はてなキーワード: ふとましいとは
40代後半。
化粧なんてしたことのない高校時代(なんとか平成)からコスメが好きだったが、情報といえばTV、雑誌。
雑誌に新製品の発売日情報が載ればデパートや専門店に見に行った(まだドラッグストアはない)。
カルトQの化粧品の回に、今で言うインフルエンサーとして雑誌で顔を売り始めていた植村朗子さんが優勝した時も、
「今の問題は全部わかった!わたしが出ていたら優勝していたのに!高校生だから出られなかった」
とは言え、雑誌に掲載された情報を読み込み、製品の特徴を完璧に覚えていたから
テレビの前でクイズに正解したのは本当である。若くて記憶力が良かったのだ。
最新のファッション誌のメイク情報を読み、プロ向けの季刊誌やムック本を大切に大切に読んだ。全部覚える勢いで読んだ。
そしてカウンターへ赴き、テスターを触らせてもらってBAさんに話を聞いたり、やり方を教わったり。
大人に近づくにつれ、自由になるお金が増え憧れのフランス製ブランド化粧品を買えるようになると香りだけで製品のラインを当て、リップやネイルの色を見れば番号がわかるほどに熱中した。
予備校の向かいにあるバイト先に、プロを目指すメイクアップアーティスト養成学校生がいた。ある時、彼女に「メイクモデルになって欲しい。バイト代と交通費は出すから」と依頼される。
あれだ。
プロになる人だから、どんな顔でも美しく粧えなければならない。顔は正直関係ない。
若くて、肌が綺麗だったから誘われたのだ。そして勉強してなさそうだったからであろう。
二つ返事で承諾し、青山まで。
有名アーティストの名を冠したメイクアップスクールで、プロを目指す授業を見学し、実際に教室に入って実技のモデルになる。
その日のテーマに沿って受講生が施したメイクを講師が直す。毎回毎回、講師がいいと思うメイクに正してくれる。鏡張りの教室で、その技をじっと観察することもできる。
何より、メイクを落とす前に作品であるところの自分の顔をいくらでも研究する事ができた。
これは得難い経験であった。
その技は今でも活きている。
化粧品そのものの質が向上し、技術が古くなるかと思いきや、今でも通用する。
何なら今の若い子が初めて知って「大発見」であるかのように発信し、万単位でバズってしまうような内容である。
時代と共に古くなるメイクはあるが、技法は変わらないものもあるのだ。
ところで本題。
眉毛の話。
去年辺り、イガリシノブ氏のアイブロウブラシが絶賛されていた。
ご覧になった事があるだろうか?ぽってりと太め、大きめで毛足の短いブラシである。
これが若者に大流行、大絶賛であった。挙って欲しがり欠品が続いた。
わたしはその様を、頭の中を【?】でいっぱいにしながら眺めていた。
なんで?
確かに今の流行はぼんやり薄く真っ直ぐな眉毛。ぼかしやすいのかも知れない。
しかし、そのブラシを手に入れることは憚られた。
なんで?
それにしたって描きづらいでしょう?
なんで??
その解は思いもよらぬ所から、しかも後頭部に殴りかかってきた。
色々あって人気(割愛)の、CHICCAのブランドクリエイター 吉川康雄氏の語ったという言葉である。
吉川氏はどう見てもおじさんで、我々と同じ時代を生きた先人である。「必ずしも左右対称の眉でなくていい」などと、多くの美に迷う羊たちに救いの手を差し伸べてきたその人が言う。
毛を1本ずつ描くと言われているが、特殊技術なので素人には無理。ペンシルを細く刀で削り、本当に生えているように毛の動きを出すのがプロが行う「1本ずつ描く」ということ。素人はパウダーで軽い影と重い影を作るといい。
なんでだよ!
昔は練習して、技術を身につけてナンボだったじゃないか。出来ない奴は置いていかれるのが当たり前。
まあ、そんな人の為に細さを保てる繰り出し式のアイブロウが発売されたりしたのだけれど。
テクニックが欲しければ、自ら動いて情報を得て、試して、自分のものにする。それができる人が独占するものだったんだ。
その時気付いて愕然とした。
イガリ氏のふとましいブラシは「毛」を描く為のモノではないのだと。
今、情報はそこら中に氾濫し
得ようと思えば誰でも手に入れられる。
お金をかけなくても。
そこへいかなくても。
バズって廻ってきた同じTIPSを誰もが平等に受け取ることが出来る。
自分だけ綺麗になっては「ズルイ」のだ。
なにそれ。
全員で手を繋いでゴールする徒競走か?
ゆとりか?
少なくとも、20世紀のメイク好きコスメ好きが誌面で教えを乞うたアーティスト達は、技術は練習して身につけろ と言っていた筈だ。誌面で解説しているから、と。
それともどこかの時点で諦めたのだろうか。
ーー
それでも納得いかない。
もちろんノーメイク。
唇の上はなんともなかったけど、アゴになんていうかワサァ……って産毛が密生してて、勢いのないヒゲって感じ。
あと太ってるせいだと思うけど、なんか臭い。
私の職場にいる女の人は老いも若きもみんな化粧してるし、多少ふとましい女性はいても百貫デブなんかいないし、みんなニコニコしてるし、ヒゲ生やしてる人なんかいない。
臭い人もいない。
地元で会わなくてよかった。お盆明けに出社して職場の人に「増田ちゃんが友達と歩いてるとこ見たよ」とか言われたら恥ずかしくて死ねる。
ボロクソ言ってるけど、嫌とか嫌いとかじゃなくてフォローも外す気ないし1年以上やり取りしてていい人だってことはわかってもいるんだけど、
とにかくブスで臭いのがただただ衝撃だった。
女捨ててるって表現、目にはするけど実物に会って会話したの初めてだからびっくりした。私の人生にあんな感じの人が登場したことなかった。
人の見た目にあれこれ言えるような顔でもないけど、社会通念上メイクしたり体臭に気を使ったり電車の座席1.5人分占領しないようにデブデブ太らないようにした方がいいかなとは思ってそうしてるよ。
性格はご覧の通り悪い。衝撃を共有したいという理由で投稿するぐらいに悪い。
ごめんねフォロワー。
「……ああ、みゅーず、ね」
「……声優だから。世代も色々あるから。AKBとかE-Girlsとかと一緒にしてあげるなよ」
「アイドルをテーマにしたアニメの歌が売れて、それが今年の紅白に出たわけ」
「太い! どうしたあのふともも! どうした!」
「(画面から眼を逸らす)」
(数時間後)
「ねえ! Twitterのμ'sの感想、褒め言葉ばっかだよ! ナンデ!?」
「……ああ、そうだろうね、それは『ラブライブ!』を応援している層だね」
(2015/01/03)
「……え、何で『ラブライブ』みてんの」
「紅白でわかんなかったからさー、見ようかと思って、これ録ったのはNHKなんだけど、元々NHKの番組?」
「……紅白が出る前後にNHKが買い取っただけで、元はNHKとは関係ないんだな、これが」
「アンタ『ラブライブ!』みてたの?」
「それが見てないんだ。断片的にしか。アニメの顔も相変わらず識別できない。マジで」
「アンタ『ラブライブ!』みてたの?」
「見てないつってるだろ、アイドルものは二次元も三次元もわかんねえんだよ」
「へぇー。そう。あ、最初に流れてたアニメってこの娘たちなのね。廃校?」
「アンタ本当に『ラブライブ!』見てなかったんだね」
「だから見てないっつっただろ」
「学校ごとにアイドルがいる、スクールアイドルっていうのが存在する世界観みたいよ」
「いるわけねえだろがッ」
「だよね〜。はあー、ふーん、(ぽちっ)」
「ああ、早送りするね。まあそうだよね、俺でもそうする。ところで何で見ようと思ったの? つらくないこれ?」
「あったねえ。20年近く前だねえ。今はルフィであるところの田中真弓が大男の桐島カンナをかなり強引に演じてたりしてたねえ」
「でも私は『サクラ大戦』歌謡ショーの声優のひとたちを見てちゃんと感動出来てたのを覚えてるのよ」
「そうだよね」
「だからきっと紅白2015のμ'sに感動しているネットの人たちとかも同じ気持ちで、『ラブライブ!』がわかったら『サクラ大戦』歌謡ショーみたいに楽しめるのかなって思ったわけ」
「……あんた正しい人だよ、素晴らしいよ、むしろ俺が間違ってたよ」
「そお?」
(数分後)
「……あ、ただ終盤、止めて」
「なんで?」
「アンタ『ラブライブ!』みてたの?」
「見てない。でもこういう褒め所だけは散々言われてるから覚えてる。これおおよそ2年前の作品だけど、ほら、全身絵とアップ絵で切り替わってるでしょ」
「そうだね、なんか全身絵の方は顔が能面だね」
「この頃はまだアニメ風の3D演出を動かす技術が発展途上で、ラブライブはこの当時としてはかなり先駆的なやり方をしてた」
「ふーん(あまり聞いてない)で、紅白の録画を……ああー、こういうことだったのねー」
「そうね」
「あ、ただ、AKBとかにいてもおかしくないような子たちも結構いるね」
「ああ、そういうことになるのかな、アイドルと同じくらい声優アイドルも知らんけど」
「知らないの?」
「あー、日高のり子さんいるじゃーん」
「その世代はね、わかるよね」