はてなキーワード: 舶来信仰とは
私はVR技術を研究している者だが、今回のキズナアイバッシングは本当に残念でしょうがない。
VTuberの先駆けとなった彼女はVR技術がまだ黎明期だった頃から地道な研究と『中の人』の地道な練習によって誕生したものである。
今でこそ個人でも入手できるようになったモーションキャプチャ技術だが、数年前までは映像・スポーツ系の企業が導入するようなごく一部しか研究していない技術であった。
そんな中、クリエイターたちがプロジェクトを立ち上げ、呼び込みや配信で地道に活動を続け、ようやく花開いたのが昨今のVTuberラッシュ、及びVR・モーションキャプチャ技術の発展である。
技術者の目線でキズナアイのモデルや動画を見ると、モデルとしての作りこみとモーションキャプチャの精度の高さに驚かされる。
仮に『キズナアイと同じ精度のものを1から開発しろ』と指示されたら迷わず匙を投げるだろう、それくらい彼女や周りのスタッフが挑戦し、成し遂げた事は難易度の高いものなのだ。
NHKもモーションキャプチャ技術の研究には積極的であり、手話を取り込み自動で文字として書き起こす・アニメや教育番組にモーションキャプチャを使用したキャラクターを導入する・人間の体の動きをモーションキャプチャを使って研究するなど様々な取り組みを行っていた。
しかしどれも『一般化』までは手が届かず、極めて一部でしか知られていない技術という扱いであった。
今回、NHKが番組にキズナアイを起用した理由に、モーションキャプチャ技術やVR技術の一般化をさらに推し進めたいという狙いと、自分たちが成しえることができなかった『モーションキャプチャ技術の一般化』の立役者である彼女への興味があったのではないだろうか?
しかし現実は、技術とは全く無関係なバッシングを繰り返す輩が多いというのが現実である。
やれ露出が多い、やれコメントが悪い、やれCGモデルがテレビに出てはいけない等感情論ばかりで、誰も技術には見向きすらしないのだ。
何年もかけて挑戦してきた技術をただ5分と考えていない感情で叩き潰すのがかつて『技術大国』と呼ばれた日本の成れの果てなのだ。
今後、批判した人の思惑通り、モーションキャプチャ技術を駆使した新しい技術が導入されようと、それを使用した新しい表現方法が作られようと「オタク趣味」の一言で一蹴できてしまうだろう。
そうして海外が生み出した新しい技術や表現をありがたがりながら使う『技術の舶来信仰』に落ち着くだろう。
そして最後は、90年代の技術をありがたがりながら「最近の技術者はだらしない、もっと新しいものを生み出さないと」と技術者を批判するのが目に見えている。
新しい技術は今日も様々な場所から生み出されている、しかし日本で生み出された技術だけは日の目を浴びる前に大半が摘み取られ『パッと見綺麗そうな技術』だけが育てられるのが現状だ。
日本のボドゲメーカーがドイツのボドゲーメーカーに企画持ち込んだら
ドイツのボドゲメーカー側が無断で改変版を出版したことに日本のメーカーが文句言った、と。
日本のボドゲメーカーがバカアンチを抱えてたのと舶来信仰が強い業界なせいで
「よくなってるから構わない!デベロップ不足なのが悪い!」
「パクられた企業こそ悪い!」
とかバカどもが騒いでる話。
大体デベロップの「進捗度」で行ったら後発パクリの方が進展してるのは当たり前じゃん。
それを「30足してあるからパクリ側の方が相対的にいいでしょ?だからパクられ側の未熟が全部悪いんだよ」とか言い出したら
もうなんも出せねえって。
こんなんで「日本の業界がデベロップ不足なのこそがそもそも…」とか言い出されたら
やったのが「クワークル→クニツィア」だろうが「オインク→ドイツ会社」だろうが
よくねえもんはよくねえんだよ。
法的にどうこうはどうでもいいがせめてそういう風潮ぐらいは持てよ。