「ウラン238」を含む日記 RSS

はてなキーワード: ウラン238とは

2022-03-08

anond:20220307185236

”我々はウクライナに全責任をおっ被せるシナリオの土壌を作っている。ナルイシキン(ロシア対外情報庁官)と配下SVRは、ウクライナが密かに核兵器製造していた、という証明をせっせとこさえている。クソったれ。

連中は、我々がとっくに分析放棄した論を押し通そうとしている: [核兵器開発の]専門家ウランがあったことの証拠証明など、でっち上げることは不可能だ。ウクライナには劣化同位体238[ウラン238。劣化ウラン]が1トンある—だが問題にはならない。核燃料サイクル上、作り出すことを秘密にはできない。

「汚い爆弾」にしても秘密裏に製造することはできない。ウクライナの古い原発では、それに必要物質副産物として最小限産出されるのみだ。アメリカはMAGATE[IANAロシア表記]と共にこういう施設監視しているから、こんな論など出したら馬鹿にされるだけだ。”

2022-03-07

FSB内部告発文書(信憑性注意)

id:Vorspiel

Changelogを入れたら末尾が切れてしまった…Changelogはリプにします。https://anond.hatelabo.jp/20220308162009

--

Twitterで流れていた以下の文書翻訳したものです。

https://twitter.com/igorsushko/status/1500301348780199937

最初Twitterに流しましたが(https://twitter.com/Vorspiel2/status/1500677825044819971)、誤訳修正し、追加情報を入れて清書しました。

なお、この文書真正性について、まずこちらの評価をご参照ください。(イギリス情報サイトBellingcatの幹部Christo Grozev氏による)

https://twitter.com/christogrozev/status/1500196510054637569

以下はその翻訳です。

昨晩[日本時間3/5早朝]、FSB内部告発文書と称するものが公開された。そこには、ロシア軍ウクライナでの失敗と、今後数週間~数ヶ月におけるロシア惨状予測が記されていた。これが本物かは分からない—ウクライナは以前に、心理戦の一環として偽のFSB文書リーしたことがある。

だがこれはそれとは違うようだ: 情報源は信頼できるもので(gulagu.net創始者)、偽造にしては遥かに長い文書だ(長くなるほどボロが出やすくなる)。

私はこの文書を、知己のFSB職員2人(現職または前職)に見せた。2人とも、これは間違いなく同僚が書いたものだと判断した。彼等は結論のすべてには同意しなかったが、それはさておき。

文書こちら。一読の価値がある: https://www.facebook.com/vladimir.osechkin/posts/4811633942268327

内部告発というのが仮に真であったとしても、内容に虚偽が含まれている可能性にご注意ください。

更に、私はロシア語は分からないので、露→英訳時に意図的か否かを問わず誤情報が紛れ込んでいる場合にはそのままになります。この点について、ロシア語が理解できる方はチェックをお願いします。

以下本文です。

--

[冒頭は英訳者Igor Sushko氏のコメント。氏はウクライナ出身アメリカ育ちのレーシングドライバー]

以下は、現職のFSB分析官による、ロシア現状分析英訳したものである。長いスレッドになるので心して読んでいただきたい。シェア歓迎。全文で2000語以上になる。カーテンの裏で起きていることに対する高度な洞察であり、幅広い題材を含む。

文意を明確にするための補足を、必要に応じて括弧書きで加えている。[日本語訳時に、追加の補足を角括弧書きで入れている。] では始めよう:

[ここからが元文書の内容]

最近はろくに眠れていない。ほぼ24時間勤務で、頭に靄が掛かったような状態だ。過労なのだろうが、まるでシュール世界の住人になったような気分だ。

パンドラの箱は開いた—本当の世界規模の惨劇は今夏までに始まるだろう—全世界飢餓は避けられない。ロシアウクライナ小麦の主要産地なのだから。(コメント: 世界規模の飢餓が起きるという予測には同意しない。)

我が国指導者層に本作戦(ウクライナ侵攻)を決断させたのが何かは分からないが、彼等は揃って我々(FSB)の責任だとしている。我々の分析非難され、もっと沢山報告を出すよう、最近ますます圧力を掛けられている。

こういう政治コンサルタント政治家、権力者ども全員が混乱の元凶だ。何より重要なのは、誰もこんな戦争が起きるとは知らなかったということだ—開戦は誰に対しても秘匿されていた。

一例を挙げる— ロシアに対する隕石攻撃(コメント: 西側諸国による制裁を指すと思われる)[これは露→英訳時のミスと思われる。詳細はhttps://anond.hatelabo.jp/20220322231355を参照]があった場合の結果と影響の分析依頼があったとしよう—

そこで攻撃モード分析するが、一方これはあくまで仮説であって細部を強調するな、とのお達しがくる。なるほどこのレポートはどこぞの官僚チェックリストとして使うもので、分析結果はロシアにとってポジティブものでなくてはならない、

そうでなければ「仕事ができていない」と詰問されるんだな、と理解する。したがって、我々にはどんな攻撃にも対抗手段が揃っている、という結論を出さざるをえない。もう完全にやりすぎだ。

ところが、蓋を開けてみればこれが仮説ではなく現実に起こっており、こんな仮説に基づいた分析など全くのゴミ屑になってしまった。制裁に対抗できていないのはこのためだ。こんな戦争が起きることは誰も知らず、従って制裁への対抗策も準備していなかったのだから

これは秘密主義と裏表だ—誰もが知らされていないのなら、準備のしようがあるだろうか?

カディロフは激おこだ。ウクライナが「FSBからキーウのチェチェン部隊情報をもらった」と吹聴したことで、我々(FSB)と連中は一触即発になりかけた。

カディロフの部隊戦闘に入る機会すらなく壊滅し霧消した。FSBからウクライナへのリークがあったという情報を私は持っていないので、推測するにその可能性は1-2%だろう—とはいえ可能性を完全に排除できるものではない。

我々の電撃戦は完全に失敗した。そもそもが完遂できないタスクだ: ゼレンスキーと部下を開戦3日で確保し、主要な建物をすべて占拠し、城下の盟を誓わせたとしたら、

ウクライナ抵抗は最小限に抑えられただろう。理屈上は。だがそれがどうした? こんな「理想的な」展開であってさえ、解決不能問題が残っている: 我々は誰と交渉する気だ?

ゼレンスキー排除するとして、よろしい、では合意署名するのは誰だ? ゼレンスキー署名するなら、彼の排除後は合意は役立たずだ。ОПЗЖ(ウクライナの親露派野党)は協力を拒否している。

臆病者のメドヴェドシュク[実業家プーチンの友人]は逃亡。指導者は他にもいるが—ボイコ[野党党首]は拒否、彼の支持者も理解しないだろう。ツァリョーフ[DPR・LPR議会議長]を呼び戻そうにも、ロシア国内ですら不評。ヤヌコーヴィチ[前大統領]を戻す? どうやって?

占領不可能、ということになれば、我等の撤退後、[ウクライナ]新政府10ももたずに倒されるだろう。

占領するにしても、必要人員がどこにいるというのか? 司令部軍警察、防諜、諜報—ウクライナ人の抵抗を抑え込んだとしても、50万人は要る。これに更に補給兵站が加わる。

こんなのはまりきったことだ—質の悪いリーダーシップを量で補おうとするなら、何もかも分が悪くなる。繰り返すが、これは「理想的シナリオ」での話だ。現実はそうではない。

それでどうなっているのか? 総動員を掛けることはできない。理由は2つ:

1)総動員を掛けたらロシア国内問題で自壊する: 政治でも経済でも社会でも。

2)我々の兵站今日ですら伸びきっている。これだけ巨大な分遣隊をウクライナに送り込めたとして、何が得られる? ウクライナ—広大な国土を持ち、我々に向けられる敵意は半端ない国において。

我々の道路はこんな大部隊補給に耐えうるようできていないから、何もかもがストップするだろう。現在の混乱状況を鑑みれば、指導者層がどうにかできるものでもない。

この2つの理由が同時に存在している。どちらか一方でも、失敗には十分だというのに。

ロシア軍の損失について: 実数は分からない—誰にも。開戦から2日間は何がしか情報が入ってきたが、今となってはウクライナで何が起きているのか誰も把握していない。主要師団との連絡は途絶えている。(!!)

通信回復するかもしれないし、攻撃を受けて散開しているかもしれない。司令官ですら戦死者数・負傷者数・捕虜数を把握できていない。戦死者の合計数は千人単位だろう。1万人か、5千人か、2千人ですんでいるか

こんなことすら、司令部誰も知らない。もしかしたらロシア兵の戦死者は1万人近くかもしれない。しかもここにはDNRとLNRの戦死者は含んでいない。

ゼレンスキー殺害ないし捕縛したとしても、状況は変わらない。我々に向けられる敵意はチェチェンのそれ並だ。今となっては、ウクライナの親露派ですら公然と我々に反抗している。

それもこれも、(ロシアの)トップがすべて決めたから。こんなシナリオ(ウクライナ侵攻)など、先制攻撃を受けない限り起こらないと聞かされてきたから。

我々が脅威を高めていくのは、戦闘によらず交渉で結果を出すために必要と聞かされていたから。ウクライナ国内でのゼレンスキー批判の準備も、ウクライナ侵攻など考慮にも入れていなかったから。

今日ウクライナ市民の死者数は幾何的に増加しており、抵抗は強くなる一方である歩兵部隊都市侵入を試みているが—落下傘部隊20隊のうち、わずか1隊が「暫定的に」成功を納めたのみ。

モスル侵攻を思い出してほしい。まるで同じだ—どの国でも起こることで、何も新しいことなどない。ここ数十年のヨーロッパでは—セルビアが一番良い例だろう—都市を包囲しても数年は持ち堪えられる。ヨーロッパからウクライナへの人道的支援が始まるのも時間問題だ。

我々のひとまずの期限は6月だ。というのは、6月になったらロシアには経済というものが無くなるからだ—何にも残らない。

大局的には、来週には(ロシアで)(戦争賛成派対反対派の)両者の一方が崩れるだろう。こんな(ロシア国内の)緊張状態は長続きできない、というだけのことだ。

分析のしようもなく、混乱状態予測の立てようもなく、何が起きるか確度を持って言える人間など(ロシアには)誰もいない。

直感に従って、しかも強い感情に動かされて行動するなどというのは最早ポーカーではない。だが賭け金は釣り上がってしまい、どれかしらの手段はうまく行くだろうという望みに掛けるしかない。悲しいけれど、人間は往々にして計算違いを起こすし、そうなればすべてを失うことになる。

見渡してみれば、ロシアにはアウト[ポーカーにおいて「これを引けば勝てる」というカード。「勝ちの目」]が無い。勝ち筋などなく、どうやっても負けるしかない—ということだ。(ここで一旦中断。小休止後に再開する)

(ここから後半。こちらはもっと興味深く、ラストには喜ばしい方向で驚くべきことが記されている)

我々は前世紀の失敗を100%なぞっている。「弱っちい」日本を蹴散らして瞬く間に勝利するつもりが、実は我々の軍はずたぼろだった。[日露戦争]

その後、また勝ちを目指して戦争[第一次世界大戦]をおっ始め、軍隊教育のためにボリシェヴィキ徴兵を始めた。当時よく知られていなかったボリシェヴィキ戦争反対のスローガンを掲げ、ああいった行動に出た…

プラスの面も見よう: 懲罰部隊前線に送り込むなんてことは考えもしないよう、我々は手段を尽くした。政治犯や社会不適合者を徴兵したら、前線士気は下がるだけだ。

敵軍(ウクライナ)の戦意は高い。恐ろしく高まっている。戦い方をよく知っているし、有能な指揮官も多数居る。武器補給もある。世界的な人道破局舞台を整えているようなものだ。

我々が最も恐れていることは: 首脳が古くから問題を新しい問題で糊塗しようとしていることだ。ドンバス2014年に起きたことの大きな理由がこれだ—我々は西側諸国クリミアの「ロシアの春」から引き剥がす必要があった。それで、いわゆるドンバス危機演出し、西側の注意を逸らして

交渉材料にするしかなかった。だがそれで問題さらに大きくなった。そこでエルドアン圧力を掛けてサウス・ストリーム(ガスパイプライン)を4本引かせた上で、シリアに侵攻した。

レイマニ(イスラム革命防衛隊)が自分側の問題解決するために、わざと偽情報を我々に流したために起きたことだ。その結果、クリミア問題は片付けられず、ドンバス問題も無くなっていない。

サウス・ストリームは(ガスパイプライン)2本に減らされ、シリアは宙吊り状態だ—我々が撤退すればアサド政権は倒され我々は無能扱いされるが、我々が駐留し続けるのも困難だし意味もない。

こんな「ウクライナ電撃戦」を誰が思い付いたのかは知らない。もし仮に我々が正しいインプットを受け取っていれば、少なくとも初期の計画には疑問点があり、大部分を再評価するよう指摘できただろう。それはもう大量に。

それが今や、我々はクソみたいな(PG言葉遣い英訳者による)ハマリ状態で、どうしたら良いかも分からない。「非ナチ化」「非武装化」というのは分析カテゴリには無い。というのも、具体的に数値化されたパラメタが無く、目的達成を何をもって評価できるのか分からない。

今や我々は、頭のおかし参謀トップヨーロッパとの紛争決断させるのをただ待つだけだ。要求制裁の緩和だ—制裁を弱めるか、それとも戦争か。

西側が拒絶したら? その場合、本物の国際紛争に巻き込まれ可能性も否定しない。1939年ヒトラー同様に。我々の「Z」[紀章]は鉤十字同様に扱われるだろう。

(ウクライナでの)局地的な核攻撃はありうるか? イエス。但し軍事目的ではない。こんな兵器は防御を崩す役には立たない。使うなら目的は我々以外(西側諸国)の恫喝だ。

我々はウクライナに全責任をおっ被せるシナリオの土壌を作っている。ナルイシキン(ロシア対外情報庁官)と配下SVRは、ウクライナが密かに核兵器製造していた、という証明をせっせとこさえている。クソったれ。

連中は、我々がとっくに分析放棄した論を押し通そうとしている: [核兵器開発の]専門家ウランがあったことの証拠証明など、でっち上げることは不可能だ。ウクライナには劣化同位体238[ウラン238。劣化ウラン]が1トンある—だが問題にはならない。核燃料サイクル上、作り出すことを秘密にはできない。

「汚い爆弾」にしても秘密裏に製造することはできない。ウクライナの古い原発では、それに必要物質副産物として最小限産出されるのみだ。アメリカはMAGATE[IAEAロシア表記]と共にこういう施設監視しているから、こんな論など出したら馬鹿にされるだけだ。

1週間後には何が起きているだろうか? 2週間後でもよい。我々はドツボにハマり、古き良き、空腹の90年代を思い出すことになるだろう。

市場が閉じつつあるのに対抗して、ナビウリナ[ロシア連邦中央銀行総裁]は正しい措置を講じているようではあるが、所詮は船に空いた穴を指で塞ぐようなものだ。状況はどのみちどんどん悪化し続ける。3日とか5日とか7日、などのうちには最早解決しない。

カディロフが地団駄を踏んでいるのも故ないことではない。彼等には彼等の野心がある。彼は「無敵」として名をあげた—もし失敗したなら、自分の部下達に引き摺り下ろされることになる。

それからシリア。「諸君—耐えろ、ウクライナは片づける、そうしたら我らのシリアでの地位を強化する。」実際のところ、ロシアの分遣隊はい補給が切れるかも分からず、その後には熱波が待っている…

トルコ海峡を封鎖したし、シリア物資を空輸するのはかまどに金をくべるようなものだ。しかもだ—これはすべて並行して起こっている。ひとまとめにして分析する時間すら無い。

我々の現状は1943-1944年ドイツのようなものだ—だがこれはウクライナでの「初期状態」にすぎない。

過労でくらくらするし、これは夢で、実は以前と何も変わっていないのではないかと思うことすらある。

監獄について—今後も悪化するだろう。ナットは血が滲むまで締め付けられるだろう。どこでも。有り体に言って、純粋テクニカル観点では、現状をコントロールし続けるにはこの手しかない。

我々は既に総動員体制だ。だがこんな体制は長く続けられない。タイムテーブルがどうなっているのかは分からないが、状況は悪化の一途だ。国家統治というのものは、総動員を掛けたら狂い始めるものと決まっている。しかもだ: 100mを疾走できるとして—それをマラソンでやったらどうなるか。

で、ウクライナ問題について100m競走よろしく飛び出したものの、よく見たら参加登録したのはマラソンだった、ということだ。しかもこれは、現状のかなり簡潔な要約でしかない。

更に皮肉なことを言えば、私はプーチンが核の赤ボタンを押して世界を終わらせるとは信じていない。

まず、それを決められるのは1人ではない。誰かが反対するだろう。このプロセスには多数の人間が関与している。「赤」ボタンを1個押すだけ、というものではない。

2つ目、そもそも[核兵器が]正常動作するかも疑念がある。

経験的に知られているとおり、制御構造に透明性があるほど、問題点は見つけやすい。誰が何をどうコントロールしているか混沌としているにも関わらず、虚勢を張った報告ばかりが飛び交う状況にこそ、問題が潜んでいるのが常である

「赤ボタンシステムが言われているとおりに稼働するかは確信が持てない。それに、プルトニウム燃料は10年毎の交換が必要だ。

3つ目、これが最も唾棄すべきで悲しいことだが、私個人の信念として、側近や忠臣すら近づかせないようになったプーチンが、自分自身を犠牲にするなどとは思えない。

プーチンが恐れているのがCOVIDなのか暗殺なのかはどうでもいい。もしプーチンが、自分が最も信頼していた人々すら恐れているのだとしたら、自分自身と最愛の人々を破壊するなんてことができるものかね? (英訳終)

2018-10-12

[][] (仮題)第2話

執筆途中の作品であり、今後内容を変更する可能性があります。)

メイリン

熱したフライパンに、ネギ油。鮭のマリネ、鳥のもも肉。菜箸で砕いて、転がす。色と香りが美味しそうになるのを待ってから生姜生卵、一晩置いたご飯。杓文字で崩して、よく混ぜながら炒める。仕上げに、塩、レタスニラ。全体がパラパラになったら、完成。

Me: Hey, dinner's ready. Are you coming soon? (ねえ、夕飯できたよ。もうすぐ来れる?)

Satoshi is typing... (サトシ入力中……)

やった。即レス

Satoshi: I’m on the bus and will be there in a few minutes (いまバス。もうすぐそっち行くよ)

画面にそう表示されたのを見て、私は炒飯フライパンから二枚のお皿に盛り付けて、テーブルに並べた。

食器棚からティーカップを二つ取り出して、炒飯の隣に並べる。

調理台の引き出しから、日本で買ったステンレス製レンゲと箸のセット二組を、炒飯皿の手前にセット。

Satoshi: I’m here (着いたよ)

完璧タイミング

「いま開けるね!」

私は急いで玄関に行くと、ドアの覗き穴からサトシの姿を確認して、ロックを解除、ドアを開けて彼を迎え入れた。

「やあ、いつもありがとう

変わらぬ笑顔でそう言う彼の息が白くなった。

「寒かったでしょう。いまお茶入れるね」

「助かるよ」

そう言う彼の背中から上着剥がし、ドアの脇の壁のフックに掛け、私はそそくさとダイニング・キッチンに戻った。

「美味しそうだな」

私の後ろから入って来たサトシが言った。

「美味しいよ。早く食べよ」

私はそう言いながら、ポーレイ茶のティーバッグをカップに落とし、電気ポットのお湯を注いだ。サトシプーアル茶と呼んで憚らないこれは、彼のお気に入り。そして、私のお気に入りでもある。

いただきます

いただきます

食事の前に『いただきます』と唱える日本の習慣が私は好きで、サトシと一緒に食べるときはいつもこうして唱えることにしている。この素敵な言葉は、『I will eat (私は食べます)』と『I will receive (私は受け取ります)』のダブルミーニングになってるのだと、いつかサトシが教えてくれた。『Receive what?』(なにを受け取るの?)といえば、『The blessings of Nature』(大自然の恵み)だと言うから、いっそう素敵。彼は普段は唱えないで黙って食べるそうだけど、私といっしょのときは合わせて唱えてくれる。

私が律儀に「いただきます」と唱えるのが、女性らしくて可愛いと、いつか彼は言ってくれた。

「どう? 美味しい?」

一口食べて、我ながら上出来だ、と私は思った。サトシの口にもきっと合う。

「すごく美味しいよ。いつも美味しいけど、いつも以上に」

良かった。サトシはいつも、美味しい、美味しい、と、私の作るものならなんでも食べてくれる。それも、本当に美味しそうに食べるのだから、こんなに嬉しいことはない。

「ねえ、研究はどう? うまく行ってる?」

「順調だよ」

サトシは私が原子力のことはわからないって知ってるから、詳しい話はしてくれない。でも、ちょっとくらいは聞いてみたいと、その時思った。

サトシ研究って、新型原発だったよね?」

「そうだね。今の原発よりも、高効率で、安全で、扱いやす原発を作ってる」

「今の原発は、効率が悪くて、危険で、扱いが難しいの?」

「そう言うわけじゃないけどさ……」

まるで揚げ足取りみたいな返事をしてしまたことを、少し後悔したけど、私が言いなおす間も無く、サトシは続けた。

原子力発電がどういう原理で出来ているか知ってる?」

原子核が分裂するときの熱エネルギーで水を沸騰させて、水蒸気でタービンを回転させて発電する」

このくらいは私だって知ってる。原子力発電というと何かものすごい、サイエンス・フィクションみたいな技術で電力を生成しているように聞こえるけど、結局は水蒸気でタービンを回して発電してる。火力発電といっしょ。

「そのとおり。現在原子力発電では、ウラン235連鎖的な核分裂で熱エネルギーを取り出し、タービンを回転させて電力を取り出している。この方法は、火力発電に比べても、格段に効率がいい」

まるで、『火力といっしょ』と思った私の心を見透かされたようで、ムカつくような、恥ずかしいような気持ちになった。

効率が良いって、どのくらい?」

「約200万倍」

「そんなに!?

200万……? 想像していたのと桁が違った。200倍じゃなくて、200『万』倍。

アメリカ一般家庭で一年間に消費される電力は、約10,000キロワット・アワー。これだけの電力を作り出すのに必要化石燃料は、約800キログラム。これがウラン235だと、たったの0.4グラムで済む」

炒飯ひとつまみの塩を振りかけるところを想像した。ウランだったら、たったあれだけの量で、一年分の電力はゆうに確保できるということ……?

「じゃあ、サトシのやってる新型原発は、それよりももっとすごいの?」

そう私が聞くと、サトシはどことなく得意げだった。

「いまの原子力発電ではウラン235が使われるけど、自然界に存在するウランの大部分はウラン238。これはいままで、なんの役にも立たない、処分にも困る廃棄物だった。うちのラボでやってる原発は、これを燃料にするんだ」

「つまり、今までよりもウラン効率よく使うことができるということ?」

「そう。天然のウランに含まれウラン235割合は、たったの0.7パーセント。99パーセント以上は、ゴミなんだ。そのゴミが、エネルギー源になる」

「逆に言うと、いままでは1パーセント活用できてなかったんだ?」

「うん。だからウラン238は世界各国にゴミとして貯蔵されている。ゴミなんだから、埋めてしまえばいいんだけど、『Not In My Backyard (私の裏庭には捨てないで)』、誰も放射性廃棄物自分の近くに捨てることを許可しない。実際には、地中深くに埋めるから危険性なんてないも同然なのにね」

「じゃあ、新たにウラン採掘する必要もないのね」

「そう言うこと。いまの電力消費量なら、あと1,000年は全世界需要を賄える量のウラン238が、すでに各国に貯蔵されている」

「1,000年も?」

「まあ、電力消費も増えるだろうから、実際は何百年かわからないけどね」

彼は満足そうにそう言うと、お皿に残っている炒飯を頬張り始めた。

200年でも300年でもじゅうぶんすごい。思えば、彼はいまのポストに就いて以来、ラボアパートの往復、空き時間は私といっしょのときを除けばずっと勉強。そんな単調な生活の中で、彼は人類の夢を追っていたんだと、やっとわかった。もっと早く訊いてあげていればよかったな。

「ねえ」

「なに?」

明日夕方、もし空いてたら……」

アイフォーンサトシに手渡した。

『The Big Chill - Ice & Snow Festival』(ザ・ビッグ・チル:雪と氷のフェスティバル

「ああ、残念だけど……」

そっか、ダメか。

明日は人と会う約束があるんだ」

サトシが人と会う約束……? 誰と?

2014-06-09

http://anond.hatelabo.jp/20140609160023

専門家でも何でもないおれが化学一年レベル質問に答えるよ!

ウラン238プルトニウム239は質量増えるよね? これを「核分裂による生成」とは言わんの?

プルトニウム239ができるのはウラン238中性子をあててウラン239を作って、そのあとの話だよ!質量増えてないよ!

質量エネルギーであるのだから、雑な使い方とはいえ「ポテンシャル」を使っては如何のか?

質量エネルギーであるというのは次元が同じだというだけの話だよ!

それにエネルギーという単語ポテンシャルと完全互換じゃないよ!「ポテンシャル」を使って許されるのはポテンシャルエネルギーを省略するときだけだよ!

時間無視してエントロピー語るの意味なくね?

エントロピー定義時間はまったく関係ないよ!それにhttp://anond.hatelabo.jp/20140609155009はそんなこと主張してないように見えるよ!

科学はお互いの用語を統一しないとまともな議論にならないんだよ!わけのわからないマイ定義はやめてね!

2011-05-11

菅直人首相に知って欲しい豆知識

火力発電

原子力発電

未来原子力発電

水力発電

揚水発電

小水力発電

風力発電

太陽光発電

太陽熱発電

地熱発電所

メタンガス発電

バイオマス発電

  • CO2は排出するが、材料の廃材などは発電に使わなくても分解されCO2を排出するため、カーボン・ニュートラルだと考えられている。

潮力発電

  • 潮の満ち引きを利用して海水を堰で蓄積し、それで発電を行う。
  • 発電量は調整・計算可能
  • 日本では発電に適した所が少ない。

コスト計算に関する補足 ※

2011-04-04

原発ゆとり脳に送る豆知識

技術特性を見ないで原発を訴えるゆとり脳に贈る。

火力発電

原子力発電

未来原子力発電

水力発電

揚水発電

小水力発電

風力発電

太陽光発電

太陽熱発電

地熱発電所

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バイオマス発電

  • CO2は排出するが、材料の廃材などは発電に使わなくても分解されCO2を排出するため、カーボン・ニュートラルだと考えられている。

潮力発電

  • 潮の満ち引きを利用して海水を堰で蓄積し、それで発電を行う。
  • 発電量は調整・計算可能
  • 日本では発電に適した所が少ない。

コスト計算に関する補足 ※

2011-04-02

原発ゆとり脳に送る豆知識

技術特性を見ないで原発を訴えるゆとり脳に贈る。

火力発電

原子力発電

水力発電

風力発電

太陽光発電

太陽熱発電

地熱発電

メタンガス発電

バイオマス発電

  • CO2は排出するが、材料の廃材などは発電に使わなくても分解されCO2を排出するため、カーボン・ニュートラルだと考えられている。

潮力発電

  • 潮の満ち引きを利用して海水を堰で蓄積し、それで発電を行う。
  • 発電量は調整・計算可能
  • 日本では発電に適した所が少ない。
 
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