カテゴリー 「映画」 RSS

2017-11-30

[][] フルメタル・パニック! 1st SECTION ボーイ・ミーツ・ガール

2016-09-07

[]ドノバン珊瑚礁

シナリオ教科書に失敗作の例として載せるべきなくらい支離滅裂な話だった。

 

戦後日本軍と戦った南の島にそのまま住み着いた医師ディダムの元を、故郷ボストンからアメリアが尋ねて来る。ディダム実家海運業の株が相続されることになったのだが、彼がもし現地で家族などを作っていると「ボストンの慣習に照らして」道徳的問題があるため、遺言状の条件により相続資格を失う。それを暴いて相続権を取り上げるのが目的である。娘が来ると聞いたディダムの仲間は、彼の家族を隠そうとする…。

 

というと、まるで相続権を争って秘密を守り通す紆余曲折という話になりそうなあらすじだが、違う。まずもって、ディダムの仲間たちは相続の話は最後まで知らない。ディダムが回診で近隣の島へ出掛けているうちに、なんとなく「娘には新しい家族とか隠しとかなきゃいけないよね」で隠すのである。ディダムは島に帰って早々、娘に直接「株とかそういうの要らないし」と、自分いかにこの島が好きかを語る。この時点でメインプロットは終わったも同然だが、何故かその後も惰性でディダム医師の3人の現地子(娘ふたり息子ひとり)の存在は隠されたままになる。

 

そもそも島の仲間は株のことなど何も知らないのだから相続権を巡って必死秘密を守る話にはならない。代わりに、ディダムの子供たちの偽の父親役を引き受けたドノバン珊瑚礁(店名)店主ドノバンとディダムの娘アメリアロマンスが途中から話の中心になる。相続の話は知らないくせにアメリア資産があることは「調べ」ただけで突き止めたフランス人総督微妙ちょっかいを出してきたりもする。

 

しかしこれもよく見ると変な展開であるドノバンはディダムの子供たちを隠すために父親役をやりながら、何故かアメリアの案内役のようなものも同時に務める。他に人材がないなら仕方ないが、隠すなら極力近づかないようにする方が良いのは当然である。このせいで、ディダムの子供たちと交流を深めたアメリアが、子供たちをディダムの家(つまり子供たちの家)のパーティーに招待したりして、変な感じになったりする。

 

結局のところ、この映画においては全ての出来事ドノバンアメリア交流を無理矢理作り出すためのヘタクソなお膳立てなのであるアメリアが島に来るために相続の設定をつくり、アメリアドノバンに惚れるために、ドノバンがディダムの子供たち相手に「良い父親」を演じる状況を作り出す。

 

あげく、アメリアは島のそこここで見た「マヌラーニ(姫?)」の名前から、これが子供たちの母親であり自分の父の妻である事を勝手推理し、そもそも相続問題もなければアメリアに新しい家族に対する抵抗もなかったので、そのまま家族和解し、本当は独身とわかったドノバンプロポーズされて終わる。(この「マヌラーニ」の名前も、父親たちと一緒に戦った記念碑名前がある、父親病院マヌラー病院となっている、マヌラーニの墓を教会で見かけた、だけで父親プライベート手紙名前があったとかですらないので、よく当たり前に推理したもんだと感服せざるをえない。)

 

こんな「父親現地妻がいたらすわ大問題、かと思ったらそんなことはなかったぜ」的尻切れとんぼな話が、脈絡のない乱闘シーンや、おっさんたちの「俺たちはよゥ…ここで戦ったんだよゥ…」という郷愁ポリネシア?のエキゾチック儀式とむりやりシャッフルされて映像化されたのがこの映画なのである

 

長々書いたが、実際この映画のめちゃくちゃさを実感するためには、見た人の大半がストーリーを間違って理解している、という事実を指摘するだけで十分なのかも知れない。ともあれ、何がしたいのか理解するのに苦労する映画だった。

 

南の島の風景はよかった。

2014-09-02

[]魔女っこ姉妹のヨヨとネネを見ました

※ある程度ネタバレあり。

昨日の深夜遅くアニメ映画魔女っこ姉妹のヨヨとネネ』の地上波放送をやっていたので見ました。

アニメーションや背景、音楽は非常に良く出来ていて楽しめましたし原作への興味もわきましたが、映画の話が面白かったかというと、うーん。子供に見せたいか、というとさらにうーんという出来だったので何が気になったか整理するために引っかかった点書きます

なお、当方原作は未読。

1.死について重く考えているのか軽く考えているのかわからない

 この映画では魔法世界の『魔の国』と我々の世界そっくりの『現代社会』の2つの世界舞台となります。一番の違いは当然魔法が使えるか使えないかなのですが、その次に重要な違いが命の重みです。魔の国では寿命以外の死はないようです。魔法で再び蘇ることが出来るからです。そのため現代社会に迷い込んだ魔女ヨヨは、死や怪我を恐れる現代人とのすれ違いを生んでしまます。このシーンはちょっと泣けますし、物語的にもいい描写だと思います

 一方で、この映画が進むにつれて事件が広がり様々な被害が起きていきます。人々が怪物化してしまうというのを発端として、ビルや街が次々と魔の国の上空に転移されていったり、奇怪な植物が街を飲み込んだりして、最終的にその破壊地球規模にまで広がります。で、最終的に怪物化は治りビルも元の場所に戻っていくのですが、その描写がどう見てもめでたしめでたしで終われるレベルじゃないのです。例えば怪物化に関しては物語中で交通事故引き起こしているようにさまざまな事故を起こしているだろうことは想像に難くありません。ビルと街の転移が拡大してから東日本大震災以上の災害地球規模で起きているようにしか見えず、まさにカタストロフィしか言いようがありません。実際に、この災害がまだそれほど大きくなってない段階で既にヨヨペットの猫ビハクは巻き込まれて死にかけてる訳ですし、最低でも数百万数千万単位で人が死傷していることは明らかです。

 しかし、この大災害引き起こした主因となる現代社会の人物の責任はそれが意図しなかったものはいえ問われないのです。責任が問われないばかりか、罪悪感に感じている様子すらありません。みんなこれ納得出来てるんでしょうか?一つ可能性があるのはみんなが願いかけるシーンにおいて、その願いの魔力でケガ人や死人が復活していた可能性ですが、それって結局魔法頼みでテーマに沿うのか疑問ですし、責任という点が解消されたとは思えません。一匹の猫が死にそうになる事件や、一人の人間が死んで娘が遺されたという事への情感あふれる描写に対して、多数のその他大勢の死に対する描写感情が皆無なのはまりにもアンバランスに過ぎると思います

2.魔法世界論理理解出来ない

 事件のそもそもの原因を考えると、12年前に魔法世界で起きた戦争の影響で魔法世界人間現代社会転移したことが原因です。要は現代社会魔法世界のゴタゴタの余波で壊滅的な被害を受ける被害者に見えるのです。しかし、主人公姉妹の祖母であり大魔法使いのおヨネなど魔の国の上層部ビル転移による魔の国の被害を異世界から攻撃侵略と捉え、その転移を止めるために既にボロボロ現代社会への攻撃し全てを破壊しようと準備します。ヨヨというチャンネルがあり現代社会情報も得てるわけですし、描写を見てるとおヨネは異世界戦艦転移される事も可能なようです。事件解決の使節団を送るなど他の対応は取れそうなのにいきなり攻撃を計画というのは非常に無責任しか見えませんし、そもそも被害のほとんどは森で起きており、上述の通り魔の国では死んでも大抵は復活出来るため、果たして魔の国の被害がどれほどなのかも全然実感が湧きません。

 戦争への後悔や反省などは原作で回収してるネタかもしれませんが、その辺りはもうちょっと描き様がなかったのではないでしょうか?原作キャラらしいのはほぼ全員好感持てましたがおヨネだけは納得いきませんでした。

3.自分幸せを願うことに善悪の分別がつけられるのか

 願いと呪いについては例えばまどかマギカでも大きなテーマの一つであり、まどかマギカでは願いと呪いはそれこそ表裏一体のものでしたが、ヨヨネネでは願いが他者のためであれば純粋な善きことであり自分のためであれば純粋に悪しきことであると完全に分別されて描かれているように見えます他人幸せを願うことが一般的に善きことであり、他人の不幸を願うことが悪しきことなのは納得がいくのですが、自分幸せを願うことが単に我がままだと断じられるのはストンと納得出来ません。例えば孝洋の両親の願いは果たして家族無視した自分幸せだけを望んだ願いだったのでしょうか?子供にも理解やすくするために分かりやすくという目的もあるのでしょうが、そういった配慮子供を下に見ている様で余計に見せることを躊躇われます

2014-08-16

[]宇宙兄弟#0を見ました

  ※ネタバレはありません。

 当方漫画原作コミックス所持、アニメ全話視聴済み。15日夜のシネコンレイトショーで見たのですが客席は10名ほどでガラガラ。その時点で不安でしたが結論から言うとつまらなかったです。映画というよりはアニメスペシャルくらいのもんです。点数で言うと30点弱くらい。宇宙兄弟ファンでもないと見る必要ないかと思います

良かったところ

登場人物の今まで描かれてなかった設定、この時ならあの人達はこういう立場でここにいるはずでこういう関係性だよねってのが見られたのは良かった。

ロケットの発射や月から地球を見るシーンなどは映画ならではの絵力が比較的あり、感慨深いものがあった。

・日々人とブライアンの話や、六太と日々人の話などは「宇宙兄弟」らしくて良かった。原作の月事故では照明弾を暖房代わりに使うシーンがありましたが、その発想に繋がるのであろう訓練シーンもあったり宇宙兄弟ストーリーにおけるブライアンの大きさは感じさせるものでした。

悪かったところ

・六太の話が基本的面白くなかった。「宇宙飛行士になれていない」という大挫折の中での小挫折なので、それを克服してもあまりカタルシスを感じませんでした。結局プレゼンがド下手だったのが上手く出来るようになっただけなんじゃね?って言う感じです。日々人がそれを見て「やっぱり六っちゃんは宇宙飛行士の素質がある!なるべきだ!」と確信するような内容にすれば第1話の宇宙飛行し選抜の願書を出す説得力にも上手く繋がって面白かったのではないでしょうか。

・ところどころ絵が雑。動きのあるアニメじゃないので基本期待はしていませんでしたが、それでもロケット発射シーンの観客とかは昨今のアニメ映画としてはなかなか見れないほどに酷かったです。

カレー食べてるときスプーン金属音が不快

シャロンは出ても良かったんじゃないでしょうか。

2011-08-16

[][][][]観てきたんだけどさ

わりと面白かったよ。

学生運動を取り上げつつも政治色を薄めたところに好感。

過不足のない佳作って感じだな。

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん