない。

からこそ武力で負かして交渉テーブルに無理やり着かせる必要がある。

あの時点で武力衝突するのは当たり前のことだし、それで和平が成立しないというのも早計すぎる。

交渉の主導権は武力で勝っている側にしかない。

交渉戦争が終わってからしかできない、墓所現生人類戦争はあの時点では何も終わっていない。

しろ墓所からしてみれば現生人類約束を守ってくれるなんて信じられるわけがないんだから

真実を話せば殺される、なら戦うまでだろう。

実際その予想は当たっていてナウシカという現生人類に殺されたわけだ。

 

王蟲は変わったけど、新人類が変わるわけがない。

それもまた思い込みにすぎない。

旧人類の計画では新人類現生人類死滅した浄化された世界ではじめて活動を再開する生き物であって、

現生人類共生しながら生きる環境など想定していない。

それが一体新人類にどういった影響を与えるかはそれこそ神ですら分からないことだ。

完全に未知の領域であり、王蟲のようによりよい変化が起きる可能性もあるし、

現生人類に対しても変化をもたらす可能性がある。

そういった可能性のある未来を確かにナウシカはあの場で殺したのだ。

ナウシカ道化との問答で自然に生きて自然死ぬべきだといっていたが、

それはナウシカが産まれるよりずっと前から存在し何百年も経過した後の結果である

王蟲の心という、それこそ旧人類の計画で産まれた上澄みだけを掬い取って悟ったつもりになっているだけだ。

新人類に正しい審判を下せるのは旧人類でも現生人類でも新人類でも王蟲でもナウシカでもない。

はるかかなたの未来に生きる人類たちだ。

ナウシカエゴ自己犠牲狂信者範疇を超えている。

人々はナウシカを見て心動かされるかもしれないし、ナウシカのおかげで助かった人間もいる、

墓所までたどり着いたのも事実

だがそれは、そこまでは正しかっただけであり、この先もナウシカという暴力カリスマが正しくあり続ける保証などない。

ナウシカ聖人性の反証として最後新人類虐殺があったわけだ。

どれだけ偉業を成し遂げたとしても虐殺虐殺

人間性の闇に疲れて果てた旧人類側からしてみれば成し遂げられそうだった計画台無しにして、

生みの親どころか抵抗すらできない子どもを殺す悪魔しかない。

あの世で彼らは環境変化を生き延びた現生人類が再び科学技術を再興し、二度目の火の七日間に進むまでじっと見てるだろう。

ナウシカ行為正当性を産むことができるとしたら

現生人類が生き残ることではなく、火の七日間を再度起こさないと確信に値するものを示すしかない。

しかし作中の現生人類がそれを示すことはないまま作品は終わってしまった。

誰もが森の賢者のようにはなれない、それを実現しようとしたのが墓所の願いだった。

ナウシカを読んだからこそ、愚かな人類と決別しようとした旧人類の思考理解できるし、

現生人類側で誰もそれに歩み寄ろうとしなかったのは単にお互い戦争だったからだ。

ナウシカは決着がついたのに戦争をやめなかった。

現生人類のみんながナウシカに心酔してたわけではないように、

人間凶悪さを誰もが喜んで従っているわけではない。

2018-02-21

anond:20180221012214

あなた視点は読者として外の世界から見ているからこそ言える「神の視点」なんだよ。

『墓と和解せよ』というけど、裁定者となった巨神兵が話合いのために責任者を出せと言ったのに墓は問答無用攻撃してきた。交渉拒否したのは墓側だよ。

勝手に一人で現生人類を愚かだと決めつけて』というが、ナウシカは色々なところで何度も説得したよ。でも民衆は聞かなかったの。

