はてなキーワード: インターセクシャルとは
10:56
あの人の話って(ないことにされてる)デビュー作から最新作まで、何かしら通じるテーマ、また一貫性がある
てんで性悪キューピットからレベルEまで、話のオチっておんなじなのよ
例えば幽遊白書なら、人間界と妖怪の世界、二つの世界と生き方、また価値観の相違があって、その架け橋になるのが主人公たちなのよね
で、結局その二つの世界と“人々”が行き交い繋がり合うところで幕が降りる
先生白書のほうでは、元アシスタントさんが冨樫先生は、「子供たちを楽しませるために書く」って明言してた箇所がある
その子供を楽しませる、という言葉の意味を深掘りしてみると、また違った読み方が可能になる
もちろん少年漫画としてのフォーマットで、緊迫のバトルシーン、また友情・努力・勝利の理想的な少年少女像も描かれる
とはいえ、あの人の描写は大人が見てもえげつなさを感じるものが多々ある
児童心理学のほうでは、子供にとって最も恐ろしいのは、自分が世界の情報から遮断されてると感じること…なんて言われてる
あの人は子供を楽しませるために、の他に、また別の主題があるんじゃないだろうか
砂糖をまぶしたようなユートピア的なおもしろおかしい漫画でなく、現実で実際に起こってる恐ろしい事件、出来事をファンタジー世界に落とし込んで描く
彼は真に子供たちのためを思って、あえて大人でも重いテーマ、また描写を繰り返し描いてるんじゃないだろうか
最近は特に“多様性ブーム”、“LGBTブーム”だなんて言われてるけど、彼は90年代からトランスジェンダーの高校生が主人公のスポーツ漫画を書こうとしていた
レベルEでは(おそらく)インターセクシャルのキャラや、またレズビアンについて踏み込んだ一章がある
この世界があまりいいもんじゃないのも、人間関係なんてめんどくさいだけなのも、人生が惨めなのも、そんなことある一定の年を重ねれば皆分かってるよね
でもだからこそ、理想に向けて努力すること、お互いを尊重し合いながら対話を重ねることが重要視される
冨樫先生はかなり初期から文化多元主義やジェンダー論、クィアスタディーズ、先進国が途上国を搾取してゴミを押し付けること(この辺りはバーゼル条約、環境型レイシズムとか、流星街辺りの問題かな)などなど、いろんな社会問題に切り込んで来た作家だと思う
その作風はきっと、この惨めで誰も救われない世界で、子供たちがなんとか問題に立ち向かって、また世界をより良くして行くための一助になる、そんな後押しをするためのものだったのかと思う
だってこのいびつな社会を作ったのは他ならない私たち大人だもん
少年ジャンプのターゲット層は小学生から30代ぐらいの大人だって聞いた
大人として読む(また創り描く)としたら、作品内での残酷描写は避けられないだろう
またその意思を無視して読むとしたら、受け手として無礼じゃないかとも思う
12:26
蟻篇あとのヒソカ人気下落、あれって選挙篇辺りがつまらない…よりかは、蟻篇が突出してたからじゃないかな
まず蟻篇だとメルエムとコムギの本来“分かり合えない”者同士が友愛で結ばれる、またコムギのような視覚障害者が才能を発揮する…とか、大切な友達を助けるために自分の命も惜しまない、弱い者を助けるために強い者が立ち上がる、もし罪を犯したとしても更生することが出来る、どんな姿になり果てても親子の情愛は不変のもの、そういう至極まっとうだけどいざ自分でやるとなったら難しい物事、ある種の人類普遍の理想を描いちゃったからじゃないかな
その後でヒソカとイルミがキルアたちを追い掛ける話なんて読んだら、大の大人が子供相手に何してんの?って感じられても仕方ない…
それにヒソカは確かに強キャラだったけど、王様とか会長には敵わなさそうじゃん
その上会長がもう常人には理解不可能な域まで修行でイッちゃって、ヒソカより手強い狂人キャラが出て来ちゃったわけだもん
ヒソカはサイコパス診断で測れるタイプだけど、会長のはもうヤバいとこ行きまくりで誰も理解出来ないでしょ、感謝の正拳突きとかマジで意味不明じゃん…
あと、ネット上で書き込んでる人たちが大人として成長したって見方も出来るかな
中高生ぐらいで読んでたら頭が切れてヤバいことなんでもやっちゃえて、世間の枠組みから外れてもたった一人で生きてける…そんなアウトサイダーに惹かれるのは当然だろうしさ
でも今メインでハンタ追ってるのってとっくに成人済みの人たちでしょ
身も蓋もないこと言えばあれ単に人殺しだもんな
最近のヒソカへの幻滅って、別に悪いことじゃないし、今後のエピソードに期待大って印象かな
体とか心壊してんなら仕方ないけど、ただ面倒なだけなら冨樫仕事しろ
「マンガ大賞2019」を受賞し、テレビアニメ化も発表された「彼方のアストラ」だが、
改めて読み返してみるといろいろ気になる点があったので、増田に書いてみたい。
なおネタバレ全開なので未読の人はぜっっっったいにこの先を読まないように。
以下本文。
3巻#22~23で、ルカ・エポジストはインターセクシャル(男性性と女性性両方を持つ人間)であることが明かされる。
そのあと4巻#33で、B5班メンバー全員が実はクローン人間であり、ザックの父、ジェド・ウォーカーの研究である「記憶の移植」技術で、オリジナルの人間が記憶の移植を行って若返りを行うために人為的に作られた存在であることが明らかになる。
このとき、記憶移植は同じ遺伝情報を持つ体でないといけない、とザックによって語られている。
ところが、そのあと#34で、ルカのオリジナルであるフェリーチェ・ジェンマが登場し、ジェンマは、「男女両性のクローンがほしい」というリクエストを出したので、キトリーの母であり医師であるオリーヴ・ラファエリは遺伝子操作を行ってジェンマのクローンのルカを作った、と語られている。
そうすると、ジェンマとルカの遺伝子は完全には一致しないわけだから、作中の情報に従えば「記憶の移植」はできないことになる。
もしかすると作中で語られていないだけで、規定値以上の遺伝子一致率があれば移植可能なのかもしれないが、少なくとも「仮に移植に失敗すれば我々は死ぬ」と作中で語られており、慎重に事を運んだような描写があるのに、なぜわざわざ移植成功率を下げるような遺伝子操作をしたのかについて明確な記述がない。
ジェンマは変わり者の芸術家という設定なので、「どうせ若返るならインターセクシャルになりたい。その結果移植に失敗して死んだら死んだで別にいい」という、享楽的な思考の持ち主なのだ、と解釈すれば一応矛盾はないが、疑問が残ることは確かである。
ルカの戸籍上の父親マルコ・エスポジトは、闇献金疑惑が語られ、ウルガーの兄の死にも関わっていることが示唆され、いかにもなにかを握っていそうな描写がされていたのに、結局のところ(作中の情報だけを見ると)クローン人間作製にもクローン抹殺計画にも関わっていない。
ジェンマから「お金あげるからこの子引き取って」って言われたから引き取っただけの人だ。
というか、本作の終盤で明らかになるように、世界政府がまじヤベーやつ(歴史を改竄したり過去の文化を葬り去ったり)なので、むしろ「ゲノム管理法」反対派だったというエスポジトは逆にいい奴なのでは? という気すらしてくる。
そもそも、「ゲノム管理法」も作中どういう法案なのかについて詳しく語られないのでよくわからないが、字面だけ見るとかなりヤバイ法案にしか見えない。
最終話で断片的に語られている描写から想像を膨らませてみると、「世界政府って、実はちょっとやばいんじゃね? なんか隠してることあるんじゃね?」ということにうすうす気づいていた側の人間なのではないかと思える。
ただ、上記の話は、振り返って冷静に考えてみるとそうかもって思えるというだけで、普通に本作を読むだけだと、ルカにも冷たいしウルガーの兄も殺したかもしれないしで悪い奴にしか見えない。
どうしてこういう描写になったのだろうか。
いかにも悪そうな奴という感じでミスリードを誘うためのキャラとして出しておいて、かといってわざわざページを割いて名誉回復を図るほどの重要人物でもないのでそのまま描写を省いた、という解釈でいいのだろうか。
もうちょっといろいろ気になるところがあるんだけど長くなったのでいったんここまで。