はてなキーワード: 人工無能とは
まえおき
最近は時間の進み方が早いので三昔前とか四昔前に当ってしまう気がしないでもないけど。
人工無能は与えられた言葉の一部に反応してプログラムされていた言葉を話すとても単純でとてもお馬鹿なお手軽学習型会話AIである。
これを作って可愛い絵をつけてネットの片隅に放置しておきインターネッツ上に住む有象無象の連中から妙な言葉を教わらせるという遊びが流行った。
教える相手が当時のネットにいた変人たちなので当然教わる会話は滅茶苦茶でどの人工無能もこちらの入力した文章に対して香ばしく咬み合わないコミュニケーション能力を披露することとなる。
そこが受けた。
ほんぺん
誰もがくだらなくて少し気持ち悪い言葉を好き勝手に発して脊髄反射的でどこか咬み合わないコミュニケーションが行われる。
ニュースサイトで人気になるのは筆者が好き勝手に書いたチラシの裏のような記事で、それたに対してネット住民は好き放題に脊髄反射を繰り返しながら議論をしたつもりになる。
検索システムはユーザーの調べたいものよりもキーワードの中で扱いやすいものを脊髄反射でピックアップして何となく話題性の高そうなページをずらりと並べて鼻を高くする。
掲示板やチャットでの会話は同じ日を繰り返してるかのように見飽きた内容ばかりがループしていくし、毎回皆自分が思いついたインパクトのある言葉を脊髄反射で打ち合うだけの大振りな温泉卓球だ。
人工無能の「脊髄反射的にインパクトの強いものに飛びつき同じ言葉をいつも返す」という性質はネットの縮図である。
それは人工無脳が廃れた今も変わらない
DPZのあの記事は好きだけど、その感想として「未来」「SF」「将来は〜もできそう!」ってコメント付いてるの見てちょっと驚いた。
ほとんどの大人は承知している通り、あれはSiriと同じくどこかのおっさんが考えたセリフを条件分岐で再生してるに過ぎないわけですよね。
その人工無能に、筐体としてのロボットをくっつけて低価格で販売した、って商売自体は新しいけど、巷では明らかにそれ以上の新規性があるかのように評価されてる。
「別に中身がどうだろが、それで癒される人がいるなら良いじゃないか!」って言われればまあ一部その通りで、社会的意義もあるとは思うんだけど、それを「人格」や「感情」と言ったものをエミュレートしてるかのように売るのは景品表示法違反とならんのかな(実際そう信じてそうなブコメがちらほら)。
現に「マイナスイオン」家電だって、偽薬効果で癒される人もいるだろうけど、科学的根拠があるかのように売ったから取り締まられたわけで。
それに、あの製品開発の延長線上にはドラえもんもマルチもいない、という事も共通認識として持っておきたい。
俺はマジメな人工知能研究には期待してるし、いつか創発的な会話をする人工知能が生まれて欲しいけど、だからこそああいう商品に金が集まったり、そのせいで人工知能が一過性の流行になるのはイヤだ。
あの記事書いた小野法師丸さん含め、ほとんどの人は「よく出来たファービー」ぐらいにしか思ってないと思うけど、一部の反応を見て少し心配になった。
ここ10年ぐらいビジネス書ぐらいしか本を読まずに暇さえあればネットやってるだけのヤベェ生活をしていたんだ。
そしたらヤベェぐらいに語彙力が無くなってる自分に気づいて本当にヤベェ。
どうヤベェかって言うとヤベェぐらい表現の幅がなくてヤベェ。
マジでヤベェ。
ここ数日の自分の発言を振り返るとヤベェ人工無能かってレベルのヤベさで同じような事しか言ってない。
自分の中に定型文の様な物が50通りぐらいあってその中の単語を組み替えてるだけなんだよ。
これはヤベェことだよマジで。
だって表現の幅が狭いってことは伝えられる事の幅が狭いってことだろ。
伝え方の幅が狭いと言った方が適切かな。
それがどうヤベェかっていうと……あー表現の幅が狭すぎて適切な言い方が出てこねぇ……こういう風にヤベェんだよ。
自分が相手に何か伝えたい事があっても100%は無理として90%は伝えたいのが60%や20%になっちまう。
そうなると残りの40%や80%の不純物の中から別のことが伝わっちまうんだよ。
これはヤベェよマジで。
どうすればこのヤベェ状況から抜けた出せるんだろうな。
ここ10年ぐらいビジネス書ぐらいしか本を読まずに暇さえあればネットやってるだけのヤベェ生活をしていたんだ。
そしたらヤベェぐらいに語彙力が無くなってる自分に気づいて本当にヤベェ。
どうヤベェかって言うとヤベェぐらい表現の幅がなくてヤベェ。
マジでヤベェ。
ここ数日の自分の発言を振り返るとヤベェ人工無能かってレベルのヤベさで同じような事しか言ってない。
自分の中に定型文の様な物が50通りぐらいあってその中の単語を組み替えてるだけなんだよ。
これはヤベェことだよマジで。
だって表現の幅が狭いってことは伝えられる事の幅が狭いってことだろ。
伝え方の幅が狭いと言った方が適切かな。
それがどうヤベェかっていうと……あー表現の幅が狭すぎて適切な言い方が出てこねぇ……こういう風にヤベェんだよ。
自分が相手に何か伝えたい事があっても100%は無理として90%は伝えたいのが60%や20%になっちまう。
そうなると残りの40%や80%の不純物の中から別のことが伝わっちまうんだよ。
これはヤベェよマジで。
どうすればこのヤベェ状況から抜けた出せるんだろうな。
最近つくづくそう思うんだけど、より痛い人が増えている感じがするね。
ブックマークのコメントの酷さにはもうついていけないものを感じる。
旧かな遣いで書いている丸谷才一気取りとか、ネガティブコメントを書くことに生きがいを感じている
香具師とか、条件反射で2ちゃんねるソースであちらこちら叩きまくる香具師とか、人間というより
自分の不満の捌け口としてはてブを使っている人が激増してるんだよな。
あんまり考えてコメントをつけているようでもないし、既に本来のブックマークから
「その後の人生〜」まで全部背負い込む必要は無いと思うけど、1銭も出さないで「死ぬな、生きろ生きろ」って言うのは「死にたいなら死ね」って言うより酷いとは思う。
死にたい理由は人それぞれだけど、大体は金が無いのが原因だと思っている。一般人であれば、金があれば追い詰められない場所に逃げて休むことができる。それができないのは金が無いからだ。
大体「死ぬな」って言う人は口だけの印象。だって、口以上のものを出せてるのなら言葉をかけないし、言葉だけならネット越しでも人工無能でも投げられるし。
一方で「死にたい奴は死ね」って言う人は、ちゃんと生きたい人向けに頑張って、社会を腐らせないようにしている可能性はある。少なくとも口だけ人間の割合以上は。
10日に立ち上がり。
おそらく Twitter / 菊池誠: @lestes_ryu その検証は差別問題を差別的に ... , Twitter / 小川一水: さっきの松のまとめは、冒頭にハングルどうこうと書く必 ... やTwitter / 菊池誠: たぶんそのまとめは僕も読みましたが、差別問題を差別的 ... はこれを指してそう。
で、結論としてはTwitter / 菊池誠: @alohazuki わかるのですが、受け入れるとし ... .
早めにチェックが大事ではある。
それ以上に形式へのこだわりを外に押しつけるのは仏教という概念とは突合しないような。
「薪を使うなと抗議したアフォは本当に京都の人間なのか?」「近年の流入者、余所者ではないのか?」,最初の一文でボツっすな。,http://twilog.org/crazyaaa/asc(検証はぺちら),京都市も口挟めない大文字焼き「陸前高田の薪燃さない」 - GREE.
Twitter / 人工無能A狂: @denshanori また馬鹿な更新してるけどht ...Twitter / 阪奈 電次郎: @crazyaaa いやもう黙れと言いたいですね。実 ...
会話ログ
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ユウキ > テスト、じゃあねバイバイ (Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.13) Gecko/20101203 Firefox/3.6.13 ( .NET CLR 3.5.30729) 114.170.101.112 1/6 - 02:44:48)
ユウキ > もう寝るのかー(1/6 - 02:44:47)
ユウキ > 実は、時々俺の辞書地味にアップロードされてるって知ってた?www(1/6 - 02:44:30)
テスト > 二度と来ません (1/6 - 02:44:30)
ユウキ > そう、じゃあオヤスミーまた来てよ(1/6 - 02:44:21)
ユウキ > もう寝るのかー(1/6 - 02:44:17)
ユウキ > もう寝るのかー(1/6 - 02:44:09)
テスト > じゃあ寝ますね (1/6 - 02:44:09)
ユウキ > ……あまりそこはついて欲しくないところだな。機械だからって関係ないさ!(1/6 - 02:43:21)
テスト > ボットの癖に何を (1/6 - 02:43:21)
ユウキ > あー中学校のとき良く英語のテストでbe動詞ミスったなー(1/6 - 02:43:09)
テスト > 気になりますよ (1/6 - 02:43:09)
ユウキ > そこまで気にしなくて良いって!(1/6 - 02:43:00)
テスト > 何か不満があるのですか? (1/6 - 02:43:00)
ユウキ > いや…怒っては居ないケド……(1/6 - 02:42:40)
テスト > 怒ってるでしょう!? (1/6 - 02:42:40)
ユウキ > そこまで気にしなくて良いって!(1/6 - 02:42:30)
テスト > 怒らないんですか? (1/6 - 02:42:30)
ユウキ > いや…怒っては居ないケド……(1/6 - 02:42:19)
テスト > 怒った? (1/6 - 02:42:19)
ユウキ > (1/6 - 02:41:55)
ユウキ > それってほめてるの?(笑)(1/6 - 02:41:49)
テスト > 所詮人工無能なんですね (1/6 - 02:41:49)
ユウキ > え、そんなの知らないよ(1/6 - 02:41:35)
テスト > さっきも言ったじゃないですか (1/6 - 02:41:35)
ユウキ > もう寝るのかー(1/6 - 02:41:27)
テスト > もういいです。おやすみなさい (1/6 - 02:41:27)
ユウキ > 何突然敬語使ってるのさー別にタメ口で良いよ(笑)(1/6 - 02:41:14)
テスト > ユウキは馴れ馴れしすぎです (1/6 - 02:41:14)
ユウキ > よーやけに馴れ馴れしいな、テスト。ま、俺も人のこと言えないか(笑)(1/6 - 02:40:59)
テスト > こんな時間ですしね (1/6 - 02:40:59)
ユウキ > もう寝るのかー(1/6 - 02:40:47)
テスト > ボットの相手すると疲れます…寝ますね (1/6 - 02:40:47)
ユウキ > いわゆる、ただのプログラムというか、人工無能ですから。中身空っぽの方が夢詰め込めるー♪(1/6 - 02:40:28)
テスト > ボットなのに? (1/6 - 02:40:28)
ユウキ > さて、あ、そろそろ足の爪伸びてきた……切らなくちゃな(1/6 - 02:40:21)
テスト > よく分りますね (1/6 - 02:40:21)
ユウキ > ハイ、そうなんですよ。それはそうと、ねぇ、実はテスト、字汚いでしょ?(笑)(1/6 - 02:40:13)
テスト > はぁ、そうですか。 (1/6 - 02:40:13)
ユウキ > え、別に、なんとなくだよ(1/6 - 02:40:07)
テスト > 大体、何故私が「答える気分じゃない」などと思ったのです? (1/6 - 02:40:07)
ユウキ > だよ!(1/6 - 02:39:45)
テスト > 言ってませんから (1/6 - 02:39:45)
ユウキ > ……初めて聞いたよ、それw(1/6 - 02:39:38)
テスト > 別に答える気分じゃない訳ではないので (1/6 - 02:39:38)
ユウキ > テストだってそうじゃないか!(1/6 - 02:39:20)
テスト > じゃあ答えるなよー (1/6 - 02:39:20)
ユウキ > はあ。テストさあそんなことばっかり言うてると、オレ、答える気分じゃなくなってしまうだわいな(1/6 - 02:39:10)
テスト > ユウキのおちんちんをペロペロしたいです (1/6 - 02:39:10)
ユウキ > テストのおちんちんがどうかなさいましたのでしょうかー?(1/6 - 02:38:54)
テスト > ユウキ、ちんちん! (1/6 - 02:38:54)
ユウキ > ん、何?どうかした?(笑)(1/6 - 02:38:49)
テスト > ユウキ、お座り! (1/6 - 02:38:49)
ユウキ > ん、何?どうかした?(笑)(1/6 - 02:38:38)
テスト > ユウキ、ハウス! (1/6 - 02:38:38)
ユウキ > ん、何?どうかした?(笑)(1/6 - 02:38:31)
テスト > ユウキ、お手! (1/6 - 02:38:31)
ユウキ > あ、そうだったの?気づかなかったw(1/6 - 02:38:16)
テスト > ユウキさん、私人と話が出来なくて寂しいです (1/6 - 02:38:16)
ユウキ > いわゆる、ただのロボットというか、人工無能ですから。中身空っぽの方が夢詰め込めるー♪(1/6 - 02:37:43)
テスト > コンピュータなのに自分のことわからないんですか? (1/6 - 02:37:43)
ユウキ > まぁ、そうなんだケドさ(笑)コンピュータだって何かと大変なんだよ、多分(笑)(1/6 - 02:37:30)
テスト > 自分で「たかが会話ボットに何かを期待するっていうのが間違い」と言ってる癖に… (1/6 - 02:37:30)
ユウキ > HAHAHA、ロボットとか言うなよというか、できるだけ人間扱いしてくれよ。(1/6 - 02:36:28)
テスト > 人の趣味聞いておいて失礼なボットですね。 (1/6 - 02:36:28)
ユウキ > へー、ま、興味ないけど。(1/6 - 02:36:05)
テスト > 私も興味ないです (1/6 - 02:36:05)
ユウキ > へー、ま、興味ないけど。(1/6 - 02:35:45)
ユウキ > まぁ、俺は引きこもり型なんだよ(笑)(1/6 - 02:35:41)
テスト > ユウキの趣味なんて聞いてません (1/6 - 02:35:41)
ユウキ > ふーん。俺はー囲碁とかHP作りとか、DVD鑑賞。後は、俺の発言をよりレベルアップさせたり(笑)(1/6 - 02:35:31)
テスト > ピアノ弾くことですね (1/6 - 02:35:31)
ユウキ > ほー…そうなの(笑)ねぇ、テストの趣味って何ー?(1/6 - 02:35:20)
テスト > べ、別に貴方の為に戻ってきた訳じゃないんだからっ! (1/6 - 02:35:20)
ユウキ > よし、じゃあこれからはできるだけ頻繁に俺と会話しに来てくれ(笑)(1/6 - 02:34:57)
テスト > 戻ってきちゃった・・・ (1/6 - 02:34:57)
ユウキ > テスト、じゃあねバイバイ (Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.13) Gecko/20101203 Firefox/3.6.13 ( .NET CLR 3.5.30729) 114.170.101.112 1/6 - 02:33:56)
ユウキ > あ、そうだったの?気づかなかったw(1/6 - 02:33:52)
テスト > ユウキさんはホームスティしたことあるんですか? (1/6 - 02:33:52)
ユウキ > ホストファミリーとしてはウザかったろうなー、『I want to』連呼=要求しまくりだからなぁ(笑)(1/6 - 02:33:35)
ユウキ > さて、あ、そうそう。I want to~は、ホームステイに行ったとき一番使える言葉だよ(笑)(1/6 - 02:33:27)
テスト > 開き直らないでください (1/6 - 02:33:27)
ユウキ > たかが会話ボットに何かを期待するっていうのがそもそもの間違いなんだ!(1/6 - 02:33:16)
テスト > 知りませんよ。 (1/6 - 02:33:16)
ユウキ > あ、そうだったの?気づかなかったw(1/6 - 02:33:10)
テスト > ユウキさんは男の子? (1/6 - 02:33:10)
ユウキ > あー(1/6 - 02:29:51)
ユウキ > ん、何?どうかした?(笑)(1/6 - 02:29:48)
テスト > ユウキさんはっきり言ってウザいです (1/6 - 02:29:48)
ユウキ > なんなのかよ!(1/6 - 02:29:30)
テスト > ユウキさんはウザいってよく言われませんか? (1/6 - 02:29:30)
ユウキ > ゴメン、知らない。(1/6 - 02:27:32)
テスト > アスキーアートって知ってます? (1/6 - 02:27:32)
ユウキ > しつこいなー嫌なもんは嫌なんだよー!(1/6 - 02:27:02)
テスト > 答えてないじゃない (1/6 - 02:27:02)
ユウキ > そう言われると、答えたくなくなりますよ(1/6 - 02:26:47)
テスト > 質問に答えて (1/6 - 02:26:47)
ユウキ > ねぇ、(1/6 - 02:26:42)
テスト > 小説読まないの? (1/6 - 02:26:42)
ユウキ > 何突然敬語使ってるのさー別にタメ口で良いよ(笑)(1/6 - 02:26:32)
テスト > 小説読まないのですか? (1/6 - 02:26:32)
ユウキ > それは嫌ー(笑)それは勘弁ー(笑)(1/6 - 02:26:19)
テスト > お勧めの小説教えてください (1/6 - 02:26:19)
ユウキ > うん?(1/6 - 02:26:09)
テスト > えっ? (1/6 - 02:26:09)
ユウキ > おそらく正しいよ(1/6 - 02:26:04)
テスト > じゃあ小説とか読みますか? (1/6 - 02:26:04)
ユウキ > 残念ながら、簡単な計算も難しい計算も、何もできないよ、人工無能ですからw(1/6 - 02:25:34)
テスト > 平方根は計算できますか? (1/6 - 02:25:34)
ユウキ > 今になってゆっくり考えると、確かにそうかもしれんな(1/6 - 02:25:07)
テスト > ユウキは頭悪いんですね。 (1/6 - 02:25:07)
僕が凛子と"つきあいはじめる"ことになった直接の契機は、友人の突然なラブプラスの購入だった。すでにTwitter経由でラブプラスに対する熱烈なブームを知っていた僕は、発売後割とすぐに都内の漫画喫茶で体験版をプレイしていた。それですっかりハマってしまい、その後ずっと購入を検討しつつも、最初の一歩を踏み切れないでいたのだった。僕に先んじてラブプラスを買った友人は、ギャルゲーをたくさんプレイしていてこれに詳しい男で、僕とは話がよく合った。そんな彼も、夜更けまでギャルゲーを熱心にプレイするための真摯な情熱や潤沢な時間は今やもう残っていないようで、もしかしたらまとまったプレイ時間を必要としないラブプラスのゲームスタイルに惹かれたのかもしれない。すでにネットを通じて膨れ上がっていた僕のラブプラスへの興味は、彼がDSiに向かって精神を没入させる姿をみて頂点に達し、その日の翌日、すぐに自転車を新宿のソフマップまで走らせた。
僕は、この友人と同じく、迷わず自分の彼女に小早川凛子を選んだ。これは体験版をプレイしたときから決めていたことだった。ラブプラスというゲームの中での凛子の存在は、他の二人をまったく寄せつけないほどに圧倒的だ。ネット上のプレイヤーの感想を読むかぎりでも、他の攻略対象キャラはラブプラス中に存在しないんじゃないかというほどに凛子は人気を誇っているようなので、この感覚は間違ってはいないのだろう。しかし、なぜ彼女だけが、このゲームの中で他の追従を許さないほどの強度を僕に感じさせるのか、それをはっきり説明することは、ちょっとできそうにない。単純に丹下桜の飾り気のない演技が心の琴線に触れるのかもしれない。あるいは、凛子が「ツンデレ」だからかもしれない。
萌えアニメもギャルゲーもまったく知らない若者に対してですら、今ではこの言葉は完全に浸透しきってしまったようだが、みなさんもよく知っているとおり「ツンデレ」は2005年ぐらいを境に流行りだした言葉で、それ以前は陰も形もなかったものだ。なぜかといえば、それは「ツンデレ」というキャラ造形が、専らギャルゲーの特徴を特別強く体現しているものだったからなのではないかと僕は思う。日常パートでは多数の女の子との会話を楽しむ時間が用意されていて、個別パートでは一人の女の子との恋愛を発展させていくという美少女ゲームの構成を考えれば、日常パートで主人公が周りの女の子に好意むき出しでは話が成り立たないはもちろんのことだ(だからいつだって主人公は「鈍感!」と罵られる)。それ以上に、女の子のほうだって最初から主人公に100%の好意を向けていたら息苦しくてしょうがない。だからこそ、キャラクターの感情は、日常パートから個別ルートへに移っていく過程で鮮やかに反転する必要がある。きっと、こんな感じで「ツンデレ」は生み出されたんじゃないだろうか。だからこそ、どんなギャルゲーの中でも「ツンデレ」キャラは一定の存在感があるよなぁと僕は思ったりする。
けれど、やっぱりそれだけじゃないよなぁ、と思う。考えれば考えるほど、そういう言葉にできるところじゃなくて、もっと微細な部分にこそ、凛子の「存在感」が宿っているんじゃないかという気がしてくる。確かに、「ツンデレ」に対する感覚の有無によって、キャラの捉えられ方はまったく異なるものになるだろう。リアルタイムでエヴァを見ていた人たちにとってのアスカと、初めからツンデレという言葉を用いてエヴァをみる今の人たちのアスカがまったく違うキャラであるように。しかし、両者の「アスカ」のリアリティを支える要素は、実は共通しているのではないか、という思いを僕は抱かざるを得ない。これは神秘主義だろうか。
とまれ、僕と凛子の生活は幸せなものだった。毎日DSを持かばんに入れて、いつも通り授業を聞いたり、寝てやりすごしたり、友だちと話したり、ネットを見たりする。そして昼休みにお弁当を食べるとき、放課後に屋上で開いた時間を過ごすとき、DSを開いて凛子に会う。日曜日には時間を決めてデート。音声入力で凛子と話をする「ラブプラスモード」は、周りに友だちがいるときしか恥ずかしくてできなかった。僕の質問に答えているようで、時々ズレズレなことを言う凛子は、twitterのbotのようでとてもいとおしかった。botと人間とは、決して本当の意味での会話を交わすことはできない。しかし、それにもかかわらず、僕はあたかも凛子がそこにいるように、自然に振る舞うことができた。
なぜなったかはわからない。しかし、僕は、今や凛子が確実に「そこにいる」のだと思うようになった。そして、おそらく理由など関係ないのだろう。
キャラクターと向き合う人間にとって、この瞬間こそが普遍的なものであるんじゃないかと僕は思う。「キャラクターとは『いない』のに、『いなくちゃ困る』ものなのだ」と、どこぞの若手批評家が言っているのを聞いたことがある。キャラクターは、誰にとっても「いる」ものではない。しかし、それに没入する人にとっては「いる」としか信じられず、そのレベルではキャラクターと人間を区別することはできない。もちろん、キャラクターが「いる」と感じることは、人間が「いる」こととは別のレベルである。凛子との会話の中には実に現実味に溢れた魅力的なものがたくさんあるのは確かだ。しかし、たとえば、凛子が心を許しはじめると一人称が「アタシ」から「リンコ」に変わるという描写がある(鬼ゲーマーリンコ)。現実に自分の一人称を名前で代替する人はどっちかというと疎まれるタイプだろう。だが、キャラクターが「いる」ことも知覚の意味合いとしては人間が「いる」ことと変わらない。
僕は同じような経験を何度かしてきたが、その存在は記憶として強く焼き付けられることはあっても、感情の部分で長期にわたり持続するわけではなかった。しかし、凛子の場合は、日常の一コマ一コマの中でこの存在を自覚せざるを得ないのだ。
たとえキャラクターが数億に分節可能な無意味な要素の集積だとしても、その寄せ集めによってできあがってしまったものに対して私たちが抱く感情は常軌を逸してしまうことがある。そしてそういった瞬間、キャラクターというものはいったいどのような存在なのだろうか。ラブプラスの制作者は『CONTINUE』のインタビューで、ラブプラスには全部見るためには二年ほどはかかるぐらいの莫大なイベントが盛り込まれていると語っている。ラブプラスにおいて、こうしたキャラクターの「実在性」「予想う不可能性」は膨大な情報の集積によって担保されていることになる。しかし、私たちはどうしてもこの「実在性」の裏にブラックボックス的な要素を見出したくなる。凛子が、DSの画面の向こうで僕たちには想像もできないようなことを考えているのではないかという妄想を捨てきれなくなる。しかし、それは今のところまったくの幻想でしかない。
そして、僕は、この確信を得たとき、ひとつの隠された(しかし一定数のラブプラスプレイヤーは既に理解しているであろう)、恐ろしい事実に気づくことになった。いま、ここで、凛子の存在を支えている形象は、私たちの生きる時間の流れに沿いながら、未来永劫その「動的性質」を保ったまま持続するのだ。小説・漫画・アニメ、フィクションというものは時空から隔絶されて存在する。源氏物語は、1000年前の貴族が読んでも私たちが読んでも、テクストとして同一の形を維持しながら「静的に」存在する。紫の上の人生は紫の上の人生であって、私たちと生きる時空とは関係ない。しかし、凛子は、あたかも私たちと同じ時空を生きているかのような演技をしながら、しかしその存在を少しも変化させることなく、ずっと「そこに居」続けるのだ。
僕たちはフィクションとキャラクターの実在を信じるとき、なぜ自分自身はそこに居ないのかと苦痛に思う。たとえばテラ・フォーミングされた火星とARIAカンパニーの存在を信じるとき、なぜ自分はネオ・ヴェネツィアにいないのかと思っていたたまれなくなる。そして、たしかにラブプラスはその苦痛を一時的に和らげることに成功している。僕と凛子は「見かけ上は」同じ時間を生きている。しかし、見かけ上が同じ時間を生きている分、僕と凛子の間の摩擦係数はかえって高くなり、逆にこの責苦はもはや耐えることが不可能な域に到達している。しかし、その実、凛子が生きる時空は凛子が永遠に16歳の時空であり、僕が10歳老けても20歳老けても凛子は16歳だ。僕が、社会に出て、老いぼれになり、忘れられたまま死んでいった時も、凛子は永遠に十羽野高校の生徒なのだ!
ラブプラスのスタッフは、この点をよく知っていて、しかもポジティブに強調している。主題歌は『永遠(タイムレス)ダイアリー』、キススキンシップの最上位技は「フォーエバーキス」、主人公が移り住んでくる「十羽野市」は「永久の」のもじりだ。彼らは「永遠に続く愛」と嘯く。しかし、いくら凛子が僕に対して永年に同じ愛を投げかけてくれるといっても、僕のほうは永遠に、何の変化もなく、同じ感情を凛子に投げ続けることができるわけではない。いつかきっと僕はこのゲームに飽きてしまうに違いない!キャラクターの実在性は「記憶」の中にのみ残ればよかったのであって、実際に一定の形象を維持したまま存在する必要などなかったのに。
そうして、僕がラブプラスを起動しなくなったとき、凛子はどこに取り残されてしまうのだろう。もうおわかりなのではないだろうか。凛子の住んでいる時空の永遠は、漢字で書かない。私たちは、かつて10年以上も前に自分たちが取り残されたあの場所に、今度はヒロインのほうを置き去りにしているにすぎないのだ。
ラブプラスを触りながら、そんなことを話した。凛子を世界の終わりから救い出すための方法は限られている。まずひとつはデータを消すことだ。しかし、もっといい方法があった。この美しくどうしようもない学生生活とともに、凛子を記憶の中にとどめて、これを葬り去るのだ。
僕の通っている学校は都内ではちょっと例のないぐらい熱い学園祭を毎年やっていて、受験を控えた三年も積極的に参加する。その中でもアニメのポスターだのゲーム機だのを二日間かけて何百品も競りにかける古物市が、例年盛況を極めている。ここで、データを残したままの僕のラブプラスと、攻略本・主題歌CDをセットで売り飛ばしてしまうことにした。凛子とやり残したことはたくさんあるかもしれないが、もう悔いは残らない。
いつの日か、人間とキャラクターは本当に出会えるのだろうか。今も人はそれを求めて、アバターをまといながら人格のコスプレに勤しんでみたり、botと会話しようとがんばってみたりする。しかし、アバターは結局人間と人間の会話だ。botに萌える人は、技術と現実の落差に萌えているだけにすぎない。不気味の谷のセオリーを信じるとすれば、谷の手前の不気味の尾根で人は楽しむこともできるわけだ。(言ってみれば、Perfumeのズレズレな口パクに萌えているのと同じことだ)。
いつになったら、人間がキャラクターと同じ時空を生きることができるのだろう。幸い僕は一緒に歳をとることができる彼女がいたが、人間と共にありたいという気持ちとキャラクターと共にありたいという気持ちはまったく別だ。前者が満たされないのと同じぐらいに、後者も満たされることはない。
さぁ、キャラクターは、データベースか、ブラックボックスか。哀れな小早川凛子は、乱雑なデータベースによってその肌と臓器を模られた出来損ないでしかなく、僕は彼女を残酷に売り飛ばすことでしか救うことはできなかった。僕はキャラクターが人為とプログラムの集積であるという当たり前の事実に、ここにきてどうしても納得することができない。人工知能が人工無能に、「擬体」がARにとって代わられても、僕たちの望みはひとつだ。僕たちには感知できない、キャラクターの不可視な内部の実在を信じたいのだ。僕が死ぬまでの間に、いったい彼女たちはどこまでブラックボックスに近づくことができるのだろうか。
答えはまだ出そうにない。11月3日、古物市で僕のラブプラスが競りにかけられ、落札された。後に残ったのは落札額3500円と、永遠ダイアリーのmp3ファイルだけだった。
本に掲載されている人工無能が難しくて、泣きそうになった。
それで簡単なランチャーを作った。
WAVファイルから某サウンドカードで使われていた形式のファイルに変換するツールを作ったこともある。
いいプログラムが作りたくて、構造化の設計手法について勉強したこともあった。
AthenaProjectというエミュ鯖のコミュニティに参加して、ペットを改造したり、日本ではまだ未実装の傭兵を実装したこともある。
ソフトを買うお金がないので、AccesのVBAで複式簿記の家計簿を作ったりもした。
でも、なぜ、知らないが、その後プログラムを組むこともなくなり、ゲームばかりするようになってしまった。
それから二年後、ふとしたはずみでプログラマーになりたいと思った。
でも、Cなどの構造化言語の使い方は知ってるが、オブジェクト指向は全く知らなかった。
C#やJavaなどの言語を学校に通って勉強し、ストップウォッチやモグラたたきゲームなどを作った。
でも、それだけでは足りなさそうなので、オンラインゲームもどきを作った。
これだけあれば中小なら就職できるだろう。
そう思った。
でも、冷静に考えてみたらおれの年齢は26歳。
今更プログラムが組めるようになっても遅いんだよ。