『それがエゴ以外の何だというんだ』については先にも書いたけどその通り「エゴ」だよ。これは本にも描かれてる。

"虚無" から『お前はもう何人も殺してるくせに何カマトトぶってんだ』なんて言われてるし。

『どれだけ苦しくても人の命を奪ってでも生きたいと願わない人間もいる』

そういう人間がいた方がいい。しかし、あの世界のナウシカにそれは不可能だった。風の谷を守るためにトルメキアの捕虜になり戦場へ赴かなければいけなかった。

少年兵だと分かっていながら切り殺さなければいけなかった。そこで自分が死んではいけなかったからだ。ナウシカは風の谷を守るために人を殺してでも生き残る必要があった。

ナウシカエゴ戦場赤ちゃんを拾っても足手まといなだけだ。戦場一騎で駆け抜けたり、兵士瘴気を吸って吐いた血を口で取り除くなんて自殺行為だ。トリウマ一匹に泣くなんて無駄だ。

しかし、これらのエゴ兵士や民を惹き付けた。あのクロトワですらな。

村の長なのに一人で腐海の深部をうろついて凶暴な王蟲を愛でている。この無謀な行動が、"汚れているのは土である" に繋がり、"粘菌暴走の原因に気づくことができた" 理由であり、

"王蟲の信頼を得ている”ので "大海嘯の最前線に入ることができ" "王蟲は怒っているのではなく腐海となって土地の傷を癒そうとしている" "腐海は土を浄化するためにある" "これらが大海嘯の原因である" "どうも地球腐海まみれになって滅ぼうとしているのではなく、ギリギリバランスで生き残ろうとしている" というすべての流れに繋がっていくんだよ。それでも一回諦めちゃったけどな。

これがあなたにできただろうか?ナウシカは無敵のマンガ主人公からなんて話は聞かないよ。私なら頭悪いか腐海に入って5秒で死んでる。あなたはおそらくどこかの時点で自らの命を絶っただろう。「最後決断」まで辿り着けない、のはまだしもナウシカを助ける脇役にもなれないだろう。

『どれだけ苦しくても人の命を奪ってでも生きたいと願わない人間もいる』

というあなたと同じことをする人物がこの物語の中に存在する。綺麗で争わない新人類だ。あなたは私から見るとどこか「大人しくて清らかな人類の側」に立っているようにみえる。あなた物語の中の今を生きている人類に寄り添っていない。

そして、あなた新人類王蟲を同列に扱い「新人類にも希望を」と言っているが、私はこの二つは同列に扱えないと考えている。

まず、旧人類は「汚染適応した人類を元に戻す技術もここに記されている」と現人類を諭しているが、おそらくこれは嘘だ。または条件付きだろう。ロボトミー手術よろしく、頭を書き換え清廉潔白な体になれ、と。これを現人類が受け入れるわけがないし、旧人類もそれは承知なので、危険な現人類を生かしておきはしない。役目が終わったら死ぬようにプログラムした。

そして、墓もエラーが出ないように旧人類がきちんとプログラムしている。夏至冬至に1行アウトプットするだけだ。同様に墓が管理する卵にもエラーはない。恋愛があれば争いが生まれるので、単性生殖すら避け、墓が製造した卵からのみ増えることになるだろう。

ではなぜ王蟲にはエラーが出たのか。それは ”王蟲自然界に放たれたから”に他ならないと思う。"外敵"に襲われ、自然の驚異にさらされるなか命を長らえ、交わり子を産み世代を重ねることで突然変異生まれる。

敵のいない、すべてを中央コンピュータ支配された新人類は、何世代進化のないまま一種類のウイルス対応できず全滅するだろう。"血を吐きつつもそれを乗り越えて飛ぶ"力はない。だからといって殺しても良いとは言えないけどさ……。

墓所能力に上限がかけられてて自我を目覚めさせるレベルにはないと思う。最後なんやかんや喚いてるがあれは旧人類の伝言自我巨神兵が担ってるし)


『その場にもしヴ王がいたらやはり選択は違っていただろう』『居たような気がする』

そう、その場にヴ王はいたよ。しかし、ヴ王がいても選択は変わらない。

ヴ王ナウシカの「私達のように凶暴でなく、おだやかで、かしこ人間になるはずの卵です」という言葉に「そんなもの人間はいえん」と返している。

ヴ王人間の闇の部分がわりと好きなんだよ。王に対してボロカスな口をきく「道化」を蹴っ飛ばしながらも割と仲良くやってるしね。清廉潔白な人なんか面白くないと踏んでる。お人よしかどうかの話ではない。

「とんでもないことになると分かってても欲しがるタイプ」というのは正しい見方で、まったくもって危ない人物ではあるけどな。

最後に毒気が抜けたのは「お綺麗な」墓の光を浴びたのでまさに「毒気が抜けた」んだろう。この辺は漫画から「そんな超常現象」とか言わずにね。ナウシカカリスマ性も一因だろうね。

ここまでで挙げたように、たぶん今あなたは手元に本が無いから?内容を曖昧しか理解できていない気がする。

という私もコミックをある所に持ち出したら、その場に定着しちゃって置いてきたから今は持ってない。勘違いしてる部分が沢山あるはず。ちゃんと買って読み直そうっと。

anond:20180220230710

かにナウシカがいなければ現生人類はすぐに絶滅していただろう、そこは認める。

しかナウシカに全責任押し付けたのなら、押し付けられた最高責任者であるナウシカ最後まで慎重な判断をするべきだった。

墓の技術を用いれば現生人類が新しい環境でも生きていけるだけの可能だってあった。

その真偽を確かめる前に破壊したのは全責任を背負わされた者の判断としては絶対に間違っている。

人が傲慢であることを認めるなら例え危険を冒してでも墓の技術現生人類存命のために転用しようと努力するべきだろ。

ナウシカ境遇に対する同情は当たり前だが、それとは分けてナウシカ現生人類運命決断する立場いたことを理解するべきだった。

現生人類奇跡的に新しい環境適応できる確率と、

墓と和解する、墓の技術を使って適応できるよう変わる、新生人類共存の道を歩む確率なら後者の方が高いことは疑いようがない。

武力制圧観点からなら生殺与奪拳をナウシカが握った時点でついている。

その後は交渉テーブルにつくのが最善策だった。

ところがナウシカは根っからテロリストから相手が無力化しても最後まで暴力を手放さなかったわけだ。

その場にもしヴ王がいたらやはり選択は違っていただろう。

真意を聞かされた人間ナウシカだけだったのが現生人類旧人類・新生人類全員の不幸だった。

それにナウシカ押し付けられた側というのなら、ナウシカ現生人類と話し合い情報を共有しあったか

勝手に一人で現生人類を愚かだと決めつけて話すタイミングもあったのに、一人で判断し一人で決断してたじゃないか

それがエゴ以外の何だというんだ。

王蟲とは心を通わせるというが、ナウシカのような特異な人間でないからこそ現生人類を導く役目があったのではないか

カリスマ求心力を向かわせた先は結局ただの暴力破壊活動だった。

それが真実であるのは最後破滅主義選択物語っている。

人間は、追いつめられるとその人間の核心に迫る。

平時においてはみなまとも、とは夏目漱石言葉だが、平時でないからこそナウシカ本質が浮き出た最終審判となった。

どれだけ苦しくても人の命を奪ってでも生きたいと願わない人間もいる。

ナウシカ危険な道を手探りで歩くことよりも、エゴイズムにまみれた自分の信じる正義現生人類の生きのこ選択を奪った。

それはナウシカに背負わされた責任よりも遥かに重い結果だった。

何度でもいうが墓の技術破壊したというのは取り返しがつかない選択だ。

政治力武力を持った人間が行うべき選択は、支持率多数決問題ではない。

正しい歴史が残るかどうかだ。

それは現実世界でも同じだ。

 

ってこんだけ書いててヴ王もその場にいたような気がするなあ。

というかラストヴ王ナウシカ決断に納得してるのがやっぱり腑に落ちないわ。

ヴ王なんて墓所技術を何としても手が欲しかった側の人間じゃん。

墓の技術でとんでもないことになると分かってても欲しがるタイプでしょ。

なんでぶっ壊したナウシカ共感してるんだよ。

そんなお人よしなら不毛権力争いしてるわけないでしょ。

大団円にしたかたか宮崎ヴ王思考を捻じ曲げたのか、ナウシカカリスマに当てられたのか、わからんけど。

2018-02-20

anond:20180220204137

からだけど。あそこに至るまでに全人類希望ナウシカ一人に責負わせちまったからなぁ。

命をもてあそぶのをやめろって言ってもやめないし、争いをやめろって言ってもやめない。なんでこんなことになったのかというと墓のヤバイ技術漏れ出してるからで、そんな墓何のためにあるのよと思ったら「現人類バカからリセットして、争わない綺麗な新人類を作るんだ」だもん。ざっけんなよって言いたくなるわ。

(整理。旧人類:巨神兵王蟲を作り、火の七日間を起こした世代。現人類ナウシカ世代浄化までの捨て駒)。新人類世界浄化後、卵からまれる予定の綺麗なジャイアン

まああんたの言う通り、王蟲巨神兵も人工物だけど当初の予定以上の知能を持つようになったんだから、頭空っぽ新人類だって年月を経ればまともな感情を持つかもしらんよ(オーマは裁定者として元からスーパーAIだったろうし、王蟲と墓の血液が同じだと分かったのは墓の崩壊後だけどな)。

綺麗な新人類はすぐに邪悪な現人類攻撃されて滅ぼされそうだけど、それをナウシカが守ってやればいいじゃんってのもまた一理ある。ただな、最終話の時点で人々はもうどうにもこうにも限界が来てた。旧人類が絶望の末に綺麗なジャイアン音楽くらいしか残す価値を見出せなかったように、人間絶望すると余裕のある判断はできなくなる。

なにより前提として、そこに至るまでにすでに現人類ナウシカに全部を託したんだよ。そうしないと現人類絶滅が避けられそうになかった。ナウシカによってどうにか破滅の一歩手前で止まってたわけ。ヴ王かに任せてたら巨神兵使って再度核戦争まっしぐら

で、託してしまった以上「文句を言うのが遅い」と思うね。本当に綺麗な新人類を助けたいなら、それまでに現人類ナウシカを助ける必要があった。現人類同士での争いをやめて、新人類を受け入れるくらいの余裕がありますよと言えればよかったのに…できなかった。クッソ重い責任をたった一人に背負わせて「最終判断間違ってるぞ!」って責めるのは酷だろう。

ナウシカは一人の人物ではあるけど、結局はそこに至るまでの過程を現人類選択したんだよ。あなたならその時破滅を止めるために何か協力できただろうか?

絶望した旧人類の選択を、これまた絶望した現人類が書き換える。傲慢だ。ただそれはちゃんと漫画にも描写されてて、旧人類にはああするしかなかったと書かれてるし、ナウシカ(というよりは現人類)が傲慢だってのはまあそうだ。その傲慢さを持つの人間だと。

巨神兵使い捨てにした』と言うが、技術未完成で育つ見込みは薄かった。そしてナウシカが指示したわけではなく巨神兵(オーマ)自身判断もある。あの時点で裁定者として動き始めてたからな。前線ドンパチやってる「墓所」を前にして「責任者を出せ」と言ったら墓所問答無用で発砲してきたのが発端。最後ナウシカもオーマ本人も、助かる見込みはないということが分かっていて、ナウシカ最後のお願いを聞いてオーマは発砲し死んだ。ナウシカ自身もオーマに自身母親のように認識させておきながら同時に「オーマの死を望んでいる」。物としては危なすぎるからな。その傲慢さは本人も自覚している。

結果として、墓の崩壊ヴ王の死去により今後はクシャナ殿下が国を統治することになり、人類は少しは軌道修正できるだろう。

最後にユパが身を挺してトルメキアとドルクの報復合戦を止めたことも大きい。そのユパの存在ナウシカ存在によるものが大きく、ナウシカなくしてはユパもまだ腐海探検を続けてただろうし、ここまで身を挺さなかっただろう。

