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2024-09-27

フレンチという一生モノの沼を薦めたい

https://anond.hatelabo.jp/20240925202106

記事はこれ。この増田、ならびにこれを読んで高い飯を食ってみたいなーとおもった人に、全力でフレンチを薦めたい。

それも、ただお店に食べに行くのではなくて、

自分フレンチを作ったうえで、お店にもいく”

という楽しみ方を紹介したい。

対象者

・この楽しみ方はある程度の自炊スキルがあることが前提となる。

・具体的には、包丁を多少扱うことができて、強火と弱火の違いが判る、大さじや小さじの意味が分かる程度には自炊ができる人向けのエントリである

〇楽しみ方(スタートキット編)
①まずはフレンチを作ってみよう。

・お店で出てくるような、ある程度本格的かつ王道レシピのほうがよい。

・具体的には牛肉ソースボルドー赤ワインソース)とか、真鯛ソースヴァンブラン白ワインソース)くらいから始めるとよい。

・あまりシンプルレシピすぎると②の楽しみ方ができないため、「簡単!おうちビストロメシ!」みたいなのは避けた方がいい。

・具体的には以下の二つのYoutubeチャンネルを見ることから始めるとよい

George ジョージ https://www.youtube.com/channel/UCP2gnyy_-ToZeIDw6qeI6HA

Bocuse at Home by シェフ星野晃彦 https://www.youtube.com/@bocuseathomebyteruhikohoshino

・複雑な料理も避けた方がいい。具体的にはパイ包みやパテ系の死ぬほど複雑で構築的なメニューは、最初は避けた方がいい。100%失敗するのと、複雑すぎてどこが失敗したのかが切り分けできないので。

自分の作ったものと同じメニューを食べに行こう。

・①で自分の作ったメニューと同じものを実際に食べに行こう。①の答え合わせの感覚だ。

・いきなりロブションとかのハイエンドグランメゾンに突っ込むのではなく、ランチで5000円程度の店に行くのが無難

・なぜならば、この段階ではフレンチへの解像度が低すぎるため、グランメゾンフレンチを食っても、値段相応のよさがわからいから。

自作プロ作の違いを分析しよう。

・実際にプロの作ったものを食べるといろいろな気づきがある。なぜなら自分で作ったことがあるので、解像度が段違いになっているから。

ほとんどのケースでは、プロが作ったもののほうが圧倒的にうまい。なぜか考えるのがこのパートの楽しみ方だ。

・例えば真鯛ポワレソースヴァンブラン白ワインソース)を食べたとする。「自分でやると身がぱさぱさになっちゃったな……。火入れの仕方の違いなのか、鯛のポテンシャルの違いなのか、何が違うんだろう。鯛を見た感じ、身の分厚さは変わらないか火入れの仕方が違うのかもしれない。ソースもとっても香りが豊かだな、なんかハーブを入れているのかな……。ソースにはかなり酸味をつけているな、自分でやるときもこれくらい酸味をつけてみるか……。」みたいなことを考えながら食うと、漫然と食べているよりも圧倒的に美味しく感じる。

シェフに聞こう

厨房が激しく忙しいとき以外は、「とっても美味しかったです。もし可能なら、シェフに話を聞きたいんですが……」といえばだいたいシェフに話を聞ける。

自分が美味しいと感じたポイントと、どうやってそれを実現しているのかをシェフに尋ねてみよう。③で自分分析した内容の答え合わせをするのだ。

・鯛はどう火入れしているんですか?(フライパンだけ?フライパンオーブン?)とか、聞きたいことは山のように出てくるはず。

上記①~④を繰り返す。最初比較難易度の低い料理から始めて、だんだんと複雑な料理ステップアップしていく。

多分二年くらいやってから、いわゆるグランメゾンにいくと、その高度な技術と美味しさ、芸術的なまでのアイデア力に感動するはず。

〇なぜフレンチがいいのか

この項目では、なぜカレーでも中華でもイタリアンでもなく、フレンチオススメするのかを説明したい。

時間をつぶすのに最適

・上にはったYoutubeチャンネルを見てもらえばわかると思うが、ソースから自分で仕立てるとなると、平気で二日三日かかる。

段取り設計材料調達→下ごしらえ(ソースベース作成、肉のマリネなど)→仕上げ(火入れ、付け合わせの作成)で、週末まるまるつぶせたりする。

・ネトフリみて時間溶かすよりは遥かに充実感がある。

しかも待ち時間もそれなりに長い(ソースベース作成時など)ので、ネトフリも捗る

勉強がしやすく、深めやす

フレンチそもそもエスコフィエとかいオッサンが100年以上前フレンチ技術レシピを体系化し、公開したことで爆発的に広まった料理(いまでいうオープンソース化)。なので、他のジャンルに比べると圧倒的に体系化されていて学びやすい。

・また、日本フレンチ大国なので、日本語のソースも非常に多い。大型書店で、料理コーナーにいくと、和食の次くらいにフレンチ料理本が充実していると思う。

・他ジャンルに比べると、中級者に進むとき勉強のしやすさが段違いである。例えばカレー中華にハマるオッサンは多いと思うが、この二つのジャンル食文化のゆたかさのわりには日本アクセス可能学習ソースがきわめて少ない。初級レベルでは問題にならないのだが、深めようとしたときには、日本語文献の乏しさに加えて、そもそも体系化されていないので、学習難易度が跳ね上がる。

・作るときの深めやすさに加えて、食べるときの深めやすさも段違いである。フレンチをやる人は大体みんな調理学校基本的調理技術を身に着け、それなりのレストラン就労しているから、安価なお店でも高価な店でもベースとなる技術は同じ場合が多い。

・例えば鮨の場合は、2000円の回転ずしと二万円の鮨では全然別の技術が用いられている。根本的に握り手のキャリアルートが違うからである。2000円の回転寿司バイトロボット操作して握るし、二万円の鮨は専門的な店で修行を積んだ職人が握るのである。一方でフレンチ場合は二万円の店で働いていた人が独立してビストロやって2000円のランチをだしていることは余裕でありうる。

相対的に低い難易度

・そりゃバズレシピかに比べると難易度は圧倒的に高いよ。

・だが、他ジャンルに比べると美味しい味を作りやすいと感じる。

・これはA.多数の工程時間をかけて積み重ねていくという調理プロセスと、結果として、B.足し算の料理である、ということに起因する。

A.多数の工程を順に組み合わせていくという調理プロセス:例えば中華特に四川系)やインド料理イタリアンは多数の工程を短時間で重ねていくことがおおい。短時間だとミスった時のリカバリができず、連鎖的に料理崩壊していくことになる。ゲームとしてはテトリスとかぷよぷよにちかい。一方でフレンチ場合は一個一個の作業を丁寧にこなしていけばそれっぽいものができあがる。こっちはマインクラフトっぽい。

B.足し算の料理フレンチは味の要素が多い。肉のうま味や、ワインの酸味、甘味バターの脂質やハーブ香りを積み重ねていく料理である。そうすると必然的に美味しさのストライクゾーンは広くなる。食材の持つうま味も苦味も臭みも、すべて一皿に詰め込むのがフレンチの基本思想である。これが和食だとどうか。和食は徹底して引き算の料理である食材の持つ性質のうち、客に見せたい部分以外をすべて除去し(野菜をゆでこぼすのとかね)、組み合わせるのが基本思想である。味の要素が少ない分、ピントを合わせるのも非常に難しくなる。引き算に失敗したり(例えばえぐみが出るとか)、そもそも見せたい部分を間違えてました、とかね。

④基礎的な調理技術が幅広く身につく

料理を作るのに必要技術が割とまんべんなく身につく。

調理学校カリキュラムとかを見てもらうとわかるけど、大体西洋料理和食に分かれていて、西洋料理技術ベースフレンチである

フレンチを一通りやると、肉や魚の火入れも格段に上手になる。小麦粉を使ったルーが使いこなせればシチューカレー簡単に作れるようになる。ソースオランデーズが作れればカルボナーラはお手の物だ。

〇楽しみ方(中級者へのステップアップ編)

スタートキット編の楽しみ方を一年くらい続けていると、一通りのものは作れるようになっているはず。

・具体的には、肉の火入れは肉を触ればわかるようになるし、魚も皮をパリッと焼くのはお手の物、くらいにはなっているはず。なんとなく手癖でソースボルドレーズとかソースヴァンブランくらいは作れるようになっていると思われる。

・そこから先にステップアップするなら、プロ(の中でもレジェンドシェフ)の書いている本を読むのが一番よい。

レジェンドシェフ料理本を読む→作る→お金をためてレジェンドシェフの店に行く→もう一回作る、を繰り返せば無限時間が溶けていく。

基本的には近所の大型図書館(住んでる自治体旗艦図書館)にいって、フレンチ料理本コーナーで厳つい雰囲気を出している奴を手に取ればOK

最後に、僕の個人的おすすめ書籍を紹介して終わる。

おすすめの本

フランス料理 王道探求』 手島純也

現在シェイノというグランメゾンにいる手島さんの料理

・僕のバイブル

説明も多く写真豊富で読んでいるだけで楽しい

ソース -フランス料理ソースのすべて』 上柿元勝

アランシャペルの下で長年働いていたこれまた有名なシェフシェフの間でも当初をバイブルに挙げる人は多い。

辞書的に使うのもよい。また、一個一個ソースを作ってクリアしていくだけでも楽しい

みんなもフレンチ、作ってみような。

フレンチ自作界隈が周りにいなくてさみしいので、この界隈が盛り上がってほしい気持ちがある。

 
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