「愛別離苦」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 愛別離苦とは

2024-04-19

anond:20240419121153

この投稿から読み取れる苦しみの分類は以下の通りです。

1. 愛別離苦あいべつりく):推し他者指導されることで、推しとの関係性が変化することへの苦しみ。

2. 怨憎会苦(おんぞうえく):指導者(ソイツ)への怒りや憎しみによる苦しみ。指導者の言動に納得がいかず、反論しても聞き入れてもらえないことへの苦しみ。

3. 求不得苦(ぐふとくく):指導者の言動を変えたいが、自分の力ではどうすることもできないという苦しみ。

4. 五取蘊苦(ごしゅうんく):指導者の言動によって推しを楽しめなくなってしまったという、心身の状態のものが苦しみの原因となっている。

これらの苦しみは、外的な要因(指導者の言動)と内的な要因(指導者への怒りや推しとの関係性への執着)が組み合わさって生じています投稿者は、自らの心のあり方を見つめ直すことで、苦しみから解放される道を見出せるかもしれません。ただし、これは容易なことではなく、長い時間努力を要するプロセスであると言えます

2022-10-13

女神転生外伝 新約ラストバイブル2」の話がしたい

先月末、Switchで昔ガラケー配信されていた「女神転生外伝 新約ラストバイブルII 始まり福音」が配信された。

このゲームゲームボーイやスーファミで展開されていたラストバイブルシリーズで、こんなタイトルだけど2のリメイクではなくて完全新作。

そしてラストバイブルシリーズどころか、本家女神転生シリーズを全てひっくるめてもトップクラスの鬱ストーリーになっている……という噂を耳にしたことがあり、一度遊んでみたいと思っていた。だがしかし、何せガラケー末期に配信されたアプリであり、噂を聞いたときスマホに移行済みだったから、遊びたくても遊べなかった。このたびSwitch移植されたことでようやく遊べた。めでたい。

遊び終わった感想はというと、最初から最後まで本当にシナリオがエグくて、本家女神転生シリーズを全てひっくるめてもトップクラスの鬱ストーリーという前評判伊達じゃない。メガテンシリーズは全て遊んだわけじゃないけどね。

ただ、元がガラケーアプリということもあって、ググってもほとんど話題がない。あまりにも衝撃を受けたこゲームの話がとにかくしたいのだ。

というわけで、シナリオ解説しつつ盛大にネタバレしながら語るぞ。


※1度遊んだだけなので、うろ覚えによる勘違いがある可能性あり

物語解説感想

舞台となる惑星ホルスは、疫病に苦しんでいる。

この疫病は空気感染するタイプ潜伏期間が3年~不定期、発症率は2~3割で年齢が低いほど発症やすい。ホルス住民のほぼ全員が感染しているのではないかと考えられている。

発症すると耐え難い痛みに襲われ、10年以上の月日を重ねて徐々に衰弱していくというもの

やけに病状が具体的に提示されるのが、恐ろしさを伝えている。

遊んでいて真っ先に連想するのは昨今のコロナ禍なのよ。

ガラケーアプリ配信された2008年の段階ではそこまでの意図はもちろんないだろうけど、2022年の今遊ぶとパンデミックの恐ろしさが凄くよくわかる上に、病状はコロナよりもちろんヤバい

ホルスのあちこちの街にある病院では全てのベッドが患者で埋まっており、自宅療養するしかないと告げる看護婦や、街によっては床に雑に寝かされているところもある。

そして、年齢が低いほど発症やすいので、子供や孫の身内を失った老人が姥捨て山のように住まう村がある。そこにある大きな建物に入ると、フロアにびっしりベット寝たきり老人が大量に映し出されるのは恐怖でしかない。これは所謂2DRPGだからできたことの表現だろう。

そこにいるまだ元気な老人も死への恐怖から必要以上に騒いだり、人生に悔んだり……。

物語の終盤、人間を苦しみから解放するという名目ルシファーがやってくるが、それは殺害することで苦しみから解放するというものだった。

主人公たちはルシファーを倒すが、この村の村長からはどうせ苦しんでいるだけなのだから一思いに死なせた方が良かったんだと嫌味を言われる。そしてルシファーから助けたはずの老人は病による苦しみから自殺してしまう。後味が悪いというレベルじゃないんだけど……。