ナウシカ巨神兵を物扱いせず名前(オーマ)を授けたことで、巨神兵知識が急速に進み「昔の人は巨神兵をただの兵器としてではなく裁定者として作ったのかも」ということが分かった。

旧人類は自らに絶望し、すべて新人類に託すことにした。一方の現人類は、旧人類同様リセット寸前だし、浄化後の世界に耐えられないかもしれない、だがそれでも「我々は血を吐きながら、繰り返し繰り返し、その朝を越えて飛ぶ」という選択ができた。

他にも「ナウシカがいたからこそ」は沢山ある。

俺としては「ナウシカは称えられこそすれ、責められるべきではない」「ナウシカに全責任を負わす前に、人類自分たちで踏みとどまる必要があった」だな。

2014-04-07

ナウシカあらすじ07

からトルメキアの王都トラスから戦線崩壊に業を煮やしたヴ王がシュワに向けて自ら出陣していた。彼もまた墓所を狙っていたのである。敗走した生き残りの兄皇子たちもまた、国境警備を命じられたものの、ヴ王の目を盗んでシュワに向かう。そして偶然ナウシカは兄皇子たちの斥候部隊と遭遇する。嬉々として彼らを撃滅する巨神兵を制止したナウシカは、彼を立派な人になるようにさとし、エフタル語で無垢を意味するオーマと名づける。

名を与えられた巨神兵は急速に知能を発達させ、自らを調停者と称する。ナウシカ巨神兵についての伝承に疑問を抱く。巨神兵とは単なる兵器ではなかったのではないだろうか?

一方難民終結地は一瞬即発の危機状態にあった。クシャナによる、ナウシカを追ってシュワに行く為の船を貸してほしい、との要請火種になり皇帝と僧会という重石がとれ権力真空状態にあった土鬼難民の間に、侵略者トルメキア軍への憎悪クシャナを標的として再燃する。クシャナももはやかつてのような攻撃性は失ったものの、自体平和的に打開する手を打つでもなく、「所詮血塗られた道か・・・」と呆然とすべての終わりを待っているだけであり、

チャルカもまた圧制者たる僧会への民衆憎悪をなだめるのに手一杯で後手に回ってしまう。しかしユパがクシャナ殺到する兵の刃から身を持って庇ったその瞬間、マニの僧正の霊が彼の体を借りて再臨し、人々の憎悪は打ち消され、衝突は回避される。「そなたには王道こそふさわしい」と言い残しユパは死に、「友達になろう」と差し出されたチククの手をようやくクシャナはとる。

ナウシカとオーマは兄皇子たちの艦隊に合流するが、ナウシカの身体はオーマの発する「毒の光」によって衰弱しきっていた。テレパシーで伝わったユパとほぼ同時に、彼女の旅にずっと同伴してきたキツネリスのテトも死に、テトを埋葬する為ナウシカはオーマとともに艦隊を離れる。ナウシカを逃がすまいとする兄皇子たちはオーマの「裁定」により艦隊から引き離され、身一つでナウシカに伴わなければならなくなる。

テトを埋葬するために降りたオアシスナウシカは奇妙な牧人に救われ、彼の庭園の館で治療を受ける。彼女の身体はみるみる回復し、とうに滅びたはずの動植物ヒドラの農夫が世話するこの館で、彼女はくつろぐと同時に記憶をなくしていく。しかし同じように記憶をなくし、かつての権力への妄執から解き放たれて別人のようになった兄皇子たちの奏でる、「火の七日間」以前の古典音楽の調べが呼び覚ました「青き清浄の地」のイメージとともに、彼女忘却から醒め脱出をはかるが、牧人に制止される。

目覚めた彼女は牧人のテレパシーによる誘惑をもはや受け付けず、牧人に真実を語ることを求める。しかし牧人は、二百年ほど前にこの庭を訪れた「そなたに良く似た少年」のことを語る。彼はやがて人類を救いたいと書き置いて、ヒドラを連れて脱出し、初代神聖皇帝になった。「そなたのしようとしていることはもうなんども人間が繰り返してきたことなんだよ」。

くじけそうになるナウシカのもとにセルムがテレパシーで救援に駆けつける。しかし、牧人もまた一種のヒドラであることを指摘するセルムの前でも、彼(彼女)の奏然たる様は揺らぐことはなく、逆にセルムを問い詰める。「青き清浄の地」に今の人間適応できずに死んでしまう。そのことを森の人は知っておきながら何故それを希望と偽るのか、と。

しかし、問答をきっかけにナウシカは一気に自体真相に肉薄する。実は「腐海」の地球環境浄化機能は、自然にできたものではなく人為の所産である。そして腐海の周辺の汚染された環境に対する人間の耐性もまた、人為的な改良の所産である。つまり産業文明末期、「火の七日間」の前後に巨大な地球環境復元プロジェクトが組まれ、そのために「腐海」という人工の生態系創造され、プロジェクトの期間中、「腐海」が副産物として生成する毒物に耐えて生延びていけるように人間も改造されたのだと。

そしてこの庭は復元された環境の中に開放されるべきものたち、農作物家畜文学芸術を保存したタイムカプセルのようなものなのだと。

「この庭にあるもの以外に次の世に伝える価値のあるもの人間は造れなかったのだ・・・つぶやく牧人にナウシカは「何故墓所には伝えるに値しない技が遺され死の影を吐き出しているのですか?」と問う。答えない牧人に「沈黙もまた答えです」と言い放ち、牧人ももはや彼女を止めようとせず、「そなたのためにこの庭はいつも開けておこう」と別れを告げる。そしてナウシカは館を脱出し、ガンシップで追ってきた風の谷の従者たち、蟲使いの若者たちと合流する。すでにオーマは、病んだ彼女を置いて一人シュワに出発していた。ナウシカたちはシュワに急行する。

シュワにはすでにヴ王軍勢が到着し、制圧完了していたが、墓所の門は閉ざされたままあらゆる攻撃を跳ね返し、逆に激しく反撃してくる。そこに到着したオーマは裁定を申し入れ、墓所に対して門を開くように通告し攻撃を加える。これにさしもの墓所も損壊するが、反撃でオーマは傷つき倒れ、シュワの市街ともどもヴ王の軍も全滅する。辛くも生き残ったヴ王とその忠実な道化の前に、門は其の新しい王を迎えるためついに開かれる。

ヴ王に遅れてナウシカも到着し、ともに墓所最深部、主の前に立つ。主はその表面に旧世界の知を記した古文字を浮かび上がらせた巨大な肉塊である。そこから人々(浄化計画を設計した旧世界科学者達?)の幻影が立ち現れ、「腐海の尽きる日」「青き清浄の地」の復活を予告し、其の準備として用意された技術の貯蔵庫である墓所を守るように要請する。しかナウシカはそれを拒絶し、「真実をかたれっ」と迫る。

幻影はかき消え主は新たに道化の口を通し、お前は人類を滅ぼそうとするのか、と責めるが、ナウシカ未来と引き換えに現在犠牲するプロジェクトをあくまで拒絶、かろうじて生きていたオーマを呼び出し、主を攻撃させて破壊する。断末魔の主の反撃からナウシカを庇ったのはヴ王であった。オーマは母の名を呼びながら絶命し、その死を哀しむナウシカはオーマとともに解体する墓所の中に沈もうとするところをアスベルに救われて脱出する。

救出されたヴ王クシャナに看取られ、彼女王位とトルメキア再建の責務を託して死ぬクシャナは「わたしは王にはならぬ すでに新しい王を持っている だが帰ろう!! 王道を開くために」と、ユパとヴ王の遺志に従うことを決意する。

ナウシカは青き衣のものとして民衆の歓呼に迎えらる。彼女自分の知りえた真実については黙して語らず、人々を欺き続けることに決める。ただ秘密セルム、森の人とのみ分け合って。

後日談としてナウシカはその後土鬼の地にとどまり、チククの成人まで風の谷にもどらなかったこと、また一説には森の人の元に去ったとも伝えられていること、そして後に「トルメキア中興の祖」とたたえられたクシャナは生涯王位につかず代王にとどまり、以後トルメキアは「王を持たぬ国」になったこと、が記されてこの長い物語は終わる。

ナウシカあらすじ03

飛行艇を奪って脱出したユパたちは僧会の追ってによって撃墜され、「腐海」に墜落するが、森の人の一行に救われる。森の人は「蟲使いの祖にして最も高貴な血の一族」、彼ら自身の語るところでは古エフタル王国大海嘯による崩壊の際、「青き衣の者」に率いられて「腐海」に入り、そこで生きることを選んだ者達の末裔である。彼らは「火を捨て 人界をきらい 「腐海」の奥深く住まう者 蟲の腸をまとい 卵を食し 体液を泡として住まう・・・・」、つまり腐海」を敵とせず、大地を汚さず生きるものたち、「腐海」の生態系を熟知し、そして当然に、ユパやナウシカが気づいた真実を初めから知っていたものたちである

彼らもまたナウシカと同じように蟲たちの大移動を察知し、南への探索の途上であった。彼らにつれられてユパ達は「腐海」を突破して土鬼の地に到達し、追ってきた風の谷のガンシップと首尾よく合流を果たす。ところでガンシップは其の途上で、土鬼の浮き砲台がペジテを襲ってトルメキア軍から奪ったとおぼしき巨神兵輸送しているのに遭遇していた。

他方、クシャナ部隊とともに土鬼の地に到達したナウシカは「腐海から遠く離れた村までが瘴気に襲われて全滅しているのを目撃する。

土鬼は瘴気兵器として利用する技術を手に入れたらしい。

クシャナ目的自分を陥れようとする父ヴ王を欺き、忠実に土鬼を進撃する振りをして、奪われた自らの最強軍団、第三軍に合流し、指揮権を奪還し王に逆襲することだった。瘴気を利用した土鬼の総反抗の中、撤退するトルメキア軍のしんがりをつとめさせられている自軍を救い出す為には、瘴気の謎を的確に追跡するのみならず、優れた技能母性カリスマを発揮して兵の心を捉えつつあるナウシカの力が役に立つ。そして彼女はついにトルメキア軍最南端拠点、土鬼サパタ士侯国の都城に立てこもる自軍との合流に成功する。

 

クシャナが、そこで脱出の血路を開くべき会議を計画する一方で、ナウシカは大量の非戦闘員捕虜存在に憤激する。減り続ける労働力不足を補う為の奴隷の獲得は、この戦争の主要目的ひとつであった。ナウシカクシャナ捕虜釈放を要求するが、クシャナは「手を汚すまいとするお前の言いなりになるのは不愉快だ」戦闘への参加を其の交換条件として提示する。

仕方なく戦闘に参加したナウシカは、会戦目的が敵土鬼包囲軍の殲滅ではなく、攻城砲台を撃滅して脱出のための時間稼ぎをすることにあるのを利して、砲台殲滅を機に、本来「腐海」の蟲を音で脅して追い払うために用いられる鏑弾を撃って敵の馬脚(正確には牛脚。土鬼の常用役畜は「毛長牛」なお、トルメキア、エフタルの常用役畜は「トリウマ」)を乱し、その隙に、「これ以上の流血は無用!!」とクシャナに撤退を求める。

クシャナはコレを承諾し、退却し、敗走中にナウシカに救われた兵士達の分隊ナウシカを援護し全滅する。ナウシカは危うくとらえかけられるが、ユパから贈られた忠実なトリウマ、カイの死を賭けた奮戦によって脱出成功する。(ここまでで単行本第三巻)

 
ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん