はてなキーワード: イギリス政府とは
下みたいな感じで
ガーディアンは一連の経過を説明した後、この問題は日本での根深い女性蔑視を浮き彫りにするものだと述べています。そしてその例として、去年日本の与党の加藤寛治国会議員が女性は子どもを3人以上産むべきだとか独身を選んだ女性はのちに政府の重荷になると言ったことも紹介しているのです。
海外での事例
遠い日本で起こった #KuToo 運動がどうして世界中で話題になることになったのでしょうか。それは、女性に対するハイヒール強要の問題がこれまで世界のあちこちで取りざたされたことがあったからです。
ガーディアンでもハイヒール着用についてイギリスでも同じような運動があったことを伝えていました。2015年12月ロンドンの大手金融企業PwCの受付係として派遣された女性がフラットシューズを履いていたところ、ハイヒールを履くように指示されました。この女性がそれを拒むと、報酬なしで帰宅を命じられたのです。
彼女がこの事実をフェイスブックに投稿すると、同じような経験をした女性たちが共感し、オンラインでの署名活動が始まりました。職場でのハイヒール着用強制をやめさせる請願に15万人以上が署名し、この署名は政府に提出されました。
イギリス政府はこれを受けて、職場でのハイヒール強要についての調査を行いました。そしてハイヒールの強制など性差別に基づく服装規定をする職場があることは違法であるとし、法律の見直しが必要であると発表しました。
http://anond.hatelabo.jp/20170524171732
FAQはあくまでFAQだからね。手続きの正当性をなぜFAQでみているのか、どの部分を持って手続きの問題がある、とツイート主がおっしゃってるのかわかりませんが、マニュアルにちゃんと書いてあって、ふつうに執り行われてる手続きであるとは思いますよ。そもそも国連の特別報告者はあくまで準司法quasi-judicialで、問題提起が大事だって書いてあるし、これが初動なわけだから、内容が不適切だとおっしゃるなら質問にちゃんと答えりゃいいんですよ。とりあえずツイート主が言ってることは根拠がないですよ。むしろ、人権侵害がある国にこそ公開でやることで回答する動機づけをしてるのは明らかだし。
国際機関を含む多国間交渉の場は利害も考え方もまちまちだから、手続きが大事で、そこを外すと何も進まなくなる。日本政府は問題を指摘しつつも誠実に対応する(ことが求められる)が、他の国(人権侵害のひどい国)なら「回答する前に書簡が政府攻撃に使われた」として回答拒否の口実にしてくるはず。
これは実例に照らして真反対。緊急性や重大性が低く、相手がちゃんと回答してくる可能性が高い場合にこそconfidentialにしている。
今回の書簡は基本的には「質問」であり、当該政府からの回答に加え、別途行ったその他の調査内容と合わせて検討し、国連人権理事会に報告書を提出するのが特別ラポルトゥールへの委託内容。その報告書はまだ単なる個人作成の文書であるがこの時点で公開されて議論の対象となる。書簡公開はルール違反。
これも事実誤認でルール違反じゃない。ちゃんと書いたように,マニュアルに認められている。
送られた書簡とそれに対する受け取った回答の文章は、受任者が対応した報告書を作成するときまで機密にするか、受任者が、特定の状況によって、それ以前に行動が必要であると決定する。
37. The text of all communications sent and responses received thereon is confidential until such time as they are published in relevant reports of mandateholders or mandate-holders determine that the specific circumstances require action to be taken before that time.
プレスリリースを即座にすることも認められている。
重大な懸念や、政府が書簡に対して本質的な回答が出来ない状態が続く場合などの適切な状況では、受任者は個人で、あるいは他の受任者(特別報告者、作業部会など)プレスリリースやプレスカンファレンス、その他の公的な意見表明などを行う場合がある。
一般的に言って、受任者は政府との対話の中で、プレスリリースなどのプレス向けの声明を発出する前にそのことを明らかにするべきである。受任者が、書簡の中で、プレスリリース等をすぐにおこなう意向を示したい時は、書簡の中にそのような意向を記載することが出来る。受任者は、懸念された国からの応答に対しても公平に明らかにするべきである。
49. In appropriate situations, including those of grave concern or in which a Government has repeatedly failed to provide a substantive response to communications, a Special Procedure mandate-holder may issue a press statement, other public statement or hold a press conference, either individually or jointly with other mandate-holders.
50. In general, mandate holders should engage in a dialogue with the Government through the communications procedure before resorting to a press release or other public statement. When a mandate holder sends a communication with the intention of issuing a press release shortly thereafter, such intention could be indicated to the Government in the communication. Mandate holders should indicate fairly the responses provided by concerned States.
とされているように、初動が一方的に公開であることは別に認められているし、反論の公平性は、反論文を同じ場所に掲示することで保とうという意思が見える。
また前に書いたように、イギリスのSnooper's charterについては、就任直後にガーディアンのインタビューでいきなり問題提起しており、不必要にテロの危険性をマスコミが翼賛的に報道している状態に苦言を呈しているけど別にイギリスは「反論の機会もなしにメディアでしゃべるなんて!」とも批判もしてない。(なぜインタビューされたかというと、このケナタッチ氏の就任は、アメリカがメルケルとかを盗聴してたことが明らかになったのちだったので、親アメリカ派のエストニア人候補が反対されたという経緯でヨーロッパではその就任が注目されていた。)そしてイギリス政府は、ガーディアンに政府の見解を送り、ガーディアンもそれを掲載した。ただそれだけの話なんだよ。
ジョルジュ・サルマナザールはフランス生まれの白人だったが、ウィリアム・イネスという牧師の協力を得て「キリスト教に改宗した台湾人」になりすました。「台湾人の先祖は日本人である」「香草をまぶした生肉を食べている」などデタラメな風習を広め、独自の「台湾語」まで作りだした。当時のヨーロッパでは台湾のことなど全く知られていなかったので、サルマナザールは25年ものあいだ台湾の専門家と見なされ、彼が執筆した『台湾誌』は知識人からも信頼されていた。しかし、ハレー彗星で知られるエドモンド・ハレーが、『台湾誌』に掲載された星図などから矛盾を見つけ出して突きつけたため、彼はついに自らの虚偽を告白した。
数学教授ロデリックと図書館司書エックハルトは、横柄な態度のヨハン・ベリンガーに腹を立て、悪質ないたずらを仕掛けることにした。二人は石灰岩に細工をして、カエルやミミズの化石、彗星や太陽の形をした化石、「ヤハウェ」という文字が刻まれた化石などを作り出し、ベリンガーが化石を採集していた山に埋めておいた。当時は化石が生まれる原因が分かっておらず、神秘的な力によって形成されると考えられていたので、いま見ると明らかにおかしな化石でも、ベリンガーは本物だと信じこみ、図版を収録した書籍まで出版してしまった。話が大きくなって慌てた犯人の二人は偽造であることを明かしたが、ベリンガーはそれを中傷だと考えてまったく取り合わなかったという。
コック・レーンにあるリチャード・パーソンズの家に、ウィリアム・ケントとファニーという夫妻が下宿していた。しばらくしてファニーは天然痘で亡くなったが、それ以来、パーソンズの家では何かを叩くような音や引っかくような音がたびたび聞こえるようになり、パーソンズは「ファニーの幽霊に取り憑かれた」と主張した。ファニーの幽霊は、自分がケントに毒殺されたことを訴えているのだとされた。幽霊のことはロンドン中の話題になり、見物客が連日のように集まってコック・レーンを歩けないほどだった。しかし調査の結果、パーソンズが自分の娘を使って、木の板を叩いたり引っかいたりさせていたのだということが分かり、彼は有罪となった。
ヴォルフガング・フォン・ケンペレンは「トルコ人」という名の人形を完成させた。それは完全な機械仕掛けでチェスを指し、しかもほとんどの人間より強いというものだった。「トルコ人」はヨーロッパ中を旅してチェスを指し、その中にはベンジャミン・フランクリンやナポレオン・ボナパルトなどの名だたる人物がいた。多くの人間がその秘密を暴こうとしたが果たせなかった。ケンペレンの死後、「トルコ人」はヨハン・メルツェルのもとに渡り、ふたたびアメリカなどで大金を稼いだが、1854年に火事によって焼失した。その後、最後の持ち主の息子が明らかにしたところでは、やはりチェス盤のあるキャビネットの中に人が入っていたのであった。
宝石商シャルル・ベーマーは、自身が持つ高額な首飾りを王妃マリー・アントワネットに売りたいと思い、王妃の友人だと吹聴していたラ・モット伯爵夫人に仲介を依頼した。伯爵夫人は、ルイ・ド・ロアン枢機卿を巧みに騙して首飾りの代理購入をさせ、王妃に渡すと言って受け取った首飾りをばらばらにして売りさばいてしまった。その後、事件が発覚して伯爵夫人は逮捕された。かの有名なカリオストロ伯爵も巻き添えで逮捕され、のちに無罪となっている。また「王妃はラ・モット伯爵夫人と同性愛関係にあった」「この事件は王妃の陰謀だった」といった事実無根の噂が流れ、マリー・アントワネットの評判は貶められた。
19歳のウィリアム・ヘンリー・アイアランドは、父親を喜ばせるためにシェイクスピアの手紙や文書を偽造するようになった。多くの専門家がそれを本物だと鑑定し、ジェイムズ・ボズウェルなどは「我らが詩人の聖遺物を生きて見られたことに感謝する」と祝杯を上げたほどだった。ついにウィリアムは戯曲の偽作まで行うようになったが、その戯曲「ヴォーティガンとロウィーナ」はあまりにも悲惨な出来栄えだった。また、その頃にはエドモンド・マローンによる批判も広まっていた。ウィリアムは罪を自白したが、世間はそれをウィリアムの父親が息子に言わせているものだと受け取った。当の父親も、無能な息子がそんなものを書けるわけがないと、死ぬまで贋作であることを信じなかった。
イギリスで異国の言葉を話す身元不明の女性が保護された。ある船乗りが「言葉が分かる」というので通訳となった。船乗りによれば、彼女はインド洋の島国の王女カラブーであり、海賊に囚われていたが逃げ出してきたのだということだった。彼女は地元の有力者たちのあいだで人気となり、またその肖像画は新聞に掲載されて広まった。しかし、その新聞を見た人から通報があり、彼女はメアリー・ベイカーという家政婦で、架空の言語を作り出して、カラブー王女のふりをしていただけだということが判明した。
イギリス軍人グレガー・マクレガーは、中南米で実際に功績を上げたのち、イギリスに戻って「ポヤイス国」への移住者を募集した。ポヤイス国は南米の美しい楽園で、土地は肥沃であり、砂金が採れると喧伝された。ポヤイス国の土地や役職、通貨などが高額で売りに出された。それを購入した二百七十人の移住者グループが船で現地へ向かったが、そこにポヤイス国など存在しなかった。荒れ地に放り出された移住者たちは次々に死んでいった。マクレガーはフランスに高飛びし、そこで同じ詐欺を働こうとして失敗した。さらにベネズエラへと逃げて、そこで英雄的な軍人として死んだ。
アメリカの冒険家だったジョシュア・ヒルは、ハワイへ移住しようとして失敗した後、タヒチ島からピトケアン島へと渡った。ピトケアン島は、イギリスからタヒチまで航海したのちに水兵たちが反乱を起こしたという「バウンティ号」の生き残りと、その子孫たちが暮らす絶海の孤島だった。ヒルは、自分はイギリス政府から派遣された要人だと嘘をつき、独裁者として君臨した。逆らう者には容赦なく鞭を振るい、恐怖で島を支配した。それから6年後、通りすがりのイギリス海軍の船に島民たちが助けを求めたことで、ついにヒルは島から追放された。
イギリスの名門ティッチボーン家の長男ロジャーは、1854年に南アメリカ沖で海難事故に遭って亡くなっていたが、その10年後にオーストラリアで肉屋を営む男が「自分がロジャーである」と名乗り出た。翌年、ロジャーの母である未亡人と「ロジャー」はパリで面会した。華奢だったロジャーとは違い、「ロジャー」は体重100kgを超える粗野な男だったが、未亡人は彼こそがロジャーだと認めた。貴族を名乗りつつも労働者であった彼は、イギリスの庶民からも大いに人気を集めた。しかし未亡人が亡くなった後、裁判において彼は偽者であるとの裁決が下され、14年の懲役刑を課されることになった。
ジョージ・ハルは進化論を支持する無神論者だったが、聖書に登場する巨人の実在について口論となり、それがきっかけで巨人の化石を捏造することを思いついた。石膏を巧みに加工し、毛穴まで彫り込んで、いかにも偶然発見したかのように装って大々的に発表した。専門家たちはすぐに偽物であることを見抜いたが、キリスト教原理主義者の一部は進化論への反証としてこれを支持し、また全米から多くの見物客がやってきた。フィニアス・テイラー・バーナムが同様に巨人の化石を見世物にしはじめたことで、ハルはバーナムを訴えるが、その裁判を取材していた新聞記者がハルの雇った石工を突き止めて自白させたため、ハルも観念して偽造を認めてしまった。
ドイツの靴職人ヴィルヘルム・フォークトは、古着屋で軍服や軍刀などを購入し、「プロイセン陸軍の大尉」に変装した。彼は大通りで立哨勤務をしていた近衛兵に声をかけ、十数名の兵士を集めさせると、ケーペニック市庁舎に踏み込んだ。フォークトは、市長や秘書らを逮捕し、また市の予算から4000マルクほどを押収すると、兵士たちにこのまま市庁舎を占拠するよう言いつけ、自分は悠々と駅に向かい、新聞記者からの取材に応じた後、列車に乗り込んで姿を消した。彼はすぐに逮捕されたが、ドイツ全土で人気者となり、時の皇帝によって特赦を受けた。
イギリスのピルトダウンでチャールズ・ドーソンによって発見された化石は、脳は現代人のように大きいが、下顎は類人猿に似ている頭蓋骨だった。ドーソンはこれをアーサー・スミス・ウッドワードと共同で研究し、人類の最古の祖先として「ピルトダウン人」と名付けて発表した。当時は大英帝国の繁栄期であり、人類発祥の地がイギリスであるという説は強く関心を持たれた。しかし1949年、フッ素年代測定により、ピルトダウン人の化石が捏造されたものだと断定された。捏造の犯人は未だに分かっておらず、『シャーロック・ホームズ』の作者であるアーサー・コナン・ドイルが真犯人だという説まである。
後に作家となるヴァージニア・ウルフを含む6人の大学生たちは、外務次官の名義でイギリス艦隊司令長官に「エチオピアの皇帝が艦隊を見学するので国賓として応対せよ」と電報を打ってから、変装をして戦艦ドレッドノートが停泊するウェイマス港に向かった。ぞんざいな変装だったにもかかわらず正体がバレることはなく、イギリス海軍から歓待を受けた。彼らはラテン語やギリシア語を交えたでたらめな言葉を話し、適当なものを指して「ブンガ!ブンガ!」と叫んだりした。ロンドンに帰った彼らは新聞社に手紙を送って種明かしをし、イギリス海軍の面目は丸潰れとなった。
ドイツの曲芸師オットー・ヴィッテは、アルバニア公国の独立の際に「スルタンの甥」のふりをしてアルバニアへ赴き、嘘がバレるまでの五日間だけ国王として即位した、と吹聴した。そのような記録はアルバニアにもなく、当時からオットーの証言は疑わしいものとされていたが、オットーはドイツ国内でよく知られ、新聞などで人気を博していた。オットーが亡くなったとき、その訃報には「元アルバニア王オットー1世」と書かれた。
コティングリー村に住む少女、フランシス・グリフィスとエルシー・ライトは、日頃から「森で妖精たちと遊んでいる」と話していた。ある日、二人が撮影してきた写真に小さな妖精が写っていたことに驚いた父親は、作家のアーサー・コナン・ドイルに鑑定を依頼した。そしてドイルが「本物の妖精」とのお墨付きを与えて雑誌に発表したため、大騒動となった。50年後、老婆となったエルシーは、絵本から切り抜いた妖精を草むらにピンで止めて撮影したと告白した。しかし、フランシスもエルシーも「写真は偽物だが妖精を見たのは本当だ」と最後まで主張していた。
オーストラリアの現代詩誌『アングリー・ペンギンズ』に、25歳で亡くなったという青年アーン・マレーの詩が、彼の姉であるエセルから送られてきた。『アングリー・ペンギンズ』誌はこれを大きく取り上げて天才と称賛した。しかし、これは保守派の詩人であるジェームズ・マコーリーとハロルド・スチュワートが、現代詩を貶めるためにつくったデタラメなものだった。この事件によりオーストラリアの現代詩壇は大きな損害を蒙ったが、1970年代に入るとアーン・マレーの作品はシュルレアリスム詩として称賛されるようになり、以降の芸術家に大きな影響を与えるようになった。
フィリピンのミンダナオ島で、文明から孤立したまま原始的な暮らしを続けてきたという「タサダイ族」が発見された。彼らの言語には「武器」「戦争」「敵」といった言葉がなかったため「愛の部族」として世界的な話題になった。彼らを保護するため、世界中から多額の寄付が集まり、居住区への立ち入りは禁止された。しかし15年後、保護地区に潜入したジャーナリストは、タサダイ族が家に住み、タバコを吸い、オートバイに乗っているのを目撃した。全ては当時のフィリピンの環境大臣マヌエル・エリザルデJr.による募金目当てのでっちあげだったとされた。
評論雑誌『ソーシャル・テキスト』は、「サイエンス・ウォーズ」と題したポストモダニズム批判への反論の特集に、アラン・ソーカルから寄せられた『境界を侵犯すること 量子重力の変換解釈学に向けて』という論文を掲載した。しかしそれは、ソーカルがのちに明かしたとおり、きちんと読めば明らかにおかしいと分かるような意味不明の疑似論文であり、ソーカルはそうしたでたらめをきちんと見抜けるかを試したのだった。それはポストモダンの哲学者たちが科学用語を濫用かつ誤用している状況に対する痛烈な批判だった。
http://b.hatena.ne.jp/entry/matome.naver.jp/odai/2139156030349874401
原文の問題の箇所を訳しておくよ
https://www.gov.uk/foreign-travel-advice/japan/safety-and-security
Japan is a stable democracy.
Civil disturbances and violent demonstrations are rare.
Occasionally, demonstrations of a pro-nationalist kind can involve hostility to foreign countries.
国粋主義の支持者によるようなデモは、たまに(時折)、外国への敵意を伴うことがあります。
Keep yourself informed of developments and if you become aware of any protests, leave the area immediately.
そもそも今回の問題を考えるためには免責特権について知る必要があります。
免責特権とは、特権免除あるいは不逮捕特権とも称され、読んで字の如く逮捕されることのない特権のことです。大使といった外交官も、この特権のおかげで逮捕されることがないことはよくテレビでも取り上げられていることです。ただ、外交官の本国がその特権を放棄したら、とたんに逮捕されることになります。実際に、グルジアの大使がアメリカで酒酔いひき逃げ事故を起こしたとき、グルジア本国が特権を放棄した結果、アメリカ当局がその外交官を逮捕した事例(Gueorgui Makharadze事件)があります。また、刑事に関しては絶対的に免除される一方、民事に関しては、例えば相続や商業活動といった私的行為を巡る事件については裁判を受ける可能性があります。
さて、次は1999年にあった、政府トップの刑事裁判権について大きな一石を投じるピノチェト事件について触れましょう。
この事件の概要を三行でまとめると、
・ピノチェトは大統領時代に反対派に対して拷問などの弾圧を行っていた
・辞任後にロンドンで療養中のところスペインの国際逮捕状に基づきイギリス警察が逮捕
・チリ政府はピノチェトの免責特権の侵害であるとイギリス政府に抗議しイギリス貴族院が審理することに
この事件でのポイントは、"元"国家元首に対しても特権が認められるかどうかでした。そこを、イギリス貴族院が、在職中は「絶対的な人的免除」を享有し、利殖後は「事項的免除」を享有するとしました。この事項的免除というのは「公的な行為」以外の行為に関しては免除されないというものです。
で、ここからが肝となりますが、イギリス貴族院は拷問といった強行規範(絶対に破ってはいけないルールのこと。例えば奴隷制だとか拷問だとか。)に違反するばかりか条約でも禁止されてる行為は公的任務に当たらないとしたわけです。実はチリは拷問禁止条約を批准しており、その条約の趣旨に反する免除は黙示的に撤回しているというのです。だからピノチェトの免除は認められず、イギリス警察による逮捕・引渡しは合法であるとしたのです。
ここまで書くと江沢民の訴追は可能なように見えますが、そう簡単なお話ではないんです。
実は2002年にアメリカで、中国国内の法輪功に対する弾圧を巡って江沢民を訴追する動きがありました。アメリカ国務省が元首免除に基づいてその訴訟は止めろと言った後に、江沢民はトップの座から降りたので、訴追できるのではないかとしたのです。しかしながら、第七巡回区控訴裁判所での判決で、辞任後も免除は存在する上に、強行規範違反に関連する訴追であっても免除は享有されるとしたのです。他にも、2000年にはジンバブエのムガベ大統領が訴追から免除される事例もありました。ヨーロッパに目を向けても、フランスはカダフィ事件においてカダフィ大佐の免除を認めました。
分かりません。本当に分かりません。ただ、以上を見ていたら分かるように、国内裁判所が外国の国家元首をたとえ"元"であろうとも、裁こうとすることはかなり難しいことなんです。この辺はもっと詳しく学説だとか各国の政治事情だとかを絡めて話したらもっと面白くなりますが、とりあえず、国際法に絞って書いてみました。何か間違いがあれば遠慮なくご指摘ください。