この病気に対する薬も開発されているが、麻酔のようなもので、痛みを失くす効果はあるが根本的な治療にならない。

そして街によってはその薬すら満足に供給されず(数少ない薬はお偉いさん方しか使わないという政治腐敗っぷりもある)、死して魂を解放することが幸福であるという、謎の宗教みたいな教えを伝達して誤魔化しているのも、この世界の退廃っぷりを表している。

また、仲間の一人であるルナ行方不明となっている母と父を探しているという設定であるが、この母と父は疫病の進行のため、薬の過重投与によって植物状態になり、聖王から"楽園"と呼ばれる施設に同じような症状の患者とともにいた。

ルナはそのような状態になってしまった母と父にショックを受け、弟のカミュ魔法記憶改竄して貰っていたのだ……。

"楽園"にたどり着くことで真実を知ってしまったルナは、元々の勝気な性格が嘘のようにショックを受け、しばらくパーティから離脱することになる。

なお、当然ながら弟のカミュはこの真実を知っている。母と父がそのような状態になってしまたからか、姉であるルナ異常な愛情を向けるようになり、ついに自分の思い通りにならないのならそんな姉はいらないというヤンデレ思考ルナを含めた主人公一行と戦うことになる。

敵に操られていたとかそんな理由で肉親と戦うのではなく、セルフで狂って戦うことになってしまうのは、この物語世界観のエグさを物語っていると思うぞ。


また狂ってしまうのはカミュだけではない。仲間の一人、レオン物語の終盤に兄のように慕っていたアイン自分かばってなくなっていたこと、自分たちの責任の重圧に耐えきれず、ルナを誘って逃げようとする。しかし、ルナは亡くなったアインの代わりに自分を新しい依存先にしようとしているという正論パンチを食らわし、痛いところを突かれたレオンは狂乱の中、ルナへ刃を向けることに(この後、ルナ一騎打ちになるが、レオンメチャクチャ弱い。なお、レオンはその後、反省し、覚醒してパーティに戻る)。

一応ストーリーラインとしては、この疫病で苦しんでいる星で、世界支配する王であるカインが狂王を名乗り、圧政異世界から魔獣(メガテンでいうところの悪魔)を召喚してさら世界を混乱させている。

主人公は冒頭で妹を魔獣に食われ、そしてその魔獣は父と母も殺害してしまう。この魔獣はあざ笑うかのように、妹が持っていた仮面衣服を着用し、妹の笛を吹いて現れる。父親の死の間際、その魔獣(以下、笛吹き)とそんな魔獣を呼び出したカイン復讐して欲しいということを語り、当面はまずカインを倒すことを目的に話が進む。

狂王カインへの対抗組織として聖王アベルが率いる聖王軍というものがある。この聖王アベルは前述の薬を作って配布するなど、この星に住む人の希望となっている。

……しかし、主人公たちはカインを倒したとき真実を聞かされることになる。

カインは、疫病への恐怖から誰彼構わず魔女狩りを始める国民に心を痛めており、自分が狂王となり悪役を演じることで全ての不満を自分に向けるように仕向けたこと。その裏で、聖王アベルという架空存在を作り、疫病への対策を行っていたこと、そして狂王を演じるうちに次第にカイン精神を蝕み、狂ってしまたこと(結局、魔獣を召喚したのはカインであるかどうか不明)。

狂王カインを倒しても、事態は全く解決しなかった。

そうこうしているうちに、主人公を導き、暗躍していた魔獣の女王を名乗るミストラが魔獣王を決めるということを言いだす。

世界の各地に魔獣の卵のようなものがあり、ミストラがそのような提案をすると、サタンルシファーが孵り、それぞれが魔獣王へ立候補し、彼らは大元思想は違えど人類を滅ぼすという最終目標は変わらず、主人公はそれを止めるために扮装するが、どちらも倒したものの逃げられてしまう。

そしてミストラが魔獣王を決める際に、サタンルシファーは合体してメタトロンになり、自分こそ魔獣王にふさわしいと名乗りを上げるが、ミストラが魔獣王として選んだのは、笛吹きであった(笛吹きはその後、各地で子供さらっているなどして、何度か主人公と戦っている)。

ミストラ笛吹きと合体して、魔獣王ルインとなる。メタトロンは部下として従えることになった。

これまで主人公一派に協力的だったミストラ豹変っぷりはなかなか怖い。淡々と語りだすし。

ルインおよびメタトロン目的は、人類を滅ぼすことで解放すること。そのための手段として月を惑星ホルスへぶつけるという大掛かりな手段を使おうとしてくる。

刻一刻と迫ってくる月、対策として月を爆破する選択を選ぶが、そのためには月にいるルインおよびメタトロンを倒す必要がある。

しかし、こちらには力が足らない。そのためには主人公フォースの力を解放させるしかないという展開になり、主人公の心の中で、力の解放のため自分と向き合うことになる……。

気が付くと、主人公は森の中にいた。歩いていくと見慣れた光景が広がっていた、自分の育った家、父、母、そして妹。

妹は誕生日プレゼントで貰った笛と仮面を貰って楽しそうにはしゃいでいる。ここにはあの笛吹きの魔獣はいない。

……あのとき主人公が望んでいた光景が広がっているのだ。父は主人公に大切な話があると語る。

それは主人公は捨て子であり、実の子ではないこと、そして出来れば妹と結婚してずっとここにいないか?と提案してくる。

主人公はその提案を……拒否する(提案を飲むと、月がホルスにぶつかり「HappyEnd」という名の「BadEnd」になる)。

そして主人公過去の迷いへ決別するために、夢の中の親や妹と戦うことになる。

ここまで読むと、わかるだろうけども、ぶっちゃけると「鬼滅の刃 無限列車編」の夢の世界とほぼ似たような展開となってる。こっちの方が早いけど。

鬼滅では炭治郎が夢の中で自殺することで戻ってこれたけど、ラストバイブル2では家族殺害することで夢の中から脱出するからその分鬱度が高い。

ちゃん戦闘になり、プレイヤーの手で攻撃方法対象を選んで倒さねばならないのだから……。キツい……。これもゲームシステムを利用した演出なんだろう。

月にたどり着くと、いよいよラストダンジョン。その名は"地獄"。ストレートすぎる名称だろ。なんで月に地獄があるかっていうと、おそらくルインが作りだした幻かと思われる。だからこそこの地獄狂気に包まれている。

この地獄では、人々がやや支離滅裂気味で話す苦しさを全て聞かないと先に進めないので、精神ゴリゴリ削られる。

あと最後までたどり着いてようやく気が付いたのだけど、ミカエルだのルシファーだのが出てきたり、タイトルバイブル聖書)という名称が入ってくるくせに、このゲーム世界観は仏教ベースなのよ。ラスボス前座で出てくる敵は「四苦」と「八苦」。「四苦八苦」という四字熟語があるが、「四苦八苦」とは仏教用語であり、生苦・老苦・病苦・死苦・愛別離苦怨憎会苦求不得苦五蘊盛苦を表す。ちょっと病苦を全面的に出し過ぎてる気もするが。

なんとかラスボスのルインを倒すが完全には倒せていない、そうこうしているうちに月はホルスに迫る。

もう用意していた爆弾だけでは、月を破壊できたとしても破片がホルスにぶつかって大損害を与えることが必至。完全に粉々に月を爆破する必要があり、主人公レオンルナをトランパ(ドラクエでいうルーラ)で逃がし、フォースの剣で更なる力を込めて月の破壊しようとする。

まだ死んでいないルインがやってくる。主人公はルインと心を通わせることで、笛吹きの魔獣……ラミレスの正体を知ることになる。

笛吹きの魔獣はラミレスという名で、正体はレオン双子の兄である

ラミレスレオンは望まれない形で生を受けたため、親から虐待されて育てられた。食糧事情悪化した際、ラミレスレオンは親に捨てられた。

レオンは山へ、ラミレスは海へ。レオンたまたまそこにいたアインに拾われて育てられることになった。

一方ラミレスは海に流された後、あまりにも不憫に思ったミストラにより、身体は魔獣として命を取り戻すことになる。そして主人公が冒頭で暮らしていた島へ流れつく。

仲睦まじく楽しく暮らす家族を見ると、親の愛情を受けずに虐待して育てられたラミレスは苦しみだす。なぜ自分はこんな目に合うのか。

ラミレス家族の愛に飢えていた。だからこそ、主人公の妹を喰らい、妹が来ていた仮面や服を着ることで、自分はあの幸せそうな妹にすり替われることができるのではないか、と考え実行する。

もちろんすぐにバレるため、主人公の父と母から拒絶され、そのまま殺害してしまう。

家族が欲しいというラミレスの願望は一向に癒されず、各地で子供さらって食うという猟奇的な行動に出てしまう。

そして、全てを理解した主人公は苦しむラミレスの魂を開放すべく、最後にとどめを刺す。そして月と運命を共にする。

あとは平和になったホルスエピローグが語られて、「女神転生外伝 新約ラストバイブル2」が終了。

最初から最後までこれでもかというくらい陰鬱な話が続くが、そのための清涼剤としてか仲間はみんな底抜けに明るい。

からこそ、仲間の辛い過去が判明したり、狂いだすのも結構キツいものがあったりする。

あと、このゲームは2であり、ところどころ1を遊んでいないとわからないと思われる部分もあるが(結局ミストラって何者なの?とか)、まあメインの部分は1をやっていなくても大丈夫自分も遊んでないし。

2022-08-31

猫が死んだ時のこと

未だに興奮して眠れない記録魔の自分がすることはやはり記録することだった。

今の記憶は消えてしまう。失われてしまう。

時間による記憶喪失が愛しい者を失うことの感慨さえも洗い流してしまうなら

それは人にとって救いであり、希望なのかもしれないが私はそう思わない。

私の猫が死んだという事実は私が生きている限りにおいて永遠に記憶されるものであって欲しい。

死んだ瞬間は悲しくなかった。

実を言うと今も悲しくはない。

死んだ瞬間はその事実気づき、やはり死んでいる、生き物ではなくなり

外界を認知し変化させることのなくなった物体に変化した、そう認識した。

彼女に対して手を抜いたことはなかったとそう言えると思う。

から後悔はなかったのかもしれない。

医学は専門ではないがわからないなりに病院に行き、母と二人で注射器での薬の経口投与を繰り返した。

本人がどれほど嫌がろうとも。

猫の体調が悪いと気づいたのは一ヶ月ほど前からだった。

食事後に餌を吐くようになり、吐いた餌を食べたり食べなかったりした。

3日ほどで病院に行くことになった。

猫の体調が悪化するのと逆に自身の長年の体調不良回復していった。

糖分を取らなければもろもろの不定愁訴が解消していったのだ。

2年以上に渡る体調不良は米を取らない。その一つの行動から回復していった。精神科にも通った。薬の効果も実感している。

しかしながら生まれてきた中で思い出せる限りの長い期間常に自身体調不良だったのではないかと気づいた。

薬理的な効果以上に炭水化物を取らないことが自身の体調に寄与していることは明らかであった。

猫に話を戻そう。

とにかく彼女は餌を食べられなくなった。

異物を飲み込んだのではないか判断した医者は様子見の生徒剤の投与後、内視鏡による異物摘出を試みた。

さな毛玉が胃の出口のところにあった。

それを取り出したこと嘔吐は解消されるかと思われた。

しか彼女は変わらず吐いた。

その時点に至るまで二週間ほどがすでに経過していたと記憶している。

また、気管挿管の際にミスをしたのか、呼吸音が異常になっていた。

次にしたことは猫を飼い始めた時にノミダニの薬とワクチンを打ってくれた看護師に連絡することだった。

彼女らはすぐに来てくれ、この食事が良い。だの、この時期に猫が吐いてしまうのはよくあること。だの、医者は変えた方がいい。だの、と違う立場自由意見を述べた。

親切にしてくれたし、変化が必要かもしれないと、私は彼女らの言葉を聞き、近くの病院医者を変えた。

今思うに、この判断は貴重な時間を空費するだけに過ぎなかったと考えざるを得ない。

やはり、医者を変えたあとも猫は吐き続けた。

次の病院で行われた治療は元の病院とは種類の違う吐き気止めとステロイドを繰り返し投与だった。長い二週間だった。

彼女は嫌がった。苦しいので当たり前だ。餌も飲み込めず、後に水すらも飲み込めず苦しがるほどの猫に経口投与を繰り返した。

しかしながら呼吸音はステロイドにより落ち着いた。そのように思えた。

ただ、嘔吐は二週間の間に違う餌に切り替えた努力も虚しく、変化がなく無駄だった。

私は調べうる限りの症例を聞いたが、最後にガス性のイレウスではないかと聞いた際にはっきりとそうでない理由を伺うことはできなかった。

このままでは食事ができずに死にますよ。そう伝えると彼の助手である女性看護師二次診療専門の病院提案した。

医者二次診療を勧め始めた。

この病院でのカルテは渡すので、治療データこちらより豊富な元の病院から二次診療専門病院に連絡をつけるようにと言われた。

私は釈然としない思いをいだきながら病院をあとにした。

元の病院に連絡すると少し驚いた様子であった。

事実上、さじを投げたと言ってもいいだろう。

二番目の病院からでも出せる診察依頼を出すことなく、元の病院に戻したので少し呆れていたのかもしれない。

しかし私はそんなことはどうでも良かった。

治療継続されるかどうか、進展があるかどうかが重要である

20万円ほどの少ない蓄えも底をつき始めていたが、友人に借金してでも治療を完遂させようと考え、友人にもその旨を伝え、了承を得ていた。

そこから彼女なりの治療プロトコルに従わないので苛ついているような反応を返すノミダニの薬を売ってくれた看護師に話を聞いたり

死んだ場合どうすれば良いのかを考え始めたり、たまに来る母親に猫を見てもらったりした。

モノになったのだ。席を立ち、ジョナゴールド発泡スチロール箱を見てやはり実感する。

眠っているのではないことは知っている。もう彼女は外界に何ら影響を与えることを許されないのだ。

ただただ衝撃だけがある。

二次診療専門の病院に行く前に診察を行った。

元の病院男性医者ではなく、別の女性医者対応してくれた。

呼吸音が異常であることを見抜き、胸にエコーを当てた。

彼女は胸にあるしこりと、胸水が気道と食道を圧迫していることに気づいた。

猫はここでも抵抗した。麻酔なしでは胸のしこりを生検することはできなかった。

また彼女は、胸水の原因を特定しようと試みたが確実にリンパ腫が原因であるとは判定できなかった。

つの選択肢提示された。

病変を明らかにするためにCTをする。

もしくは、今の胸水を専門医に判定させる。

私はCTを受けさせることにした。

そして初診を予約できたのがそれから三日後だった。

初診の前に血液検査を行うことになった。

血液検査の結果、異常は特に無いように思えたが猫白血病ウイルスが陽性であった。

リンパ腫の可能性が色濃くなった。

こうなると寛解はしない。高額な医療費請求されて生きられるのは半年から一年程度。

そういった認識があった。

友人とは相談した。

つねづね私は話していた。

単純な功利主義だけでは世の中回っていかないが、重度のケア必要な猫を一匹救うより、未だに健康を保てている猫を二匹救うべきだと。

高額な医療費をかけたい気持ちはあるが、それは正しいのかと。

友人と私は話し合ったが明確な答えは出ず、それでもざっくりとした方針をなんとか決定した。

飼い猫はまだ4歳前後であることから、一度治療成功すれば5年以上の生存の見込みがある。

そのためにならば50万から最大100万円程度の治療費を貸し付けることは容認できる。

しかしながら、一年延命治療のために高額な費用がかかるのは私自身の考えからは外れてしまうこと。

まりリンパ腫など予後が悪い病状の場合安楽死、ないし積極的治療放棄することを決定した。

出会った時から不思議な猫だった。

初めてあった時から肩に登ってこようとし、私の無茶な要求にも反抗しようとすることはほとんどなかった。

病院に行く際は一度も言うことを聞かなかったことはない。

出会ってしばらくしてから

左耳の部分が腐ったのか落ちており、付け根は膿んで肉が露出していた。

さくらねこというのだが、猫は避妊処理の後のリリースされると耳の先をカットされる。

メス猫は普通左耳の先をカットするが、彼女には左耳がなかったので右耳をカットされていた。

彼女は飼い猫以上に友人であった。

自分の鼻をすぐに舐めたがる犬のような猫であった。

その癖意地を張ってウェットフードを食べない頑固な猫だった。

時に一緒に眠り、また、顎をブラシで撫でてやるとゴロゴロと音を鳴らした。

肉付きはよく、4.4キロほどあったと思う。

死ぬ直前は3.1キロほどしかなかったが。

話を戻すが治療方針を決めて二次診療専門の病院の初診に向かった。

母親に車を出してもらい向かった先でしたのは、元の病院女医の話す内容とほとんど変わらない内容の説明を受けることだった。

また、治療方針として、胃ろうをして欲しいと言うと彼は自身胃ろうは好きではないと話した。

ここでは結局治療をすることはなかったし、進展はなかったので詳しい話は省略する。

初診料として8500円ほどを支払い、帰路についた。

それからまた3日ほど経った日、水を飲んでも吐くようになった。

このままでは保たないと判断したので、点滴で水分だけでも入れてもらおうと元の病院に連れて行った。

体調が悪いこと、胸水を抜くのは抵抗されたので難しかたこと、9月1日にCTを取りに行く前にもう一度点滴を受けて万全の状態にすべきであることを女医は告げてきた。

それが最後病院であった。

次の日、つまり昨日(8月30日)その瞬間は訪れた。

呼吸音が異常ではあったが、それほど異常の度合いが高いわけでもなかった。

しか母親が突然来訪し、ちゅーるを持ってきた。友人と話していた自分母親と話すことになり、もう一匹の猫にブラシをかけるなどの世話を始めた。

それからしばらくして、母親は帰った。

帰ってものの十分程度で発作的な呼吸が始まった。

初めて失禁し、のたうち回った。

夜間病院に連れて行くかどうか、20分ほど思案した後、母親呼び戻した。

母親が到着したのは35分程度後だった。

それまでに、死んでしまい、死後硬直が始まった時のためにダンボールタオルは用意していた。

車で来てくれた母親に事前に電話した動物病院に行くようにお願いをし、移動を初めて20分ほどで呼吸音がなくなったことに気づいた。

助手から降り、確認したがすでに瞳孔は開きっぱなしで力の全く入らない死体になった猫がそこにいた。

動物病院に行くのはやめ、大きいディスカウントスーパーに向かうことにした。

保冷を始めるためだ。

私はもう次の準備を考え始めていた。

アドレナリンが出て興奮していたのもあるが死体を腐らせる訳にはいかないと思っていたし、覚悟はしていたからだ。

スーパーに向かい発泡スチロール箱の有無を聞き、もうなさそうだとわかると氷だけを買ってそこを出た。

23時になっていたのでコーナンなども空いていない。

家の近くにあり24時間開いているスーパー玉出に向かうことにした。

