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はてなキーワード: モンティとは

2022-10-31

"ぼくは「モンティホール問題」がよくわからない。" へのアンサー

こんにちは確率論が大好きなJKです。

モンティホール問題」についての山形先生ブログ記事

https://cruel.hatenablog.com/entry/2022/10/30/214634

面白かったので、アンサー増田を書きたいと思います

ブコメでは、上記記事中における確率議論不正確なことを揶揄するコメントも多数見られますが、個人的には、こういう一見逆説的な問題設定を作り、それを上手に言語化されているのがとっても素晴らしいなと思いました。一般に、良い問題を作るには優れたセンス必要で、それと比べれば、(私を含め) 単に問題が解ける人なんてのは大したことないのです。


以下では、該当箇所を引用しながら回答を書いていくので、先に上記記事を読んでいただければ幸いです。

また、表記の都合上、以下ではプレイヤーの「ぼく」を「Y先生」、「ハギーワギーくん」を「HW君」と書きます

★ HW君は選択を変えるべきか

(引用)

理屈はまったく同じだ。あなたは当然、ハギーワギーくんにも選択を変えろと助言する。つまり、BのドアよりもAのドアのほうが確率が高いぞ、と言うわけだ。それは……ぼくが最初に選んでいたやつだ。

結論から言うと、このときHW君は選択を変えるべきではありません

Y先生最初にAのドアを選んでいて、司会者BとCのドアのうちCはハズレだと明かしました。

ここで重要なのはY先生が事前にAのドアを選んでいたという事実ではなく司会者必ずBとCのどちらかのドアしか開かない (Aを開くことはない) ということです。

    であり、これらは同時に起こらない (排反事象である) ので、

      • B または C が当たりの確率 = 2/3

      となります。したがって、

        • 司会者が B と C のうちハズレのドアをあけてくれるので、それらのうち残った方のドアを選ぶ」という戦略をとれば、「もともと B または C が当たりのときに当たりとなります 。よって、これは当たる確率が 2/3 ですね。

        • 一方で、「司会者が B と C のうちハズレのドアをあけてくれたが、断固としてAのドアを選び続ける」という戦略をとれば、「もともと A が当たりのときに当たりとなります。よって、当たる確率が 1/3 です。

        ということで、司会者は必ずBとCのどちらかしか開けない」という制約のおかげで、Aを選び続けるよりも、選択を変えたほうがお得になるという寸法です。


        司会者はHW君がどのドアを選んだかとは関係なく「BかCのどちらかのドア」を開けます。一方、なぜBかCのドアしか開けないのかというと、これはY先生最初に選んだドアがAだからということです。ここに、Y先生とHW君の非対称性があるわけですね。

        ただし、Y先生とHW君との違いはこの点だけであって、仮にCのドアがハズレだと明かされたとすると、Y先生もHW君もBのドアを選んだほうがお得であることに違いはありません。

        ★ なぜY先生が選ばなかったカードにだけ影響が出るのか

        (引用)

        でも……この説明だとハズレドアを一枚あけるという行為、あるいはそれがもたらす情報は、ぼくの選ばなかったカードにだけ影響するようだ。なぜ?

        上記説明で納得いただけた方には、この点は簡単かと思います。上の繰り返しになりますが、「司会者は、(Y先生が選ばなかった) BとCのドアしか開けない」ということが本質であるためです。

        問題の言い方を変えただけで話が変わるの?

        (引用)

        「選んだカードを変えますか?」という問題ではなく「最初選択をご破算にして、どっちか選びなおしてください」という問題設定にしよう。そうなったら、どっちかのドアの後ろに賞品があって、それは等確率から、どっちを選んでも確率は1/2だ。それが、最初にぼくが選んだドアか、そうでないか、というのはまったく問題にならない。そうだよね? (上にあげたWikipediaページにもそう書いてある)。

        残念ながらこの主張は誤りで、問題の言い方を変えただけでは話は変わりません。これも上記の HW 君と一緒ですよね。最初に何を選択していたとかは関係なく、「司会者がBかCのドアのうちハズレのものを開ける」という事実 (Aのドアは開けないという事実) さえ確かであれば、 BとCのうち残ったほうを選べばお得なのは変わりません。

        Wikipedia英語記事ざっと一通り見ましたが、該当箇所は見つからず……

        ★ 選ぶという「想い」で世界は変わるの?

        (引用)

        どうもこの一連の話では、ぼくが最初に「Aの扉を選んだ」というのがずいぶんご大層な意味合いを持ってしまうようだ。でも、「選ぶ」と言ったって何かを変えたわけじゃない。「こっちかなー」と思っただけだ。

        Y先生がAのドアを選んだことを「司会者に伝えた」というのが何より重要ポイントです。この行動によって、司会者は (Aを除外して) 必ずBかCのどちらかしか開けないという状況に立たされるわけです。

        残念ながら、「想う」だけでは世界は変えられず、ちゃん言葉にして伝えなきゃいけないんですね。

        モンティホール問題

        https://cruel.hatenablog.com/entry/2022/10/30/214634

        多分この記事で引っかけたいのは

        ABCつの扉がある

        ① ボクがAを選んで、司会者がCを開ければ、Bの「確率」が2/3になる

        ② ハギーワギーがBを選んで、司会者がCを開ければ、Aの「確率」が2/3になる

        AとBがそれぞれ2/3になっちゃった

        あれれー、おーかしーぞー

        という誘導だろう

        これは「確率」の話であるから

        ①が成立する世界は、ボク視点司会者との閉じた世界

        ②が成立する世界は、ハギーワギー視点司会者との閉じた世界

        独立していてそれらは矛盾しない

        ①と②は別の話だから

        全くもって正しい

        ABCつの扉がある

        ① ボクがAを選んで、司会者がCを開ければ、Bの「確率」が2/3になる

        ② ①の後に、ハギーワギーが選ぶ場合、Bの「確率」は1/2になる

        Bの確率分布が変わっちゃったー

        あれれー、おーかしーぞー

        なんて言わないよな

        物理世界の扉Bには変化がないのに「確率分布」が変わってる、すわ大事件だ、とか思わない

        だって、ハギーワギーは二つのから選択してるのだから

        確率計算する条件が異なれば、確率は変わる

        当たり前の事を「選ぶという「想い」で世界は変わるの?」とか言って認識をずらしてる

        これに「そうだそうだ」と首肯する人は、本当にヤバいから気を付けた方が良い

        2022-07-29

        モンティホール問題がなんで納得いかないのか分かった

        https://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%95%8F%E9%A1%8C

        1.プレイヤーの前にはA,B,Cの3つのドアがあり、その奥には当たりが1つ、ハズレが2つ用意されている。

        2.プレイヤーがドアを1つ選択する(この時点では開かない)。

        3.モンティは正解のドアを把握しており、残された2つのうちから必ずハズレの方のドアを開ける(残された2つが両方ともハズレの場合はどちらかをランダムに開ける)。

        これはプレイヤーの回答に関わらず必ず行われ、これらのルールプレイヤー認識している。

        4.モンティは「今なら選択を変更して構いませんよ?」とプレイヤーに問いかける。


        モンティホール問題ってやつ、どーーーーーーーしても直感的に理解出来なかったんだけど。

        この3.を見てようやく分かった(気がする)

        司会が意図的に当たりの扉を除外しているならば、そりゃ確率は上がるわな

        そこをカットして出題するから理解出来ないって人が多いのでは?

        確率問題だって言われているけれど、確率問題としては卑怯だとしか思えないなあ…

        だって本当に確率問題ならば「司会のモンティホールがいきなり当たりの扉を開ける確率3分の1」を除去する事はできない訳だから

        一見確率問題っぽく見えるけれど実はもっと単純に心理戦なのでは

        2022-04-29

        モンティホール問題

        3億個の扉のうち、当たりの扉は一つだけ。残りの299999999個の扉は外れです。

        あなたはある扉を選択したところ、司会者のそれ以外の299999999個の扉のうち299999998個の扉を開き、それらが外れであることを示しました。

        ここで「最初選択した扉」と「残っている開けられていない扉」、どちらが当たりの扉である確率が高いでしょうか?

        2022-02-09

        モンティホールって問題が悪いだけで麻雀だったらふつうのコトだよな

        自分の待ちが握りつぶされている可能性が高いことに気づいたなら、その瞬間から待ちを変えるために動き出すべき」

        ただこれだけの話だよな。

        でもこれがドアの開け締めになるととたんに皆わからなくなるから不思議だわ

        2021-10-31

        anond:20211031101014

        はいはい。すごいですねえ。論破論破

        時給いくらなんですか???

         

        例え話に持ち出すのも恐縮するレベル違いの話だけど

        モンティホール問題の正解を知能の劣る人に説明することは私には出来ない。

         

        あと立案段階で批判するって不可能でしょ???

        なんか政府はこれをこれからやりますって、計画レベルのことを広報で知らせてくれるの?

        アホの相手をするのはこれだから…。

        2021-09-20

        anond:20210920082955

        ああごめん。モンティで変換候補出てきたからそのまま入力しちゃった。

        2021-08-01

        anond:20210731185044

        あー、ちょっとIQを誤解してるよ。「IQ が低い」のは問題だけど、「IQが高い」からと言って問題になることはないよ。そういう試験じゃないから。高IQでなんとかなったのは「モンティホール問題世界一IQババア」だけど、それ以外には「世界一IQから」何かを発見したりしてないでしょ。だから、高IQ意味はない。それが世界ーであってもだ。

        それはともかくとして、前頭葉機能的に弱い人は ADHD として社会の数パーセント存在しているけど、彼らにメチルフェニデートアンフェタミンを与えると、常人として振る舞える人がいるのね。彼らは脳の機能異常でそうなっているし、IQ も低くでちゃうので、多動性によりルールを守れずに犯罪傾向になるが、薬を使うと常人パフォーマンスになるので、ちゃんと「低IQが原因の犯罪は起こる」のは事実だよ。 別の言い方をすれば、国家が介入すれば一部の低IQ治療されて、犯罪抑止にはなるよ。

        ただし、薬物投与で IQ が上に変化するのは ADHD ぐらいで、それは IQ を下げる要素がある疾患で、学習障害アスペルガーといった方向には無意味だというのが現状だ。歳をとったり、アルコールで低 IQ になるのはかんたんだけどね。

        それで本題に戻るけど、みんなが高 IQ になれないなら「低IQ」の人は、そのIQを持ってして罪人にするのが犯罪抑止になるという主張は、現在日本国には逮捕する術がないのだから「どうにもなんない」問題だと思いますし、その「低IQ」の人たちは立派に社会参加しているから、むしろ「低IQ」を根拠つまみだして福祉に頼らせろ、っていうのであれば知性で判断される「狂気」な世界になるわけで、それこそ「知性の監獄」が生まれるじゃないですか?

        IQによる犯罪金融犯罪が多く、

        それも、多分に違うよ。一応は、高IQ の人が低IQ搾取する可能性もあるけど、現代日本において「いちどでも金融犯罪をしたら、まともに社会生活をできない」状態になってしまっているから、高IQ有意義金融犯罪をしやすいとは思えんよ。ほら、特殊詐欺加害者は「一生口座を持てない」って言われているじゃないかクレカ自己破産とは、扱いが違うのよ。それに金融犯罪をすると、海外にまともに旅行できないし、911以降は反社団体資金洗浄がうるさいから、日本詐欺すると世界中の金融ネットワークから爪弾きにされる。こんな状況下で、高IQ詐欺なんてするかね?

        2021-06-30

        anond:20210630164125

        モンティが三つのドアのうち、一つのドアを開けた先に居るのがマリリンボスサバント

        その後ドアを変更した方が確率が上がると言ったのがヤギ

        2021-05-08

        モンティホール問題婚活に応用できないか

        詳しいプロフィールをみたあとに相手を変更したら成婚率上がるとか

        2020-10-28

        パンティホール問題

        プレーヤーの前に閉じた3つのドアがあって、1つのドアの後ろには景品の新車が、

        2つのドアの後ろには、はずれを意味するヤギがいる。プレーヤー新車のドアを当てると新車がもらえる。

        プレーヤーが1つのドアを選択した後、司会のモンティが残りのドアのうちヤギがいるドアを開けてヤギを見せる。

        ここでプレーヤーは、最初に選んだドアを、残っている開けられていないドアに変更してもよいと言われる。

        ここでプレーヤーパンティを脱ぐべきだろうか?

        2020-07-29

        anond:20200729164741

        データが無いのに合理的に考えるとは一体w

        モンティホール問題みたいに、数学的な話でも直感事実がズレてたりするのに、複雑な要素が絡み合った出生率問題データもなしに合理的に考えられるとは、頭良すぎて引いちゃうわw

        2020-03-27

        これひどすぎだろ

        https://b.hatena.ne.jp/entry/s/twitter.com/Sukuitohananika/status/1242698846032953345

        https://b.hatena.ne.jp/entry/s/b.hatena.ne.jp/entry/4683371555025176066/comment/kmaebashi

        はてなユーザーって本当にロジック問題弱いんだな

        現代モンティホール問題を見てるようだ、お前ら少し恥を知った方がいいよ、理解出来ないだけならまだしもなんでアホのくせに上から目線なんだよw

        2020-01-31

        anond:20200131142228

        ■■■追記あり:判ったかもしれないンゴ■■■

        ぐえー、わからんンゴ。

        モンティホール問題とか、死刑囚パラドックスみたいな、意識を素通りしてる差や矛盾が何かあるんだろうけど掴めない。

         

        3人の場合自分Aはそれを知らないけど赤目、残り2人B、Cは青目の場合で、

        さらに3人全員は今日異世界転生してきた人だとすると問題を浮き彫りにできる気がする。

         

        異世界転生してきた当日、各人は「青が一人以上いる」という情報を手に入れる。

        さらにその日に旅人が来て「青が一人以上いる」と発言するところで、実は何か変わっているのか、気づき辛い矛盾が生まれているのか……。

         

         

        ~~~ 追記ここから ~~~

        あっ、この場合は変わってるか?

        自分Aが赤と仮定したパターンで考えると…… 

         

        旅人が来る前は、

        AはBが右のように考えていると推測する→『Aは赤や。自分Bも赤かもしれへんから、Cは「青が一人も居ない」という可能性も考えて行動するやろうな』

         

        でも旅人が来た後は、

        AはBが右のように考えていると推測する→『旅人は青が居るって言っとった。Cは「青が一人も居ない」という可能性は切り捨てて行動するやろうな』

         

        ってなるよね?

         

         

        ~~~ 再追記 ~~~

        旅人が来る前も確かに全員「一人以上青が居る」という情報は知っていた。

        しかし『全員が「一人以上青が居ることを知っている」ことを知っている』という情報は持っていなかった。

        まり旅人発言が与えた情報は、これだ。

        2019-08-31

        モンティホール問題に納得できない人が多い理由

        場合分けするだけで解けるのに何故か。

        答「なんか騙されてる気がする」。

        これだよな。状況が詐欺っぽい。後出しで変えていいとか言われて変えた方が得とかもうね。

        2019-07-29

        モンキー×パンチーの相性の良さは異常

        これがもし仮にモンティー×パンティーだったら、個人的には好きだけどルパン3世商業的大ヒットはなかったと思う

        2019-05-22

        ファーストガンダムは、いつまで前線で戦えるか問題

        ジオングに脚をつけたがる日本企業が、中国企業に後れを取る理由
        https://diamond.jp/articles/-/203027

        この記事を流し読みしてて、何となくタイトル問題が思いついた。

        ちなみに自分は、第13独立部隊ホワイトベース部隊)のほうが日本企業っぽい気がする。ブラック体質で、根本問題解決せずに運用パイロット)で問題解決したりとか。んで、ジオンベンチャーで、連邦大企業

        閑話休題

        ファーストガンダム前線で戦えるのは、完全に感覚での話になるけれど、初期の2世代目と3世代目(2.5世代?)くらいが限界な気がする。

        具体的なモビルスーツイメージは以下。

         ギリギリ通用する:ガンダムmk2メタススーパーガンダム、その他Zガンダム時代の初期のジム/ザク量産機

         境目:リックディアスマラサイ

         通用しない:Zガンダム百式サイコガンダム系、アッシマーギャプラン、その他Zガンダム時代の中期以降のモビルスーツ全般(量産機含む)

        ---

        なんか誤解されてそうなので、念のため補足。

        このタイトルの『いつまで前線で戦えるか問題』の『問題』は、『ごみ問題』みたいな注意喚起意味ではなく、『モンティホール問題』みたいな疑問の提示意味です。

        2019-03-24

        モンティホール問題みたいに

        大勢の高名な人間がヘマした事例って他にもある?

        2018-06-01

        AI論理的思考力は必要ないのでは

        AIには論理的思考力が足りないという文章を見た。

        かに現状のAIには論理的思考力はない。

        あるのは膨大な試行錯誤による経験をもとにした確率判断、いわば直感である

        AI理論をたてたりしない。そんなことよりもひたすら試行を繰り返す。そして経験をつみ記憶していく。

        理論をたてないことは欠点かと思うかもしれないがそれは人間基準での話かと思う。

        人間立方体サイコロのある目が出る確率を1/6、つまり0.16666...と理論的に考える。

        AIは実際にサイコロをふる。何万、何億、10^nと試行確率が0.16666...と実測する。

        人間理論思考力は素晴らしい。1度もサイコロを振らずに結論をだすことができる。

        一方でモンティホール問題みたいな100回も試せばわかるような問題に引っかかったりもする。

        AIには論理的思考力はないが、その分膨大な計算による経験と、それを記憶する能力があり、

        それをもとにした直感力は今や棋士を破るまでとなっている。

        論理的思考力は人間武器であり、AI武器とはならないのでは。

        2017-09-18

        ​男、その他の乳について


        乳首が左胸から去って二週間がたった。

        特別感傷を憶えることはない。


        外では台風が猛威をふるっている。

        がたがたとゆれるYKKのサッシは南国においても安寧をもたらす。


        あれはこのバカンスに入る前の、クソ煩忙な日々のある夜のことだ。

        私はクソ旧友とのクソディナーを取り付けて、クソ吉祥寺にクソ向かっていた。


        「グッド・テイストな話、聞きたくないか?」


        クソ友は頭がチンポになってしまったようで、ローションまみれになっていた。


        「ハハン。うまい話には」


        「穴(罠)がある。でも、今回のはマジだぜ?」


        「話は後。とりあえず、乾杯だ」


        杯を交わす。羊の小便と爪の垢の味がするビール

        クソ友のおいしい話はこうだった。


        ・我今革新的性的事業没頭男子集団旗揚

        ・汝性的潜在能力顕著者故我等集団参画渇望

        幹部存在発明試薬汝此試飲後絶大快楽巨大絶倫棒手中収成


        「それで、お前さんは飲んだのかい。その薬とやらを」


        酔いが回ってきた私は少しオネエ口調で訊いた。


        「当然。なんなら試していくかい?」


        すごい夜だった。

        親しき仲にも前戯あり。長い詰みより短い必至。

        チュンチュンワールドまばゆい光をもってモーテルの一室を照らしていた。


        彼は置手紙と薬を残してすでに去っていた。

        Love Will Tear Us Apart Again


        私は脱糞してから手紙で尻を拭き、1ダースの薬を飲んだ。


        彼の話だと効果はすぐには出ない。およそ半日を要すると。

        何食わぬ顔で出勤した。ゲートにIDを通して、キュートガードマンにウインク


        しかガードマンはいものプリティスマイルを返してくれず、

        怯えたハービヴォラスアニマルの目を私に向けてきた。

        それだけではない。同僚、上司、部下までもが私に奇異の目。


        なんて失礼なヤツら!

        いったい私がなにしたっていうのよ!


        少しアルコールが残っていた私はプリケツ歩きでトイレへ入った。

        鏡をみるなり叫んだ。マンマ・ミア!


        左胸から頭が生えていた。ボリオリのシャツを突き破って。

        そいつはすでに意識を手に入れ、ぎょろぎょろと周りを見渡していた。

        しかしこの顔にはデジャヴー。


        「お前ッ、小西じゃないかッ」


        「よっ、世話なるぜ」


        「はた迷惑なやつだなッ」


        小西はクソ友と私の同級生で、三年前に失踪していた。

        久々の再会に会話が弾む。同僚たちも小西の陽気さに安心したようで、

        ほっと胸をなでおろした。もっとも私の胸には小西がいるので私は小西をなでおろした。


        「それにッしてもッ、どうしたんだッ急にッ」


        「ま、思うところがあってな」


        「そうッかッ。しかしッあまりッ動くなッ」


        「お前もしかして、感じてんのか?」


        「否ッやめろッあッ」


        「ホイホイホイ! エマホイ! シスターエマホイ!」


        いみじくも昇天

        バカで陽気な小西との共同生活は楽しかった。

        小西クライアントの評判もよく、仕事も捗った。

        恋人とはファイトになったが、今では彼らもオーラセックスフレンズだ。


        タフなミーティング後の小休憩。ランチ前の屋上公園テラス

        アイスティー。25メートルからきこえるクラクションの音。人々のざわめき。

        エネマグラ未来についてのたわいない会話を交わす私たち


        突然、小西がいった。

        「おまえな、このままいくと、死ぬぞ」


        「ハハン。つまらない冗談はおよし――」


        小西真剣な顔をしていた。鳩の糞が耳に詰まったんだろうか。


        「おれは持たざる世界から来たんだ。持たざるっていうのはなにもかもだ。体も。命も。乳首も。存在のない世界から来た。そこではなにも持てないかわりに、未来過去現在も、あらゆる事象を観察することができる。おまえな、進行性の心臓病にかかっているんだよ。あと二週間後のバカンス乳首ホテルのボーイになめさせている最中、発作を起こして死ぬ


        私は小西が何を言っているのか理解できない。昨夜キヨハラゲームをやりすぎたのだろうか。


        オーケー小西。少しクールダウンしよう」


        目を伏せてそう言った。目を開けると私の体は宙に浮いていた。

        いや。正しくはビルから飛び降りていた。


        小西ッどういうことだッ」


        「人は一生のうちにしゃぶった乳首のすべてを覚えていることはできない。ちょうどおまえにとっての今日が、忘れられた乳首ひとつになる」


        激突する。石畳ブラスト加工まではっきり見えた。

        瞬間、何かあたたか幸せ感触と眩い光が私を包んだ。


        「これは――ママ? ママ乳首か? お母さん! お母さん!」


        目が醒めると私は全裸ビルの前に倒れていた。

        知っているだろうか。

        ビジネス街においては人が全裸でいても意外とみな騒がない。

        生体騒音発生装置たるマヌケヤングはここにはいいからだ。


        小西はいなくなっていた。左乳首もついでに消えていた。


        私はゲートでガードマンの服を奪い、仕事を再開した。

        無線からクソ友が話しかけてきた。


        「ヒュー。どうにかうまくやったようだな。肝が冷えた」


        「どういうことだ。小西はどこにいったんだ?」


        小西? だれだいソイツは」


        「お前も同窓だろう」


        「ああ、まったく。また間違えてんのか。小雪だろ。小西じゃない」


        そうだ、小雪だった。なぜか私はずっと小雪小西と呼んでしまうくせがあった。

        ガードマン通報されて、私はシコシコとお縄についた。


        パトカー連行されたとき、窓の外に小雪広告が張り出されているのを見た。

        小雪はいつも何かを飲んでいる。きっとそうやって私の病も飲み込んだのだ。

        私は口のなかに何かがあることに気づきポリスに出してもらう。

        それは私の左乳首だった。真っ黒な。


        グラスのアモンティヤードに浮かぶex乳首を眺めながら、

        回想にふけているうちに、台風は過ぎ去ろうとしている。


        わたしは覚えてるぞ。しゃぶった乳首のこと」


        グラスを傾ける。

        即座に吐く。乳首はとっくに腐っていた。


        私はボーイに難癖をつけて、彼の右乳首をしゃぶる。

        それはまだ未熟なピーチの味がした。

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