はてなキーワード: エックハルトとは
●各報告記事へのリンク(文字数制限があるようなので複数記事に分けてあります)
・「誤字脱字等報告 20160421[548]~20161004[612]」
・「誤字脱字等報告 20161013[617]~20170125[655] および総合更新履歴等」
・「誤字脱字等報告 20170131[656]~20170303[670]」
・「誤字脱字等報告 20170306[671]~完結、~SS-39、~ハンネ-7」(このエントリ)
・「誤字脱字等報告 20170713[ハンネ-8、SS-40]~ (更新中)」
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「ハンネ-7 音楽と疑問」
わたくしは何だが心がざわざわとして
→わたくしは何だか心がざわざわとして
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今更それを放り出せとは言わぬ。
→今更それを放り出せとは言えぬ。
この短時間にエルヴィーラ様がずいぶんとローゼマインに詳しくなり、
→この短時間にエルヴィーラ様がずいぶんとローゼマイン様に詳しくなり、
これほどまめに様子を見ていると思いませんでした
→これほどまめに様子を見ているとは思いませんでした
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「ハンネ-6 髪飾りが起こす波紋」
王族やお兄様はローゼマイン様に直接注文したのは特別なのです。
→王族やお兄様がローゼマイン様に直接注文したのは特別なのです。
ラザンタルクが何を妬ましく思っているのでしょうか。
→ラザンタルクは何を妬ましく思っているのでしょうか。
オルトヴィーンが髪飾りとヴィルフリート様とわたくしを見比べて、
→オルトヴィーン様が髪飾りとヴィルフリート様とわたくしを見比べて、
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「ハンネ-5 求婚者の言い分」
まさか講義中にこのような言葉を受けると考えていませんでした。
→まさか講義中にこのような言葉を受けるとは考えていませんでした。
ここで「恐れ入ります」以外に返すことができるでしょうか。
→ここで「恐れ入ります」以外の言葉を返すことができるでしょうか。
完全に順位を落とす数年間は
→完全に順位を落とすまでの数年間は
私にも色々なところで変化がありましから……。
→私にも色々なところで変化がありましたから……。
ディッターという言葉にハンネローレ様が少しだけ目を細めること……。
→ディッターという言葉にハンネローレ様が少しだけ眉を顰めること……。
他者に付け入れられる前に
→他者に付け入られる前に
同い年の婚約者がいることを考えれば、ヴィルフリートに貴女が嫁ぐ可能性が出てくるとは考えていませんでした。
→同い年の婚約者がいるという事情があったので、ヴィルフリートに貴女が嫁ぐ可能性が出てくるとは考えていませんでした。
興味は抑えられないような表情をしています。
→興味が抑えられないような表情をしています。
急に鼓動が早くなったのは、
→急に鼓動が速くなったのは、
……いえ、その前の「ディッターという言葉に目を細める」の辺りで……?
→……いえ、その前の「ディッターという言葉に眉を顰める」の辺りで……?
講義が終わると髪飾りを持ってきてくださるという話になっていました。
→講義が終わったら髪飾りを持ってきてくださるという話になっていました。
ハンネローレ様がフェルディナンド様の救助に挙力してくださったことを
→ハンネローレ様がフェルディナンド様の救助に助力してくださったことを
この髪飾りは貴族院でつけられる冬の貴色とわたくしの髪の色に映えるように
→この髪飾りは貴族院でつけられるように冬の貴色を使い、わたくしの髪の色に映えるように
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階級で分けられて親睦会が行われるため、交わされる噂話にも違いがあるため、
→階級で分けられて親睦会が行われており、交わされる噂話にも違いがあるため、
ダンケルフェルガーでは父親を始めとする親族から結婚の許可を得るために行うのが嫁盗りディッターです。
→ダンケルフェルガーで、父親を始めとする親族から結婚の許可を得るために行うのが嫁盗りディッターです。
ラザンタルクが軽く手を上げて、
→ラザンタルクが軽く手を挙げて、
他の方に声をかける時期を見計らうことが
→他の方に声をかける時機を見計らうことが
→他の方に声をかけるタイミングを見計らうことが
エーレンフェストで髪飾りの注文をしていた時に、図書館都市の構想について熱く語っていた時と同じ雰囲気です。
→エーレンフェストで髪飾りの注文をしていた際に、図書館都市の構想について熱く語っていた時と同じ雰囲気です。
最終学年の領主候補生コースはツェントであるエグランティーヌが担当しているそうです。
→最終学年の領主候補生コースはツェントであるエグランティーヌ様が担当しているそうです。
領主候補生コースは、本来ツェントが自分の後継者を育てるために行うことだそうだ
→領主候補生コースは、本来ツェントが自分の後継者を育てるために行うものだそうだ
次期アウブを新しいシュタープを得られる者達に、と耳にしたのですが……
→次期アウブを新しいシュタープを得られる者達に変更する、と耳にしたのですが……
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「ハンネ-3 進級式と親睦会」
自分の側近から側仕え見習いのアンドレア、文官見習いのルイトポルト、
実際に成長したローゼマインの姿を見ていない
→実際に成長したローゼマイン様の姿を見ていない
→自分で治めることもできないのに礎を得る可能性があるというのは
→自分で治めることができないにも拘わらず礎を得る可能性があるというのは
→自分で治めることもできない状態で礎を得る可能性があるというのは
ローゼマイン様がしっかりと領民の心をつかんでいることが伝わってきて
→ローゼマイン様がしっかりと学生達の心をつかんでいることが伝わってきて
→ローゼマイン様がしっかりと新領地の学生達の心をつかんでいることが伝わってきて
(間違ってはいないのですが「領民」というと平民等も含むイメージであり、
学生達の姿を見てそこまで範囲を広げることに個人的に少々違和感があったので)
ほわっと微笑んだジャンシアーヌが去ると、
→ほわっと微笑んだジャンシアーヌ様が去ると、
メルヒオール様は、とてもしっかりしていて神殿長職を務めているように見えました。
→メルヒオール様は、とてもしっかりしておられ、立派に神殿長職を務めているように見えました。
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もしかすると両方と本の貸し借りすることになるのでしょうか。
→もしかすると両方と本の貸し借りをすることになるのでしょうか。
→もしかすると両方と本を貸し借りすることになるのでしょうか。
ぜひ共にディッターを行いと思っていたのですが……
→ぜひ共にディッターを行いたいと思っていたのですが……
側近達もわたくしの不参加で予定を立てています
→側近達もわたくしは不参加ということで予定を立てています
わたくしは思わず避けたくなりました。
→わたくしは思わず目をそらしたくなりました。
領主候補生コースでの情報が得たいのに得られないことが悔しいようです。
→領主候補生コースでの情報を得たいのに得られないことが悔しいようです。
ディッター熱に浮かされている者達にひどい言葉のように
→ディッター熱に浮かされている者達に対してひどい言葉のように
ダンケルフェルガーで留まるように、とわたくしが
→ダンケルフェルガーに留まるように、とわたくしが
→今この場でコルドゥラの方へ振り返ってはならないという空気があります。
→今この場でコルドゥラの方へ振り返ってはならないという空気になっています。
確かに領主候補生同士の会話に許可なく割り込むのは非常識で無礼な行為だ。
→確かに領主候補生同士の会話に許可なく割り込むのは非常識で無礼な行為です。
二人は退こうとはせずにラオフェレーグの側近へと視線を向ける。
→二人は退こうとはせずにラオフェレーグの側近へと視線を向けました。
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「ハンネ-1 入寮」
先に罠を張って待っているくらいのことをしなければ、
→先に罠を張って待っているくらいのことをするならばともかく、
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→ローゼマインの虚弱さは秋の収穫祭の時と特に変わっていない。
初めて聞いたぞ。そのような評価。
→初めて聞いたぞ、そのような評価。
それを神殿者やダームエル達さえ
→それを神殿の者やダームエル達さえ
ヴェローニカ様の権勢が最も強くなった時期は本当に警戒心が強くて大変だった時代があるのだ。
→ヴェローニカ様の権勢が最も強くなった時期は本当に警戒心が強くて大変だったのだ。
奇妙な夜の話をユストクスは目を輝かせて喜んだ。
→奇妙な夜の話を聞き、ユストクスは目を輝かせて喜んだ。
→奇妙な夜の話を聞いたユストクスは目を輝かせて喜んだ。
何とか破れぬものか奮闘していた。
→何とか破れぬものかと奮闘していた。
私やフェルディナンド様も巻き込むな。
→私やフェルディナンド様を巻き込むな。
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「677 帰宅」
エーレンフェストよりずっと人が多いアーレンスバッハの神殿へ、
→エーレンフェストよりずっと人が多いアレキサンドリアの神殿へ、
おじさんが真剣な目が見据えているのは、
→おじさんの真剣な目が見据えているのは、
突っ込みたくなる呑気な声は
→ツッコミたくなる呑気な声は
「皆が気付いたのは明らかに君の声であろう」
→「皆が気付いたのは明らかに君の声のせいであろう」
フェルディナンド様の声が聞こえた方に驚いた。
→フェルディナンド様の声が聞こえたことに驚いた。
オレの後ろからきまずそうに顔を出した。
→オレの後ろから気まずそうに顔を出した。
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「676 家族に繋がる道」
主が二人ともアレキサンドリアに落ち着くとこになり、
→主が二人ともアレキサンドリアに落ち着くことになり、
ユストクスが鍵を開けて図書館へ入る。
→ユストクスに鍵を開けてもらい図書館へ入る。
→閉館時間
「任せくださいませ」
→「お任せくださいませ」
「この図書館には君にとって大事な物を入れるためには必要なのだ」
→「この図書館に君にとって大事な者を入れるためには必要なのだ」
(には→に 物→者)
気を遣わせるだ。
→気を遣わせるだろう。
→気を遣わせるだけだ。
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アウブ、領地名、色など
新しい産業を起こしてきました。
→新しい産業を興してきました。
ギーベの館に残された古い文献を写した者、
→ギーベの館に残された古い文献を写した物、
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「674 婚約式」
→やはり懸想していなければ婚約や結婚をしてはダメなのだろうか。
→やはり懸想していなければ婚約や結婚をしてはいけないのだろうか。
丁寧にわたしの魔石を箱に入ると、
→丁寧にわたしの魔石を箱に入れると、
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せっかく新しい図書館ができたのいうのに、
→せっかく新しい図書館ができたというのに、
ツェントが変わったこと、他領の貴族達への周知を容易にするために
→ツェントが変わったこともありますし、他領の貴族達への周知を容易にするために
トラオクヴァール様から下された王命はそれだけはございませんよね?
→トラオクヴァール様から下された王命はそれだけではございませんよね?
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「672 名捧げの石と婚約の魔石」
それをフェルディナンドと話をしたりすることが
→それをフェルディナンドと話したりすることが
養父様も早くアウブを告ぐことになって
→養父様も早くアウブを継ぐことになって
なかなかお戻りならないので
→なかなかお戻りにならないので
扉や窓をつけて置く必要がある。
→扉や窓をつけておく必要がある。
婚約式をしなくて困るのは
→婚約式をしないと困るのは
お守りをあげた時に「もらうことない」と喜びを噛みしめていたフェルディナンドの姿
→お守りをあげた時に「このようなものをもらうことはなかった」と喜びを噛みしめていたフェルディナンドの姿
→お守りをあげた時に、ひっそりと喜びを噛みしめていたフェルディナンドの姿
(444,445を読む限りでは喜びを明確に表に出すような感じではなかったようにも
読み取れるので、そこが少し気になりました)
ユストクスがこちらを見ながらニヤニヤと笑っている顔にパンチしたい。
→こちらを見ながらニヤニヤと笑っているユストクスの顔にパンチしたい。
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「671 記憶 その3」
頭が動かない今のわたし
→頭が働かない今のわたし
→今度こそはるか高みに続く階段を上がっていったのではないか、と
神々の御力の影響で魔力が通常状態になった時点で死んでいた。
→神々の御力の影響を残したまま魔力が完全回復してしまったら、その時点で死んでいた。
君の魔力が枯渇するや否や同調薬を飲ませ、
→君の魔力が枯渇してすぐに同調薬を飲ませ、
→心地良いをこえて痛いくらいになってきた。
わたしが「何ですか?」を聞き返すと、
→わたしが「何ですか?」と聞き返すと、
一連の戦いが終わった時には女神の御力で君の感情を不用意に揺らさないようにした方が
→一連の戦いが終わった時には女神の御力の問題が起き、君の感情を不用意に揺らさないようにした方が
→一連の戦いが終わった時には女神の御力の問題があり、君の感情を不用意に揺らさないようにした方が
エーレンフェストでいたままならば
→エーレンフェストにいたままならば
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ジョルジュ・サルマナザールはフランス生まれの白人だったが、ウィリアム・イネスという牧師の協力を得て「キリスト教に改宗した台湾人」になりすました。「台湾人の先祖は日本人である」「香草をまぶした生肉を食べている」などデタラメな風習を広め、独自の「台湾語」まで作りだした。当時のヨーロッパでは台湾のことなど全く知られていなかったので、サルマナザールは25年ものあいだ台湾の専門家と見なされ、彼が執筆した『台湾誌』は知識人からも信頼されていた。しかし、ハレー彗星で知られるエドモンド・ハレーが、『台湾誌』に掲載された星図などから矛盾を見つけ出して突きつけたため、彼はついに自らの虚偽を告白した。
数学教授ロデリックと図書館司書エックハルトは、横柄な態度のヨハン・ベリンガーに腹を立て、悪質ないたずらを仕掛けることにした。二人は石灰岩に細工をして、カエルやミミズの化石、彗星や太陽の形をした化石、「ヤハウェ」という文字が刻まれた化石などを作り出し、ベリンガーが化石を採集していた山に埋めておいた。当時は化石が生まれる原因が分かっておらず、神秘的な力によって形成されると考えられていたので、いま見ると明らかにおかしな化石でも、ベリンガーは本物だと信じこみ、図版を収録した書籍まで出版してしまった。話が大きくなって慌てた犯人の二人は偽造であることを明かしたが、ベリンガーはそれを中傷だと考えてまったく取り合わなかったという。
コック・レーンにあるリチャード・パーソンズの家に、ウィリアム・ケントとファニーという夫妻が下宿していた。しばらくしてファニーは天然痘で亡くなったが、それ以来、パーソンズの家では何かを叩くような音や引っかくような音がたびたび聞こえるようになり、パーソンズは「ファニーの幽霊に取り憑かれた」と主張した。ファニーの幽霊は、自分がケントに毒殺されたことを訴えているのだとされた。幽霊のことはロンドン中の話題になり、見物客が連日のように集まってコック・レーンを歩けないほどだった。しかし調査の結果、パーソンズが自分の娘を使って、木の板を叩いたり引っかいたりさせていたのだということが分かり、彼は有罪となった。
ヴォルフガング・フォン・ケンペレンは「トルコ人」という名の人形を完成させた。それは完全な機械仕掛けでチェスを指し、しかもほとんどの人間より強いというものだった。「トルコ人」はヨーロッパ中を旅してチェスを指し、その中にはベンジャミン・フランクリンやナポレオン・ボナパルトなどの名だたる人物がいた。多くの人間がその秘密を暴こうとしたが果たせなかった。ケンペレンの死後、「トルコ人」はヨハン・メルツェルのもとに渡り、ふたたびアメリカなどで大金を稼いだが、1854年に火事によって焼失した。その後、最後の持ち主の息子が明らかにしたところでは、やはりチェス盤のあるキャビネットの中に人が入っていたのであった。
宝石商シャルル・ベーマーは、自身が持つ高額な首飾りを王妃マリー・アントワネットに売りたいと思い、王妃の友人だと吹聴していたラ・モット伯爵夫人に仲介を依頼した。伯爵夫人は、ルイ・ド・ロアン枢機卿を巧みに騙して首飾りの代理購入をさせ、王妃に渡すと言って受け取った首飾りをばらばらにして売りさばいてしまった。その後、事件が発覚して伯爵夫人は逮捕された。かの有名なカリオストロ伯爵も巻き添えで逮捕され、のちに無罪となっている。また「王妃はラ・モット伯爵夫人と同性愛関係にあった」「この事件は王妃の陰謀だった」といった事実無根の噂が流れ、マリー・アントワネットの評判は貶められた。
19歳のウィリアム・ヘンリー・アイアランドは、父親を喜ばせるためにシェイクスピアの手紙や文書を偽造するようになった。多くの専門家がそれを本物だと鑑定し、ジェイムズ・ボズウェルなどは「我らが詩人の聖遺物を生きて見られたことに感謝する」と祝杯を上げたほどだった。ついにウィリアムは戯曲の偽作まで行うようになったが、その戯曲「ヴォーティガンとロウィーナ」はあまりにも悲惨な出来栄えだった。また、その頃にはエドモンド・マローンによる批判も広まっていた。ウィリアムは罪を自白したが、世間はそれをウィリアムの父親が息子に言わせているものだと受け取った。当の父親も、無能な息子がそんなものを書けるわけがないと、死ぬまで贋作であることを信じなかった。
イギリスで異国の言葉を話す身元不明の女性が保護された。ある船乗りが「言葉が分かる」というので通訳となった。船乗りによれば、彼女はインド洋の島国の王女カラブーであり、海賊に囚われていたが逃げ出してきたのだということだった。彼女は地元の有力者たちのあいだで人気となり、またその肖像画は新聞に掲載されて広まった。しかし、その新聞を見た人から通報があり、彼女はメアリー・ベイカーという家政婦で、架空の言語を作り出して、カラブー王女のふりをしていただけだということが判明した。
イギリス軍人グレガー・マクレガーは、中南米で実際に功績を上げたのち、イギリスに戻って「ポヤイス国」への移住者を募集した。ポヤイス国は南米の美しい楽園で、土地は肥沃であり、砂金が採れると喧伝された。ポヤイス国の土地や役職、通貨などが高額で売りに出された。それを購入した二百七十人の移住者グループが船で現地へ向かったが、そこにポヤイス国など存在しなかった。荒れ地に放り出された移住者たちは次々に死んでいった。マクレガーはフランスに高飛びし、そこで同じ詐欺を働こうとして失敗した。さらにベネズエラへと逃げて、そこで英雄的な軍人として死んだ。
アメリカの冒険家だったジョシュア・ヒルは、ハワイへ移住しようとして失敗した後、タヒチ島からピトケアン島へと渡った。ピトケアン島は、イギリスからタヒチまで航海したのちに水兵たちが反乱を起こしたという「バウンティ号」の生き残りと、その子孫たちが暮らす絶海の孤島だった。ヒルは、自分はイギリス政府から派遣された要人だと嘘をつき、独裁者として君臨した。逆らう者には容赦なく鞭を振るい、恐怖で島を支配した。それから6年後、通りすがりのイギリス海軍の船に島民たちが助けを求めたことで、ついにヒルは島から追放された。
イギリスの名門ティッチボーン家の長男ロジャーは、1854年に南アメリカ沖で海難事故に遭って亡くなっていたが、その10年後にオーストラリアで肉屋を営む男が「自分がロジャーである」と名乗り出た。翌年、ロジャーの母である未亡人と「ロジャー」はパリで面会した。華奢だったロジャーとは違い、「ロジャー」は体重100kgを超える粗野な男だったが、未亡人は彼こそがロジャーだと認めた。貴族を名乗りつつも労働者であった彼は、イギリスの庶民からも大いに人気を集めた。しかし未亡人が亡くなった後、裁判において彼は偽者であるとの裁決が下され、14年の懲役刑を課されることになった。
ジョージ・ハルは進化論を支持する無神論者だったが、聖書に登場する巨人の実在について口論となり、それがきっかけで巨人の化石を捏造することを思いついた。石膏を巧みに加工し、毛穴まで彫り込んで、いかにも偶然発見したかのように装って大々的に発表した。専門家たちはすぐに偽物であることを見抜いたが、キリスト教原理主義者の一部は進化論への反証としてこれを支持し、また全米から多くの見物客がやってきた。フィニアス・テイラー・バーナムが同様に巨人の化石を見世物にしはじめたことで、ハルはバーナムを訴えるが、その裁判を取材していた新聞記者がハルの雇った石工を突き止めて自白させたため、ハルも観念して偽造を認めてしまった。
ドイツの靴職人ヴィルヘルム・フォークトは、古着屋で軍服や軍刀などを購入し、「プロイセン陸軍の大尉」に変装した。彼は大通りで立哨勤務をしていた近衛兵に声をかけ、十数名の兵士を集めさせると、ケーペニック市庁舎に踏み込んだ。フォークトは、市長や秘書らを逮捕し、また市の予算から4000マルクほどを押収すると、兵士たちにこのまま市庁舎を占拠するよう言いつけ、自分は悠々と駅に向かい、新聞記者からの取材に応じた後、列車に乗り込んで姿を消した。彼はすぐに逮捕されたが、ドイツ全土で人気者となり、時の皇帝によって特赦を受けた。
イギリスのピルトダウンでチャールズ・ドーソンによって発見された化石は、脳は現代人のように大きいが、下顎は類人猿に似ている頭蓋骨だった。ドーソンはこれをアーサー・スミス・ウッドワードと共同で研究し、人類の最古の祖先として「ピルトダウン人」と名付けて発表した。当時は大英帝国の繁栄期であり、人類発祥の地がイギリスであるという説は強く関心を持たれた。しかし1949年、フッ素年代測定により、ピルトダウン人の化石が捏造されたものだと断定された。捏造の犯人は未だに分かっておらず、『シャーロック・ホームズ』の作者であるアーサー・コナン・ドイルが真犯人だという説まである。
後に作家となるヴァージニア・ウルフを含む6人の大学生たちは、外務次官の名義でイギリス艦隊司令長官に「エチオピアの皇帝が艦隊を見学するので国賓として応対せよ」と電報を打ってから、変装をして戦艦ドレッドノートが停泊するウェイマス港に向かった。ぞんざいな変装だったにもかかわらず正体がバレることはなく、イギリス海軍から歓待を受けた。彼らはラテン語やギリシア語を交えたでたらめな言葉を話し、適当なものを指して「ブンガ!ブンガ!」と叫んだりした。ロンドンに帰った彼らは新聞社に手紙を送って種明かしをし、イギリス海軍の面目は丸潰れとなった。
ドイツの曲芸師オットー・ヴィッテは、アルバニア公国の独立の際に「スルタンの甥」のふりをしてアルバニアへ赴き、嘘がバレるまでの五日間だけ国王として即位した、と吹聴した。そのような記録はアルバニアにもなく、当時からオットーの証言は疑わしいものとされていたが、オットーはドイツ国内でよく知られ、新聞などで人気を博していた。オットーが亡くなったとき、その訃報には「元アルバニア王オットー1世」と書かれた。
コティングリー村に住む少女、フランシス・グリフィスとエルシー・ライトは、日頃から「森で妖精たちと遊んでいる」と話していた。ある日、二人が撮影してきた写真に小さな妖精が写っていたことに驚いた父親は、作家のアーサー・コナン・ドイルに鑑定を依頼した。そしてドイルが「本物の妖精」とのお墨付きを与えて雑誌に発表したため、大騒動となった。50年後、老婆となったエルシーは、絵本から切り抜いた妖精を草むらにピンで止めて撮影したと告白した。しかし、フランシスもエルシーも「写真は偽物だが妖精を見たのは本当だ」と最後まで主張していた。
オーストラリアの現代詩誌『アングリー・ペンギンズ』に、25歳で亡くなったという青年アーン・マレーの詩が、彼の姉であるエセルから送られてきた。『アングリー・ペンギンズ』誌はこれを大きく取り上げて天才と称賛した。しかし、これは保守派の詩人であるジェームズ・マコーリーとハロルド・スチュワートが、現代詩を貶めるためにつくったデタラメなものだった。この事件によりオーストラリアの現代詩壇は大きな損害を蒙ったが、1970年代に入るとアーン・マレーの作品はシュルレアリスム詩として称賛されるようになり、以降の芸術家に大きな影響を与えるようになった。
フィリピンのミンダナオ島で、文明から孤立したまま原始的な暮らしを続けてきたという「タサダイ族」が発見された。彼らの言語には「武器」「戦争」「敵」といった言葉がなかったため「愛の部族」として世界的な話題になった。彼らを保護するため、世界中から多額の寄付が集まり、居住区への立ち入りは禁止された。しかし15年後、保護地区に潜入したジャーナリストは、タサダイ族が家に住み、タバコを吸い、オートバイに乗っているのを目撃した。全ては当時のフィリピンの環境大臣マヌエル・エリザルデJr.による募金目当てのでっちあげだったとされた。
評論雑誌『ソーシャル・テキスト』は、「サイエンス・ウォーズ」と題したポストモダニズム批判への反論の特集に、アラン・ソーカルから寄せられた『境界を侵犯すること 量子重力の変換解釈学に向けて』という論文を掲載した。しかしそれは、ソーカルがのちに明かしたとおり、きちんと読めば明らかにおかしいと分かるような意味不明の疑似論文であり、ソーカルはそうしたでたらめをきちんと見抜けるかを試したのだった。それはポストモダンの哲学者たちが科学用語を濫用かつ誤用している状況に対する痛烈な批判だった。