普段から無愛想なおじちゃんに声をかけるとそこになかったらないと言われたが無事キレイ発泡スチロール箱があった。

おじちゃんに礼を言って車で自宅まで移動し、母親と別れ、友人と話をした。

そんなにしんみりはしなかったが、衝撃はあったと話をし、故人の話をしてくれたりしたが、騒音が気になりほどほどで話は終わった。

風呂に入ったが猫を何度も風呂に入れたことを思い出し、喪失感を感じてすぐに出た。

もう一匹の猫を膝の上に乗せていると少し眠たくなったので寝たがやはり一時間ほど寝れずにこれを書いている次第だ。

これから葬式をどうするか考えないといけないし、行動している内、考えている内は悲しくなることはないだろう。

この文章も一時間半ほど書いて疲れたのでこのあたりで筆を置くことにする。

死ぬ前に考えた。

自身無神論よりの不可知論者ではあるが、猫が死んだらどうなるのかと。

自分は肉体と精神に関しては唯物論的な思考でいるので肉になるのだと考えた。それでも悲しくはなかった。しかし救いはなかった。

私は幸いにも救いを必要としていないのだろうけれど、なぜ宗教必要とされるのかは少しわかった気がした。

思うに愛別離苦、別れは経験であり、自身の糧にするべきで背負っていくべきものだ。

死は絶対で覆すことはできない。それはあらゆる命にとっての救いでもあるのかもしれない。

彼女が安らかに眠れればいいなと思う。

2022-07-24

anond:20220724123217

くわえて

https://www.nichiren.or.jp/glossary/id154/

愛別離苦あいべつりく)・怨憎会苦(おんぞうえく)・求不得苦(ぐふとっく)・五蘊盛苦(ごうんじょうく)の四つです。

愛別離苦あいべつりく)とは、大切な人や大好きな人であっても、いつかは離れなければならない苦しみ。

怨憎会苦(おんぞうえく)とは、逆に大嫌いな人、顔も見たくない人でも出会ってしまう苦しみ。

求不得苦(ぐふとっく)とは、求めるモノゴトが手に入らない苦しみ。

五蘊盛苦(ごうんじょうく)とは自分の心や、自分身体すら思い通りにならない苦しみ。

あたりも加えて八苦になるな。ね?日常的で当たり前のことでしょ。四苦八苦に折り合いをつけて、つかめるところは掴みに行くけど、諦めないとならない時は諦めるのが人生宗教なんざそんな当たり前のこと。

2022-03-07

怨憎会苦

仏教四苦八苦のうちの一つ

愛別離苦は有名だけど、こっちはあんまり有名じゃないか

でもむしろこっちの方が現代人には身近なのではないか

日常ストレス愛する人と別れる苦しみよりも嫌いな人と会わなければいけない事に起因するものの方が多い

2021-01-22

anond:20200903170913

四苦八区では

新生児に対する生苦税

高齢者に対する老苦税

健康保険に入れず医療費が全額自己負担になる病苦特区制度

ハードディスク永久保存と公開などで死人の恥を晒す死苦制度

別れさせ屋助成金を出す愛別離苦制度

離婚家庭の同居を義務付ける怨憎会苦制度

・よいこのクリスマスプレゼント没収する求不得苦制度

住民の体に受信機とチップを埋め込み洗脳電波支配する五蘊盛苦制度

などを導入し、誰もが苦しみから抜け出せない自治体を目指します。

2020-12-09

anond:20201208213349

生の喜びが生老病死愛別離苦と言った生に伴う苦に、総体として勝ってると信じられない人生というのはやはり惨めな境遇と言って差し支えないんじゃないかな。

俺、仏教徒じゃないから、この辺の仏教における捉え方ってどうなってるのか分からないし気になる。

2020-12-08

anond:20201208192522

いやいやそれちょっと違うだろ

「生の苦しみ」イコール惨めな境遇じゃなくて

生老病死愛別離苦等々の根源的な苦しみのことじゃないの

まあ現代邪教ではあるよね

2020-09-18

僕がこの身を粉にしてとかパフォーマンスしそう。そのパフォーマンスを見る聞く、1秒が無駄。マジ、だまれとかおもっちゃう。

おもうだけだけど。おまえのパフォーマンス芸を見るために、おれの機長な時間があるわけじゃない。

あなたにとっては、

俺の人生は、

あなたオナニー芸をみるためにあって

あなた

という言葉を聞かせるために合って

なんでもいい

あなたのなにかで、僕の1秒は奪われるんだろうね

なんで、他人時間を浪費させようと思ったの

あなたの、オナニー芸で

 

僕 あなたオナニーまり自己満足の芸

を無理やり感じさせて

反応を見て

練習台になるための、

モルモットなんだろうね

ありがとう

きっと

それで、あなたは僕に

実験台の代金として10万円くれるんだろうね

ありがとう それで生き延びるよ なんで、コロナの前に死んでなかったんだろう

そうしたら、苦しまずに住んだ

 

愛別離苦

ありがたやー 拝む言葉、なんとすばらしいことばでしょう ありがたやー

2020-08-26

anond:20200826051200

自分が原因で、性別問題について苦しんでるやつに、結婚しようぜと言うな

よく言える。

でもわかったよ。お前にとっては相手の苦しみはその程度

愛別離苦とか口に出せる程度

2020-03-22

anond:20200322191240

あいてに、そんなふうに嫌がらなくてもいいじゃないといえた。

あいてが、嫌がっていることも、交渉すればなんとかなると考えた 交渉でなんとかならないことはない。

所詮 かねと 考えた

まちがっちゃいないけど、あんまりだ。

所詮嫌だというのなんて、金の交渉しか 考えていない人たち

から、嫌だと言うなといえるんだろう。

そうやって、 嫌だと言うなと、何人の人間に 何十人、何百人の人間にいってきたんだろうな

 

別れに 苦しんでいる人間に、上からm線で、えらそうにいうために 愛別離苦という言葉はあるんじゃない。

苦しんでいる人間に、説教するために、説法はあるわけじゃないだろうと信じたい

2018-01-11

anond:20180111014336

書いてくれてありがとう

こんな時間に起きてしまっている、というのはまさに苦しんでいるからで、それは幸せに関する事でもある。

幸せになりたいが故に愛し、愛するが故に苦が生じる。

幸せ希求した結果が、自分場合は苦しか生まなかった。自身にも周りにも、苦しか与えていない。

愛そのものに全く後悔はない。その結果が、苦しか生まなかったことに後悔がある。

しかも、その原因は本当に些細な運命のいたずら、としか言えないものだ。

愛別離苦というのもあるが、愛自体否定している訳ではなさそうだ。愛自体否定している宗教は、無さそうに観測される。

何が愛なのか、どうすることが愛なのか、の見極めと実践なのかなと考えている。

心身を持った今を生きる私、の個人的心象という視点で、それが幸せなのかは、ともかく。

広い視点で考えれば、個人としてつらい選択もまた幸せなのかも知れない。

苦を与えることも愛、という考え方もできそうだが、この立場自分がなるというのは本当に最悪だ。

自分を消し去ってしまいたい、全てを無かったことにしたい。

しかしそれは選択できない。それ自体さらに多くの苦を生むから。そして、巻き戻しもできない。

怒りも買っている。

他人に対して怒りが湧くときも、お互いが「相手幸せになりたくて、その行動をとっているんだ」と思えば、多少軽減できるし、「じゃあどちらも幸せになるように新しい手段を探そう」と原因の解決に迎える。

この解決自体が難しい状態にある。もし解決する方法があるとしたら、哀しむことだろうか。

もっともっと妻や家族や友人と、楽しい時間を過ごしたい。

と書いておられるということは、今は幸せ状態なのだろう。素直に羨ましい。

楽しい時間を、愛する人々と過ごされますように。

私もできれば、いつかそうなりたい。私の場合、哀しみは長くなるかも知れない。

このようなことは、長い人類歴史の中で、すでに考え尽くされているだろう。

ただそれを、今を生きる私たちが、日々を過ごす中で考えられた、ということに意味があると思う。

2017-10-21

釈迦ってなかなかよくわかってる奴だな

>「四苦」とは、根本的に人間が避けることのできない「生・老・病・死」の4つの宿命意味します。人としてこの世に生まれてくること、 年老いていくこと、病に冒されること、そして死ぬこと。どうあがいても、誰も決して逃れることのできない必然的な定めです。

>「八苦」とは、人間人間として生きていくうえで味わう、次の4つの苦しみを指します。

>・欲しいものが手に入らない「求不得苦(ぐふとくり)」

>・愛する者と別れなければならない「愛別離苦あいべつりく)」

>・嫌な人と出会ってしまう「怨憎会苦(おんぞうえく)」

>・世の中はままならないものだという「五蘊盛苦(ごうんじょうく)」

 
ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん