2024-08-05

男嫌いか、ただの喪女

34歳、独身女、性行為経験なし。急に気持ちを吐き出したくなり、とりあえずネットの海に文字を放流することにした。


同級生たちは半分ほどが結婚子どもを持つ人も多い。結婚式には何度も出席した。友人たちの嬉しそうな顔は美しかった。子どもと遊ばせてもらったこともある。小さくてもしっかりと自我を持つ子どもたちはとても愛らしく、そうやって育て上げた親たちを心から尊敬している。

そのような光景を見ても、結婚したいとか子どもを持ちたいとかい気持ちが湧いてこない。まあそういう人生もあるだろうと納得しているつもりだ。

でもたまに、恋愛結婚をすっ飛ばし人生ってもったいないのか?と考えてしまう。他人が羨ましいというよりは、なんだか損をしているような気持ちになる。今ちょうどそんな気分。


記事タイトルを『男嫌いか、ただの喪女か』にしたが、正直なところ若い頃はどちらの自覚もなかった。私は自身恋愛に興味がない人間だと思って生きてきた。彼氏が欲しいと思ったことがなかった。でも恋愛そっちのけで勉強ばかりしている女が珍しいのか周囲は放っておいてくれない。男性トラウマがあるのかとか奥手なのがいけないとか色々言われてきた。この歳になってそんなお節介を焼いてくれる人はだいぶ減ったけれど。

でもまあそうやって言われるうちに男嫌い恋愛下手(喪女)を自覚し始めてしまったのだ。そっとしておいてくれたらよかったのに!


以下は人生の振り返りと愚痴になるだろう。

暇で暇でしょうがない人は読んでいってね。


小学生時代

野山を駆け回る女児だったので女の子よりも男の子のほうが気が合った。いつも男の子集団に混じって(というより私が男を引き連れているように見えたらしいが)遊んでいた。だから男が嫌いだなんて思ったことがなかったが、ひとつだけトラウマ級の事件があった。

小学2か3年生の頃だったと思う。下校中、上級生(たぶん4、5年生の男)に呼び止められた。知り合いではなかったが同じ学校児童に警戒心などなく、素直に話を聞いた。「目をつぶって」と言われて従った。次に手のひらで目を覆われた。そして口にぬるぬるしたものが当たり、舐められているのだと分かった。でも訳が分からなくて動けなかった。恐怖というより困惑とただただ不快感。唇の隙間に舌をねじまれそうになり、とにかく侵入を許すまいと歯を食いしばった。かなり長い間舐められていたように思う。口と手のひらを離した見知らぬ上級生は「先生に言っちゃダメだよ」と言い残し走り去っていった。顔なんて覚えられなかった。でもランドセルの横にぶら下がるヒョウ柄体操着袋をはっきりと見た。

ベタベタした口が気持ち悪い。走って家に帰り、真っ先に歯を磨いた。レイプ被害にあったらシャワーを浴びてはいけないと言うけれど、小学生でもすぐに汚れを落としたいと思ったんだ、無理な話だよ。母親に言いつけ学校電話をしてもらった。ヒョウ柄体操着袋が犯人だと。

犯人は翌日かその次の日には見つかり教師立ち会いのもと謝罪された。今考えるとこれ良くないよな。被害者加害者とを会わせるなんて。そのせいだろうか、私は相手の顔と名前をはっきり覚えてしまったし相手もそうだったのだろう。この後数年に渡って嫌がらせを受けることになる。


口を舐められただけでかなりの不快感だった。これが性器を触られたり挿入されたり、また加害者大人だったらと思うと可哀想で仕方がない。全ての被害者の心が救われてほしい。

私はまだ性的に未熟な頃の被害だったのと男友達が多かったためか、男性が怖いとはならず加害者個人を恨んだ。だから男嫌いではないと思っていた。


中学生時代

ちょうど進学のタイミングで隣の学区に引っ越した。そのためヒョウ柄体操着袋とは違う学校になり安心した。

しかし運悪く再会してしまった。私は小学生ときから同じピアノ教室に通っていた。当時あまり気にしていなかったが、その教室の目の前は口舐め事件現場で、犯人はその近所に住んでいたのだ。

レッスンが終わりドアを開けるとヒョウ柄体操着袋がいた。気づかぬふりをして自転車で帰ろうとしていると背後から「もう一回する?」と声をかけられギョッとした。確実に覚えていやがる。気持ち悪い。すぐピアノ教室に逃げ込んだ。先生に何と話したかはよく覚えていないが、優しいお婆ちゃん先生は私をしばらく匿ってくれた。30分くらいだったろうか、奴がいないことを確認して自転車に跨がろうとしたときサドルに唾が吐かれていることに気がつき再び先生に泣きついた。先生は箱ティッシュを丸ごと持ってきて片付けてくれた。私には片付けをさせてくれなかったのをよく覚えている。あのとき先生の様子を思い出すと、もしかするとあれは唾ではない別の体液だったかもしれないと今では思う。

その後もピアノ教室には通い続けた。奴と鉢合わせすることはなかったがサドルは汚され続けウェットティッシュを常備するようになった。


市か何かの俳句コンクール入賞者の中に奴の名前を見つけたことがある。


夏祭り

手と手をつないで

デートがはじまる


気持ち悪い。

名前も顔も俳句も、34になった今でも忘れられない。

こういう犯罪者予備軍が賞をもらい、普通に恋愛を楽しみ、そのうち結婚して子どもが生まれて良いパパだねって言われていると思うと許せない。


高校時代

特に理由があった訳ではないけれど女子校に進学した。通える範囲で、自分レベルに合っていて、校風が気に入っただけ。男を避ける意図はなかった。

女子校生活はとても快適だった。進学校だったので治安が良く、学校行事も活発。女子校っていじめがひどいでしょ?なんて良く言われるけれど、勉強に忙しくいじめている暇なんてない学校だった(たとえ暇でもいじめはなかっただろうと思える良い学校だったよ)。


女子校性別概念がない空間だった。女ではなくただの人間でいられる場所。進学したり就職したり色々な環境経験したが、女子校以上に過ごしやす場所は今のところない。

ただ、学校の「マニア」と呼ばれる人たちが存在した。待ち伏せ盗撮、校舎に侵入など、不審者(全て男だった)がしょっちゅう出現した。文化祭体育祭撮影家族のみの許可制にするなど対策は取られていたが、登下校時の付きまといなどが酷く生徒は不審者に慣れきってしまっていたように思う。


大学時代

勉強が好きな私にとって大学天国だった。定額講義履修仕放題、今でいうサブスクだね。成績が優秀だったため授業料が半額になった。それでも履修仕放題!なんてお得なの!

学部面白そうな講義にも顔を出し、スポーツ系のサークル活動もして充実していた。

ただサークル内での恋愛のいざこざってほんとに面倒くさい。勝手に揉めていてくれたらいいのに何故か巻き込まれる。カップルの女側に呼び出されたことがある。

女「私、〇〇くんと付き合い始めたんだ」

私「そうなんだ!おめでとう!」

女「だから〇〇くんとはもう遊ばないでほしいんだ」

私「そうだね、わかった」

女「〇〇くんと一夜を共にしたことがあるって聞いたよ」

私「(なにそれ知らんこわ……オールでトリキいったときのこと?)そんな関係じゃないよ」

女「もう私のだから。取っちゃってごめんね」


怖すぎる。恋愛経験のない私はただビビリ散らすことしかできない。

この「取っちゃってごめんね」は他の人にも何度か言われたことがある。男を狙っていたことなんて一度もないのに。

これに関しては自分で考えて反省した。たぶん、子どもの頃に男友達と遊んでいたような距離感のまま接していたのが悪いのだ。あまり男の人と仲良くしないよう意識するようになった。


そういえば、このカップルの男側〇〇とは就職後に誘われて一緒に飲んだことがある。そのとき周りがみんな結婚してさびしい結婚したいと嘆いていた。そんなことがあったが、後日FBを見ると入籍報告をしていた。良かったじゃん!と思ったけれどよく見たら入籍日が一緒に飲んだ日より前だった。


怖すぎる。


【番外編-自分容姿について-】

たぶん私はそんなに不細工ではないのだと思う。正直そこそこモテた。絶世の美女ではないがブスでもない、ちょうど良いレベルの顔。男性から告白されることもはっきり言って多かった。しかしそれを全て断ってきた。故に自分からアプローチする方法を知らない。その結果の喪女である

悲しいことにモテる一番の要因はおそらく体型なのだ。アンダー65のFカップ、平均身長くらいのややぽちゃと言われるくらいの肉付き。小5くらいには私の体型は完成されていたため、不審者によく遭遇したし中学生以降は常に身体目当てでモテていた。痴漢被害にもよくあった。大学生になるとますます声をかけられるようになった。もう多すぎてうんざりした。こっちは勉強しにきているのに邪魔をするなとさえ思っていた。同級生も先輩も後輩もバイト先の店長取引先のよく知らんおじもみんなワンチャン狙ってくる。いつか信頼できる人が現れると信じたかったが、体型を褒める言葉視線を浴び続けているうちに身体を曝け出せる人になんてこの先出会えないと思った。

こういう話は誰にもできない。モテ自慢と言われてしまうから身体だけを気に入られることのなにがモテなのだろうか。理解できない。

ひとつ付け足すが私は私の体型が結構好き。筋トレも頑張っている。私の身体は私だけのものだ。


大学時代

博士課程まで進むつもりで進学した。結婚出産タイミングを逃すから女性にはおすすめしないと言われたがそんなことに興味はなかった。

しか院生(男)たちはそうではなかった。ここで相手を見つけなければ一生独身だと焦っているようで、数少ない女性院生だった私は標的になった。また院生だけでなく教授からセクハラ(の自覚はないだろうが)を受けた。密室での指導や2人きりの出張(酒を飲みながら身体に触ったり混浴に行きたがったりひどかった)など、これがあと数年続くのには耐えられないと判断博士課程への進学は諦めた。ただ勉強たかっただけなのに。


就職後】

セクハラ教授から逃れるため離れた土地一般企業研究職として働くことにしたが、就職後も教授からの連絡は続いた。郵便物を送りたいからと住所を探られることもあった。全無視したけど。

就職後、しばらくは楽しかった。博士課程には進めなかったけれど研究所でバリバリ働けると思うと嬉しかった。しか就職から半年ほど経ったこから飲み会やら何やらで独身男性を紹介されるようになってきたのだ。同じ大学出身研究員がいたのだが、付き合ってもいないのに2人の子どもは頭が良いだろうなぁ可愛いだろうなぁと勝手想像されたり独身男性社員と無理矢理電話番号を交換させられたりもした。


絶望した。どこに行っても同じような扱いを受ける。

数年は研究職にしがみついてみたがある日ぷつっと糸が切れたように諦めの境地に至り、結局仕事を辞めた。現在研究から離れて他の仕事をしながら比較的穏やかに暮らしている。





長々と書き殴ってみたが、これが私の半生だ。同じことの繰り返しで薄っぺらくて悲しくなる。結婚出産経験した友人たちは異なるステージで悩んでいることだろう。それなのに私はずっと同じところで同じことを悩んでいる。


こうやって振り返ってみてもまだ、自分男嫌いだとは断言できない。仲の良い男友達がまだいるし(しかし彼らも結婚すると会えなくなるのだ。奥さんに恨まれたくない)。

喪女なのは確かだろう。私は身体しかモテたことがない。性格を気に入ってもらえるほど他人と深く関わることができないのだ。人付き合いが下手な、明らかな喪女だ。


ひとりでいるのは嫌いじゃない。むしろ好き。孤独死問題クリアできれば上手くひとりで生きて死んでいけるはずだ。

ただやっぱり、同級生たちを見ていると自分が損をしているようなもったいないような感情になるのだ。こんなにナイスバディ()に生まれたのに性行為の機会もない!キスもできない!子どもに好かれやすいのに自分の子どもは持つ機会がない!そうだ、身体時間もったいないのだ。


毎日毎日老けていく。卵子の数が減り白髪が増える。自分身体自分のもの。己が満足できるように整えておけたらそれでいいと自分に言い聞かせる。

60歳になってからでもいいから、いつか心から信頼できる人が現れないだろうかとまだ希望を捨てられない。いつか白馬王子様が迎えに来てくれるの!と夢見る子どもと同じステージにいる34歳。

気色悪いな。

  • 分からん…

    • 文章下手でごめん。ただ吐き出したかった。読んでくれてありがとね。

  • 言っちゃ悪いけど どこかの段階で妥協して誰かしらと付き合えば、少なくとも喪女回避出来たじゃん って思っちゃうんだよなぁ 告白してきた男の中で、それなりの人間はいたんじゃな...

    • 読んでくれてありがとう。 でもこれは喪女を回避したかったという話ではないんだ。ひとりでいることに納得してるつもり。でもそのせいで経験不足な自分が情けなくなるような感覚の...

  • 単にと言う言葉は不適切かもしれんがアセクシャルでは? ワイは男やがアセクシャルらしく結構なおっさんだがお付き合いどころか女性と一緒に何かをしたという経験がない そもそも...

    • こんな優しくしてもらえるとは思ってなくてちょっと泣いてる。読んでくれてありがとうございました。 実は自分でもアセクシャルとかアロマンティックとか言われるやつなのかもと調...

  • 長い…

    • 約30年分の鬱憤だからね

      • ごめん。今読んだ。女としての魅力に人生振り回されてきたんだな… こういうのを、強い女が嫌う「雑魚モテ」というのだろうか? なんだろう。異性とちゃんと人と人で関係を築ける...

  • そんなあなたに 『孤独の意味も、女であることの味わいも』(三浦瑠麗)

  • 性欲ないなら同性でもいいんでね? 別に男にこだわらんでもいいと思う

  • 引き込まれて夢中になって読んでいたら一瞬でした。 投稿者様のご経験、男の私から見ても本当に恐ろしいと思いました。自慢どころか、投稿者様自身が辛いと感じているならばそれが...

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